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Photo byringo_design

言い間違いファミリー

    アルロン

    僕の母は、とかく言い間違いが多い。

    以前にも書いたが、「昆布と鰹」と言おうとして「カンブとコツオ」と言ったり、「玄関の電気消して」と言おうとして「デンカンのゲンキ消して」と言ったり、枚挙にいとまがない。三宅裕司の妻に勝るとも劣らないド天然である。

    直近では、インスタントラーメンのZUBAAAN(ズバーン)を食べて、
    「初めて食べたけど、美味しいね!バズーン」
    と。

    そういえば、亡くなった母方のばあちゃんも、けっこう言い間違いをする人だった。
    「ポケモン」を「ボケモン」、逆に「ボンカレー」を「ポンカレー」など。これはこれでなんかおいしそう、ポンカレー。

    母にしろ祖母にしろ、どちらも文字入れ替わり系の言い間違いが顕著である。さすが親子。


    ところで、父はというと、そういった類の過ちは滅多にしない。漁村育ち特有の荒っぽい話し方ではあるが、言っていることは理路整然としている。割と頭の良い人なのだと思う。

    そんな父が、先日めずらしく言い間違いをしたので、紹介したい。本人は、息子が今これを嬉々として書いているなどと露にも思わず、寒空の下で働いているのだろう。お疲れ様です。

    言い間違えるまでの流れを忘れてしまったが、お笑いコンビ・くりぃむしちゅーの旧コンビ名について話していたときのことだった。ちなみに、正解は「海砂利水魚」。関係があるのかどうかは知らないが、落語の寿限無にも出てくるアレだ。

    その「海砂利水魚」を父は、
    「あのよぉ、くりぃむしちゅーの前のコンビ名って、水砂利海魚だったか?」
    と。

    あのね。お母さんと同じような言い間違いをしないでほしいのだけど。夫婦とは、かくも似るものなのか。

    やれやれ、とんだ両親だ。そんな親を持つ子は大変なんだよ。こうしてネタにさせてもらっているから良いものの、基本的に恥ずかしい。もっとしっかりしてくれたまえ。


    話は変わるが、父は時折ほっともっとで弁当を買って食べる。父の好きなメニューは「肉野菜炒め弁当」だ。僕も好きなやつ。

    とある休日、父が朝から外出し、昼を過ぎても戻ってこなかったときがあった。昼食の心配をする母に対し、僕はこう言った。

    「どうせまたほっともっとで買ってくるんでしょ、肉ヤサメイタイ弁当」
    と。

    ああ、そうだった。僕はこの二人の子だった。
    「ヤサメ」はまだわかる。なんかそういう川魚いそうだし。
    問題は後半。なんだよ「イタイ」って。弁当が痛いとはどういう状況だ。「痛車」という言葉があるように、キャラクターの絵を施した「痛弁」なるものがあるのだろうか。それはもはや「キャラ弁」である。くそ、なんだよ「イタイ」って。

    自分の体を流れる血に、これほど落胆したことはない。

     
     
     
    物書き(エッセイや小説)。kindle『不憫男子〜フビダン〜』発売中。商業作家を目指して修行中。 |note創作大賞2025 エッセイ部門 中間選考通過、2年連続ベストレビュアー賞受賞|ポケモンとDOMOTOと特撮とコナンが好き|不憫男子|Amazonアソシエイト参加中

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