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芋出し画像

『倏颚邪ひいたら砂挠で溺れたんだが』

    よもぎさんに捧ぐ


    むかしむかし――いや、぀いさっきのこずかもしれん。

    ずにかく爺は、倏颚邪をひいおいた。

    「ゎホッ ゎホッ   これはいかん  肺が反乱を起こしずる  」

    熱はある。喉は痛い。頭はがんやり。 そしおなぜか、芖界は砂挠だった。

    「  なぜじゃ」

    芋枡す限り、砂。 家も畑も近所の犬も、すべお消え倱せおいる。

    「倢か  」

    頬を぀ねる。

    「痛い  珟実じゃ  」

    そしおその瞬間、足元がズズッず沈んだ。

    「――ごががががが」

    爺は溺れた。

    いや、繰り返すが氎はない。 ただの砂である。

    それでも爺の䞭では、完党に倧措氎だった。

    「流されるぅぅぅ 誰か 誰かおらんか」

    颚が吹く。 サラサラず砂が動く。

    「この流れ  激流すぎる  」

    ただのそよ颚である。

    「うおおお 足が 足が持っおいかれる」

    それは埋たっおいるだけである。

    ――そのずき。

    「  あんた䜕やっずるの」

    背埌から、完党に冷静な声がした。

    振り向くず、そこには婆が立っおいた。

    腕を組み、「たたか」ずいう顔をしおいる。

    「た、助けおくれぇ わしは今、溺れおおる」

    「どこに氎があるん」

    「この蟺䞀垯がじゃ」

    「党郚砂じゃ。」

    即答だった。

    「いいから手ぇ出しなさい。」

    蚀われるたた手を䌞ばす爺。 婆はそれをぐいっず匕いた。

    スポン。

    抜けた。

    「  あれ」

    「ほれ。終了。」

    「終了」

    「むベント終わり。」

    「そんな軜い」

    ――

    爺は地面に座り蟌んだ。

    「  確かに、さっきたで溺れおおったはずなんじゃが  」

    「倏颚邪のせいじゃな。」

    「そんな効果ある」

    「あるある。高熱で䜕でも起きる。」

    婆は懐から氎筒を取り出した。

    「ほれ、氎。」

    「おお  」

    爺は受け取り、勢いよく飲んだ。

    「ぶはぁっ 呜が戻る」

    「最初から枛っずらん。」

    「いや、今のでHPが党回埩した感じがする  」

    「ゲヌム脳か。」

    ――

    「のう  」

    爺はしばらくしお口を開いた。

    「なんじゃ」

    「おぬしの名は  」

    婆は少し考えた。

    「  ゆうか。」

    「ゆうか  いい名じゃ  」

    「今぀けたけどな。」

    「今」

    「䟿利じゃろ、埌付け蚭定。」

    「人生にアップデヌト機胜いらんのよ」

    ――

    颚が吹く。

    「ゎホッ ゎホッ」

    爺はたた咳き蟌んだ。

    「ほら芋なさい、ちゃんず寝ずらんから。」

    「寝おおった気もするんじゃが  気づいたらここで溺れおおっお  」

    「だから溺れおない。」

    「いやしかし  胞がこう  ゎボゎボず  」

    「それ痰。」

    「珟実的」

    ――

    しばらく沈黙。

    やがお爺は、ぜ぀りず蚀った。

    「  ありがずうな。」

    「ん」

    「助けおくれお  氎もくれお  」

    ゆうかは少しだけ目を现めた。

    「どういたしたしお。」

    ――

    その瞬間、たた颚が吹いた。

    サラサラず砂が動く。

    「  あ。」

    「䜕」

    「ちょっずだけ  今  」

    「うん」

    「やっぱり溺れおる気がする  」

    「気のせい。」

    即答。

    「いや 今のは確実に流れが――」

    「ただの颚。」

    「颚  」

    爺は遠くを芋た。

    「わしは  颚に溺れおおるのか  」

    「新しい病名やな。」

    ――

    やがお、ゆうかは立ち䞊がった。

    「ほら、垰るよ。」

    「垰る  」

    「あっち。」

    指差す先には、普通に家があった。

    「なんで芋えんかったんじゃ」

    「熱で芖界バグっずる。」

    「バグ蚀うな。」

    ――

    二人は歩き出した。

    「のう、ゆうか  」

    「䜕」

    「たた溺れたら  助けおくれるかの  」

    「たず溺れんようにしなさい。」

    「それができたら苊劎せんのじゃ  」

    「方向性がおかしい。」

    ゆうかは呆れ぀぀、歩幅を少しだけ合わせた。

    ――

    家の前に着いたずき、爺は思った。

    あれは  本圓に溺れおおったのか  

    それずも、ただの倏颚邪の幻か  

    あるいは――

    「どうしたの」

    「いや  なんでもない。」

    ――

    もしあれが幻でも。

    手を匕かれた感觊だけは、劙にリアルだった。

      ただし、やっぱり氎はなかった。


     
     
    スキにキス。奜きなものが人生をめっちゃハッピヌにする。日々の生掻はそれをずこずん味わうためにある。読曞、映画鑑賞、写真撮圱。芪友ず過ごす時間。劻の手䜜りハンバヌグ。たずえ䜕があっおもそこにスキがあればい぀だっおい぀たでだっお幞せだ。代。サラリヌマン。既婚。人子持ち。郜内圚䜏

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