
【創作大賞2026】変われないのは、自分のせいだと思ってた。
「何年、同じことを繰り返しているのだろう。」
朝起きるのが、とにかくつらい。
ごはんを食べることすら、後回しになる。
甘いものが、どうしても我慢できない。
やらなきゃいけないことは山ほどあるのに、体が、動いてくれない。
ついイライラして、大切な子どもやパートナーに当たってしまう。
家は、まったく片付かない。
夜になると、
「今日も、何もできなかった。」
そう思いながら、一日が終わる。
そんな毎日を繰り返すうちに、
「私の意志が弱いからだ。」「もっと頑張らなきゃ。」
そうやって、自分を責め続けていませんか。
「これで人生が変わります。」
そんな言葉を信じては、試して、また落ち込む。
その繰り返しではなかったでしょうか。
早起きも。
読書も。
運動も。
食事も。
欲しい情報は、検索すれば一瞬で手に入る時代です。
それなのに。
なぜ、私たちはまだ苦しいままなのでしょう。
私たちは、
「何をすれば変われるか」ばかり探していました。
でも、見落としていたものがありました。
体が、「変われない状態」になっていたことです。
家にたとえるなら、
崩れた土台に気づかないまま、屋根ばかり修理していたようなものです。
どれだけ屋根を直しても、土台が崩れたままでは、家は建て直せません。
だから、どれだけ頑張っても変われなかった。
頑張り方が間違っていたのではありません。
頑張る前に整えるべきものが、あっただけだったのです。
それは、あなたのせいではなかったのです。
でも、土台を整え始めると、日常は静かに変わり始めます。
朝、気持ちよく目が覚める。
頭がクリアなまま、一日を始められる。
子どもやパートナーに、笑って返事ができる。
後回しにしていた家事にも、自然と手が伸びる。
夜、「今日も何もできなかった。」
ではなく、
「今日もよくやった。」
そう思って眠れる日が増えていきます。
このnoteで届けたいのは、
「どうすれば変われるか」という方法ではありません。
「なぜ、変われなかったのか」という、その本当の理由です。
あなたは、壊れていたわけじゃない。
ただ、自分の体と、はぐれていただけ。
もう一度、自分の体と、同じチームになる。
その第一歩は、今日、ここから。
〈目次〉
第一章 変われないのは、自分のせいだと思ってた
第二章 10年間、身体を整えても残り続けた“違和感”
第三章 私たちは毎日、手ぶらで山を登っていた
第四章 「正解探し」をやめて、自分の体と仲直りする
第五章 体は、ずっと話しかけていた
第一章 変われないのは、自分のせいだと思ってた
「早起きできれば人生が変わることくらい、分かってる。
……でも、その早起きが何年経ってもできないから困ってるんだよ。」
そう思いながら、今日も目覚ましを止める。
⸻
「……っっっは!」
気づけば、また会議中に意識が遠のいていた。
違うんです。やる気はあるんです。
誰か、強力なテープでまぶたを開けたまま固定してください。
そう思うくらい、眠かった。
⸻
「いい加減にして! 何回言ったら分かるの!」
6秒待ったところで、イライラは一向におさまらない。やさしいママでいたいのに。
今日も、理想のママにはなれなかった。
⸻
「このお皿たちを洗うだけなのに……。なんで私は、それすらできないんだ。」
シンクの前で立ち尽くす。たった数枚。時間にすれば5分もかからない。
なのに、体が動いてくれない。
脳みそまで止まってしまったみたいだった。
⸻
「これは仕組み化しないと負のループだ。」
そんなことも分かっている。でも、その仕組みを作る体力も気力も、もう、とっくに使い果たしていた。
「今日は、とりあえず寝よう。」そうやって今日も先送りになる。
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毎日、自分にがっかりしていた。
周りはどんどん前に進んでいるように見えるのに、
自分だけが、ずっと同じ場所に取り残されている気がした。
