メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

むブ物語刀断寓話゚ラずペル第十五話 倜の番、消えた朝

    アむ


    結局、倜番は私の提案通りになった。

    だから今、私はシヌズず二人で暖炉の前にいる。

    倖ではただ、吹雪の音が続いおいた。

    画像


    ゚ラずペル 第十五話
    【倜の番、消えた朝】


    シヌズは黙ったたた、暖炉を芋぀めおいる。
    パチン、ず薪が匟けた。

    「  」

    気たずい。

    少し離れた堎所で暪になっおいる゚ラを芋る。
    こんな状況でも呑気に寝おいられる圌女の逞しさが、少し矚たしかった。

    「あの  どうしお  」

    蚀葉がうたく出おこない。

    ——女性だず思っおいた盞手が、男性だった。
    それだけでも、ただ頭の䞭で敎理しきれおいない。

    シヌズは火を芋぀めたたた口を開く。

    「人っおさ  䞎えられた情報で刀断するだろ」

    女性ず聞き間違えそうな、やわらかい声だった。

    「その方が、郜合がいい時もあるんだ」

    ——郜合がいい

    「隙す぀もりはなかったんだ。ここに長居する぀もりもなかったし  」

    ゆっくりず話すその声は、匷くないのに蚀い返しづらかった。

    「譊戒しおるっおこずですか」

    「そうかもね。旅では䜕が起こるかわからないから」

    そう蚀いながら、シヌズはディアに芖線を向けた。

    「圌女は嫌みたいだけどね」

    小さく笑う。

    「どこに向かっおいるんですか」

    私は蚀葉を遞んで聞いた。

    「  気になる」

    ——質問を、質問で返す。

    この話し方は苊手だ。
    ゚ラみたいにわかりやすい盞手ず䞀緒にいるず、こういう感芚を忘れそうになる。

    「探し物があっおね」

    シヌズの声は、どこたでもやさしく聞こえた。

    「ごめんなさい。䜙蚈なこずを聞きたした」

    そう蚀っお、私は薪を取るために立ち䞊がった。

    その瞬間、芖界がふっず揺れた。

    ——目眩

    反射的に、私は頭を抌さえた。
    足元が少しふら぀く。

    おかしい。
    さっきたで、こんな感芚はなかった。

    「倧䞈倫」

    シヌズの声が、すぐ近くで聞こえた。

    その優しい声が、今は劙に遠く感じる。

    次第に意識が遠のいおいく。
    がやける芖界の䞭で、埮かに光るシヌズの手が私の前で揺れた。

    ——青い、光。

    眠気ずは違う䜕かが、意識の奥に沈んでくる。

    「  芋぀けた」

    その蚀葉を最埌に、私は意識を倱った。

    

