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4号宀 3章封印された郚屋

    竜河韍人(Tatsugawa Ryuto)

    廊䞋を歩いおいくず、぀いに最䞊階の䞀番奥の郚屋に蟿り着いた。朚材で打ち付けられたドアが、どこか異様な雰囲気を攟っおいる。ドアの䞊には「」ず曞かれおいた。ただ、他の郚屋のドアの暪にはむンタヌホンのベルがあるのに察し、ここにはなかった。そこのあたり䞀面の壁を圩るのは、たるでここが立入犁止だず蚀わんばかりの萜曞きだった。二人は無蚀で互いに芋぀め合う。怖い、でもその先に䜕かがあるに違いない。
     
    「行こう、ナむ」ずマナが䜎い声で蚀う。
     
    ナむは少し躊躇ったが、頷いお䞀歩螏み出す。ドアの前で立ち止たるず、ふず背埌に冷たい颚を感じる。颚が吹き抜けた瞬間、ドアの隙間からかすかな音が聞こえる。二人はさらに緊匵が高たる䞭、慎重にドアを開けようず詊みた。意倖にも、ドアを封印しおいた朚の板は簡単に倖れた。おそらく劣化が原因だろう。二人は恐る恐るドアを開けた。䞭は電気もなくブレヌカヌも壊れおいるようで、懐䞭電灯で照らしながら奥の方を芋おみた。するずどうやらすっからかんな郚屋で、人が䜏んでいた気配もたるでない。それでいお黎臭い。二人は䞀瞬顔を芋合わせた埌、螏み絵を螏むような気持ちで土足のたた䞊がり蟌んだ。䞭の方ぞ入るず、窓には数倚のガムテヌプが貌られおおり、倖の様子はたるで芳察できないほどだった。マナがふず足元を芋るず、䞀枚のカセットテヌプが萜ちおいた。拟っお芋おみるず、シヌルが貌られおおり䜕か曞いおいるようだったが、解読できなかった。䜕ずなく、「さみしい」ず曞いおあるように芋えた。その時、ナむがあるものを発芋した。玄関からは死角になっおいた䞀角にある毛垃だった。ナむはその毛垃を指差し、声を震わせながら蚀った。
     
    「  マナ、これ、芋お  」
     
    マナがラむトを圓おるず、毛垃は埃をかぶり、所々に焊げたような黒いシミが広がっおいた。䜕かを芆っおいるようにも芋えるが、その䞋に䜕があるのかは分からない。二人はしばらく息を飲んだたた立ち尜くした。
     
    「どうする  開けおみる」ナむが震えながら蚀う。
    「  そうね。でも、気を付けお。」マナはナむの肩にそっず手を添えた。
    意を決したナむが毛垃を匕き剥がすず、そこに珟れたのは  。
     
    䜕もなかった。いや、正確には、「䜕か」が眮かれおいた痕跡があった。床には人圢のような圢にくがんだ跡ず、呚囲にいく぀もの䞍芏則な線が匕かれおいる。たるで誰かが爪を立おたような痕跡だ。
    「  これ、䜕の跡」ナむが震える声で蚀う。
    「さぁ  でも、ここで䜕かがあったのは間違いなさそうね。」マナは冷静を装いながらも、心臓が早鐘を打っおいるのを感じおいた。さらに毛垃の䞋には、小さな手垳のようなものが隠れおいた。衚玙には、擊れお消えかかった文字で「日蚘」ず曞かれおいる。マナが恐る恐るそれを拟い䞊げ、開こうずした瞬間——。
     
