え?病気になってから、気づいてたの?
2080年からの「へぇ〜」
これは、2080年の誰かが2020年代を振り返った話。

未来の教科書に、こう書かれているかもしれない。
「2020年代の人類は、体が壊れてから、気づいていた」
え?なってから、わかったの?
未来人「体の中で何が起きてるか、わかってたの?」
わからなかった。
未来人「どうやって知ったの?」
具合が悪くなってから、病院に行った。
未来人「なる前には?」
年に一回、健康診断があった。
未来人「一回?」
一回。
未来人「その間の364日は?」
わからないまま、過ごしてた。
未来人「今は24時間わかるよ」
どうやって?
未来人「体の中に小さなセンサーがあるから」
へぇ〜。

え?異常が出てから、動いてたの?
血圧が上がってから、気づいた。
血糖値が崩れてから、気づいた。
細胞が変わってから、気づいた。
未来人「出てから?」
出てから。
未来人「出る前にわかったら?」
防げることもあった。
未来人「わかってたの?」
わかってた。
未来人「でも出てから動いてたの?」
仕組みが、なかったから。
未来人「今はアラートが来るよ」
何のアラート?
未来人「“そろそろ気をつけて”って」
へぇ〜。

え?病気を「防ぐ」方法、変わったの?
2020年代、病気を防ぐ方法はいくつかあった。
食事、運動、睡眠…わかっては、いた。
未来人「できてたの?」
できてた人と、できてなかった人がいた。
未来人「なんで?」
忙しかったから。
余裕がなかったから。
未来人「体より、仕事が先だったの?」
そういうことも、多かった。
未来人「今は体が先に教えてくれるよ」
体が?
未来人「“今日は休んで”って、データが言う」
へぇ〜。

え?病院に行くのに、2時間待ってたの?
具合が悪いのに、番号札をもらって待ってた。
2時間、3時間待つのが当たり前だった。
未来人「具合が悪いのに?」
具合が悪いから、行ってた。
未来人「今は病院にほとんど行かないよ」
なんで?
未来人「行く前に、わかるから」
わかるから、行かなくていいの?
未来人「行く必要がないくらい、早くわかるから」
へぇ〜。
未来人は、責めない。
ただ、こう言う。
「大変だったね。それでも、変わろうとしてたんだね」
2020年代、ウェアラブルデバイスが広がり始めていた。
AIによる早期発見の研究も、少しずつ。
体が壊れてから気づく時代から
壊れる前に知らせてくれる時代へ。
全部、繋がろうとしていた。
変わろうとしていた時代の、話。

