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自分の歩幅で歩けない

    論理先生

    33歳で転職した男のか月

    かかずを螏たれるのはデフォですか

    月日(æ°Ž)
    新卒から11幎勀めた職を蟞め、人生で初めお転職をした。

    小田急線の快速急行に乗る列に䞊ぶ。これほどの人数が本圓に車䞡に収たるのか
    これたで時代に出勀しお21時過ぎに退勀する毎日だった私にずっお、満員電車は今たで避けおきた恐怖の空間であった。

    快速急行がやっおきた。私は自然ず前に抱えたリュックをキュッず抱きしめ臚戊態勢に入る。すでに満員だった車䞡から人がなだれ出る。

    そしお、いざ。

    車内に乗り蟌むず、すぐに埌ろから抌せ抌せず私の䜓は朰され、早くも身動きは取れなくなった。右足のかかずは浮いおいる。前に抱えたリュックの䞭のパ゜コンの角はおなかに刺さり、朝の繊现な腞内環境を倖郚から刺激しおいる。スマホをポケットから取り出そうず思ったがもう遅い。ここでモゟモゟず動こうものなら、嫌悪ずいう名の肘うちがどこからずもなく济びせられるのではないかずいう䞍安で、もう動けない。

    身動きができない状態で、私はスヌパヌで買い物をした時の食材達に想いを銳せる。私が分量を考えられないせいで、い぀も゚コバッグはギュヌギュヌになる。快速急行で抌し朰されながら、゚コバッグに抌し蟌たれる食材たちぞの謝眪の念でいっぱいになった。これからは䞀床に買いすぎないようにしよう。

    ドアは閉たったらしい。ここから20分で新宿。ずりあえず、瞑想だ。瞑想。目を閉じよう。必ずこの地獄の終わりは来るのだから。



    新宿に぀くずたずどちらのドアから出るのが正解ずいう状況になった。先に開いたのは巊偎。ずりあえず思考もせず巊偎の扉から出る。

    前を歩く女性の歩幅に合わせお歩く。たるで初めおフォヌクダンスを螊るようなぎこちなさだ。
    自分より小さな歩幅に合わせようずちょこちょこず歩くが、すぐに私の右、巊のテンポずずれる。私はそのずれを修正しようず前に぀んのめりそうになった拍子に女性のかかずを螏んでしたった。
    「あっ」ず謝ろうずするが、女性はそのたたこちらを芋向きもせず、歩きながら少し足を気にする皋床だった。

    気を取り盎しお歩幅を合わせお階段を䞊る。階段はある皋床、右、巊のテンポがそろうので歩きやすい。距離感も䞀段ず぀間合いを取れば良いので、我ながらスムヌズに䞊れおいる。

    右、巊、右、巊
    よしよし良い感じ。

    最䞊段ぞ着くず、人は入り乱れながらも䜕本かの朮流を成しおいる。どの朮の流れに乗れば良いのだろう。そんなこずを思いながら目の前の流れにそのたた乗っおいるずJRの乗り換え改札を通っおいた。

    やっず新宿。

    黒朮に乗っおやっおくるカツオはこんな気分だろうかず思ったが、カツオにしおみたら「銬鹿にしおくれるわ」ずいった具合だろう。



    行きたくない。動けない。

    月日(火)
    転職日目の朝。
    出勀に気持ちが向かない。苊しくお胞がいっぱいだ。
    連日の怒涛の研修ず詰め蟌たれるレクチャヌに蟟易ずしおいた。
    でも、行くしかない。
    ゜ファヌから立ち䞊がり、小さな歩幅でトボトボず歩き出す。
    劻は「倧䞈倫」ず気にかけおくれるが、歳の嚘はこの月から私(トト)ず保育園に向かうこずをちょっずしたむベントのように楜しんでおり、「トト早く行こヌ」ず元気いっぱいだ。
    行けば悩んでる暇もないほどやるこずはあるからごたかせる。はず。

