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#7薄明スピンオフ『九条皜真の恋』

    こちらの物語は、先日完結した長線恋愛小説『薄明』の番倖線スピンオフですが本線をお読みになっおいない方でも単䜓でお楜しみいただける内容になっおいたすので、本線未読の方もぜひ気軜にお読みください。

    前回のお話はこちら


    薄明スピンオフ:九条皜真の恋 第7話


    ​「  これからは、お互いに名前で呌び合いたせんか 皜真さん」

    ​その蚀葉が錓膜に觊れた瞬間、皜真の胞の奥が、ぎゅっず甘く締め付けられた。

    たった今笑われた恥ずかしさなんお、䞀瞬でどこかぞ吹き飛んでしたう。

    それほどたでに、圌女が自分の名前を呌んでくれ、たた圌女が理華ずいう本圓の名前を呌んでほしいず思っおくれたこずが、理屈抜きに嬉しかった。 
     

    ​それは「嚌婊ず元客」ずしおの境界線を取り払い、ただの男女ずしお互いに存圚するこずを蚱されたような、特別な響きだったからだ。


    ​「  、そうだね、わかった  。
    理華さん」


    ​ただ少し違和感のあるその名前を、皜真は宝物のようにそっず口に銎染たせおみる

    理華は嬉しそうに、にこりず埮笑んだ。


    ​二人はたずむタリア産のスパヌクリングワむンをグラスで頌み、前菜の生ハムずむチゞクのカプレヌれ、そしお手打ちのゞェノベヌれパスタを泚文した。

    ​やがおグラスに泚がれたスパヌクリングが運ばれ、繊现な泡が幟筋も立ち䞊り、爜やかで華やかな銙りがテヌブルを満たし始める。

    也杯のグラスが、チリンず繊现な音を立おた。


    ​「私、皜真さんのこず、ずっず心配だったんですよ」


    理華が蚀うその蚀葉を聞いお、皜真は意倖そうに目を䞞くする

    「  、心配どうしお」


    ​理華が现い指先でグラスの脚を揺らし、光を反射する泡を䞀口含んだ。


    ​「こんなに玔粋で真っ盎ぐな方が、䞀䌁業の瀟長ずしおやっおいけるのかなっお  。
    だっお、経営っお倧倉なこずが倚いでしょう
    倚少は図倪くなければ、やっおいられないですもの。トップに立぀ずいうのは䞊倧抵の苊劎じゃありたせんから。

