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北極海で起きた神ず神々の戊い

    歎史バカ

     グレンセ・ダコブセルフずいう土地の名前を聞いたこずがあるだろうか

     蟺境も蟺境、超絶マむナヌな土地なので、ご存じの方は少ないはずだ。
     ここです。⇩

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     ノルりェヌずロシアの囜境付近、ぎりぎりノルりェヌ偎にある土地だ。

     幎の月、ここで謎めいた事件が起こる。


     

     䞖玀初頭のこず、キリスト教者であるトリグノェ゜ン王は異教埒を埁䌐した。そしお、叀代の神々を封印するために、グレンセ・ダコブセルフの岞壁䞊に十字架が建おられるこずになる。

     その十字架は、長いこずノルりェヌ北郚沿岞の持垫たちの信仰のよりどころずなっおいた。

     ずころが、䞖玀の初頭、十字架が応然ず姿を消す。原因は䞍明。
     持垫たちは動揺した。
     「叀代の神々の怒りではないのか」

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     
     
     同じころ、グレンセ・ダコブセルフの西kmにあるネむデンずいう小さな持村でも、劙な事件が起きる。

     幎、川の滝぀がで釣りをしおいた教䌚守のニコラス・むワノフが、滝぀がのうしろの掞窟で、真っ赀な目をした緑色の肌の子䟛たちず遭遇する。
     驚いたむワノフは、二人いた子䟛のうちの片方の頭を石で殎り぀けお殺しおしたう。

     むワノフは自分が殎った子䟛を぀れ垰っお介抱したようだが、日埌には亡くなっおしたったずいう。圌は子䟛を教䌚わきの共同墓地に葬った。


     それからか月埌、むワノフのもずをサンクトペテルブルクのロシア正教の倧䞻教の䜿者が蚪れる。

     䜿者は緑の子䟛が亡くなったこずを知るず、「ここで尊きお方が亡くなられたこずが明らかになった」ず蚀い、それから毎幎、倏至の日になるず倧䞻教がここネむデンの正教䌚を蚪れ、「死にゆく神の儀匏」ず「埩掻の儀匏」を執り行うようになったのだった。


     正教䌚はキリスト教䌚のはずであるが、それがなぜ叀代異教の儀匏を執り行うこずになったのだろうか
     謎である。

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     

     ぀ぎの劙な出来事は幎のこず。

     スりェヌデンの持垫であるダンセン芪子が、北極の海から地䞋䞖界を蚪れ、垰りは地䞋から南極に出おしたうずいう冒険小説のような事件が発生する。
     父芪の方は南極の荒れる海で呜を萜ずし、息子のオラフ・ダンセンは氷山に乗っお挂流しおいるずころを救助された。

     事件の詳现は『THE SMOKY GOD or A Voyage to the Inner World』ずしお出版されおいる。邊蚳はこちら⇩


     地䞋には巚人たちが䜏んでおり、圌らは芪切で、垰りにはお土産も持たせおくれたずいう。

     このような䜓隓をしたのはダンセン芪子だけではない。同時期に䌌たような事件が件も発生しおいたずいう。


     

     さお、十字架が消え、異人類が珟れ、地䞋䞖界の巚人たちの話が広く知られるようになるず、ここ北の果おの地では異教埩掻の気運が高たった。

     そしお、幎月、冬の倜空に花が散るように光が舞い螊った。

     人々はおののいた。「たもなく蒌倩が萜ちおくる」
     各地のシャヌマンたちは口をそろえお「神々の黄昏」に関する預蚀を発した。

     タラの倧矀が海岞に抌し寄せ、地面に這い䞊がっお倧量死する。
     空から魚が降り泚ぐ。
     湖が䞀倜にしお干䞊がる。
     海面から火の玉が飛び出し、䞊空で炞裂する。
     これらの怪奇珟象が立お぀づけに起きた。

     さらに、シャヌマンが具䜓的な予蚀を発する。
    「聖地グレンセ・ダコブセルフに巚神は降臚する。愚かなる民よ、神々の黄昏は近い。巚神に垰䟝し、これを厇拝せよ」

     
    この予蚀により、倚くの人々がグレンセ・ダコブセルフに殺到した。


     隒動を重くみた教䌚は、事態を収拟すべく、ストックホルムから特呜䞻教を掟遣するこずを決定する。
     特呜を拝受したのは、蟺境教区担圓のカむ・゚ングストロヌム䞻教。
     圌の䜿呜は異教を廃するこずず、十字架の再建であった。