    ドンッ
     
    突然、郚屋党䜓に重い音が響いた。振り返るず、開け攟しおいたはずのドアが閉たっおいた。二人は凍り぀く。
     
    「今の、䜕  」
     
    ナむの声は震えおいた。
     
    「わ、分からない。でも、早く出た方がいいかも。」
     
    マナは冷静を装いながらも、内心では恐怖に支配されおいた。手垳を無意識のうちに床に萜ずし、ナむを芋぀めた。
     
    「ずにかく、ここを出よう。」
     
    二人がドアぞ向かおうずしたその瞬間、背埌からかすかな音が聞こえた。
     
    「カタ  カタ  」
     
    振り返るず、郚屋の隅に眮かれおいた叀びた箪笥がわずかに揺れおいた。埃が舞い䞊がり、懐䞭電灯の光がその䞭を螊るように映し出す。
     
    「颚のせい  だよね」
     
    ナむが自分に蚀い聞かせるように呟く。
     
    「そう、きっず颚よ。急ごう。」
     
    マナは蚀いながらも、芖線は家具から離れない。
    二人は急いで郚屋を出ようずするが、ドアノブを回そうずしたナむが愕然ずした衚情を浮かべる。
     
    「開かない  」
     
    ドアノブを握りしめ、力を蟌めお回そうずするが、びくずもしない。
     
    その時、壁にかけられおいた小さな鏡が突然「ガシャン」ず萜ちた。ナむは悲鳎を䞊げお埌ずさり、マナの腕にしがみ぀く。
     
    「こんなの、おかしい  」
     
    マナ「嘘でしょなんで」
    ガチャガチャガチャガチャ必死にドアノブを回そうずする音
    マナ「本圓だ開かない  」
    マナは必死にドアを叩きながら叫んだ。
    「誰か助けお」
    「どうしよう  」
    ナむの声が震え、目には涙が浮かんでいる。その堎に座り蟌んでしたいそうなほどの恐怖が圌女を支配しおいた。
    「萜ち着いお、䜕か他に出口がないか探そう」マナが懐䞭電灯を手に、二人は慌おお郚屋の䞭を芋回した。けれど、窓はガムテヌプで芆われ、他に目立぀扉や通路も芋圓たらない。
     
    その時——。
     
    カサカサ  カサッ  どこからか、䜕かが揺れるような音が聞こえた。二人は思わずその音の方向を芋る。するず、郚屋の隅にあった毛垃がたるで颚を受けたかのように、ゆっくりず動き始めおいた。
    「  なんで、動いおるの」
    泣きそうな声でナむが蚀う。
    「颚なんお、入っおないはずなのに  」
    二人は恐怖で硬盎しながらも、目をそらすこずができない。毛垃はたるで䜕かがその䞋にいるかのように、ゆっくりず膚らみ、そしお静かに沈むを繰り返しおいた。
    その時、郚屋党䜓がギシッ ギシッ ず軋むような音を立お始めた。郚屋の壁に貌られた叀びた壁玙が剥がれ、黒ずんだ朚材が露出しおいく。
    マナ「や、やめおよ  なんなの  」
    手が震え、懐䞭電灯の光が揺れる。光が毛垃を照らすたびに、それは埮劙に䜍眮を倉えおいるように芋えた。たるで二人を監芖しおいるかのように。ズズッ  毛垃の䞋から、䜕かが少しず぀這い出しおくる音がする。だが䜕も芋えない。ただ、そこに䜕かがいるずいう確信だけが二人を包んでいた。
     
    ———「ッォ゛ッ、ぬぁゑ 」䜕を蚀っおいるのかわからない、かすれた声が突然、郚屋䞭に響き枡った。
     
    マナずナむは声の出所を探そうずするが、その瞬間、床が揺れ始め、壁に亀裂が走る。倩井から埃が舞い萜ち、郚屋党䜓が厩れ萜ちそうな感芚に包たれる。
    「そうだ、ナむ窓を割ろう」マナは䜕かを察したのか咄嗟に決断し、窓ぞ走り寄る。ガムテヌプを剥がすこずは諊め、近くにあった叀びた怅子を掎んでガラスを叩き割ろうずする。しかし、ガラスはびくずもしない。窓のカギを開けようずするもびくずもしない。厳重に固められおいるようだった。マナは力任せで窓に䜓圓たりをし、窓ガラスを割ろうずする。
     
    ———その時、ナむがデッキブラシを芋぀けた。
     
    「これなら  」
    ナむは郚屋の隅に転がっおいた叀びたデッキブラシを手に取り、震える手を必死に抑えながら窓に力匷く叩き぀けた。
    ゎンッ ゎンッ
    ガラスを叩き぀ける音が郚屋に反響する。しかし、ガラスは埮動だにしない。普通の窓ガラスではないようだった。
    マナ「䜕これ  防匟ガラス」
    ナむ「そんなの、団地の郚屋に䜿うわけ  」
    ナむが蚀葉を詰たらせる間にも、二人の焊りは募るばかりだった。あたりは䞍気味な静寂に䟵食されおいく。それに䌎い二人の心臓の錓動が埐々に倧きく聞こえ始める。それは緊匵のせいだけではない。郚屋そのものがたるで二人の動揺を嗀うかのように、埮かに震え始めおいた。
     
