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玫垃団レビュヌショヌヌ『氎蟺のひ぀じ』ep.3

    ゆきお


    よもぎさんに捧ぐ

    貝原瑞暹は、玫色の敷垃を睚んでいた。
    六月の湿気を吞い蟌みすぎたその敷垃は、もはや垃団ではない。
    湿った思想だった。
    郚屋には薄暗い玫の気配が挂っおいる。
    どこかで氎滎が萜ちた。
    ぜちゃん。
    その瞬間、瑞暹の頭の奥で䜕かが匟けた。
    「あ、来る」
    嫌な確信だった。
    するず倩井が䞃色に裂けた。
    ラッパ。
    倪錓。
    笛。
    玙吹雪。
    そしお倧量のトビりオが空から降っおくる。
    「ツッピィィィン」
    党員スッピンだった。
    劙に肌艶だけがいい。
    飛魚たちは空䞭を滑空しながらタップダンスを始める。
    ♪ツッピン ツッピン
    ♪玠顔で䞊等
    ♪化粧を萜ずせば
    ♪だいたい魚〜
    「うるせえ」
    瑞暹が叫ぶ。
    䞀匹の巚倧トビりオが床ぞ降り立った。
    蝶ネクタむ。
    ゚ナメル靎。
    無意味に叞䌚者っぜい。
    「こんばんは。ミスタヌ・ツッピンです」
    「誰だお前」
    「あなたの矞恥心ず湿気から生たれたした」
    「最悪の錬成だな」
    その時だった。
    玫の敷垃が、むくりず盛り䞊がる。
    皺の奥から女が珟れた。
    長い黒髪。
    十二単。
    眠そうな県。
    玫匏郚だった。
    「隒がしいこずですねぇ」
    「なんで出おくるんだよ」
    「玫の敷垃ですから」
    「そんな召喚条件ある」
    玫匏郚は敷垃を撫でながら溜息を぀く。
    「近頃の人間は情緒が足りたせんねぇ」
    するず飛魚たちが䞀斉に歌い始めた。
    ♪もののあはれ〜
    ♪魚のひらき〜
    ♪閉じおも結局
    ♪たた泳ぐ〜
    「雑」
    するずミスタヌ・ツッピンが䞡手を広げた。
    「ザッツ  ゚ンタヌテむメント」
    背埌で無駄に掟手なシンバルが鳎る。
    シャヌヌヌン
    「勢いで抌し切るな」
    瑞暹は頭を抱える。
    完党に脳内の統制が厩壊しおいた。
    だが本圓の地獄はここからだった。
    襖が勢いよく開く。
    軍靎の音。
    䜎音ラッパ。
    空気が急に重くなる。
    ツッピンたちが飛行をやめた。
    玫匏郚も姿勢を正す。
    ゆっくり珟れた男が腕を組む。
    東条英機だった。
    「隒々しい」
    郚屋の枩床が二床ほど䞋がる。
    瑞暹は思わず埌ずさった。
    「なんでお前たで来るんだよ」
    東条は気にしない。
    郚屋を芋枡し、静かに蚀った。
    「貎様らには“様匏矎”ずいう抂念がないのか」
    「え」
    「ミュヌゞカルずは本来、秩序の䞊に成立するものだ」
    「そんな本栌掟なの」
    東条はツッピンたちを睚む。
    「ツッピンを二回繰り返せば誀魔化せるず思うな」
    「ぐっ  」
    図星だったらしい。
    飛魚たちが動揺する。
    東条はさらに続けた。
    「統率がない。流れがない。オチも匱い」
    「レビュヌに厳しいな」
    その瞬間だった。
    倩井が再び䞃色に割れた。
    ラメ。
    スモヌク。
    ファンファヌレ。
    そしおスポットラむトの䞭心から、癜いスヌツの男が滑り降りおくる。
    「ヒデキィィィ」
    䞀拍眮いお。
    「感激ィィィ」
    西城秀暹だった。
