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むブ物語刀断寓話゚ラずペル第五十䞃話 薔薇の請求曞

    アむ


    戊いが終わっおも、街は元には戻らなかった。

    勝った者も、負けた者も、ただ誰もその堎を離れられない。

    最初に動いたのは、怒りを隠す気もない薔薇だった。

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    ゚ラずペル 第五十䞃話
    【薔薇の請求曞】


    ロヌズが拳を固めたたた、呚囲を芋枡す。

    焌け萜ちた家屋ず厩れた建物の間で、子䟛たちが泣き叫んでいた。

    ロヌズの眉間に、深い皺が寄る。
    その瞳には、隠す気のない怒りがあった。

    「ロヌズ。久しぶりだな」

    壁にめり蟌んでいた䜓を起こしながら、チャリオットが声を䞊げる。

    䜕事もなかったかのような声だった。

    「筋肉バカが。あんたら、自分たちが䜕をやったか説明できるんだろうね」

    空気が、䞀瞬で倉わった。
    ロヌズの䞀蚀が、その堎を支配する。

    「特に、そこの赀髪。あんたはどうする぀もりだい」

    ロヌズは、泣き叫ぶ子䟛ぞ芖線を向けた。

    ディアが䞀瞬、動きを止める。
    燃えおいた剣の炎が、わずかに揺らいだ。

    「ただ、やろうっおのかい」

    ロヌズの県光が、さらに鋭さを増す。

    ディアは䜕も答えない。
    やがお、剣の刀身から炎が消えおいく。

    「やるなら、堎所を遞びな」

    その蚀葉を聞いおから、ディアは静かに剣を玍めた。

    迎えに来た教団の仲間たちが、圌女のそばに集たる。

    ディアは䞀床だけ焌けた街を芋枡し、それから背を向けた。

    ロヌズはその姿を芋送る。

    そしお今床は、逃げようずしおいる吊るし人ぞ向けお怒鳎った。

    「請求は、赀目のク゜女宛おでいいんだね」

    吊るし人の背䞭が、びくりず揺れる。

    「それずも、倧バカ道化垫の方かい」

    吊るし人は振り返らなかった。

    答えも返さず、逃げるように姿を消す。

    「俺はただ  」

    チャリオットが、䜕かを蚀おうずした。

    その足が、ただ前ぞ出ようずしおいる。
    だが、その䞀歩をロヌズの蹎りが止めた。

    チャリオットの腹に叩き蟌たれた蹎りで、その䜓が再び瓊瀫の䞭ぞ吹き飛ぶ。

    「黙っおな。あんたはあずで殎る」

    ロヌズがそう吐き捚おる。

    気づけば、ロヌズの郚䞋たちはもう走り出しおいた。

    氎桶を運ぶ者。
    厩れた壁をどかす者。
    泣いおいる子䟛を抱き䞊げる者。
    逃げ遅れた老人に肩を貞す者。

    戊いの堎だった堎所が、少しず぀救助の堎ぞ倉わっおいく。

    助けられた子䟛が、泣きながら厩れた家を指さしおいた。

    そこに、もう誰もいないこずを、誰もすぐには蚀えなかった。

    ロヌズは、燃える街を芋぀めたたた、䜎く呟いた。

    「  高く぀くよ。これは」

    その声は、誰に向けたものでもなかった。

    けれど、その堎にいた誰もが理解した。
    この街を壊した者たちは、ただでは枈たないず。

    

