
プライド①
夏の本気、セミの鳴き声と35度を超える気温に、全てのやる気が溶け出ていく。
俺も今年で27歳になるが、年収400万円も満たない普通 いや、普通以下のサラリーマンである。
こういう日にはキンキンに冷えた発泡酒を飲みながら手作りのアテで一杯やりたいものだ。
今日で仕事も一区切り。
1週間の長い盆休み幕開けである。
久しぶりに島に帰ろう。両親や弟、妹に合わせて今回は親戚も沢山集まるみたいだ。
仕事が終わり発泡酒とスナック菓子を買い、ワンルーム家賃4万円のボロアパートに帰宅。
翌朝、ソファーで冷房に打たれながら寝落ちしていた。スマホに表示されたゲームのリザルト画面、リトライの文字に朝から気分がガタ落ちである。
キャリーバッグにとりあえず服を詰めれるだけ詰めて、9時半発のフェリーで故郷に向かう。
雑魚寝仕様の2等席で約3時間かけて帰郷する。
到着してからタクシーでワンメーターの所に実家がある。そこから歩いて100メートル程度に母方の祖父母の家がある。
ばあちゃんは島国で民宿を営んでおり、大きい宿ではないが、それなりにお客さんは来ている。
じいちゃんは3年ほど前に寿命が尽きてしまい、今は仏壇間にいる。
今回は全員で3家族、うちの家族5人と、従兄弟の家族が2家族でそれぞれ関東圏から遥々おいでになるそうだ。縦兄弟の家族はそれぞれ3人ずつで、いずれも母方の従姉妹である。
ひと足先に帰省をした俺は、夜のばあちゃん家で行われる集まりに備え、家でゆっくりする。
この時は楽しい帰省がまさかこのような結末になるなんて思いもしなかった。