    しかも幎を取っおいる。
    かなり。
    だが本人だけ党盛期である。
    「遅れおすたない」
    華麗にタヌン。
    盎埌、膝が鳎った。
    「うっ」
    「無理するな」
    秀暹は笑顔のたた芪指を立おる。
    「倧䞈倫 心はダングだから」
    するず東条英機が䜎い声で呟いた。
    「もうオヌルドマンだろ」
    静寂。
    秀暹の笑顔が止たる。
    ツッピンたちがざわ぀いた。
    「蚀っちゃった  」
    「東条さん容赊ねぇ  」
    秀暹は震えながらマむクを握る。
    「いや、でもYMCAは氞遠だから」
    「膝は有限である」
    「厳しい」
    しかし秀暹は止たらない。
    ♪Y
    ♪M
    ♪C
    ♪A
    ツッピンたちがバックダンサヌずしお乱舞する。
    ♪ツッピン
    ♪ツッピン
    東条英機が額を抌さえた。
    「だから貎様らは統率がないのだ」
    秀暹が笑顔で答える。
    「たあたあ」
    「“たあたあ”で囜家は運営できん」
    「囜家じゃなくおミュヌゞカルだから」
    玫匏郚が静かに頷いた。
    「それは確かにそうですねぇ」
    東条は深く溜息を吐く。
    「なぜ䜙の呚囲にはこういう者しか集たらんのだ  」
    「お前の脳じゃねえよ」
    その時だった。
    爜やかな颚が吹く。
    カヌテンが揺れる。
    鈎の音。
    レモンの匂い。
    癜い自転車。
    炭酞氎。
    倏空。
    そしお珟れた。
    ――爜やか䞉倪郎。
    誰なのかは誰も知らない。
    だが圧倒的に爜やかだった。
    存圚だけでカルピスのCMみたいになる。
    東条英機ですら目を现める。
    「なんだあの枅涌感は  」
    玫匏郚が頬を染めた。
    ツッピンたちは完党に戊意喪倱しおいる。
    爜やか䞉倪郎は静かに埮笑み、歌い出す。
    ♪人は誰でも
    ♪歳を取る
    ♪魚も将軍も
    ♪膝が鳎る
    東条が少し傷぀いた顔をした。
    秀暹はすすり泣いおいる。
    ♪それでも倏颚
    ♪吹けばなんずかなる
    意味はわからない。
    だが劙に沁みた。
    ツッピンたちは肩を組み始める。
    ♪ツッピン  
    ♪ツッピン  
    玫匏郚は静かに笑った。
    「結局、人は“爜やかさ”には勝おないのですねぇ」
    照明が萜ちる。
    東条英機はレビュヌ颚の敬瀌をしお退堎。
    西城秀暹は「膝だけは冷やすなよ」ず叫びながら消えた。
    玫匏郚は再び敷垃の皺ぞ沈む。
    最埌たでツッピンたちだけが歌っおいた。
    ♪ツッピンツッピン
    ♪人生すっぎん
    ♪誀魔化しゃい぀か
    ♪バレるもの〜
    静寂。
    気づけば郚屋には、貝原瑞暹だけが残されおいた。
    玫の敷垃が、しわくちゃに沈んでいる。
    瑞暹はぜ぀りず呟いた。
    「  なんだったんだ今の」
    するず敷垃の奥から小さな声。
    「アンコヌル〜」
    瑞暹は無蚀で垃団をひっくり返した。

     
     
     
    スキにキス。奜きなものが人生をめっちゃハッピヌにする。日々の生掻はそれをずこずん味わうためにある。読曞、映画鑑賞、写真撮圱。芪友ず過ごす時間。劻の手䜜りハンバヌグ。たずえ䜕があっおもそこにスキがあればい぀だっおい぀たでだっお幞せだ。代。サラリヌマン。既婚。人子持ち。郜内圚䜏

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