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つよい光

    アルロン

    懐かしむ時に笑っていてくれとつよい光が暗闇照らす

    アルロン(1990~)

    「青春時代を謳歌する」なんて言葉があるが、どれくらいの人がそう思える過ごし方をしてきたのだろう。
    普通に学校へ行き、普通に友達と遊び、普通に恋人ができてと、そんな「普通」が案外よかったりするものだ。

    かく言う僕は、まぁ良くも悪くも普通に過ごしていたと思う。
    普通に学校へ行き、普通に友達と遊び、刹那の中の一瞬だけ恋人っぽいような人がいなくもなくなくなかった。

    ただ、普通ではなかった点を挙げるとしたら―


    中学2年のとき、僕は不登校になった。
    朝、学校へ行く時間になると腹痛を引き起こす。もちろん朝食を食べ過ぎたせいではなく、精神的なものだ。同じクラスの同級生にいじめられていたことが原因だと、当時の自分でも理解していた。

    学校に、行きたくない。

    しかしながら、それをあっさり認める母ではない。嫌がる僕を強引に車に乗せ、校門の前まで送ったこともあった。それでも、後部座席のドアを開けることが、僕にはできなかった。朝のホームルーム開始を告げるチャイムが、僕と母以外だれもいない校門に鳴り響いていた。

    学校に行けなかったことが1週間ほど続いたと思う。正直、その時期のことはほとんど覚えてない。ただただ辛かったという痛みだけが、記憶の片隅に残っている。


    僕を救ったのは、母ではない。
    父でもなく、きょうだいでもなく、友達でも、先生でもない。

    僕を救ったのは、KinKi Kidsだった。

    当時は、「永遠のBLOODS」という曲がリリースされた頃だった。コカ・コーラのCMソングにもなっていたので、聞き覚えのある人もいるだろう。

    (↑二人とも若い…!)


    「音楽が自分を救ってくれた」的なことをいろんな人が言っているように、僕の場合もまさにそれだ。

    言葉にすると安っぽくなるが、この曲が僕に勇気をくれたのだ。不安と絶望で真っ暗な視界を照らしてくれたのだ。二人が放つ【つよい光】で。

    だからだろうか、この曲を聴くと涙が頬を伝うことがある。


    不登校のその後、劇的に人生が変わったなんてことはない。それでも、普通に学校へ行き、普通に友達と遊び、(恋人はできなかったが、)トータルで人並みの生活は送れていたと思う。辛い思い出に変わりはないが、多少なり立ち直ることができてよかった。
    そして、僕にとってKinKi Kidsは、かけがえのない存在となった。20年経った今も、このことに変わりはない。




    「永遠のBLOODS」のCDを流し、歌詞を改めて読んでみた。最後のフレーズは、当時の僕に語りかけてくれていた言葉かもしれない。

    やがて季節変わって もう一度この場所に立って
    懐かしむ時には君に笑っていて欲しい

    KinKi Kids「永遠のBLOODS」

    20年前の僕へ。
    当時を懐かしんでいる僕は今、笑えているよ。


     
     
     
    物書き(エッセイや小説)。kindle『不憫男子〜フビダン〜』発売中。商業作家を目指して修行中。 |note創作大賞2025 エッセイ部門 中間選考通過、2年連続ベストレビュアー賞受賞|ポケモンとDOMOTOと特撮とコナンが好き|不憫男子|Amazonアソシエイト参加中

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