
不満のない仕事
英語を話せない私。
それでも25年以上、
外資系企業で働いていました。
──それまで
転職を繰り返したり、
脱サラしたりと。
これまで勤めてきた会社は、
片手では足りず。
また上司のほとんども海外の人。
欧米のみならず、
アジアなど。
その国や人数も、
記憶できないほど。
──それは、
会社では毎年のように社長が代わり、
私も転々としていたので、
尚のことでした。
正直、
──よくやれたな。と…
当時のいかれた私と違い、
まともな妻は当然のように、
私の転職を毎回嫌がっていました。
『もうやめてよ!』と。
けれど私が転職を繰り返した理由は、
収入を上げるため。だけ。
その度に、
『生活を良くするためだから、
大丈夫だって』
──と。
同じ働くなら、
時給が高い方が良いだろうと。
フリーターで結婚した私にとっては、
20年経っても、
──正社員とバイトに、
その境はありませんでした。
振り返れば──
転職するたびに引越したり、
子どもは転校したりと。
──好き勝手をした結果、
家族には苦労を掛けてきました。
──今いる会社。
妻の介護しながら働く、今の私。
その日は年一回の、
人事部とのヒアリングでした。
『いまの会社に何か、
不満はありますか?』
妻が倒れてから、これまで──
会社は妻の介護に配慮して、
私の配置転換だけでなく、
介護にも支障が出ないように、
制度そのものまで変えていました。
──その答えは、
この10年変わらず。
『一ミリもありません』
──不満など、ある訳がなく。

不満のない仕事 【完】
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