      だからこそい぀も、あんなに疲匊しおいらっしゃったんだず思いたすけど」  

    「    。」


    ​図星だった。皜真はグラスを匄びながら、苊笑を挏らす。

    ​「  そうだね、よく蚀われるよ。甘いずか、お人奜しだずか。
    呚りに恵たれおるおかげで、䜕ずかやれおるけど」


    ​皜真は少しの沈黙のあず、自分の根底にある生い立ちに぀いお、ぜ぀りず話し始めた。


    ​「  僕は、父ず母の間に随分遅くにできた子䟛だったんだ。
    兄ずはひず回り以䞊歳が離れおいお、兄が䞭孊生の頃に僕が生たれた。

    そのせいか、父からも兄からも  特に母芪からは、随分ず可愛がられお育ったんだず思うよ。

    長男の兄が家も䌚瀟も継ぐこずが決たっおいたから、次男の僕なんお気楜なものでさ。

    祖父母にも随分甘やかされお  
    人の悪意なんお知らずに育ったずころがある」

    ​少しだけ嘆くように、皜真は芖線を萜ずした。

    ​「でも、だからこそ  。父ず兄が䞍祥事を起こしおいたずきも、僕だけは巻き蟌たないようにっお、圌らは僕を培底的に遠ざけおいたみたいなんだよね。

    裁刀が始たっお、色々な曞類を芋おいるうちにようやくそれが分かった。

      僕ずしおは、知りたかったし、止めたかったんだけどね 」


    ​守られおいた、けれどだからこそ遠ざけられ、䜕もできなかったずいう無力感。


    その切ない告癜を、理華は遮るこずなく、ただ慈しむような県差しで静かに頷きながら聞いおいた。


    ​「そうですか  」


    ​理華はグラスを眮き、たっすぐに皜真を芋぀めた。


    ​「でも、お話を聞いおいお䜕ずなく分かりたした。

    あなたがどうしおそんなに枩かいのか。どうしおそんなに人に慕われるのか 。

    うんず愛されお育った人っお、どこか分かりたす。

      きっず、みんな日向がっこがしたいのかもしれたせんね。あなたずいう倪陜の䞋もずで」


    ​「え  」

    ​予想もしなかった蚀葉に、皜真は驚いお顔を䞊げた。

    ​「そんな  。僕はただの、䞖間知らずの青二才なだけだよ」


    ​「いいえ」

    ​理華は、今床は明確に、匷い口調で吊定した。

    ​「私だっお、その䞀人です。
    あなたのそばにいるず、ずおも心地よくおあたたかい気持ちになる」


    ​悪戯っぜさの消えた誠実な衚情を浮かべお、理華は静かに蚀葉を重ねる。


    ​「そしお  支えたくなりたす」


    ​真っ盎ぐに泚がれるその真摯な瞳ず包み蟌むような埮笑に、皜真はたちたち顔が熱くなるのを感じた。

    心臓がうるさく鳎っおいる。


    ​か 、勘違いするな。これは圌女のリップサヌビスだ。男を喜ばせるための  

    ​そう自分に無理やり蚀い聞かせなければ、今すぐ圌女を抱きしめたくなっおしたう。


    皜真は慌おおスパヌクリングを喉に流し蟌み、熱を誀魔化すように運ばれおきた料理を口に運び始めた。


    そんな皜真を理華はたぶしそうに埮笑みながら眺めおいる。


    ​少し萜ち着きを取り戻した頃、皜真は2杯目にトスカヌナ産の軜めの赀をふた぀頌み、理華に気になっおいたこずを問いかけおみた。

    ​「理華さんの  その、コンシェルゞュサヌビスずいうのは、具䜓的にどんなこずをするの」


    ​「 そうですね」


    ​理華はパスタを品よく口に運び、楜しそうに話し始めた。


    ​「ありずあらゆるご芁望を承る仕事ですよ。
    いわゆる 富裕局向けの”䜕でも屋” ずでも蚀うのかしら。

    ご家族のバヌスデヌパヌティヌの䌁画から、旅のご提案・コヌディネヌト、時にはヘリコプタヌやプラむベヌトゞェットの手配たで。

    海倖からのお客様の接埅をお手䌝いしたり、提携しおいる矎容クリニックやファッションのご提案をしたり  本圓に倚岐にわたりたす。

    䞭でも特に倚いのが、やはり旅行のコヌディネヌトですね」


    ​「なるほど  。さっき加玍が持っおいた切り抜きも、その蚘事だったのかな」

    ​「ええきっず。若いずきはかなり色んな堎所に行きたしたから、起業の経緯ずか、そのあたりのこずを䞭心に曞いおいたず思いたす。

    本圓に、毎日が目たぐるしいほど忙しい仕事ですけれど、お客様の喜ぶお顔が盎接芋られるので、すごくやり甲斐があるんですよ」


    ​理華は過去を振り返るように、遠い目をしながら埮笑んだ。

    「孊生時代にすごく頭の切れる友人がいたんです。
    それでその人ず䞀緒に株匏投資を始めお、  時代も良かったんですね、そこでちょっずした財を築いたんです。

    その頃に、本圓に色んな囜を旅したした。

    卒業埌は䞀床䌁業に就職しお、数幎でトップセヌルスも経隓したんですが やっぱり自分の理想のサヌビスを䜜りたくお、その友人ず『リュクスゲヌト』を起業したした」

    ​そこたで䞀気に語るず、理華はふず芖線を萜ずす。

    ​「でも䌚瀟を立ち䞊げお間もなく、その友人が事故で若くしお亡くなっおしたったんです。
    最初の10幎は、友人の分たで頑匵らなきゃっおそれこそ1人で寝る間もないほど無我倢䞭でした。

    ずにかくがむしゃらに䌚瀟を倧きくするこずだけに、自分のすべおを泚ぎ蟌んできた気がしたす。

    でも、最近になっおやっず、埌進のスタッフたちにも倧きな仕事を任せられるようになっおきお  少し、自分自身の働き方や人生を芋盎しおいるずころだったんですよ」


    ​理華はそこで蚀葉を区切り、手元のワむングラスをゆっくりず傟け飲み干した。

    ルビヌ色のワむンの残り銙が、圌女の瞳にどこか寂しげな陰圱を萜ずす。

    ​「仕事も䌚瀟も軌道に乗っお、少し時間ができたずき  ふず思ったんです。

    個人的な、ある『実隓』をしおみようかな、っお」

    ​「実隓」

    ​皜真が銖をかしげるず、理華は艶然ずした笑みをその唇に浮かべ蚀った。


    ​「ええ。それが  あの、高玚嚌婊ハむ゚ンド゚スコヌトのお仕事だったんです」



    ぀づく



    続きは明日21時頃曎新予定です


    本線『薄明』を1話から読んでみたい方はこちら

    あらすじもあるよ

    理華゚リカが出おくるのは18章「仮りそめの愛」です

    よろしければこちらだけでもお読みくださるず、スピンオフをもっず深く楜しめるかも

    むタリアン食べおぇな。

    それではたた明日

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    生たれお初めお曞いた恋愛小説『薄明』を投皿するためにひっそり始めた内緒のnoteで倫婊関係も倉わったアラフィフ。 今は自䌝私小説曞いおる。 スキコメントフォロヌお気軜に

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