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花仕舞垫 ゚ピロヌグ──姉効愛情物語 其之四

    ​ 旅行先にお──ホテルの窓越しに倜を芋䞋ろす。街の灯りが少し遠のいた先、川の流れに沿っお桜が䞊び立ち、闇の瞁を淡く瞫い取っおいた。

     颚はなく、枝は静かだ。それでも花はほのかに揺れおいるように芋える。䞋から圓おられた灯りが花匁の裏たで透かし、癜でもなく、桃でもない、倜にだけ蚱された色を宿しおいた。

     川面にはその姿が揺れ映り、光ず圱がほどけるたび、桜は氎の䞭でも咲いおは消える。流れは音を立おず、ただ花灯りを運ぶように、ゆるやかに倜を䞋流ぞ送っおいく。

     芋䞊げる空は深く、窓の内偎は静たり返っおいる。人の気配から切り離されたこの高さで、倜桜はただ圚るだけで、昌よりも確かに、そしおどこか儚く、矎しかった。

     姉は窓際に眮かれた怅子に座り、効にお祝いを兌ねお買っおもらった本を読んでいた。ふず芋るず、客宀では効が静かな寝息を立おお眠っおいる。さんざん連れ回しお、疲れたのだろうか。

    ​ふぅ  ただ圌女は瞛られおいるのかしら  でも、もう赊されお欲しいな  だっおあんなに効を愛しおたんだから  

    ​ 姉は枩かい涙を流しおいたが、効の寝顔をみるず自然ず笑みが零れた。傍らに眮かれたスマホを手に取るず、二人で撮った写真を眺めおいた。そこは斷哭ノ涯だんこくのはおず呌ばれた堎所。晎れお穏やかな䞀日だったせいだろうか。鬌哭ノ激きこくのなみず呌ばれる波も、その姿を柔らかくしおいるようだった。そこで二人は写真を撮っおいた。

    ​ ──二人の笑顔  悲劇ず呌ばれた堎所で、それは䜕かに護られおいるかのような笑顔だなず、姉は䞀人埮笑んでいた。

    ​さあ、私もそろそろ寝ようかな  

    ​ 窓の倖を眺める姉。遠い叀の刻に想いを銳せながら  立ち䞊がり、手を䌞ばした。

    ​私たちの今っお、いろんな悲劇に守られおるのかな。だからこそありがずうっお蚀いたい  届くかな。届くずいいな  届け──花文  

    ​ その柔らかい声に倜桜が応えたように、䞀瞬仄かに花灯りが揺らめいたように芋えた。

    ​たるで届いたみたい  私の花文  

    ​ 姉は垭を立った。テヌブルには本が開いたたた。そこにはあずがきが蚘されおいた。

    ​ ──あずがき

    ​ 『花仕舞垫』ずいう題には、実はもう䞀぀の意味が蟌められおいたす。

    ​ それは、物語を最埌たで読んでくださった方ぞの小さな莈り物です。

    ​ 『花仕舞垫』ずいう蚀葉の裏に隠れおいたのは、もう䞀぀の読み──

    ​ 『花姉効史はなしたいし』。

    ​ この物語は、花を仕舞う者たちの蚘録であるず同時に、二人の姉効が玡いだ、儚くも匷い絆の歎史でした。

    ​ 圌女たちの物語が、遠い時代を越えお、珟代ぞず受け継がれおいくように──

    ​ そんな願いを蟌めお  。

    ​ けれど、その絆は姉効だけのものではありたせん。誰かを想い、誰かを倧切に思う心さえあれば──この物語は、きっずあなたの䞭にも繋がっおいきたす。

    ​ あなたがもし、この物語の䞭で“誰か”を想い浮かべたなら、きっず、その心の䞭にも䞀茪の花が咲いた蚌だず思いたす。

    ​ ──咲くよりも笑うが花、それを忘れぬ者こそが花仕舞垫に候──

    ​ その花はきっず、あなたの䞭でも埮笑んでいるはずです。

    ​ ──届け──花文──

    ​ 著、花識はなしき──

     

    ​ ──『花仕舞垫』  真綎『花姉効史』 歀にお完結──

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    斷哭ノ涯だんこくのはお岞壁、鬌哭ノ激きこくのなみ、鬌針ノ磯おにばりのいそ
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    届け──花文
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    花姉効史
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    読者に向けお──届け──花文



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    RISING SUN

     
     
    ​RISING SUN 小説家 和颚ファンタゞヌ / ヒュヌマンドラマ / ホラヌを描きたす。䞖界芳䜜りが奜きです。 Do not fear death so much, but rather the inadequate life. by Bertolt Brecht

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