お粥が美味しいと感じるのは具合が悪いからなのだろう
胃腸炎になった。
正直たいしてしんどくなかった。
それは単純に胃腸炎の症状として軽かったのかもしれない。あるいは過去にカンピロバクターになってその方がすこぶる痛かったから、というのもあると思う。
それよりも何よりも、とにかくお粥が美味しかった。
救世主だった。
食べ物が喉を通らず、味噌汁すらも受け付けないのに、お粥はスルスルと、一定のリズムで胃に吸い込まれていった。
それと同時にお粥を美味しいと感じてしまっている自分にびっくりした。
美味しいと感じてしまっているというとお粥さんに申し訳ないが、あんなもん本当に具合が悪い人、咀嚼能力がない人が最低限楽しめる食事だと思っていた。こうして活字にすると私の思想が強すぎる。
そんなバカにしていたお粥が美味しかった。
この胃腸炎の1週間のうちに3回食べた。全部美味しかった。
複雑な気持ちだった。
こんな痛み耐えれるけど早く治したいから医者に行った。
それも胃腸炎のような症状が出てから3日後に。
胃腸炎ってこんなもんなんだーへーー、と呑気に帰っていたが、その胃と口はお粥しか受け付けないのだ。
私は強がりなところがあるのだが、胃もかなり強がりだった。将来が悔やまれる。早々に大腸がんなどになったら非常に笑えない。
病院の帰り、「とにかくお粥が食べたい」しか考えていなかった。あの米感がない、炊きすぎてしまったようなべちょっとした液体進化前の食べ物が食べたい、帰り道はお粥のことで頭がいっぱい胸いっぱいだった。
その時ふと思い出した。
『バカは風邪をひかない』
この言葉に何度あぐらをかいたことか。
私はバカじゃないから、そんなことないんですよ。ちゃんと順序を追って風邪を引くんですよ、特に季節の変わり目とかね体調崩しちゃうんですよとか言っていたのだ。
まさにそうじゃないか。
バカだから、胃腸炎を無視し続け働いて、普通に飯を食って、なんか胃が痛いなあと思っていたのだ。
最近ハマって作っていたニンジンのサラダを作ったのに、一口でもう胃が痛くなってしまってタッパーにしまっていたのだ。
たいしてしんどくなかったなあ、のではないのだ。自分に嘘をついていただけなのだ。だから3日も放置していたのだ。我慢していたのだ。
大バカである。
そりゃあお粥も美味しいわい。
これからは私の体を労わろうと思った。
そしてその時に耳を傾けなければならない。
「お粥を欲していますか?」と。