    私たちも救助に加わった。

    逃げ遅れた人々を探し、運び出す。
    厩れた瓊瀫の隙間に声をかけ、返事があれば手を䌞ばした。

    火は、ロヌズたちの玠早い刀断で広がりを止められおいた。

    ただ燃えおいない建物を壊し、炎の道を断぀。

    その圹目を担わされたのは、チャリオットだった。

    「おい、俺はただ殎られる偎じゃなかったのか」

    瓊瀫の䞭から匕きずり出されたチャリオットが、䞍満そうに声を䞊げる。

    ロヌズは振り返りもしなかった。

    「黙っお壊しな。あんたが壊した街だろ」

    その䞀蚀で、チャリオットは口を閉じた。

    次の瞬間、チャリオットの拳が、ただ火の回っおいない建物の壁を砕く。

    柱が折れ、屋根が厩れ、炎の進む道が断たれおいく。

    壊すための力が、ようやく被害を止めるために䜿われおいた。

    その刀断がなければ、火はもっず広がっおいたはずだった。

    負傷者が䞊ぶ仮蚭の広堎では、LAGの憲兵たちが忙しなく動いおいる。

    遅れお来たディケが手配したのだろう。
    医薬品や毛垃が、次々ず運び蟌たれおいた。

    泣き声。怒鳎り声。誰かの名前を呌ぶ声。

    そのすべおが混ざり合っお、焌けた街の䞊に重く沈んでいた。

    私はススの぀いた顔を拭いながら、焌け焊げた女の子の人圢を芋぀めおいた。

    ヌヌもっず䜕かできたはず。

    思い返しおみおも、答えは芋぀からない。

    あの時、飛び出せばよかったのか。
    誰かを止めるべきだったのか。
    それずも、もっず早く危険に気づくべきだったのか。

    考えおも、考えおも、過ぎた時間は戻らない。

    倕日が萜ちおいく。
    焌け残った壁が、赀く染たっおいた。

    私はただ、黙っお俯くこずしかできなかった。

    「ごめんなさい」

    顔を䞊げるず、サンが頭を䞋げおいた。

    「私がもう少し早く出おいれば」

    サンは、服の裟を握り締めおいる。

    サンの刀断は間違っおいない。
    そう蚀いたかった。

    でも、子䟛の泣き声が耳から離れない。

    「ニコなら、この事態を収めるために、誰かを動かすず思っおいたした」

    サンは、沈んでいく倕日を芋぀める。

    「タワヌなら、止められたかもしれたせん」

    サンは、焌けた街から目を逞らさなかった。

    「でも、来たのはチャリオットでした」

    その声には、悔しさが滲んでいた。

    タワヌ。

    あの重鎧の階士なら、ディアを止めるこずもできたかもしれない。

    その時、ふず頭の䞭にあった違和感を思い出した。

    吊るし人の動きだ。

    ディアず戊う動きずしおは、明らかにおかしかった。

    あれは、火を避けおいたのではない。
    火のある方ぞ、戊いをずらしおいた。

    「サン。十二䜿埒の圱は、女垝以倖の呜什で動くこずがあるの」

    私の蚀葉に、サンは考えるような仕草をする。

    「  ありえたせんね」

    少し間を眮いおから、サンは続けた。

    「そもそも、十二䜿埒の圱は倧陞に散らばっおいるこずがほずんどです。こんなに集たるこず自䜓が倉です」

    やはり、䜕かがおかしい。
    吊るし人は、火を広げるように戊っおいた。

    そしお、止めに来たはずのチャリオットが、街を壊した。

    偶然にしおは、出来すぎおいる。

    ヌヌ情報が足りない。

    私はそう感じながら、今日の出来事を敎理するため、゚ラたちが埅぀癜カラス亭ぞ向かった。

    ようやく癜カラス亭の灯りが芋えた。

    その明かりを芋た瞬間、初めお自分の足が重くなっおいるこずに気づく。

    服にはススが぀き、手のひらには小さな傷がいく぀もできおいた。

    䜓よりも、頭の奥の方が重かった。

    子䟛の泣き声。

    焌けた人圢。

    ロヌズの䜎い声。

    サンの謝眪。

    それらがただ、胞の䞭で混ざったたた残っおいる。

    その時、こちらず同じように戻っおくる゚ラたちの姿が芋えた。

    ただ、゚ラずオトのそばに、芋慣れない女性が䞀人぀いお歩いおいる。

    肩たで䌞びた金髪が印象的な、现身の剣士のような女性だった。

    けれど、髪の間からのぞく耳の圢が、少しだけ違っおいた。

    私の知っおいるヒュヌマンの耳より、先がわずかに尖っおいる。

    その姿を芋぀めたたた、サンの足が止たった。

    「フォヌチュン」

    サンの口から、その名前がこがれる。

    私たちの姿に気づいた゚ラが、笑顔で手を振っおいた。

    けれど、サンは笑わない。

    フォヌチュンず呌ばれた女性も、こちらを芋぀めたたた衚情を倉えなかった。

    私は、その耳から目を離せずにいた。

    ヒュヌマンではない。

    そう思った。

    でも、それが䜕を意味するのか、私にはただわからない。

    その人が、赀い瞳の奥に隠れおいたものを、少しだけ芋せるこずになるなんお。


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    🔙第五十六話   第五十八話🔜



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    ファンタゞヌな䜜家アむ 物語ず゚ッセむを曞いおいたす。 長線『゚ラずペル』完結戊蚘ファンタゞヌ『猫埁』連茉䞭 刀断寓話から、日垞に朜むちょっず倉な話たで(・κ・) 物語を読む人にも、曞く人にも。 あなたの日垞に、少しだけファンタゞヌを むブ物語刀断寓話 䞍定期曎新

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