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妻に先立たれた男性たちが、私に教えてくれたこと


先日、私は2日連続で偶然の体験をした。

ドラッグストアに買い物に行った時のこと。

そこのドラッグストアは、医薬品や日用品以外にも食料品が手に入る、いわゆるメガドラッグストア。

今回私は日用品を買いに行ったのだが、突然、

「今日の夕食のメニューは何ですか?」

と、ご高齢の男性に声をかけられた。

今の時代、普通なら警戒して、愛想笑いだけして過ぎ去るのだろうけど、高齢者とのコミュニケーションには慣れている私。

咄嗟に、

「今日はですねえ、肉味噌うどんに冷奴ですよお」

と返していた。

すると、そのご高齢の男性は、

「どうやったらそんな料理が作れるようになるんですか。私は妻に先立たれて、慣れなくて大変です」

と、簡単に身の上話をして去って行った。

心の中で、

「毎日の料理が大変なら、ヘルパーさんに週に1、2回は手伝ってもらったらいいですよ〜」

なんて思いながら、私は買い物を続けた。


レジを済ませ、帰ろうとすると、先ほどのご高齢男性と再び会った。

そして、その男性は言った。

「今夜は筍を煮て、肉じゃがを作ることにします」


えっ!?

ちょっと待てい!

私より手が込んでるじゃないか!!

その男性に見事なまでのマウントを取られた私は、おかしくて微笑ましい気持ちで家に帰った。


翌日、週に1度の食材まとめ買いで、いつものスーパーへ行った。

新しい味噌を開拓しようかと味噌コーナーにいると、突然、

「味噌はどれを選べばいいんですかね?」

と、団塊世代より少し若いくらいの男性に声をかけられた。

「妻に先立たれてしまい、慣れない家のことをするのが大変で」

と、その男性は言った。

思わず、

「えっ!? あなたも!?」

2日連続で、まさか奥様に先立たれた人に声をかけられるなんて。

私、すごくないか?


とりあえず、

「ちょっとこだわるなら、パッケージに穴が開いている味噌を選ぶと、麹や酵母が生きているんですけど、そんなことどうでも良いなら、私はこのお味噌が個人的に好きですよ」

と、なんとも簡単な説明をした。

すると、その男性は

「では、その味噌にします」

と言って、私が好きだと言った味噌をカゴに入れ、そのまま去って行った。

あまりにも素早く去って行ったので、

「本当にその味噌でいいのか?

奥様が作っていた味噌汁は白味噌? 赤味噌?

冷蔵庫に入っていた味噌はどんなパッケージだった?

私、あなたのことを何もリサーチできてませんよーーー!」

そんな考えが頭に浮かんだ。


まあ、いっか。

口に合わなければ、また違う味噌を買いに来るだろう。

そんなことを1人で妄想しながら、買い物を続けた。


それにしても、2日連続で同じような境遇の男性に声をかけられるなんて、すごい偶然じゃないか。

いや、何か意味のある必然なのか。

そんなことは分からない。

ただ言えるのは、これまで家庭を守ってくれていたであろう妻に先立たれた彼らは、これから自分で衣食住を整えていくのだということ。

生活を整えるということは、自分自身と向き合うことでもある。

そして、亡くなった奥様の存在の大きさを改めて知ることでもある。

慣れないことをするのは大変なことで、思わず同情もしたくなる。

けれど、それは彼らがこれからも自立した生活を送るために必要なことなのだと思う。


彼らを通して見たのは、両親亡き後の娘の生活だった。

親である私がいつまで生きているのかなんて、誰にも分からない。

一般的に考えれば、親である私の方が娘より先に亡くなる。

その時、障害のある娘はどの程度自立した生活を送れているのだろうか。

困った時に助けを求められる人はいるのだろうか。

理解ある優しいパートナーがそばにいてくれるのだろうか。


そんなことを思いながら、今日も娘と過ごす時間を大切にしたいと思う。

いつか私がいなくなった後も、娘が自分の力で暮らしていけるように。

今という時間を、私は生きていく。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました🍀

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りんみつ 日々の暮らしや子育てのこと、悩みや喜びを綴っています。 もし「ちょっと心が軽くなった」「共感できた」と思っていただけたら、 ほんの少しのチップで応援してもらえると、とても励みになります。