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自分のことは自分で決める。そう思っていた私が、56歳で人に頼ってみた。

56歳。

いよいよ就活を始めることになった。

そう思っただけで、正直、不安しかなかった。
前の仕事を辞めてから、もう1年半くらい経っている。
仕事を探していなかったわけじゃない。
求人サイトの検索はボチボチやっていた。

でも、それまでは「もし働くなら」
くらいの気持ちだった。
探すというより、見ているだけ。

今回は違う。

本当に働くために、ハローワークへ行く。

その日、受付で
求職登録をするための紙を渡された。

書きながら思った。

「前に進むしかないんだ。」

正社員とパート、どちらにもチェックを入れた。
正社員で働きたい気持ちはある。
でも、体力には自信がない。
無理をして働いて、
また体調を崩したくない。
再雇用制度があって、70歳くらいまで働ける場所。

そんなことを考えながら、
求人を見るようになった。

そして、意外なことがあった。

私はハローワークに、
昔の「お役所仕事」のイメージを持っていた。
親身になってもらえるとは思っていなかった。
ところが、実際は違った。

今回関わった職員さんは、
みんな丁寧で親切だった。

特に、担当してくれた女性職員さん。
私より少しだけ年上だと思う。
その人を見た瞬間、
「あの人がいいな」と思った。

同じ世代だから私の気持ちや体調も、
理解してもらいやすい気がした。

偶然にも、その女性職員さんが私の番号を呼んでくれた。
そして実際に話してみると、
こちらの気持ちを考えて
対応してくれているのが分かった。

私は思い切って言った。

「56歳の就活は不安しかないんです。」

すると、「まだ若いから求人はありますよ」と言われた。

30%くらいは安心した。
でも残り70%は、「いやいや、56歳だよ?」だった。

そんな私に、職員さんは続けて話してくれた。
60代、70代でも仕事を探している人はたくさんいる。
だから、年齢だけで最初から諦めなくていい。

そして、失業保険の期限があるからと、
焦って仕事を決めることについても言ってくれた。

「飛びつくと、ろくなことはない」

「慌てず、でもちょっと急いで探しましょう」

その言葉が、すごく印象に残った。

急かすだけじゃない。かといって、
のんびりしていいわけでもない。

今の私の状況を見ながら、
ちゃんと現実的に考えてくれている。

そして、担当の職員さんを指定できることも知った。
「もしよろしければご相談に乗ります」と名刺をくれた。

希望に合う求人が出てきたら、メールで送ってくれるという。

20年前、私が利用したハローワークは
自分で求人を探して、自分で仕事を見つける場所。
そんなイメージだった。

でも今は違うんだ。
相談していい。
頼っていい。
一緒に探してもらっていい。


そこで初めて、
「他人に頼ってもいいんだ」と思った。

私は今まで、
自分のことは自分で決めるものだと思って生きてきた。

今までも、そうしてきた。

だから就活も、
自分で探して、自分で決めて、
自分で動くものだと思っていた。

でも、違った。

人に頼ってもいい。
相談してもいい。
一人で全部抱えなくてもいい。

ハローワークを出たあと、
不安がなくなったわけじゃない。
56歳の就活だ。
これから先、
簡単に仕事が決まるとは思っていない。

それでも、「ひとりで悩まなくてもいいんだ!」そう思えた。
それだけで、少し気持ちが楽になった。


56歳になって初めて知った
「就活はひとりじゃない。」

まだ就活は始まったばかり。
これから履歴書も作る。
求人も探す。
応募もする。

不安はまだある。
でも、もう前とは気持ちが違う。

私には、味方がいたよ!


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#50代の就活

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