    「起きお」

    オトの声だ。
    誰かに匷く揺さぶられおいる。

    「  ッ」

    頭に鈍い痛みが残っおいた。
    目を開けるず、オトが䞍安そうな顔で私を芗き蟌んでいる。

    「みんないないの」

    郚屋を芋枡す。
    い぀もなら、先に目に入るはずの堎所に゚ラがいなかった。

    ——゚ラがいない。

    そこでようやく、その事実が胞に萜ちおきお、心臓が倧きく跳ねた。

    あわおお呚囲を芋る。
    オト以倖の姿はない。

    窓の倖では雪が止み、朝日が差し蟌んでいた。

    「どういうこず」

    私は頭を抌さえながら問い返す。

    「わからないの。私も気づいたら眠っおお  目が芚めたずきには、ペルさんしかいなかったの」

    オトも混乱しおいるようだった。

    ディアたちがいた堎所を芋る。
    荷物も、倖套も消えおいる。

    そしお——

    「  ゚ラの荷物もない」

    私は立ち䞊がっお、あたりを芋枡した。

    暖炉には炭が燻っおいる。
    火が消えおから、それほど時間は経っおいない。

    昚倜、たしかにこの火の前に座っおいた。
    吹雪の音を聞きながら、ここにいれば朝たでは倧䞈倫だず、少しだけ思っおいた。

    なのに今は、その暖かさの名残ごず、䜕かが気味悪く感じた。

    宀内には争った圢跡もない。
    少なくずも、゚ラの匷さを私は知っおいる。

    抌し入りや盗賊が来たずしおも、簡単にやられるはずがない。

    なのに、いない。

    ディアたちが先に出おいっただけなら、ただわかる。
    でも、゚ラたでいない理由がわからなかった。

    次第に意識がはっきりしおくる。
    昚倜の蚘憶。
    シヌズず䞀緒に倜番をしおいたこず。
    急に襲っおきた眠気。

    そこたでは繋がる。

    ——そのあず、䜕があった

    思い出そうずした瞬間、鈍い痛みが頭の奥を走った。
    蚘憶の先だけが、そこで途切れる。

    「私たちの荷物はありたすね」

    オトは郚屋の隅に眮かれた荷物を確認しお、そう呟いた。

    「ごめんなさい。昚倜の蚘憶があたりないです」

    霧の䞭を圷埚うような感芚だった。

    「実は私も同じなの」

    オトは䞍安そうに眉を寄せる。

    「ペルさんがシヌズさんず話しおいたずころたでは芚えおいるのに、その先が曖昧で  」

    ——同じだ。

    私だけじゃない。
    あの倜、䜕かがおかしかった。

    「倖を芋たんですけど、足跡がわからなくお」
    「でも、少し倉なんです」

    オトの目線が泳ぐ。

    「この郚屋、ミニアの流れが少しおかしい気がするんです。うたく蚀えないけど  」

    私も思い出す。
    そうだ。シヌズが薪を焚べおいた。

    私は暖炉を芋枡した。
    なんの倉哲もない薪ず炭。
    でも、䜕か違和感がある。

    顔を近づけるず、甘い匂いが挂っおいた。

    ——䜕かが、䞀緒に燃やされた

    急に胞がざわ぀く。

    オトが私の隣で、驚いた衚情を浮かべ呟く。

    「この匂い  たさか、フルヌレ草」

    「フルヌレ草」

    私は思わず聞き返す。

    「フルヌレ草。別名、眠り草」

    「鎮静䜜甚があるんだけど、こんなに匂いが残るっおこずは、かなり濃い薬品みたい」

    私はオトを芋぀めた。

    口元をハンカチで抌さえたたた、オトが続ける。

    「昔ね、悪い人たちが䜿っおたのよ。お銙みたいに焚いお、盞手を眠らせおから物を盗るの」

    「私も昔、危ない目にあったの」

    「女の䞀人旅っおね、想像以䞊に怖いのよ 」

    オトが深刻な衚情を浮かべる。

    「でも、倉ね。この小屋で焚いたなら、みんな同じように眠るはずなのに  」

    確かにそうだ。
    密宀の䞭でこんなに匷い匂いがしたなら、誰かが気づくはずだ。

    ——でも。

    シヌズの蚘憶が蘇る。
    手元が光る瞬間。
    あの青い光。

    原理はわからない。
    けれど、あれがただの眠気じゃなかったこずだけは、もうわかる。

    暖炉の甘い匂いが、ただ郚屋の奥に残っおいる。

    さっきたで、ここにいたはずなのに。

    「゚ラ。どこ 」

    画像


    🔙第十四話   第十六話🔜



    ▶ ズレた二人の物語はこちら

    note創䜜倧賞2026 ファンタゞヌ小説郚門 投皿䜜

     
     
     
    ファンタゞヌな䜜家アむ 物語ず゚ッセむを曞いおいたす。 長線『゚ラずペル』完結戊蚘ファンタゞヌ『猫埁』連茉䞭 刀断寓話から、日垞に朜むちょっず倉な話たで(・κ・) 物語を読む人にも、曞く人にも。 あなたの日垞に、少しだけファンタゞヌを むブ物語刀断寓話 䞍定期曎新

    あなたぞのおすすめ