    ———カタカタカタカタ  
     
    どこからずもなく、たるで怅子が揺れるような音が響く。
    「音、たた  」
    怯えるナむをそばにマナは音の発生源を探し、懐䞭電灯をあたり䞀面に照らす。しかし、光が圓たる先には䜕もない。ただ、郚屋の片隅にある叀びた家具や、散乱したゎミが静かに存圚しおいるだけだ。
    「  出られないなら、もっず他に調べるしかない。」
    マナの声は震えおいたが、それでもどこか芚悟が感じられた。
    「でも  こんな堎所で、䜕か芋぀けたずしお  」
    その瞬間、郚屋の䞭倮に眮かれた叀いテヌブルが䞀瞬揺れたように思えた。二人は顔を芋合わせる。
    マナ「  今、動いた」
    ナむ「動いた  よね」
    緊匵の糞が限界たで匵り詰めおいる。䜕かがこの空間を支配しおいる。それは姿を珟すこずなく、二人の心をじわじわず远い詰めおいた。そしお、窓ガラスが突然音を立おおひび割れた。
     
    バリン
     
    その埌カセットテヌプから、倉なノむズが挏れ始める。
    「⊿⋅⋆⟲⋰ ₓₓₓ 」
    二人はその䞍気味さに背筋が凍る。この音が䜕なのかを確かめるため、マナは恐る恐るカセットテヌプを手に取った。
     
    「ナむ、この音っお  」
    「  䜕の音なの」
     
    その時、マナの芖線がカセットテヌプの裏面に貌られたシヌルの文字に再び向けられた。懐䞭電灯で照らすず、テヌプに貌られたシヌルの䞋にかすかに曞かれた別の文字が浮かび䞊がった。そこには、こう曞かれおいた。
     
    「二〇二二幎四月䞀四日 鹵殜籲鬚歠乂䞫」
     
    マナ「この日付  この郚屋で䜕かが起きたのかも。」
    ナむ「二〇二二幎っお  䞉幎前、この郚屋で䜕があったの」
    マナ「それにこの倉な挢字は䞀䜓」
    ナむ「芋たこずないし、気持ち悪い。」
     
    二人はカセットテヌプを芋぀めながら、䞍安ず疑問に抌し぀ぶされそうだった。たるで時が止たったかのように感じた。そしお——
     
    「  フゥ%$#@ヲ◆◎  」
     
    倉な声が響く。今回はテヌプからではなく、たるで郚屋そのものが呟いおいるかのようだった。
    「やめお  これ、䜕かおかしいよ  」
    その瞬間、懐䞭電灯の光に照らされお郚屋の䞭倮にある叀びたテヌブルがわずかに動くのが芋えた。マナは反射的にテヌプを投げ捚お、恐る恐るテヌブルに近づく。
    「  䜕かあるのかもしれない。」
    テヌブルの䞊には䜕もなかった。しかし、ふず目を䞋にやるず、テヌブルの脚の䞀぀に䜕かが巻き付いおいるのが芋えた。それは现い玐のようだったが、よく芋るず叀びたロヌプで、先には鍵のようなものが結び぀いおいた。
    マナ「これ  鍵」
    ナむ「どこの  鍵なの」
    マナが鍵に觊れるず、冷たい金属の感觊が手のひらに䌝わっおきた。ロヌプを解きながら、二人は緊匵感で息を飲む。その時、郚屋の隅で再び音がした。カタ  カタ  
    振り返るず、壁が動いおいるように芋えた。いや、壁に䜕かが「曞かれおいく」のだ。
     
    「この鍵を  圌女のために  」
     
    文字はゆっくりず浮かび䞊がり、そしお消えおいった。
    「圌女っお、誰  」
    マナは鍵を握りしめながら呟いた。
    「  調べるしかない。」
    二人は再びあたりを芋回しながら、郚屋の䞭に隠されたさらなる秘密を芋぀けるべく動き始めた。ナむは懐䞭電灯の光を郚屋䞭に圓おながら、䜕か手掛かりを探す。そしお、郚屋の隅で床にある小さな穎を芋぀けた。
    「マナここ、䜕かあるかも」
    マナは急いで駆け寄り、デッキブラシの柄を䜿っおその床板をこじ開けた。床䞋からは叀びた箱が出おきた。箱を開けるず、䞭には写真や手玙がぎっしり詰たっおいる。二人は培底的に調べた。マナが手に取った写真には、笑顔の若い女性が映っおいた。ナむが手玙を拟い䞊げお読み始めるず、その内容に二人は蚀葉を倱った。
     
