
【ショートショート】土星の輪を指に⌇うたの輪
神様には、最近お気に入りがある。
土星の輪だ。
ある日、土星を眺めながら思った。
「これ、指輪にしたら綺麗じゃない?」
気まぐれだった。
神様は、土星の輪をつまんだ。
くるり。
輪は、土星から外れた。
小さく、小さくなって。
神様の指に、すっぽり収まった。
「わ、ぴったり」
神様は嬉しそうに指をひらひらさせた。
その頃。
「輪がない!」
宇宙中の天文学者が、大騒ぎして、
土星を観測した。
結局、誰にも原因は分からなかった。
その夜。
神様は、土星を眺めながら首を傾げた。
「……やっぱり、輪っかがないと寂しい
かな」
そして、指輪を外そうとした。
けれど。
「あれ?」
指から、抜けない。
困った顔で、土星を見た。
「……どうしよう」
土星は、静かに回っている。
でも、心の中で思った。
「ちゃんと、もどせい」

お題に参加させていただきました。
水守わをんさん、ありがとうございます。
「土星にちゃんと戻せい」
というダジャレでした(笑)