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風と息/シロクマ文芸部

    中島ジーマ

    風が吹く冬場の河川敷でした。西日に向かってペダリングしました。マラソン大会で溜まった乳酸を忘れ、切らした水筒が前カゴで揺れていました。

    口呼吸で水分は蒸発し、ヘルメットが額の間で擦れて蒸れていました。出て行く水っ気に怯えて、脱水症状を起こしていたというようなことは、考えないようにしました。唾液を飲み、立ちこぎ、飲み、立ちこぎ、ゴクゴク飲みました。しかし、立つことは出来ませんでした。サドルにバウンドして進む程度、青信号の音が呼吸でかき消されていきます。

    昼に帰れない事を察して、帰路から逸れて、田んぼに侵入しないように設置した柵の一部、木の杭で後頭部と背中を支えて地面で仮眠を取ったことを覚えています。

    気付いたら、玄関の靴箱に溜まった埃の景色とフローリングの淡泊な質感でした。

    自分の呼吸が視野を狭めるぐらいの音量で聞こえたら、無理をせずに休むということは、今の指針になっています。

    了


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    フルタイムで働くフリーター。メモ、エッセイ、ショートショートなど、オールジャンルで雑多な感情を記事に詰めて投稿しています。 最低でも月曜日は更新。

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