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おひさまとうさんと ひまわりぼうや    ~父の日のできごと


    おひさまとうさんと ひまわりぼうや


    ぼくは、ほっかほっかの土のおふとんで生まれた。
    しましまぼうしを ちょこんとかぶった、ひまわりのあかちゃん。

    つちのなかから、ひょっこり かおをだしたら、
    とりさんが おしえてくれた。

    まだ、みどりの はっぱが、ふたつだけ。


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    「君のおとうさんは たいようだよ!」


    あさ。
    ひがしのまちから、にっこり たいようとうさんが のぼってくる。

    「おはよう!」

    たいようとうさんが ぼくをおこす。

    「ぼくも たいようとうさんみたいに、
    おおきなはなを さかせるんだ!」


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    ふたばのぼくは、しましまぼうしを ぬいで
    たいようとうさんを いちにち ずっと みていた。



    よる。

    「おやすみ ぼうや。」
    たいようとうさんは にしのやまへ しずみ、
    オレンジのカーテンをかけた。



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    まいにち、まいにち、たいようとうさんを みながら、

    ぼうやは すくすく おおきくなった。


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    ある日。

    ぽつ ぽつ。
    ぽつ ぽつ。

    「あれ? つめたいよ……。」

    ぽつぽつが ぽたぽたになり、
    ぼくの 大きくなったはっぱが ゆれた。

    「たいようとうさん……?」

    よんでも、こたえは ない。


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    まっくらな よる。
    びゅうびゅう ふく かぜ。
    ぼうやは ぐったり ねむってしまった。


    おきあがるのは、たいへんだった。



    たいようとうさんが、ひっしに あたたかい ひざしをおくってくれました。

    でも、ぼうやは ふりむかない。

    「いまは それどころじゃないんだ……!」

    うにゅ。
    グニュ。
    あれ。
    どびゃ。

    どれだけ、
    あっちをむいたり
    こっちをむいたり
    したのだろう。



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    ゆめをみた。

    たいようとうさんと ひがしのまちで、かいものをする ゆめ。

    「ぼうや、おきなさい。」

    とりさんのこえで ぼくはめをさました。




    しゃきっ!

    ぼうやは せいいっぱい からだをのばして——

    🌻 りっぱな ひまわりのはなを さかせた。

    あさ

    「おはよう!」

    僕のからだをありさんたちがのぼってくる。


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    そんな あるひ。

    がたん、ごとん。

    トラックが ひまわりのまえに とまった。

    ひまわりは トラックにのって
    ひがしのまちの おはなやさんへ むかった。


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    ぼくは、ひときわおおきなかびんに
    はいった。


    🌻 きょうは ちちのひ。 🌻

    黒と白のぼうしをかぶった にこにこの おとこのこが、ひまわりを かった。

    「いつも ありがとう!」

    おとこのこは、ひまわりを そっと おとうさんに わたした。


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    🌻

    おひさまとうさんと ひまわりぼうやのおはなしは、
    おとうさんと ぼくのおはなし。  


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    おしまい。


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    あとがき スーパーの花屋で、花をつめていたときのこと。 母の日には、子どもに五百円玉を握らせ、少し距離をおいて花屋の前で待つおとうさんがいました。 そんな平成のおとうさんたち。そして、もっと不器用だった昭和のおとうさんたち。 そんな、おとうさんに言えなかった「ありがとう」をこめて作ったお話です。 コロナ禍のなかで生まれました。 下手な自作の絵のものもありますが、こちらはAI作画。作画によって、お話の雰囲気が変わることに、驚いています。
     
     
    種が水を吸い、見えないところでふくらみ、やがて花を咲かせるように。 こころの奥にそっと残る物語を書けたらと思います。 子どもにも、大人にも。いつか宝物になるようなおはなしを。 読んだあと、すこしだけ呼吸がやわらぐように。

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