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epilogue

    三條 凛花

      

    いつもとちがうことをする日、かならず思うことがある。

    「今日、死ぬかもしれない」

    車で遠出するとき、
    ひとりで船に乗ったとき、
    飛行機で帰省するとき──。



    でも、本当の死は、警戒していないときに起こるのだと。そう、知っていたはずだ。



    部活中、校内放送で呼び出された。雨の、暗い、暗い、午後。「センパイがなにかやらかすなんて」と後輩たちに見送られながら向かうと、高圧的な学年主任が、いつもと違う表情をしていた。
    わずかな、憐れみ──?

    その夜、祖父の名前がニュースで流れた。
    だからわたしは運転をしたくない。




    手術後の体調がよくないことはわかっていた。
    厳格に時間の決められた介護は思っていた以上につらくて。それでもまだまだ時間はあると思っていた。
    いきなり響いた叫び声。猫砂が散らばる小部屋。駆けつけて。

    生まれてはじめて立ち会った死の瞬間だった。
    小さな灰色のからだを抱き上げて叫ぶことしか出来なかった。

    なんで。
    あと1年とか、そういうことだって思ってたのに。わかってたらもっと。




    死は、予告してなんかくれない。

    そう、知っていたじゃないか。





    家族に伝えるものは残した。


    だからあと5分くらい……まだ、まだ少しだけなら猶予がある気がする。


    今までのわたしならたぶん、ふっつりと、なにも残さずに消えただろう。でも。この一年でたくさんの人に出会った。
    だから最後にこれだけは。



    出会ってくれてありがとう














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    ほんとうはもっとやりたいことが、書いてみたいことがたくさんあるのに。




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    あとがき

    募集は終わってしまいコンテストには参加できないのだけれど、書いてみたいテーマだったので遅ればせながら。

    #20分後に死ぬコンテスト


    たぶんほとんどの時間を家族に宛てたもので費やす気がした。でもそれはきっと公開しない。下書き保存か、メールするのか。

    でもそれだけじゃなく、noteを通して出会った人たちの前から、いきなりきえなくないなというのはある気がした。残り少ない中で親しい人には残したくて、でも、時間がない。こわい。そしてわたしは手紙が書けない。

    だから、つまるところ、いつもの文体なのではないかと考えた。

    パソコンではなくあえてスマホで5分ちょっとで書いた。タイトルも適当。サムネ画像もない。そういうのがリアルかなって。

    強がってても最後に本音を書いてしまいそうな。そんな想像をしながら書きました。

    #なんのはなしですか ……?

     
     
     
    創作大賞2025/26中間選考通過(ミステリー小説&ホラー小説/エッセイ)│ 著書『時間が貯まる 魔法の家事ノート』(扶桑社/9刷)『365日のとっておき家事』(三笠書房)など国内外で9冊📚 │ 毎日更新4000日超✍️別名義で小説の大賞受賞歴があります。

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