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Photo bysabinukidayoo

「出し惜しみ」「受け取り惜しみ」が苦しかった。Give&Takeの「取引」から、「思いやりの循環」の世界へ。

    人の好意や思いやりを受け取るのが苦手だった。

    優しくしてもらっても

    「私のためにここまでしてくれて、申し訳ない・・・!労力使わせちゃってごめんなさい。」

    って思っていたし

    何か贈り物をいただこうものなら

    「同じ分だけ、いやそれ以上をお返ししなきゃ!」

    って思っていた。

    今日は、「受け取り下手」だった私が、「受け取る」を意識して過ごすことで起きた変化について書いてみる。

    「Give 」しないと生き残れないと思っていた


    元々、自分に自信がなくて、何か価値を提供していないと、そのままの自分では存在していてはいけないと思っていた。

    仕事では、人よりも丁寧に仕事をする、人よりも多く働く、人よりも熱心に勉強する、そんな事を大切にしてきた。

    人間関係でも、人に思いやりを持って優しくする、相手が求めていることに応える、そんな事を大切にしてきた。

    そうやって、Giveしてきた。

    しかも、「たくさんGiveしないとあっという間にGive貯金がなくなる」と思っていたので、「もっともっとGiveしないと。Giveし続けないと」という恐怖心も強かった。

    でも、根底にあるのが、「これをやったら私を認めてくれるだろう」「これをやったら私を大切にしてくれるだろう」というものが強かったので、きっとなんか嫌~な匂いを放っていたGiveだったかもしれない。

    衣・食・住・Give

    くらい、私の中では生存に必要な要素の一つだったかもしれない。

    (もちろん、自分が元気な時や、心からの思いやりで相手にGiveできていた時もあったと思う。でも、そうじゃない時の記憶の方が強烈に残っているので、なんかこんな文章になってしまった)

    「Give疲弊」から、「Takeおばけ」になっていた


    こんな感じで、Giveをし続けていたので、Give疲弊していた。

    人間、Giveし続けて、自分の電池残量がゼロ、いや、マイナスの状態でも生き続けられるほど強くない。

    Give疲れを補うために、私は別のところでTakeをすることで自分を保っていたと思う。

    Takeする相手や場所はすごく見極めていたと思う。

    誰でもかれでもできるわけではないことはわかっていたので、特定の親密な関係の家族やパートナーにそれは向けられた。

    今思うと本当にごめんなさいなのだけど、注いでも注いでも埋まることのない私の「Take欲」に、彼らは戸惑っていたと思う。

    受け取ってくれてありがとう。そしてGiveしてくれてありがとう。

    今思うと申し訳ない気持ちと感謝の気持ちがあふれてくる(涙)

    バランスをとるための「出し惜しみ」と「受け取り惜しみ」のフェーズへ


    こんな不健全なGive&Takeをし続けてきたので、限界が来た。

    2011年、仕事も、パートナーシップも、家族関係も一気に崩壊した。

    この出来事をきっかけに、私は、自分のことをもっと理解したい、もっと大切にしたい、自分らしく生きたい、そう決意した。

    色々な情報に触れる中で、

    「自分を大切にすること」
    まずはそれができないと
    本当の意味で周囲の人を大切にすることはできない

    というメッセージに何度も出会う。(私の解釈も含まれます)

    元々人や環境からの影響を受けやすく、他者との間の境界線が薄い(相手が感じていることを自分のことのように感じてしまう。自分がなんとかしてあげたくなる。自分のこともなんとかしてほしいと思ってしまう、等)タイプだったこともあり、

