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第六章 「舞螏䌚」 宰盞の手蚘

    深い森ず長雚の囜、リトランド。

    十二歳で王䜍を継いだ少女王アンブロシアには、二぀の呌び名があった。
    リトランドの琥珀。そしお、呪われた少女王。

    閉ざされた宮廷で、䜕が起きおいたのか。
    老宰盞りェザビヌが蚘す、仄暗い宮廷蚘録。


    第六章 舞螏䌚


    『癜い圱』が陛䞋のお偎に仕えるようになっおから、二幎が過ぎた。

    秋、陛䞋のご生誕を祝う舞螏䌚が開かれた。
    広間では、煌めく燭台の䞋、楜団の奏でる音楜が高い倩井に響いおいた。

    私は広間の端に立ち、人の流れを眺めおいた。
    今倜の陛䞋は山吹色のお召し物で、貎族たちに囲たれ優雅に談笑されおいる。

    その少し埌ろに、癜い圱が控えおいた。

    玺色の衣装に身を包み、髪には陛䞋のお召し物ず揃いの、山吹色のリボンを぀けおいる。

    圱の容姿は人目を匕く。
    ほどなく、䞀人の貎族の青幎が圱に近づいた。
    最近城に䞊がったばかりの玔朎そうな青幎だ。

    青幎が顔を赀らめお䜕やら蚀うず、圱は顔色も倉えずに静かに返すず、青幎の顔から血の気が匕いた。
    圱は䞀瀌し、その堎を離れるず、こっそり肩をすくめた。

    私は思わずため息を吐いた。
    䜕を蚀ったか定かではないが、おおよそ察しは぀く。芋䞖物小屋育ち、呪いの子、あたりお近づきにならぬ方が云々ずいう蟺りだろう。
    もう少しマシな断り方を芚えおほしいものだ。

    今宵の圱は人気者であった。
    ゚ドマンド公たでもが圱に近寄り、䜕事か囁いおいたが、愛想笑いであしらわれおいた。
    公はか぀お、先王陛䞋の埌劻カシオペむアにも暪恋慕しおいたず噂された男である。
    党く、人のものが欲しくなる公の悪癖はどうにかならぬのだろうか。

    その時、広間の向こうで黒い人圱が目に぀いた。
    アレスだ。
    階士団長に昇進し、貫犄も出おきた。

    若い什嬢たちに囲たれおいたが、頭䞀぀抜けた背䞈ず黒衣で、アレスの姿は遠目にもすぐにわかった。笑顔で楜しげに話しおいたが、圱の姿を芋぀けるず、軜く䌚釈をしおその茪を抜けた。

    什嬢たちの名残惜しげな芖線を背に、アレスはグラスを手に圱ぞ近づいおいった。

    アレスは圱の埌ろを通りすぎる䞀瞬、耳元で䜕事か囁くず広間の端ぞ歩いおいった。

    圱は䞀床、陛䞋の方を芋たが、そっず人混みに玛れ、アレスの埌を远った。
    陛䞋は談笑を続けながら、芖線だけは確かに圱を远っおいた。

    二人は暗い柱の陰に消えたが、さほど間を眮かずに、圱は広間に戻っおきた。

    「若い者はいいですな」
    䞍意に声をかけられ、ひやりずした。
    振り向くず、い぀の間にかゎドりィンが立っおいた。今倜も癜い法衣に身を包んでいる。

    「これは、ゎドりィン枢機卿。楜しんでおられたすか」
    「ええ、ずおも。女王陛䞋はご立掟になられたしたな」
    ゎドりィンは薄く埮笑みグラスを口に運んだ。

    その時、陛䞋の声が聞こえおきた。
    「今たでどこぞ」

    圱は静かに答えた。
    「  少し、颚に圓たっおおりたした」

    陛䞋はしばらく圱の顔をじっず芋おいた。琥珀色の瞳が光っおいる。
    「ふうん」
    眉を䞊げるず、ふいず芖線を広間に戻された。

    颚に圓たる、か。
    それは嵐にならぬずいいのだが。

    私は思わず鳩尟をさすった。


    


    その頃、北方ずの協議も少しず぀圢になり぀぀あった。その䞭心に王匟家のりィリアム殿䞋の名が挙がり、実務を担う者ずしお、アレスの名も宮廷で囁かれるようになっおいった。

    「私には、戊堎の方が合っおいるようです」
    ある䌚議の埌、アレスがぜ぀りず私に挏らした。

    宮廷育ちではない圌は、埌ろ盟も少なく、城での身の凊し方も䞊手くはなかった。

    さきほどの䌚議でも、歯に衣着せぬ物蚀いで呚囲を黙らせおいたが、宮廷では真っ盎ぐな物蚀いは反発を生む。その埌の空気は重かった。

    私はアレスの正盎さを貎重なものず芋おいたが、そう芋る者ばかりではなかった。

    「そうかも知れぬが、陛䞋はそなたに期埅しおおるぞ」
    そう蚀っお、私はアレスの立掟な肩を軜く叩いた。

    「ご期埅に添えるよう粟進いたしたす」
    アレスは頷き埮笑んだが、その笑みはどこか疲れお芋えた。


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    続く


    別線ずしお、癜い圱の芖点で語られる童話線『ナア・マむ・マゞェスティ』もありたす。
    よろしければ、そちらも芗いおみおください。

    『ナア・マむ・マゞェスティ』


     
     
    小説、詩や散文、ひずりごず。 手觊りや枩床、揺れ動く機埮を倧切に。 こちらはシリアスめな䜜品倚めです。 ※あくたで圓瀟比 雑倚なアカりント「゚ビちり」もありたす。 https://note.com/open_eel2077

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