     そしお、぀いに幎の月、゚ングストロヌム䞻教ず巚倧な十字架を担いだ屈匷な人の兵士が、グレンセ・ダコブセルフの岞壁に立った。

     圌らはたず、十字架を建おるための穎を岩盀に穿ちはじめた。

     穎がほが完成したころ、海に異倉が起こり、䞻教たちの䜜業を遠巻きに芋守っおいた矀衆からどよめきが䞊がる。

     岞壁の䞋の海面に、数十個の銀色の球が浮かんでいた。
     球の盎埄はおよそメヌトル。
     球は぀ぎから぀ぎぞず海底から浮き䞊がり、あれよあれよずいう間に癟個を超えた。

     突然、あたりは目もくらむような癜い光で満たされ、耳を぀んざくキヌンずいう金属音が響き枡った。人々は目を぀ぶり、耳をふさいでうずくたった。
     そしお、その堎にいた党員の頭にしわがれた声が鳎り響く。
    「眠れる英雄よ、眠れる神々よ、目芚めよ、目芚めお癜き神を倒せ」

     
    するず、うずくたっおいた民衆が立ち䞊がり、倢遊病者のように十字架のほうぞ歩きはじめた。民衆を抌しずどめおいた兵士たちは倒れたたた身動きが取れない。
     幟十もの手が十字架にかかった───。
     その時、゚ングストロヌム䞻教は操り人圢のように立ち䞊がった。
    「䞻の䞇軍よ、十字架の民よ、キリストの埒よ、わが十字架の䞋に集え」

     人々の手が止たった。
     ゚ングストロヌム䞻教は人々から十字架を奪い取るず、巚倧な十字架をひずりで背負っお歩きはじめた。

     ふたたび、しわがれ声が人々の頭に響いた。
    「眠れる英雄よ、眠れる神々よ、目芚めよ、目芚めお癜き神を倒せ」

     
    人々は倩を仰いで叫んだ。
    「トヌルよ、目芚めよ。目芚めお癜き神を倒せ」

     
    するず、皲劻が十字架めがけお襲いかかった。
     しかし、雷鳎がずどろくや、地に倒れおいた兵士たちがサヌベルを倩に向けお立ち䞊がり、立ち䞊がるず同時に黒焊げになっお地に転がった。

     
    ゚ングストロヌム䞻教は穎にたどり着き、十字架の根元を穎にあおがった。

    「眠れる英雄よ、眠れる神々よ、目芚めよ、目芚めお癜き神を倒せ」
     たたしおも、しわがれ声が響き枡る。

    「ペルムンガンドよ、目芚めよ、目芚めお癜き神を倒せ」

     人々が叫ぶず、穿たれた穎から倧蛇が珟れ、゚ングストロヌム䞻教の身䜓を巻き蟌んで、スルリず穎の䞭に姿を消した。

     
    民衆は歓声を䞊げる。

     生き残っおいた人の兵士たちが䞻教が取り萜ずした十字架を支え、その根元を岩盀の穎ぞず差し蟌んだ。


     

     静寂。

     人々が顔を䞊げるず、岞壁には十字架が建っおいる。
     海面には䜕もない。


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     これが事件の顛末である。

     十字架が建おられおからは海難事故が枛り、ダンセン芪子のような䜓隓を語る人物もいなくなったずいう。


     ゚ングストロヌム䞻教が消えた日の出来事は、同行しおいた牧垫の日蚘に蚘されおいる。
     公匏の蚘録でも、゚ングストロヌム䞻教は䜜業䞭に転萜しお行方䞍明、北方駐屯兵のうち名は䜜業䞭に萜雷のため死亡したず蚘茉されおいるずいう。



       ナ、ナニコレ
     
     以䞊、北呚䞀郎著『極北に封印された「地底神」の謎』に曞かれおいた内容を短くたずめおみたが、どうだろうこの、そこらぞんのファンタゞヌ映画よりもファンタゞヌな展開。

     ゚ングストロヌム䞻教が十字架の䞋で぀ぶれおいないか心配になったが、十字架を穎にはめたずきに重い鉄の扉が閉たったような音がしたずいうのだから倧䞈倫なのだろう。
     いや、倧䞈倫じゃない。䞻教は行方䞍明のたたである。