    まずは自分を癒そう。自分を大切にしよう。自分を愛してあげよう。

    と心に誓った。

    そこから10年以上かけて、自己理解・自己受容のプロセスを歩んできた。

    おかげで、かなり自分を受容することができるようになった。自分のことが以前よりも好きになった。ありのままの自分で人と接することができるようになってきた。

    が、一方で、Give&Take劇場をやっていた頃のトラウマ的なものもあり

    Giveして疲れたくない
    Takeして人から嫌われたくない

    という残像がまだ私の身体の中に残っていた。

    他者との間でしっかり境界線を引き、自分を守り、必要以上にGiveしすぎないように、Takeしすぎないように気を付けていた。

    出し惜しみ=Giveしすぎない
    受け取り惜しみ=Takeしすぎない

    これをすることで、自分の中のエネルギーバランスを保とうとするようになっていった。

    このやり方は、ある一定の時期まではうまくいった。

    エネルギーをもっと大きくしたい、強くしたい


    2019年に独立して、キャリアとメンタルの領域でコーチング、カウンセリング、セラピーなどを提供するようになった。

    やりたい事しかやっていないので以前よりも充実感も幸福感もアップした。

    「あんなこともやりたい」
    「こんなこともやりたい」

    とやりたいことがどんどん増えていって、身体一つでは回らない、そんな状況がおきてきた。

    「私は疲れやすい」
    「人よりも回復に時間がかかるから、たくさん動けない」

    そんな自己イメージもあり、上述の「出し惜しみ」「受け取り惜しみ」もあって、すごく小さな枠に収まっている自分を感じるようになり、もどかしかった。

    もっと動ける自分になるために、できることは何だろう?

    そう感じているときに出会ったのが、「コンパッション・マインド・トレーニング」だ。

    「受け取る」が伸びしろだった!


    2023年8月~11月の3カ月にわたり、三神良子さんと植田早紀さんが主催する、「コンパッション・マインド・トレーニング」(以降、CMTと記載する)を受講した。

    「コンパッション」は「思いやり」や「慈悲」を指す言葉。

    仏教をベースにした考えで、

    「自分や他者の悩み苦しみに気づきや敏感さを持ち」

    「同時にそれを軽減し防ごうとする意志を持つこと」

    と定義されている。

    つまり、自分や他者に寄り添い、力になろうとする姿勢を指す。

    コンパッションには3つの流れがある。

    ①自分への思いやり
    ②他者への思いやり
    ③他者からの思いやりを受け取る

    この「③他者から思いやりを受け取る」に「!」となった。

    今まで、①②の世界で生きていたので、③という概念が新しかった。

    思いやりを受け取ってもらえると、思いやりを送った本人も嬉しい

    ぎだと

    この視点は抜け落ちていた!

    そうか、確かに、自分がだれかを思いやって言葉をかけたときに、「いやいや、そんな、申し訳ない」と言われるよりも、素直に「ありがとう。うれしい!」と受け取ってもらえた方が嬉しい。

