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編む人が立ち止まらないように。ポンポンキャップ翻訳の舞台裏

段染め毛糸で編む“大人のポンポンキャップ”

先日、ポンポン付きニットキャップの翻訳とテストニットの
依頼を受けました。
使用している糸は海外ブランドの段染め毛糸。
依頼元からは
「来店客の年齢層が高いので、この糸を使った作品を紹介したい」
という希望があり、その条件に合う作品として、
このキャップが選ばれました。

ポンポン付きの帽子というと子ども用のイメージが強いかもしれませんが、段染めの高級糸で編むと、大人にも似合う上品な雰囲気になります。
海外ブランドのベビー・キッズ向けデザインでも、
大人用にしてみると意外な発見があるものです。

ポンポンメーカー問題:サイズが書かれていない編み図

今回の編み図には、使用する針の推奨ブランドは明記されていました。
ところが、ポンポンメーカーについては言語によって記載がまちまちで、
英語版には何も書かれていません。
ドイツ語版にはメーカー名がありましたが、サイズまでは分からず、
オリジナルの写真から推測するしかありませんでした。

昭和の時代では、厚紙を使ってポンポンを作るのが一般的でしたが、
今は国内メーカーから「ポンポンメーカー」が発売されていて、
誰でもきれいに作れるようになっています。
ただし、サイズが複数あるため、今回のキャップに合う
大きさを判断するには、実際にいくつかのサイズを
試す必要がありました。


国内メーカーの事情と翻訳の工夫

試しているうちに気づいたのは、
国内で手に入るメーカーのポンポンメーカーは、
どれも同じサイズセットを販売しているわけではない
ということ。
メーカーごとに微妙に違うサイズの組み合わせで
セットが作られているようでした。

そのため、翻訳で特定メーカーの特定サイズを指定してしまうと、編み手が困る可能性があります。 そこで今回は、

「○○cm〜△△cmのポンポンメーカーを使用して…」

という表現にしました。 どのメーカーを持っていても、
あるいは新しく購入する場合でも、編み手が迷わずに済むように
するための工夫です。

翻訳は単なる言語変換ではなく、編み手が困らないように
するための“設計”でもある、と改めて感じました。


大人がかぶるポンポンキャップの魅力

完成したキャップは、段染めの色が美しく、
ポンポンもふわりと上品に仕上がりました。
子ども用のイメージが強かったポンポン付き帽子が、
糸の質や色によってこんなにも印象が変わるのかと、
編みながら驚いたほどです。

海外ブランドの作品を見ていると、ベビーや子ども用のデザインでも、
大人用にアレンジすると新しい魅力が生まれることがあります。
今回のキャップで、その良い例を見ることができました。


まとめ:翻訳しながら見つけた“デザインの可能性”

ポンポンメーカーのサイズ問題から始まった
今回の翻訳とテストニット。
編む人が途中で立ち止まらなくて済むように、
細かなところを一つずつ整えていく作業でした。

そうして手を入れていくうちに、作品そのものの
新しい魅力にも気づくことができました。
翻訳の仕事は、編み図の言葉を整えるだけではなく、
編む手順がつながるように支える、小さな判断の積み重ね。
その面白さを改めて感じた案件でした。


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