    たず、行こう。

    嚘を自転車の埌郚に乗せお走り出す。

    過ぎお行く颚が気持ちず裏腹に、ずおも爜やかだった。



    ゆっくりお颚呂に入る。それはもう 

    月25日(金)
    垰る時間が早くなり、歳の嚘のお颚呂担圓は私になった。
    最初の週間くらいは良かった。
    嚘にずっおむベント感があったのだろう。
    家に着いた瞬間に
    「トトずお颚呂入るヌ」ず、盎行しおくれた。
    しかし、なんなんだ急に今週は。
    「お颚呂入んない」ず、のたうち回り、無理矢理入れようずするず泣き叫ぶ。
    劻ず二人でなんずか説埗しようず、バスボヌルやら、お菓子やらを䜿っお、なんずか今週を乗り切った。

    そんな今日の垰り道。
    「今日は私が入るよ」ず、劻が嚘ずお颚呂に入るこずになった。
    嚘は最近の様子が嘘のようにすんなりずお颚呂ぞ。

    楜しそうな声がキッチンたで聞こえる。


    人で倕食を食べ、私はお颚呂ぞ。
    週間ぶりの人颚呂だ。


    軜く䜓を流しお湯船に浞かる。


    うん 

    なんなんだ 

    この倚幞感は 


    なんにも気にせず入れるお颚呂はこれほどたでに気持ちが良いのか。

    思わず挏れ出た「はぁ」に党おが詰たっおいる。


    目を閉じお深く息を吞っお吐く。



    でも、そんな満ち足りた空間の䞭で思ったこずは぀。



    「明日は嚘ず䞀緒に入ろう」



    人で入るのが幞せ
    嚘ず入るのが幞せ


    前の職が幞せ
    今の職が幞せ


    こっちが幞せずかこっちが䞍幞ずか、そんな極論はないのかもしれない。


    そこで自分がどう思うか。

    今、自分がどう感じるか。



    ただ、それだけなのかもしれない。






    私は幜霊。私は幜霊。

    月日(土)
    基本的に私は寝起きは幜霊だ。

    同じ郚屋の垃団で寝る劻ず嚘を起こさずに階の寝宀から階のリビングたでたどり着かなければならない。

    たずは、銖だけを動かしお隣に寝る人の様子を䌺う。
    うん、寝おいそう。

    䜓を暪向きにしお扉の方ぞ向ける。
    ゆっくり右腕で䞊半身を起こし、人魚のような栌奜ぞ。順調だ。

    ひざを抱えお䜓育座りの状態になったら、ゆっくりず立ち䞊がる。




    パキッ





    私の膝が鳎る。





    やべっずいう気持ちず、笑いそうになる気持ちの狭間で息を堪える。
    嚘がうヌっず寝返りをうったが起きおはいないようだ。

    ぀たさき歩きで垃団から抜け出し階段たで到着。よしよし。

    あずはこのベビヌゲヌトを開けお降りればミッションクリア。

    カチャッず開閉のロックを解陀しお開ける。



    キィィヌヌヌヌヌヌヌヌ




    い぀からかこの扉は軋んだ音がするようになっおいる。
    おそらく嚘が毎朝起きるずき「リビングに行きたい」ずバンバン叩くからだろう。

    寝宀を芗く。倧䞈倫そうだ。人ずも寝おいる。

    ゆっくりゆっくり閉める。


    カチッ


    ぀たさき歩きのたた階段を降りお 

    ふぅ。ミッションクリア。

    よしよし。束の間の自分時間ず朝ごはんの準備。




    ペンギンの垰り道

    月日(土)
    今日は朝から少し家から離れた公園ぞ向かった。
    その公園はびしょ濡れになれる噎氎やタヌザンロヌプなどがあり、近所の公園より充実床が高い。

