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Photo bysuper_acacia155

水影(みかげ)第五章:組織の目的、共闘の誓い


    神崎は、タブレットを取り出し、一枚の図のようなものを見せた。それは、彼がこれまで独自に集めてきた情報だという。

    「奴らの名は、『影の蒐集家(シャドーコレクターズ)』。美術品市場を裏から支配し、真贋の価値そのものを操ろうとする巨大な犯罪組織だ。」


    神崎は、組織の目的、構成員、活動拠点、そして彼らの持つ技術について、詳細に語り始めた。


    ─────首謀者は、美術界の表舞台には決して出ない、しかし裏社会に絶大な影響力を持つ『アルケミスト』と呼ばれている人物だ。

    彼は美術品に対する異常な執着を持ち、贋作を通じて美術品そのものの価値を破壊し、再構築しようとしている。
    実行部隊は、偽造品の製造、流通、脅迫、誘拐などを実行するプロフェッショナル集団。
    そして、情報操作部隊が、美術品評論家や鑑定士、メディア関係者を懐柔し、贋作を本物として評価させたり、都合の悪い情報を隠蔽したりしている──────



    神崎の話は、私の想像をはるかに超える恐ろしいものだった。しかし、彼の冷静で的確な説明は、私たちにこの巨大な闇を理解させていった。


    「奴らの活動拠点は、表向きは美術品コンサルティング会社や画廊、アトリエだが、その裏には人里離れた場所に秘密の製造ラボや保管施設がある。最新の技術を駆使し、徹底した秘密主義を貫いている。裏切り者や秘密を知った者には容赦なく制裁を加えるが、エミとリョウを生かしているのは、彼らの持つ知識とスキル、そして未だに解明できていないと思っている『夜光華』の真の能力を完全に解明するためだ。」



    私は、神崎の言葉を聞きながら、ふと、あの「夜光華」が私の家に来てから、時折、ぼんやりとした映像や、未来の出来事の断片が頭をよぎることがあったのを思い出した。それは、まるで夢のようではっきりしないものだったが、妙に現実感を伴っていた。私は、そのことを神崎に打ち明けるべきか、一瞬迷ったが、今はその時ではないと感じた。まだ私自身にも理解できていない、未知の力なのだ。

    組織との戦い、共闘の誓い

    「奴らは強大だ。だが、エミとリョウがSNSで残していた投稿が手がかりの鍵になる。そして、君が持っている花が彼らを追いつめるための強力な武器になるのは間違いない。
    君たちと私で力を合わせれば、彼らを救い出し、奴らの悪事を暴くことができるはずだ。」

    私たちは、神崎の真剣な眼差しに引き込まれた。彼が、私たちを単なる素人としてではなく、共に戦う仲間として見ていることが伝わってくる。


    「彼らを救うためなら、どんなことでもします。」私は強く答えた。ケンもまた、固い決意の表情で頷いた。


    「では、具体的な戦略を立てよう。」


    神崎は、タブレットを操作し、地図のようなものを表示させた。

    「まず、エミとリョウのと『夜光華』が示す手がかりを完全に解読し、奴らのアジトを特定する。その上で、どうやって潜入し、エミとリョウを救い出すか、そして彼らの犯罪の証拠をどのように確保するかを考えなければならない。」


    私たちは、神崎の提示する情報に耳を傾けながら、熱心に議論を始めた。組織の監視をどう掻い潜るか、どのような情報が必要か、そして万が一の事態にどう対処するか。神崎の持つ情報と、私たちのエミとリョウへの深い思いが、一つの目標に向かって結びついていくのを感じた。

    謎解きの核心:幼少期の符号と真実


    テーブルに広げられた古びた地図と、数枚のトランプ、そしてリョウの懐中時計を取り出した。

    「エミとリョウは、その裏に潜む何かの手から身を守りつつ、手がかりとなる鍵をSNSに残していたんだ」

    「まず、あの懐中時計だ。」
    神崎は時計の盤面を拡大し、秒針が奇妙な位置で止まっているのを示した。

    「この時計が示すのは、時間だけでなく、場所の暗号だった。短針が示すのは番地、長針が示すのは区画。そして、秒針の止まった位置は…地下の深さだ」
    これらは、リョウが幼い頃、木の枝の向きを使って方角や距離を測って遊んでいた、あの『秘密の符号』の応用だった。


    私の脳裏に、幼いリョウが真剣な顔で木の枝を地面に並べ、何かを測っていた姿が鮮明に蘇った。


    次に神崎は、手元にあった小さな貝殻のオブジェを取り出した。

    それは、幼少期に秘密基地に埋めたカプセルの中に入っていたものに酷似していた。


    「そして、この貝殻の音だ。エミたちは、この貝殻の内部構造を利用して、音の反響から特定の数量を特定する手がかりを隠していた」
    幼い頃、石を叩いて音の響きを確かめ、遠くまで聞こえる音を探していた、あの『秘密の符号』の延長線上にあったんだった。


    幼いエミが、海岸で拾った貝殻を耳に当てて、様々な音を聞き分けていた姿が目に浮かんだ。

    彼らは、子供の頃の遊びを、独自のデジタルアート技術と研究で洗練させ、見えない力の秘密を暴くための高度なツールへと昇華させていたのだ。


    最後に、神崎はトランプの束を広げた。
    「そして、これだ。それぞれの数字と絵柄は、特定の場所や、人、あるいは事件の段階に対応している」
    これも、エミが子供の頃に描いた『マーク』や、四人で遊んだトランプの『数字遊び』からヒントを得て、関係性を可視化するためのシステムに組み込まれていたんだ。

    エミが描いた、シンプルながらも独特な幾何学模様のマーク。それが、今は何らかの全貌を暴くための重要な記号となっていた。


    私たちの幼少期の遊びは、単なる思い出の断片ではなかった。それは、エミとリョウが未来に向けて築き上げた、壮大な「真実の地図」の一部だったのだ。

    神崎の言葉は、私たちにとっての長年の疑問、そしてエミとリョウがどこへ消えたのか、その答えへと繋がる確かな道筋を示していた。

     
     
     
    第2の人生スタート✨️果樹園の未来に向け、食生活アドバイザー資格の勉強中🍏食と健康を意識した献立作りをしながら、料理する日々。 ​たまに読書記録、小説も更新していきたい。 自分らしく未来をデザインする実験の記録。変化していく日々を、一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです🩵💙

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