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あんなに可愛かった猫はもういない

ウチの愛猫サカモトさん(女の子)が亡くなってもう5か月。少しは気持ちも落ち着いてきたような、そうでもないような。享年12才くらい。元・野良猫だったから正確な年齢はわからない。それはそれは可愛い黒猫でした。

亡くなる前のことを書きます。あまり詳しく書くのはつらいので簡単に。病気で弱ってました。最期の日はもう歩けなくなっていた。でもバイトのヘルプ(スナック)に行かなくちゃいけない日だった。でも勤務地はすぐ近所だし3時間半くらいで帰って来れる…。心配だったけど、仕方なく獣医さんから言われたとおりスポイド的なやつでお水を飲ませて、
「待っててね。ちょっとしたら帰ってくるからね」
って言って、そーっと痩せてしまった背中を撫でて撫でて撫でて。

勤務中もずっとサカモトのことばかり考えてた。何人か来たお客さんの中に坂本という名字の男性がいた。金持ちで羽振りの良いおっちゃんに年に一度くらいくっついて店に来る人。初対面の時にうっかり
「あっ、ウチの猫と同じお名前」
って言ってしまってママさんからこっぴどく叱られたことがあったっけ。私はそんな昔の失礼も忘れて心の中で
(この腰ぎんちゃくめ、会いたいのはアンタじゃないんだよ!)
と口汚く罵っていました。すみません。

…で、家に帰ったらサカモトさんはもう冷たくなってた。こんなにあっという間に冷たく硬くなってしまうんだ。あのあったかくてフワフワだった生き物がこんなことに。こんなことに。

混乱した気持ちのまま、ダンボール箱を棺にしてお気に入りの毛布を敷いて冷たくなってしまった猫の背中をまた撫でて撫でて。すべての意味が分からない。

何時間か経って、猛烈な後悔が襲ってきました。
「待っててね」
なんて言わなきゃよかった! 弱ってきてからずっと頑張ってくれてたのに。それ以上に頑張らせてしんどい目をさせてしまった。むしろ私があんなクソバイトになんか行かなきゃよかった! バックレればよかった! 最期はちゃんと看取ってあげたかったのに!

そのまま夜明け前。あれ? いつもサカモトがいたお気に入りの場所(ベランダの窓んとこ)に何かいる? それは猫のシルエット。
「なーんだサカモト元気やん! このー!」
と思って近寄ってみると全然違うシマネコさんでした。すぐにその猫は下に降りて行った(ここは2階)。そりゃそうだよね。今ここに冷たくなったサカモトさんがいるんだから。
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葬儀を済ませてからだいぶん経ちます。今はあの時の謎のシマネコさんはサカモトさんがバイバイって言うために遣わせてくれたんだと思うようにしています。わざわざ猫が来るような場所じゃないし2階だし現に6年くらいここに住んでて今まで猫なんか来たことなかったし。

オカルトは信じてないけど、こういう思い込みが少しは心の支えになることもあるのかなあ、なんて。本当は元気な時代のことを書いて可愛い写真もアップしてやりたいんだけど、それはまたそのうち気が向いたらね。

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