見出し画像

雨は魔法。

雨の音は心地よい。
理由はわからない。

ただの水の音とは違う。
波の音とも違う。
波の音も嫌いではないが、個人的に少し恐怖心を抱いてしまう。

雨の音は、雨の音だ。
それ以外の何物でもない。
安心感さえ感じる雨の音が私はとても好き。

雨の日の空気感も好き。
晴天の日のようなすがすがしさや眩しさはない。
どこか薄暗くて、でも透明感があって。
そういう雨の日の空気は落ち着く。

雨の日は、晴れている日より静かに感じてしまうのはなぜだろう。
雨音、という音があるにも関わらず。
「しとしと」という音が心を穏やかにしてくれるからだろうか。
心のわだかまりまで流してくれるような気がするからだろうか。
雨の日も考え事はする。
でも目を閉じて雨音に耳を傾けると、心まですーっと澄んでいくような気もする。

最初に雨の音を「しとしと」と表現した人の感性には脱帽する。

雨の日こそ散歩にでるべきだ、といつか聞いたことがある。
雨粒が地面に当たり砕けると、人間のセロトニン(ポジティブな感情と結びついているもの)を増やす作用を持つマイナスイオンを放出するらしい。
だから雨の日に外に出ると心理的に良い効果があるそうだ。

そうはいっても雨の日のお出かけは正直億劫である。
服や靴は濡れる。
私は傘をさすのが下手なので、鞄も濡れる。
湿気で髪ももしゃもしゃになる。
何より傘は荷物になる。

楽しみにしていたお出かけの日が雨だと
「嫌だなぁ」って気持ちが出てくるのも本音だ。

雨の音や空気感は好きだけれど、雨の日に出掛けるとなると別問題なのである。
我ながら、とてもわがままだ。

特にあてもないのに雨の日に散歩にでることはほとんどない。
けれど、用事がある時は「雨が降ったらお休みだ」とはなかなかいかないもの。
えいやっと出掛けるしかない。
そうするとなぜだろう。あんなに億劫だった雨の日のお出かけが意外と楽しいのだ。
傘に触れて弾ける雨の音。
草花の上で輝く水滴。
水たまりに映ったもう一つの世界。
そして心が凪いでいるのに気付く。

思ったより雨が強くても、
水たまりに思いきり足を踏み入れてしまったとしても、
横を通った車に水しぶきをかけられても、
なぜか少し楽しい気分になってしまう。

やはり「雨の日こそ散歩をするべきだ」というのは正しいのだろう。
わかってはいても、出掛ける前はやはり億劫にはなってしまうのだけれど。

雨は魔法だ。

窓の外の雨音を聞き、
雨の空気感を部屋に入れて、
これを書きながら私はそう思った。

どこからか美味しそうな豚汁のにおいがしてきた・・・
お腹が空くなぁ・・・

おわり


いいなと思ったら応援しよう!