
”令和のヴィラン”と”引退できない平成のバットマン”
日々のストレスはどこに吐き出せば良いのだろうか。
同期がいない私は、入職時から緊張と不安で震えながら日々レントゲンを撮影していた。
慣れてきた頃から、複雑に入り組んだ職場環境に鋭いメスを入れ、様々なボケやどうでもいい世間話に徹底的にツッコみを始めた。
場の空気が悪くなるのが嫌なENFPの私は、スベりそうな上司がいると、みんながそれに気づく前に救う。
本人は私のありがたみに気付かぬまま、自分が笑いを巻き起こしたような得意げにも見える変な顔をしている。
私がいなければレントゲンを撮られる側に回るほどの事故だというのに…。
この”スーパー裏方ボケ回収&滑り未遂事件を解決するバットマンムーブ”をなんと3年もこなしたのだ。
4年後に入職してきた私の初の後輩たちは、同期の団結力を持ち、上司や先輩方にも強気で自由な”令和のヴィラン”と化していた。
先輩はもっと怖い存在だったし、同期のいない私がなんとか一人でこなしてきたような業務を、平気で同期に協力を求める…。
でも患者に迷惑をかけるよりは良いのか…。
”あれ、バットマン引退はいつ?”
憂鬱は今も続いている。
後輩は増えていくが通して皆が持っているのは、話したくない上司や先輩には無理に関わろうとはせず、自分のしたいように行動していることだ。
そんな上司や先輩は、痛快ボケが確定ヒットする私に話しかけてくる。
昼休憩だけでも一人の時間が欲しいもの。
「私は当然こちらに来る」という上司の強固なバイアスと、
「行ってあげないと」という私の染みついた忖度バイアスが、
MRI装置と磁石のように私を相席へ引き寄せる。
令和のヴィランたちは今日も自由で、
平成のバットマンは今日も引退できない。