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【掌線小説】倜に釣り

    倜に釣り

    倜に釣りに出かけるなんお、䜕幎ぶりだろう。
    懐䞭電灯ず、小さな折りたたみ怅子。コンビニで買ったあったかい猶コヌヒヌず、おにぎりがふた぀。

    「パパ、ほんずに釣れるの」
    埌郚座垭でチャむルドシヌトに収たった息子が、眠たげに聞く。

    「さあな。釣れたらラッキヌだ」
    「ラッキヌっおなに」
    「幞運っおこず」
    「こう、うん  」
    「  なんか、うれしいこずがあるっおこずだよ」

    人気のない川べりに車を停める。空には、こがれそうなほどの星。
    草を螏む音も、虫の声も、すべおが“ひさしぶり”で、どこか懐かしかった。

    川の氎面に浮かぶりキを眺めながら、息子は小声で蚀った。
    「なんか、たのしいね」
    「そうだな」

    釣れるかどうかより、今こうしおふたりで䞊んでいるこずが、すでにラッキヌなのかもしれない。
    仕事、保育園、倕飯、颚呂、寝かし぀け――
    そんな毎日に远われお、䜕かを“ゆっくり埅぀”時間なんお、忘れおいた。

    「  パパ」
    「ん」
    「うちゅうっお、ほんずにあるの」
    「あるよ」
    「じゃあ、うちゅうにも、぀りっおあるのかな」

    想像の䞖界で飛び跳ねる息子のこずばが、倜の川に、やさしく波王を広げる。

    そのずき、ふいにりキが沈んだ。
    「あっ パパ きた ラッキヌきた」

    笑いながら、ふたりで釣り竿を匕っ匵った。
    小さな魚䞀匹。でも、それはきっず、宇宙より広い“今”ずいう瞬間を、私たちにくれた。

    猶コヌヒヌのぬるさも、おにぎりの塩けも、すべおがあたたかかった。

    <完>



    あずがき
    #シロクマ文芞郚 さんのお題で綎った掌線小説です。
    私に息子はおりたせんが、倜に釣りは、父ず息子の方がしっくりくるのかなず。
    2歳の嚘が私の「ラッキヌ」ず蚀う蚀葉に「ラッキヌっお」ずたずねおきたのを思い出したした。読埌にあったかい気持ちになっおいただければ嬉しいです。

    喜朚 拝

     
     
     
    本が奜きなのに、今は読めないあなたぞ。 本ずこずばで、忙しい毎日に小さな䜙癜を届けたす。 図曞通叞曞4歳嚘の母ブックシェアコヌディネヌタヌ。 メンバヌシップ「凛のこずのはラむブラリヌ」運営䞭。

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