
【商業出版する方法+435】”完全版”商業出版の流れと全体概要についてまるっと解説してみた。〜幸せに成功する商業出版ロードマップ60
元KADOKAWAのビジネス・実用書出版コンサルタント+編集者+BOOKジャーナリストの渡邉理香です。
商業出版へのロードマップ。今回で60回目です。
過去記事は「マガジン」を作成しているので、下記も参考にしてください。
「いつか本を出したい・・・」
「出版が憧れです!」
そう語る人は多いものの、実際に商業出版を実現する人は「その一部」であることも否めません。
出版は「夢」ではなく「戦略」であり、ビジネスの一環、人生の挑戦として、企画・交渉・制作・販売のすべてに”著者”として向き合う本気が問われるものでもあります。
何度も過去にお話はしてきていますが、それでも「出版の流れを教えてください」と質問を受けることも多いです。
よって改めて、ビジネス・実用書の世界で商業出版したいなら必ず知っておくべき【商業出版の基本の流れ】を、実務に即して完全整理・提供します。
商業出版したいなら、この流れとこの知識を“基本”として叩き込んでおいてね!って感じで、まとめますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
1.出版企画を立てよう 〜「思いつき」ではなく「戦略」で考える〜
まず最初に必要なのは、何を書くかではなく、なぜそのテーマで本を書くか(出すか)、です。
著者となるあなたの経験・知見・強みを活かしつつ、読者にとって「知りたい・読みたい・手に取りたい」と思わせる企画であることが条件です。
特にビジネス書・実用書の世界で重要なのは、
読者のどんな課題を解決できるか
どんな気づきや変化、行動を与えられるか
そのテーマに著者自身がどんな実績・背景を持っているか(そのテーマを語るにふさわしい実績と背景があるかどうか)
この3点をセットで客観的に考えること。
「私が伝えたいこと」ではなく、
「読者が求めていること × 私だから書けること」
この交差点に“商業出版にふさわしい企画”は生まれます。
2.出版企画書を作成する 〜出版実現は「企画書」から始まる〜
企画が固まったら、次は出版企画書を作成します。
出版は“熱意”だけでは動きません。
出版社が判断するのは「この本が売れるか」「市場性があるか」。その根拠を見せるのが出版企画書です。
出版企画書に入れるべき主な要素は──
タイトル案(サブタイトル案)
キャッチコピー(一言で言えば誰の何の課題を解決し、どんな改善に導けるのかが30文字程度で表現できると吉)
企画概要(コンセプト)
読者ターゲット(どんな悩み・ニーズを持った人か)
本書の目的・訴求ポイント
類書との違い・差別化ポイント
著者プロフィール・実績・発信力
想定する章立て・目次案
類書(競合書でありメンター書)一覧
想定販売促進策(著者ができること)
これらの項目がまとまっていると、非常に有益です。
つまり、
「なぜこの本を、今、あなたが、どんな読者のために出すのか」
を、論理的かつ具体的に整理したものが出版企画書です。
どんなに内容が良くても、ここが不十分だと、出版社において企画が採用&通ることはありません。
ビジネス・実用書の世界では企画書より前に原稿を送るのはNGです。
原稿こそ、編集者はいっさい読みません。
その意味でも、企画書で語れるかどうかがすべて。と言っても過言ではないでしょう。
3.出版社への持ち込み・提案 〜「出版したい」ではなく「これなら売れる」で勝負する〜
完成した出版企画書をもとに、出版社へ提案します。
出版社への持ち込みには、大きく3つのルートがあります。
既存の人脈(編集者・出版社関係者)
出版プロデューサー・コンサル・エージェント経由
セミナー・講座・出版相談からの紹介
などなど・・・。。
いずれの方法でも求められるのは、
「この本は商業本として成立する!」「商品として売れる見込みがありそう!」と思わせる企画提案力です。
出版社における出版企画の検討は、
市場性
著者ステイタス
売上見込み
の3つが揃って初めて前向きに検討されます。
編集者は常に「この本を出す理由」「売れる根拠」を探しています。
“出版したい気持ち”を伝える場ではなく、
「この本を出せば、こんな市場が開ける」
「この本を出すことで、出版社にとっても読者にとってもこれだけの利益が見込める!」
と、相手の視点で提案することが重要です。
なお、出版社における企画の検討=企画会議は1〜3ヶ月くらいかかるケースがほとんどです。
その意味でも、余裕を持った出版計画が大事になってきますよ。
4.企画採用・本の制作スタート!〜ここからが「本気」の始まり〜
出版社における「企画会議」を経て、無事企画が採用されたら、いよいよ制作が始まります。
ここで気をつけたいのは、企画採用=すぐ出版(早く本ができる)、ではないということ。
場合によっては、
内容の再調整
市場状況に合わせた発売時期の検討
編集会議を経た追加確認
など、調整が入ることもあります。
出版は出版が決定した瞬間が“ゴール”ではなく、プロジェクトのスタートなのです!
