
東京“かわいい“アート生活5「根津美術館」
東京の表参道から青山通りを渡って真っ直ぐ進んだ先に根津美術館はある。金地に紫色の花が鮮やかな「燕子花図屏風」(尾形光琳 作)で有名な美術館だ。だが今回の展示はそれではなく、「古筆切(こひつぎれ)展」。
古筆とは、その字のままだが昔の人が書いた「書」である。その名品を、書物や手紙から切断して小分けしたものが「古筆切」だ。この小分けされたものを掛軸にしたり、手鑑(てかがみ)という冊子にするなど、観賞用として昔から楽しまれてきたそうだ。
根津美術館へ向かう道は、左右に有名ブランド店が立ち並び、ウインドウを覗きながら歩くのも良い。ブランド物は買わないが、たまに見るのは楽しい。しかし、そんな高級そうな店にも行列ができていることには驚いた。限定品の販売開始日か何かだろうか。
若干アウェイ感を覚えつつ美術館を目指す。
この日は3連休の初日で人通りが多かった。混んでいたら嫌だなと思ったが、チケットが事前登録制のせいか、思ったほど混んではいなかった。場所柄、外国人のお客さんも多いようだ。

入り口までのアプローチが美しい
書の展覧会は何度か見たことはあったが、自分が書道を習い始めてから見る書作品は今までよりも面白い。筆運びの妙を感じ取れるようになったからだろうか。自分の腕前程度でそんなことを言うのはおこがましいが、本当に以前とは違う見え方なのだ。
筆の強弱やスピードを感じながら見ていると、自分がその文字を書いたような感覚になり、気持ちが良い。仮名文字の作品には、自分好みのかわいいものもたくさんある。

館蔵 古筆切
しかし、平安時代など1000年も前の書がこうして残っていることが不思議だ。目の前で見られることを、ありがたいと思う。これらが書かれた当初から今日までの間に、人々がその価値を重んじて、大切に伝えてきてくれたおかげだな。
美術館に行って、展示作品の鑑賞と同じくらい楽しみなのは、ミュージアムカフェでゆっくりとお茶とスイーツをいただくことだ。根津美術館のカフェは日本庭園の中にあり、お庭を眺めながらのコーヒーは格別なのだが、残念ながら混んでいて入れなかった。

庭園を少し歩いてから館内に戻り、ミュージアムショップを物色する。今回は「古筆切」の図録を買って帰る。ここに載っている書をお手本にして、いつか書いてみよう。

(左下)根津美術館蔵の古筆切図録
(右下)入館チケット
根津美術館
https://www.nezu-muse.or.jp/sp/