アートギャラリーの女というブランド ❶
映像作品の中で、「アートギャラリーの女」は何を意味するのか
『プラダを着た悪魔2』の話題が聞こえてくる。
『Emily in Paris(パリのエミリー)』も、
次のシーズン6で終わりを迎えるらしい。
映画やドラマには、華々しく働く女たちが
出てくる。
ファッション誌の編集部。
パリの広告会社。
パーティ、シャンパン、ヒール。
よく手入れされた髪。
そして、そうした物語の主人公の親友には、
なぜかアートギャラリーの女がいる。

『セックス・アンド・ザ・シティ』のシャーロット。
『プラダを着た悪魔』のリリー。
『Emily in Paris』のカミーユ。
『私がクマにキレた理由』に出てくる、上流階級の奥様はガゴシアン・ギャラリーの元マネージャーだった。
『ノクターナル・アニマルズ』の主人公に至っては、現代アートギャラリーのオーナーである。
彼女たちは、みな「現代アートギャラリーの女」だ。
そして私も、人生の二十年近くを、
現代アートギャラリーに勤務して過ごした。
だから、映画やドラマに出てくる「アートギャラリーの女」を見ると、いつも思う。
ああ、またこの【記号】を使うのか。
また、アートギャラリーの女が
良い【記号】になっている。
ここで私が「現代アートギャラリーの女」
と区切るのは、アート業界すべての
職種には当てはまらないからだ。
キュレーターでも、美術館職員でも、
研究者でも持ち得ない特権を、
私たちアートギャラリーの人間だけが
持っている。
そのことについて書きたい。
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