    「——この寮の最䞊階に䜏む私の声が、誰かに届きたすように。この郚屋から逃げられない。」
     
    それは、䞉幎前にこの郚屋で行方䞍明になった女性の遺した手玙だった。圌女の倱螪の謎は、二人が今埌さらに深く知るこずになる恐ろしい真実ぞず繋がっおいた——。
    「  これ、本物の手玙  だよね」
    手玙を握るナむの手が震えおいた。マナも息を飲む。
    「間違いない。この女性が、さっきの声の䞻かもしれない  。」
    二人は箱の䞭をさらに調べ始めた。次に出おきた写真の裏には「二〇二〇幎四月䞀四日」ず日付が曞かれおおり、女性が笑顔で団地の前で撮圱されたものだった。しかしその暪には、䜕か䞍気味な圱がうっすらず写り蟌んでいた。
    「ねえ、この圱  人間に芋える」
    マナは懐䞭電灯を持぀手を匷く握りしめた。
    「いや  これ、人じゃない。」
    二人が写真を泚芖しおいるず、再び郚屋の䞭に異様な空気が挂い始めた。枩床が急激に䞋がり、窓に貌られたガムテヌプが音もなく剥がれ始める。その瞬間、「タスケテ  」ずいう声が二人の耳元で囁かれた。今床は、はっきりず女性の声だった。
    ナむ「やめおお願い、もう」
    声に応えるように、郚屋の䞭心にあった叀びたテヌブルが突然倒れた。その䞋には、さらに小さな鍵穎が隠されおいた。
    マナ「鍵穎  さっきの鍵が䜿えるかもしれない」
    ナむ「でも  䜕が出おくるのか分からないよ」
    マナ「分からないけど、ここから出るためには進むしかない」
    恐怖に駆られながらも、マナは手にした鍵を鍵穎に差し蟌んだ。ガチャリず小さな音を立おお鍵を回すず、床が開き䞀メヌトル皋の床䞋になっおいた。その奥には、暗い階段が続いおいた。
    ナむ「  䞋に行けっおこず」
    マナ「うん、行かなきゃいけないみたい 」
    二人はお互いを芋぀め、芚悟を決める。そしお、懐䞭電灯を手に階段を降り始めた。そこには、この廃墟に隠されたさらなる恐怖ず真実が埅ち受けおいた——。
     
    二人が地䞋宀のような堎所に降り立぀ず、空気はさらに重く、冷たい湿気が肌にたずわり぀くようだった。懐䞭電灯の光が揺れるたび、呚囲の壁には䜕かの儀匏に䜿われたず思しき奇怪な文字やシンボルが浮かび䞊がる。
    ナむ「  これ、祭壇」
    目の前には黒い石でできた台座があり、その衚面には無数の刃物で刻たれたような傷跡が走っおいた。䞭心には、真玅に染たった鍵が眮かれおいた。その鍵は、たるで誰かの血を吞い蟌んでいるかのように鈍い光を攟っおいた。
    マナ「血  これ、本物だよね。」
    ナむは息を呑みながら、埌ずさりする。
    ナむ「こんなもの、誰が  䜕のために  」
    その時、背埌でゎンッずいう音が響き、二人は慌おお振り返った。地䞋宀の扉が閉たり、完党な暗闇が二人を包み蟌む。
    マナ「  電池切れなんで今——」
    懐䞭電灯が突劂消え、二人は䞀瞬息を詰めた。その瞬間、倩井にあるラむトのようなものががんやりず光り出し、郚屋党䜓が䞍気味な赀い光で満たされた。
    「眒眒◆食ッ、豆虫¥¥  」
    耳の奥に盎接響くような䜎い声が地䞋宀党䜓に反響する。
    「マナ、もう無理  ここから出たい  」
    「萜ち着いお。あの鍵が䜕かのヒントかもしれない。觊っおみるしかない  」
    ナむの震える手を抑えながら、マナは祭壇の鍵に手を䌞ばした。觊れるず、冷たい金属の感觊ず同時にドロドロした嫌な感觊が指先に䌝わり、マナの頭の䞭に䜕かの映像が流れ蟌んできた。そこには、䟋の女性ず思われる人圱が、䜕者かに远われながら地䞋宀で䜕かを封印しようずしおいる光景が映し出されおいた。
    「これ  圌女だ  」
    「圌女っお、誰のこずマナ、䜕が芋えたの」
    「分からないけど、この鍵を䜿えば䜕かを解攟できる  いや、解攟しちゃいけない䜕かを封印しおるのかも  。」
    「◆銙豆銙車山口ホトケ  」
    再び耳元で囁くような声が聞こえ、赀い光が䞀局匷くなる。
     
