
宗谷丘陵に還る天北の軌跡 あとがき

あとがき
三ヶ月にわたり連載させていただきました。この間多くの方々に読んでいただきましたことを深く感謝いたします。またたくさんの温かな応援もいただき、大きな励みとなりました。ありがとうございました。
もう数十年前の話にはなりますが、宗谷丘陵に延びていた一本の鉄路は、その役目を終え、静かに姿を消しました。それと同じくして、天北線とともに歩んできた人々の人間模様もまた、消えていってしまうのではないか。そのような思いから、この物語を書き始めました。
物語の中で描いた出来事や人物は架空のものですが、その背景にある時代の空気や、土地に刻まれた痕跡については、可能な限り資料をあたり想像を重ねながら書きました。とりわけ、開拓や鉄道敷設の過程で失われていった多くの無名の人々や、多大な苦難に耐えてきたアイヌの人々の存在は、忘れてはならないものだと感じています。天北トンネルに関してはお気づきの方もいらっしゃったかと思いますが、石北本線の常紋トンネルをモデルにしています。
誰かの人生の終わりと、ひとつの鉄道の終わり。何事もなかったかのようにそれは消えていってしまうのでしょう。でも、この人たちのことを忘れないで欲しい。ここにはこういう人生が、歴史があったということを、忘れないでいて欲しい。
この物語が、読んでくださった方の中に、ほんのわずかでも何かを残すことができたなら、これに勝る喜びはありません。
改めて、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
Miura
※最初から読む方は第1話からどうぞ
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