
りぼん
「おはよう」
おひさまが
やさしく声をかけました。
カーテンをあけると
もくもくの雲
青い青い空。
女の子は窓をあけて
すぅーっと
思いっきり
おいしい空気を吸い込みました。
女の子のお気に入りは
オーガンジーの赤いりぼん。
朝になると
ママが
ふんわりちょうちょ結びに
結んでくれます。
「いってらっしゃい。」
「いってきます。」
女の子が元気に走り出すと
赤いりぼんは
風にゆれて
ひらり
ふわり
まるで
空とおしゃべりしているみたいでした。
その瞬間ー
赤いオーガンジーの赤いりぼんは、
するするほどけ
青い空に舞い上がります。

ふわり。
ひらり。
りぼんは、雲と雲を優しく結んで
一本の美しい橋になりました。
女の子は、目をまんまるにして
空を見上げます。
「わあ‥りぼんの橋だ。」
りぼんの橋は、
女の子が橋に乗れるように
もくもくの雲の階段をおろしました。
女の子は、ドキドキしながら
階段をのぼりました。
りぼんの橋から見る景色が
とってもきれいで
下の世界が小さく見えました。
まるで女の子の悩んでいる事が
ちっぽけに思えるくらい
女の子は大きな声を出して
"今を生きるぞー"
「はぁースッキリした。」
ゆらゆら ゆらゆら
空がオレンジ色になるまで
りぼんの橋で空を見ていました。

気がつくと
女の子は
いつものお部屋の窓辺。
髪には
お気に入りの赤いりぼんが
ふんわり
ちょうちょ結びになっています。
りぼんは
何も言いません。
でも
風が吹くたび
少しだけ
うれしそうに
ひらりと揺れるのでした。
おしまい