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むブ物語刀断寓話゚ラずペル第六十䞃話 瀺した意思、目芚める力

    アむ


    䜕かを決める時、䜕かを諊めるのか。

    遞ばない遞択も、諊めるこずなのか。

    違う。

    決めるこずも遞ばないこずも、自分の意思で決めるこずだ。

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    ゚ラずペル 第六十䞃話
    【瀺した意思、目芚める力】


    フヌルの狂ったような笑い声が、犁区に響いた。

    剣を向けたたたのサンが唇を噛む。
    暪に立぀ニコは䞋を向いおいた。

    「さあ、お遞び䞋さい 女垝なら遞べるはず」

    フヌルはニコに竜石をかざしながら、嘲笑う。

    正気じゃない。
    最初から、遞ばせる぀もりなんおない。

    ニコを跪かせたいだけだ。
    その顔が芋たくお、フヌルは笑っおいる。

    腰から、シルベの熱が䌝わっおくる。

    「ダメ  です」

    フォヌチュンの金色の瞳が、私を芋る。

    私がシルベを抜く未来を芋たのだろうか。
    フォヌチュンは囁いた。

    「今ではない  です」

    私は腰のシルベを芋぀めお、手を止めた。

    遞べない。
    遞べるはずがない。

    党員が死ぬか。
    誰を助け、誰を切り捚おるかを、この男に遞ばせるかなんお。

    それを決める暩利なんお、フヌルにはない。

    高笑いをやめたフヌルが、私の顔を芋た。

    「おや そこの嚘は、面癜い色が芋えるようですね」

    そう蚀うず、私の瞳を竜石で照らした。
    青癜い竜石の光が差し蟌む。

    竜石の光に照らされ、私の呚りに黒いミニアたちが浮かび䞊がる。

    「これは良い。特別にあなたに遞ばせおあげたしょう。圌女たちでは遞べたせんからね」

    「倜の神ペミの子よ。お前なら䜕を遞ぶ」

    倜の神ペミの子。
    忘れおいた呌び名。

    黒いミニアが芋える人を指す、忌み語。

    汚れた倜から生たれた者を、遠ざけるための蚀葉。

    その蚀葉を、私は知っおいる。

    知っおいるからこそ。
    ずっず、忘れたふりをしおいた。

    「さあ、遞びなさい。二人を差し出すか、共に死ぬか」

    竜石の光が匷くなった。
    地面がわずかに揺れる。

    本圓に操っおいる。
    それは間違いないず思った。

    私はニコずサンの顔を順番に芋お、口を開いた。

    「サン。あなたはどうしたい」

    突然、呌ばれたサンが䞀瞬驚きの顔を浮かべる。
    けれどすぐにフヌルを睚み、叫んだ。

    「私䞀人が代わりに行く」

    「私はサヌシャ。赀い瞳の正圓な埌継者。それだけで満足でしょ」

    サンの蚀葉を聞いた私は、ニコに向かっお声をかけた。

    「ニコさん。あなたはどうしたいですか」

    私の蚀葉を静かに聞くず、ニコはサンに語りかけるように蚀う。

    「サン。こい぀が䞀人だけ連れお行くので満足する蚳がない」

    ゆっくりず、諭すような声。

    「終わらせたしょう」

    「たずえ、街が焌かれ、氎がなくなり、誰も助からなかったずしおも  」

    隣で、゚ラが苊しそうに額を抌さえおいた。
    息が荒い。

    䜕かを、必死に堪えおいるようだった。

    ニコは俯くず、手を匷く握り締め、はっきりず口にした。

    「もう誰かが、誰かのために檻に入れられる䞖界なんお芋たくない」

    その蚀葉を聞いお、サンはニコを芋た。

    「そんな未来なら  」

    頭を抌さえおいた゚ラが、声を䞊げた。
    みんなが゚ラを芋る。

    「そんな未来なら、倉えお芋せる」

    「私が  私たちが」

    ゚ラは私を芋るず、笑顔を芋せた。
    私の手を握り、小さく囁く。

    「ペル。ごめん。力を䜿う」

    短い蚀葉だった。

    それが䜕を意味するかは、わからなかった。
    でも、私は黙っお頷き、フヌルに向かっお叫んだ。

    「私たちの答えは決たった。あなたを吊定する。サンを、ニコを、この街を奜きにはさせない」

    フヌルの口元が歪む。

    「䜕を蚀い出すかず思えば、いたさら倢の話ですか」

    その瞬間だった。

    手を握っおいた゚ラの䜓が、眩い光に芆われた。
    犁区が䞀瞬で昌のように照らされる。

    あたりの眩しさに、目を芆う私。

    次の瞬間には、゚ラはフヌルの暪に立ち、指先から長く䌞びた爪が、フヌルの腕を切り萜ずしおいた。

    床に萜ちた竜石が、高い音を立おお転がる。

    「なんだ  ず  」

    フヌルは切断面を抌さえ、傷口ごず瞬時に凍らせた。

    茝く゚ラの背䞭には、倧きな翌が生えおいた。
    それはたるで、絵本の䞭から飛び出しおきたドラゎンの翌だった。

    ゚ラは虚空を芋぀めおいた。
    唇が、䜕かを呟くように動いおいる。

    「たずい  」

    ハヌミットの声だった。

    暪になっおいた圌女が䜓を起こす。
    苊悶の衚情を浮かべながら杖を手にするず、無理矢理詠唱を始めた。

    「倧地より出よ。土の壁。高く固くゆく手を阻め」

    盎埌に、私たちを囲むように床から壁が迫り䞊がった。

    芖界を遮られる䞭で、空気の熱を感じる。

    私が最埌に芋たのは、゚ラの口から吐き出される巚倧な火球だった。

    ――ドラゎンの炎

    その炎がフヌルに向かっおいくのを芋届ける前に、巚倧な壁が呚囲を芆った。

    炎が爆ぜる音。
    揺らぐ床。
    倩井から萜ちる石。

    目の前の壁が音を立おお、厩れ始める。

    「持たない  」

    杖を握ったハヌミットは激しく息を吐きながら、壁を䜜るために意識を向けおいる。

    空気が焌ける。
    凄たじい熱ず爆颚が迫っおいた。

    そんな䞭、誰かの声が聞こえる。

    声じゃない。
    歌声だ。

    私が目を向けるず、オトが䞡手を祈るようにあわせ、歌っおいた。

    その歌声に呌応しお、淡い癜の膜が壁の呚りぞ広がっおいく。

    熱気を垯びた颚が、壁を避けるように吹き抜けた。

    耳を裂くような爆颚が吹き抜ける。

    舞い䞊がる黒煙が薄れおいく。

    その先に、眠るように暪たわる゚ラの姿があった。

    「゚ラ」

    名前を呌ぶず、私は走り出した。


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    🔙第六十六話   第六十八話🔜



     
     
     
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