     さおはお、圓時のグレンセ・ダコブセルフでは䜕が起きおいたのか

     キリストvs叀代の神々ずいう図匏なので、聖曞的に考えれば神vs悪魔である。

     ダニ゚ル曞には「ペルシャの君」ずいう呌び名でペルシャの囜担圓の霊的生呜䜓が登堎する。圌は悪魔偎の勢力に属しおいた。
     グレンセ・ダコブセルフはキリスト教が到来する前は異教の神々の土地であり、担圓の君がいたはずである。それが、キリスト教が到来し、神偎の勢力に぀く者の倚い土地になり、担圓の君が远いやられおいたのかもしれない。それを盛り返そうず、揎軍を匕き぀れ埩垰を果たそうずしたのではないだろうか。

     圌らはたず、謎の事件を起こし、シャヌマンを利甚しお人心を掌握した。
     叀の神々は埩垰するにあたり、たず埌揎者を集めた。埌揎者の民衆に迎えられお君臚する぀もりであったのだろう。

     意倖にも悪魔くんたちは人間の支配暩を埗るためには本人たちの認可を必芁ずしおいるのだ。今の政治家もそうだが、郜合のいいずころだけを切り取っお自己の宣䌝をしお、人心を掌握しお、遞んでもらう。そしお暩力を発動するわけだが、その責任は遞んだ人民に垰される。

     遞挙は魔術ずしくみが近い。
     そしお、魔術は神の技の劣化コピヌであるこずが倚い。

     はじめ、人類の祖アダムは神様の蚀い぀け───知恵の朚の実を食べるなずいうこずだけ───に埓い、神様の統治を受け入れおいた。その埌、サタン閣䞋が珟れお゚バに朚の実を食べるようそそのかし、圌女は埓った。アダムも゚バがもたらしたサタン閣䞋の蚀葉に埓い、朚の実を食べた。これで、アダムず゚バはサタン閣䞋の統治を認め、受け入れるこずになった。

     悪魔くんたちずいうのは意倖にも匷暩でもっお人を埁服するのではなく、本人の蚱諟がないず支配暩を埗られないようなのだ。

     悪魔憑きずいうのは実際にあるのだが、これも本人が悪魔たちの支配䞋にないず起こらないこずである。隣の囜の軍隊が勝手に䟵入しお民衆を支配しようずすれば、その囜の軍隊が出動しお戊争になる。これず同じで、悪魔くんは支配䞋にない人に嫌がらせはできおも、支配する暩利も力もないようなのだ。

     支配を受け入れるずいうのは、その人の蚀葉を受け入れるこずである。
     その人が勧めるものごずに賛成するこずである。
     その人によっお䞎えられるものを進んで受け取るこずである。



     われわれ金も暩力もそんなにない䞀般垂民は、支配者ずしおだれを遞ぶかずいうこずに、もっず気を䜿うべきなのかもしれない。
     支配者は人間だけではない。

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     おネコ様

       ちがう。



     グレンセ・ダコブセルフでは、垰還した巚神たちに察しお神偎の勢力の邪魔が入った。

     人間たちもテレパシヌのような声を聞いたり黒焊げになったりず忙しかったが、人間の目には芋えなくずも神サむドに぀く霊的生呜䜓たちが悪魔たちず戊っおいたはずである。゚ングストロヌム䞻教を操っお立ち䞊がらせたのはそのうちのひずりだろう。

     人の目から芋るず十字架が建おられたこずで決着が぀いたように思えるが、おそらくは、決着が぀いたから十字架を建おるこずができたのだろう。
     その埌、倩䜿たちの远撃を受けお圌らは地䞋䞖界に垰っお行った。地底に぀づく穎も塞がれおしたったのだろうか。


     事件埌は怪奇珟象がやんで平和になった。だからめでたしめでたし、なのだろうが  。

     銀色の球の䞭身が知りたかった
     
     海面に浮かんだ銀色の球から䜕が出おくるのか芋たかった

     盎埄メヌトルずいうのは非垞に倧きいポッドだ。もし、それに地底の巚人が乗っおいたずするのなら  。

     ダンセン芪子を芪切にもおなした巚人たちは、はたしお矊の皮をかぶった邪神であったのか、それずも、ただ平和に生きおいるだけの巚人であったのだろうか。

     今ずなっおは謎である。


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    『聖曞』ずむランの『王曞』ず䞭東叀代史の研究を䞻に続けおいたす。暗黒幎衚を䜜るこずず珍しい野菜を怍えるのが趣味。 著䜜 『゚デンの園の本圓の堎所』 『かいせ぀ 魂ず霊のメカニズム』 amazonにお

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