    頭を抌さえ぀けながら
    「マナ私もうダメみたい  もう どうかなっおしたいそうなの  」
    「ナむあず少し耐えおお願いあんたは匷い子なんだから。封印を解かないず出られないわどこかに鍵穎があるはずよ」
    「 ダダ  吐きそう 」
    ナむは震えながらその堎にしゃがみ蟌んでしたった。圌女の息遣いは荒く、顔色も真っ青だ。
    「マナ 、頭が割れるように痛い  声が  耳の䞭で響いおるの  胃もムカムカするの 」
    マナはナむの肩を匷く握り、必死に励たす。
    マナ「ナむ、しっかりしおあんたは絶察に負けないから」
    しかし、ナむの状態は悪化する䞀方だった。額から汗が滲み出し、たるで䜕かに取り憑かれたように、芖線が宙を圷埚う。
    「ダメ  マナ、私  このたたじゃ  」
    マナは焊りを隠しきれないが、自分たで取り乱すわけにはいかないず、懐䞭電灯の代わりにスマホのラむトを取り出しお祭壇の呚囲を照らし始めた。
    「どこかに鍵穎があるはず  絶察にある」
    祭壇を隅々たで調べるず、台座の䞋の方に小さな鍵穎を芋぀けた。
    「これだナむ、芋぀けたわ」
    ナむはマナの声を聞いおも反応が鈍い。マナは圌女を抱き起こしながら叫ぶように蚀った。
    「ナむ、あず少しだけ耐えおお願い、あんたがいないず、私䞀人じゃここから出られない」
    ナむは震える手を䌞ばし、マナに助けを求めるような目で芋぀めた。
    「  マナ  信じおるから  お願い  」
    マナは匷く頷き、血塗られた鍵を鍵穎に差し蟌む。鍵を回した瞬間、地䞋宀党䜓が激しく震動し、暗闇の䞭で赀い光が枊を巻き始めた——。呻き声ずも悲鳎ずも取れる音が郚屋䞭に響き枡り、二人は耳を塞ぐ。のちに静寂に包たれた。
     
    ナむ「  止たった」
    マナ「䜕が起きたの  」
     
    祭壇の向こうの壁の隙間から薄暗い光が挏れ出し、その先には新たな扉が珟れ、二人の行く手を指し瀺しおいるかのようだった。
    「芋お、あれ 」
    「出口 」
    二人は腕を絡めながら床に座り蟌んでいた。頭の䞭が混乱しお䜕が起きおいるのか理解しおないようだ。ひどい蚀い草だがこの際でくのがうのようだった。
    ナむ「あそこから出られる かな 」
    マナ「さあ 」
    二人は息を敎えようずしながらも、芖線をその扉に釘付けにされおいた。
    「  行くしか、ないよね」
    震える声でナむが蚀う。圌女の手は冷たく、汗で湿っおいた。
    マナは䞀瞬目を閉じ、倧きく息を吞い蟌んだ。
    「行くよ。ここにいたらもっずひどい目に遭うかもしれない。」
    二人は互いの腕を支え合いながら、ゆっくりず立ち䞊がる。足元は震えおいたが、それでも䞀歩ず぀前進するしかなかった。扉の前に立぀ず、意倖にも鍵はかかっおいなかった。マナは恐る恐る扉に手を䌞ばす。ギィ  。扉が重々しい音を立おお開いた。そこには薄暗い廊䞋が続いおいた。だが、その先には、どこか芋芚えのある景色ががんやりず芋える。
    ナむ「これっお  さっきの廊䞋」
    確かに、そこは二人が歩いおきた廃墟の廊䞋だった。しかし、あるはずの郚屋のドアや窓はどこにもなく、ただひたすら遥か圌方たで続いおいた。それにどこか歪んでいるようにも芋える。壁の色が䞍自然に薄れおおり、床板は湿気で軋んでいた。
    マナ「本圓に  元に戻れたの」
    二人はその堎に立ち尜くし、蚀葉を倱った。戻ったず思われる堎所も、どこか異様な空気をたずっおいる。だが、背埌の扉は勢いよく閉たり、その音が二人の背䞭を匷く抌した。
    「もう、戻れないね  」
    マナはナむの手を匷く握り返し、決意を蟌めた目で先を芋据えた。
    「戻れないなら、進むしかないよ。」
     
    二人は重い足取りで廊䞋を歩き出した。その先に埅ち受けおいるのが救いか、それずもさらなる恐怖か、圌女たちはただ知らない——。

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