国語と読解の扉の違い③
5:さいごに
読解には複数のレイヤーが存在し、
それを理解することで、同一の作品からも新たな物語が立ち現れる。
本稿を通して、その一端でも感じ取っていただけただろうか。
私自身、物語に出会うことを何よりも大切にしている。
多様なジャンルの読書は、私の生の一部となっている。
そして、物語を通して見えてくるものの一つは、
人間の在り方である。
人は必ずしも他者を傷つけようとして行動しているのではなく、
多くの場合、状況や認識のすれ違いの中で、
結果としてそのような行為に至ってしまう。
本稿の筆者は役者として、
さらに多くの読解の手がかりを持っているが、
それらは受け手によっては過剰となる可能性もあるため、
本稿ではここまでとする。
本稿が、読者にとって新たな作品との出会いとなり、そして読書を通して作者と出会う契機となることを願っている。