スタバより落ち着くコンカフェで、今日も膝に電気を流す
最近、膝と腰が痛くて整形外科のリハビリに通っている。体重が増えたせいなのか歳のせいなのか、とくに膝は曲げるとひどく痛む。四六時中子どもを抱っこしているせいだ、と自分をなぐさめてみるが、よけいに悲しくなった。
しばらくリハビリをサボっていたせいで、受付で「また診察を受けてください」と言われてしまった。面倒だな、と思いながらしぶしぶ診察室に入る。
先生は優しかった。以前レントゲンを撮ってもらったことがあるが、膝も腰も骨に異常はなかった。「筋肉をつけましょう」と言われると、なんだか自分が運動もできないダメな人間だと言われているようで、少し情けなくなってしまう。膝の触診がすむと、痛み止めと湿布を処方してもらい、目的のリハビリ室へ向かう。
リハビリ室には、スタッフのお姉さんたちがいつも2〜3人いて、忙しそうに動き回っている。ベッドに寝転んで機械を装着し、膝と腰に電気を流してもらう。はじめはこんなものでよくなるのだろうか、と疑ったものだが、通っているうちに不思議と痛みが和らぐ。
そして何より、スタッフのお姉さんたちはとても優しく、ス◯バも顔負けの接客をしてくれるのだ。お客さんは年配のお兄さん・お姉さん方(※おじいちゃん・おばあちゃん)が多いので、本物のスタ◯より、かえって落ち着くかもしれない。
それにしても、リハビリに来ている諸先輩方のコミュ力はすごい。スタッフさんと天気の話にはじまり、サッカーの話、ご近所さんのウワサまで一向に話題が尽きない。
一方、私はというと、スタッフさんが「急に晴れてきましたね」と話しかけてくれても「あ、はい」と強制終了してしまう。
「今日こそお姉さんたちと何か話そう」
と意気込んで行くものの、毎回天気の話止まりである。せめてスタッフさんのことがこんなに好きだという気持ちだけでも伝えたい!と寝そべりながら謎の情熱が湧いてくる。コンカフェに通いつめる客というのは、もしかしするとこんな気持ちだろうか。
私は年上の優しい女性にめっぽう弱い。優しいお母さんというものを知らないせいか、女性のなかに無意識に母性を求めているのかもしれない。年上の女性に優しくしてもらうと、一瞬で心を奪われてしまう。今ここで「いい投資話があるよ」と持ちかけられたら、私は確実に乗る自信がある。それくらい弱い。
リハビリのお姉さんたちは優しく声をかけながら、かいがいしく私の世話をしてくれる。もちろん向こうは私に好感を持っているわけではなく、100%仕事だからそうしているだけだ。それでも私はリハビリに行くと、スタッフのお姉さん方に骨抜きにされてしまう。膝と腰をよくするためというよりも、つかの間の癒しと「心のお母さん」が欲しくて、私は今日も診察券を握りしめてリハビリに通うのだ。