5.原稿執筆・編集 〜編集者と共に「売れる本」をつくる〜
企画が通ったら、著者と編集者の二人三脚が始まります。
最初に打ち合わせを重ね、
章立てや構成のすり合わせ
タイトルや表現の方向性確認
この後、原稿執筆 → 赤入れ・修正 → 再提出などを繰り返しながら、内容を磨き上げていきます。
このプロセスで大切なのは、編集者の視点を柔軟に受け入れ、読者目線を持つこと。
「私はこう書きたい」だけでは商業出版にはなりません。
編集者は、著者の魅力を引き出し、
“売れる本”へと形を整える重要なパートナーです。
時には大幅な修正・加筆も求められます。ここですぐ匙を投げずに、粘れるかどうかが、著者としてのプロ意識の分かれ目です。
なお原稿執筆の期間についてもよく質問を受けますが・・・
原稿を書き慣れている人(著者)であれば、早くても「3ヶ月」くらい。初めての人では5ヶ月〜すごく遅い人で1年くらいかかるケースもあるようです。
ただ出版社も企業戦略として「刊行スケジュール」を組んでおり、本を出していかないことには、ビジネスになりませんし、利益を生み出せません。
よって編集者と決めた刊行スケジュール、および、「原稿提出の締め切り」には必ず間に合わせるようにしてほしいと思います。
特に処女作を出す新人著者は、締め切りをしっかり守って原稿を書いてほしいなあ!というのが私の願いです。
6.本の制作工程(デザイン・校正) 〜形となるまで気を抜かない〜
原稿が完成したら、いよいよ制作工程へ
編集者による「原稿整理」作業
専門の書籍のデザイナー(装丁家)が本文レイアウト・カバー周りをデザイン
DTPスタッフによって、実際の本にしていく版組を行い、ゲラ(校正紙)出し
校正者が誤字脱字・表記ゆれをチェック
ケースによっては「校閲」者も入る
編集部による客観的な「編集校正」を入れる出版社もある
・・・などなどさまざまな工程を経ていきます。
この段階で、
タイトル案
帯コピー
著者紹介文
なども最終確定します。
制作は「出版社に丸投げ」でなく、著者も責任を持って関わる姿勢が求められます。
ここで詰めが甘いと、後々後悔するのは著者自身。
内容の全ては「著者の責任」のもと作り上げられていくので、気合を入れて制作に関わってください。
タイトルやカバー周りのデザインについては、出版社主導で制作していきます。ただ著者への確認と了承の取付は行いますので、出版社の担当編集者から連絡が来たら、速やかに確認を行なってください。
細部にまでこだわり、最高の一冊を仕上げる動きを行なってほしいものです!
7.発売・プロモーション 〜“売れる著者”は自ら動く〜
本が完成した!
やった!
歓喜の瞬間です。著者も嬉しいですし、編集者も嬉しいです。
ただ。
本の発売はゴールではありません、プロモーションの始まりです。
今の出版界では、著者が発信し、広め、ファンを巻き込むことも不可欠な動きですし、そもそもビジネス・実用書の世界では「著者が広報や販促を能動的に行うのもデフォルトな伝統」があります。
SNS発信・ブログ・メルマガ・出版記念イベント・リアルのイベント・オンライン配信・・・
これらを駆使して、
「売れる著者」として動けるかどうかが今後の結果を大きく左右します。
出版社も著者の積極的な販促姿勢を重視しています。
“売ってくれる著者”は、次のチャンスも得やすくなりますよ。
8、【まとめ】にはいっていくよー
商業出版は──
アイデア→出版企画立案 → 企画書作成 → 持ち込み活動(提案) → 採用・契約 → 執筆・編集 → 制作 → 発売・プロモーション
この流れが基本です。
これを知っているだけでも、出版への道は大きく拓けるでしょう。
ぜひ覚えておいてください。
そして、出版は通過点ではなく、あなた自身の価値を高め、人生と仕事をステージアップさせる“武器”になります。
夢見るだけでなく、動き出したいあなたへ。
この基本を叩き込んで、ぜひ次の一歩を踏み出してほしいものです!
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