
アップルパイ考
若さが眩しいのは、可能性を秘めているから。
爆発せんばかりのエネルギーがキラキラと輝いていて、それは本当に尊いこと。
ですが、歳を重ねるのもけっこう良いものです。
アップルパイが美味しいのは、時間と手間ひまがかかっているから。
りんごを煮詰めて、色んな個性をもった層を積み重ねて、きれいに盛り付けて…。
人生もしかりではないかと。
思い出すだけで叫び出しそうな、恥ずかしい失敗や凹みにキズ。
喜びに心震える瞬間や、誰かにかけてもらったやさしい言葉。
それらをぜんぶ煮込んで、冷まして、層を積み重ねて。
「色々あるけれど、なんだかんだ人生って良いものよ。」
上品なマダムが微笑みかけてくれるようなお菓子、それがアップルパイなのかもしれない。
そんなことを思った、雨の午後です。