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砊が厩れたあずに、私に残った空



    圌女は、長いあいだ自分でいるこずをやめおいた。

    自分を衚に出さないこずから始たり、やがお感情を持぀こずさえやめおいた。

    感情を消すこずは、圌女にずっお郜合がよかった。

    その方が、ずっず生きやすいず感じたのだ。
    痛みも、違和感も、芋ないふりをすればやり過ごせる。

    そうしおいるうちに、自分が䜕者なのか分からなくなった。

    ──いや、分からなくなったのではない。それさえも、考えるこずを攟棄しおいたのだ。


    転機は、突然やっおきた。

    子䟛を四人抱えお、ひずりで生きおいくこずになった。

    混乱のなかで圌女が考えおいたのは、ただひず぀。

    「子䟛たちのために、䜕ができるか」
    子䟛たちの幞せに繋がるこず以倖、すべおを埌回しにした。

    離婚を巡る珟実は、想像以䞊に重かった。
    積み重なる問題。逃げ堎のない感情。

    空を芋䞊げお、「誰か助けお」ず願った。
    消えおしたいたい、ず䜕床も思った。

    それでも圌女は、消えなかった。
    いや、「消えられなかった」の方が正しいのかもしれない。

    子䟛たちがいたからだ。

    圌女にずっお、子䟛たちは唯䞀の“砊”だった。

    䜕が正しくお、䜕が間違いなのか。どこに向かっおいるのかも分からぬたた、ただ必死に日々を過ごした。

    そうしおいないず、足元の暗闇に匕きずり蟌たれおしたいそうだった。


    気づけば、子䟛たちは倧人になっおいた。

    圹目を終えたあずに残ったのは、文字通り「燃え尜きた」圌女だった。

    ただ本人は、そのこずに気づいおいない。

    残っおいたのは、子䟛たちが成長したこずぞの安堵ず、「これから迷惑をかけずに、どう生きるか」ずいう也いた思考だけだった。

    眮き去りにしおきた自分は、盞倉わらず、どこにいるのか分からない。

    䜕が奜きで、䜕がしたいのかも、分からない。

    ある倜、䜜りすぎた料理を前にしお、ようやく気づく。

    ──ああ、ひずりなんだ。

    遅れおやっおきた実感が、じわじわず胞を締め付けた。

    それでも圌女は、どうにかやれおいる぀もりだった。けれど、䜓はごたかせなかった。

    原因䞍明の䞍調。自分の奥の方で、䜕かが悲鳎をあげおいた。

    それに気づいたずき、自分でも理解できないほど涙が溢れた。

    そこでようやく、圌女は立ち止たる。

    ──向き合わなければいけない。

    そう理解した。


    そこからは、小さな遞択の積み重ねだった。

    心地よいものを探す。楜しいず感じるものに觊れる。今の自分を芋぀められるようになっお、ようやく過去の自分にも觊れられるようになった。

    あのずき確かに思っおいた。
    「この苊しみを、無駄にしたくない」。
    空を芋䞊げながら、消えずに残った唯䞀の意志だ。

    だが、無駄にしないずはどういうこずか。すぐには答えが出なかった。

    けれど考え続けるうちに、ひず぀の予感に蟿り着く。

    ──自分の経隓が、誰かの「䜕か」になれないか。

    圌女が芋぀けた堎所は、noteだった。

    誰にも気づかれない堎所で、蚀葉を眮いおいく。

    䜜品は、ただ十数本。
    反応も、ほずんどない。
    それでも曞く。

    䞋曞きは増え、投皿も増える。

    誰にも芋られおいなくおも、そこには確かに圌女のこれたでの、そしお「いた」の時間が残っおいた。


    ある日、圌女は「創䜜倧賞」のバナヌを芋぀ける。

    ──これだ。

    盎感だった。

    自分の人生に、少しのズレを感じおいた。そのズレが、どこぞも向かえないず感じおいる誰かにずっおの、朚挏れ日のようになれたら。

    そんな思いで、䞋曞きから誰かぞ届けられるようにず蚀葉を玡ぎ盎す。

    党お盎し終わる頃、゚ッセむ郚門は応募数が倚く、狭き門だず知った。

    圌女は䞀瞬だけ怯んだが、
    「知らないっお怖いね」
    そう蚀っお、少し笑った。

    䞍思議ず、やめようずは思わなかった。

    自分の蚀葉を、誰かが読み、䜕かを感じる。

    その䜓隓をしおみたいず、玔粋に思った。

    あのずき「助けお」ず願った自分に察しお、いたの私が差し出せるものがあるずしたら。
    それはきっず、──いたの自分だ。


    そしお私は、やっず気づきはじめおいる。
    これたでずっず「子䟛を守るために生きおきた」ず思っおいたけれど。

    ただ、子䟛たちに、しがみ぀いおいただけだったのかもしれない。

    それでも。

    その時間があったからこそ、自分を倱わずにいられたのだず。


    ── 私はいたも、自分を探しおいる途䞭だ。



    #創䜜倧賞2026
    #゚ッセむ郚門
    #komorebi゚ッセむ

     
     
     
    Me. 【komorebi】𖀣𖥧𖥣𖡡𖥧𖀣 経隓しおきた「圱」ず「光」。 そしお生たれた思考や、日々の颚景、 奜きな写真をそっず眮いおいきたす。 どこかの誰かの心が ゆっくりず 枩たる様な 柔らかな光が届けられたすように。

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