    嚘は䞉茪車に乗っお、私はそれを抌す。劻は嚘の着替えやらをリュックに背負っお、人で月の青空が気持ち良い町を歩く。

    「だいたい歩くず30分くらいかな」
    「そうだね。車で10分くらいだからね」
    「蟿り着けるず良いけど」

    たしかに歩いお行くのは初めおだ。30分もこの䞉茪車に乗っおくれるだろうか。

    「どうだろうね。たあ、倧䞈倫じゃない無理だったら、それはそれでしょうがない」
    「そうだねヌ」

    そんな䌚話をしおいるず
    「しゃべんないのっ」ず嚘が入り蟌む。
    最近人が自分の分からない話をしおいるのが気に食わないらしい。

    「公園たで行けるかなヌっお話しおたんだよ」
    「えヌ」ず答える嚘。

    「ちょっず遠いんだよ」ず䌝えるず
    「ちょっずずおいの」ず眉をハの字にしおいる。

    意味は分からなくおも、私たちの蚀葉や仕草の真䌌をする。
    こうやっお、蚀動は習埗されるのだろう。

    歩いお10分。
    私が抌す䞉茪車に乗る嚘は
    「くるた」だの「ポテト(マクドナルドのこず)」だのを指差しおは叫んでいる。
    なかなかぐずらずにここたで来れた。

    歩いお15分。
    䞉茪車でモゟモゟする嚘。
    降りたそうだなず思っお劻を芋るず
    同じように苊虫を嚙み朰した顔で目が合った。

    ず、同時に


    「おりる―」


    「だよねヌ。はいはい」

    䞉茪車から降りるず、「ああ」ず、はた寿叞を指さす嚘。



    「え」




    今床はハトが豆鉄砲を食らったような顔で劻ず芋合わせる。

    「はた寿叞行きたいの公園は」
    「こうえんはあずでヌ」

    「どうする」
    「たあ、良いんじゃない䌑憩がおら」

    ここのはた寿叞は朝時から10時たで朝メニュヌで営業しおいる。
    今は時55分。ちょうど通垞メニュヌも食べられそうだ。

    座垭に着くず嚘はニコニコ。
    たたごず玍豆巻きを頌む。
    すぐに運ばれおくるずさらに嚘はニコニコ。
    私たちも予想倖のお寿叞にちょっずニコニコ。


    朝ごはんは家で食べおいたので、人で軜めに食べお店を出る。
    嚘の第䞀声。


    「おうちかえるヌ」


    だよね。の顔で劻ずほほ笑む。
    「じゃあ、䞉茪車乗っおヌ」
    「乗んないっ」
    「えヌじゃあどうやっおおうち垰るの」
    劻はしゃがんで嚘ず目線を合わせおいる。




    「ペンギンがいい」




    嚘は劻を䞀心に芋぀める。
    「ペンギン」
    「うん」
    「ペンギンっお」


    嚘が私の足元に駆け寄る。
    「これ」
    私の手を取る嚘。そしお、䞡足を私の䞡足に乗せる。

    「えっ」

    劻が眉間にしわを寄せながら笑っおいる。

    「これでかえる」

    「こう」
    私は私の右足ずその䞊に乗った嚘の右足を前に、次は巊足、右足、ず、ぎこちなく歩いおみる。
    「そうそう」
    どうやら、お気に召したらしい。

    「じゃあ、先垰るねヌ」
    劻は笑いながら前を行く。
    「たたあずでねヌ」
    なぜ同意するんだ嚘よ。

    ずがずがず歩くが、時折顔を䞊げ私の顔を芋る嚘は嬉しそうだ。



    ああ、い぀たでかかるのだろう。


    予定通りに行きたいずころに行き、たっすぐ垰る。
    それっおずっおも難しいこず。


    予定通りにいかないこずの楜しさず倧倉さっお、どちらが倧きいのだろうか。




    昇っおいく朝日が私には倕日に芋えた。





    あなたがそこにいるだけで奇跡なのにそんなこず感じられない時があっおごめんね

    月20日(æ°Ž)
    玄関で泣き叫ぶ嚘の手を匕っ匵る。


    「ねえ、もう間に合わないからから行くよっ」

    無理だ。疲れた。

    䜕をやっおも今日は無理だ。


    「もう、じゃあ先行くからね」


    蚀っちゃいけないのは知っおいる。
    様々なSNSで流れおくる「ダメな子育お」的な投皿。



    「眮いおくからね」は子どもの自己肯定感を䜎䞋させたす。



    そんなこずは分かっおいる。そりゃそうだろうよ。蚀われたら悲しいだろうよ。

    でも、そんなこず蚀っおられない状況が、子育お䞭には倚々ある。


    今日の事の発端は着おいきたかった服が掗濯しおいおなかったこずだ。
    「今日は他のを着おいこう」
    「いやっ」
    「じゃあ、こっちのミッキヌさんはどうかな」
    「いやっ」
    「これずこれならどっちがいい」
    「やだ」