    そうか、そうだよな、確かに受け取ってもらえると嬉しいよな。

    今時点で自分がどれくらいできているか点数をつけてみましょうというワークがあったが、私は圧倒的に③が低かった。

    「なんでかな?」と自分に問うた時に、Give&Take劇場の感覚がよみがえってきた。

    「人からの思いやりを受け取ったら、それ以上のものを返さないといけない」

    と思っていたから、無意識に受け取らないようにしていたのだと気が付いた。

    ③が低いということは、ここは「伸びしろ」だ。

    「伸びしろ」は私にとってはうれしいことで、

    「よし、ここからもっと伸ばしていけるものが見つかった!」

    とワクワクした。

    「思いやりの循環」ってこういうことなのかもしれない


    コンパッションでは

    ①自分への思いやり
    ②他者への思いやり
    ③他者からの思いやりを受け取る

    の3つは、相関関係にあって、何か1つが高まると、他も高まると言われている。

    「!」

    私の知っている「Give & Take劇場」では、GiveとTakeはイコールである必要があって、「取引」の世界だった。

    でも、コンパッションの世界は、①②③がつながりあって、影響を与え合っている「循環」の世界だった。

    「③他者からの思いやりを受け取る」はTakeではなくReceiveという感覚なのだ。

    目からうろこだった。

    「③他者から受けとる」を大きくしたら、「①自分への思いやり」「②他者への思いやり」も大きくなるのか。

    試しにやってみよう!と思って、実験を始めた。

    以下は具体的にやったこと。

    • お風呂の中で、「今日1日受け取った人からの思いやりは何かな?」と感じる時間をとった

    • (ほぼ)毎日、自分が今日受け取ったコンパッションを書き出した

    • 息子との関わりで、「ママ大好き」のエネルギーを敏感に感じ取って、それをただ「受け取る」に意識を向けた(思い出すと自然と涙が出てくる)

    • 人から受け取ったコンパッションに対して、心をこめて「ありがとう」を伝えるようにした

    • 過去にさかのぼり、自分にかかわってくれた人が自分に向けてくれた思いやりを思い出していった

    • 「人」だけではなく、水、自然、食べ物、建物、インフラ、制度など、私が生きる上で受け取っている様々なものに意識を向けてみた

    上記は一例だが、これをしばらく続けていく中で、変化が起きた。

    あぁ、毎日幸せだ

    そんな気持ちがじわじわとあふれてくるようになった。

    不思議と、以前よりもたくさん活動できるようになっていった。疲労の回復が早くなっていった。

    エネルギーが大きくなり、強くなった感覚が持てるようになった。

    たとえ、私がGiveしてエネルギーを使っても、またいつでも他者からの思いやりを受け取る(Receiveする)ことでエネルギーを自分で生み出すことができるんだという安心を得た。

    そして、なんでもかんでも受け取る(Receiveする)のではなく、「これは受け取っても大丈夫」というものを選べるようになっていった。

    同じく、なんでもかんでも与え(Give)するのではなく、「これはGiveしても大丈夫」というものも選べるようになっていった。

    すると、Giveが怖くなくなった。Takeをしなくても、Receiveすればいいだとわかったので、Takeをする必要がなくなった。

    これはとっても不思議な感覚で、今まで生きてきた中で感じたことのない感覚だった。

    あぁ、これが「循環」なのか。

    いつでも受け取る(Receiveすること)ができる私なら、私はもっとGiveしたい。

    惜しみなくGiveしていきたいんだ

    その心からの願いに気づいたときに、おののいた。大きな願いに触れた瞬間だった。

    私が大好きなMr.Childrenの『名もなき詩』という歌の歌詞にこんなフレーズがある。

    愛はきっと
    奪うでも与えるでもなくて
    気が付けばそこにあるもの

    Mr.Children 『名もなき詩』

    この歌詞を見たとき、このフレーズを聞いた時に、とても強烈なインパクトを受けたことを覚えている。

    1996年、今から30年近くも前のことだ。私は高校生だった。

    歌詞の意味はきっとよくわかっていなかっただろう。

    でも今は、なんとなくわかる。

    愛は奪うでも与えるでもなく、気が付けばそこにある。

    そう、Give & Take (奪う&与える)ではなくて、ただそこにあることに気づいてReceiveすればいいんだ。

    私はまだ「わたし」という旅路の道の途中だけど、「思いやりの循環」の世界に一歩足を踏み入れることができたことで、これからの未来の可能性はもっともっと広がった。

    生きるのがとても楽しみな今だ。

    きっとこれからも、悩みや苦しみにもがく日もあるだろう。でも、コンパッションで学んだ知恵と自分の経験を糧に生きていける。

    あぁ、毎日幸せだ

    それを感じて、受け取って、生きていこう。

    ***

    この記事は、3/20の世界幸福デーに向けた「#コンパッションアドベントカレンダー2025春」の最終日の投稿です。2/21からスタートし、コンパッション・マインド・トレーニングを受講したメンバーで毎日書いています。各回共通のテーマは「日常で見つけた幸せ」「あなたと私の幸せ」。ぜひマガジンをフォローして、幸せを受け取ってください。

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