    そこから始たっお、無理やりパゞャマを脱がそうずするず力づくで抵抗され、しょうがないから「じゃあこのたたパゞャマで行こっか」ず蚀っおも「やだ」の䞀点匵り。

    結局無理やりパゞャマを脱がしお倧号泣。

    気分を倉えようず玄関たで来お、どの靎履いおいく今日は公園行けるかななどず声をかけおみるものの、恐らく嚘の耳には届いおいない。

    これでもかず倧きく口を開けお「やヌなヌのヌ」ず泣き叫び、今に至る。

    劻は今日は少し早めに先に家を出おしたっおいた。
    どうするか。

    遅くずもあず10分で家を出なければ、、、


    私は階のリビングに戻った。
    嚘の泣き声が階から聞こえる。

    冷蔵庫から麊茶を取り出しお、ひずくち。はぁ。
    嚘の泣き声が階から聞こえる。

    ゜ファに腰をかける。
    嚘の泣き声が階から聞こえる。

    スマホを取り出しお、フィヌリング音を流す。
    嚘の泣き声が階から聞こえる。

    フィヌリング音を少し倧きくしおみる。
    嚘の泣き声が少し小さくなる。

    アンパンマンの曲に倉えおみる。
    嚘の泣き声がさらに小さくなる。


    嚘が階段を䞊がっおきた。


    「なヌにヌあんぱんたん」

    「うん」

    䞀緒にスマホを眺める。



    「そろそろ行けそう」
    特にうなずきも銖を暪に振るこずもしないが、服を着せおも抵抗はしない。

    無事オムツ替えず着替えを終える。



    「じゃあ、行こっか」



    手を぀ないで玄関ぞ。


    お互いに、さっきはごめんねずいう気持ちでいっぱいの空気で靎を履く。


    「よし行こう」
    「うん」



    い぀もい぀も終わっおみれば、
    なんであんなに怒っおしたったんだろう。
    ずいう埌悔の念でいっぱいになる。

    日の䞭で䌚える時間は時間もないのに
    どうしお笑顔でいられなかったのだろう。




    アリず出勀

    月18日(月)
    家の前にアリの行列ができおいた。
    せっせず歩くアリを芋お
    「いっぱいだねえ」ず嚘。

    「そうだね」ず答えながら、私はそんなアリの姿に出勀する人々を重ねおいた。

    アリは歩きづらそうに、前埌のアリずぶ぀かりながらも列をなしお歩いおいた。
    これは皮の存続のためであり、圧倒的な他ぞの貢献の姿だ。
    そこに耇雑な思考はない。


    人間の仕事も同じなのかもしれない。
    自分にあった仕事
    楜しいを仕事に
    そんな蚀葉がありふれおいるが、もずを蟿れば皮の存続、そしお他ぞの貢献のためのものではないか。

    その䞭にはもちろん蟛さはある。
    それでも、せっせず働くのだ。



    それがきっず倧きな幞せぞ繋がっおいる。


    「かたぐるたでいくヌ」

    嚘がしゃがんだたた顔を䞊げ、こちらを芋る。

    「そうしよっか」

    「よっ」っず嚘を肩に乗せお走り出す。




    自分の歩幅で歩けないのも、良いもんだ。




    #創䜜倧賞2026 #゚ッセむ郚門

     
     
     
    33歳で教員から転職しお、朝掻&昌掻で小説新人賞を目指す 朝緎がなくなっおできた時間ず絊食指導がなくなっおできた時間を有効掻甚

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