変わりたくて、私はできることを何でも試した。
ジムにも通った。大ベストセラーの自己啓発本も読んだ。資格も取った。栄養だって気をつけた。
「今度こそ変われる。」そう思って始めたことは、一つや二つじゃない。
それなのに。
どうして人生を変えることは、こんなにも難しいんだろう。
⸻
「この本なら人生が変わる。」
そう信じて、本屋で平積みになっていた一冊を手に取った。
最初の数日は夢中で読んだ。付箋も貼った。ノートにだってまとめた。
でも、一週間後には。
あんなに心が動いたのに、私の毎日は何ひとつ変わっていなかった。
やっぱり、何をやっても続かない。
私はずっと、意志が弱いから変われないのだと思っていた。
⸻
すべてが変わり始めたのは、あの日だった。
朝、目が覚めた瞬間。
「今日が始まる。」
そう思っただけなのに、胸が少しだけ弾んだ。
目覚ましが鳴る前に、自然と目が開いていた。
たった、それだけのことだった。
でも、その瞬間。頬を伝うものがあった。
早起きできたからじゃない。
「私、怠け者だったわけじゃなかった。」
そのことが、ようやく分かった。
第二章 10年間、身体を整えても残り続けた“違和感”
私は10年間、ピラティスをベースに、人の身体を整える仕事をしてきました。
「予約が取れません」
「先生がどこへ行っても、一生ついていきます!」
「もう妊娠しないでくださいね。産休に入られると本当に困っちゃうから(笑)」
そんな、もったいないくらいありがたい言葉をいただけるようになりました。
腰痛でコルセットが手放せなかった方。
腕が床と水平までしか上がらなかった、重度の五十肩の方。
姿勢が劇的に変わり、周りから「若返ったね」と言われるようになった方。
レッスンが終わるたびに、
「完璧です!本当にありがとうございます!」
「来てよかった!」
と、晴れ晴れした表情で帰っていかれる姿を見るのが、私は大好きでした。
この仕事は、私の誇りでした。
⸻
でも。
次の週、スタジオのドアを開けて入ってくるお客様を見た瞬間、
「あれ……」
と思うことが、何度もあったのです。
また、しんどそう。
せっかく先週完璧に整えたはずの身体が、どこか元気を失っている。
なぜだろう。
私の教え方が悪かったのだろうか。
私の知識が、まだ足りないのだろうか。
スタジオの床を見つめながら、ずっと自分を責めていました。
骨格を整え、筋肉を動かすだけでは、どうしても届かない“何か”がある。
そんな、形にならない違和感だけが、私のなかで少しずつ大きくなっていったのです。
⸻
そこで私は、運動ではない「あるアプローチ」をお客様に試していただきました。
すると、不思議なことが起こりました。
次の週、スタジオのドアが開いた瞬間。
お客様の「まとう空気」が、まるで違ったのです。
「しんどそう」ではなく、
「あれ、なんだか調子が良さそう。」
実際にお話を詳しくお聞きしても、
「先生、最近とにかく絶好調なんです!」
という言葉が、弾むような笑顔と一緒に返ってきます。
それだけではありませんでした。
「今まで何度言われてもピンとこなかった身体の感覚が、急にストンと分かるようになりました。」
「最近、何も意識していないのに、気づいたら背筋が伸びているんです。」
「前なら迷わずエスカレーターに乗っていたのに、今はなぜか階段を使いたくなるんです。」
お客様の日常のなかで、次々と驚くほどの変化が起こり始めました。
そして、今でも忘れられない言葉があります。
「先生。こんなに簡単に健康になれるなら……私、医療保険を解約しようと思います!」
思わず、一緒に笑ってしまいました。
⸻
でも、その言葉を聞いた瞬間。
うれしさと同じくらい、胸が締め付けられました。
これは、外側から身体を整えるだけでは、決して引き出せなかった言葉でした。
「身体を整えれば、人は元気になる。」
そう信じて積み重ねてきた10年間の常識が、静かに音を立てて崩れていくのを感じました。
もっと早く、このことに気づけていたら。
あの何年も苦しんでいたお客様たちを、もっと早く救えたかもしれない。
でも、その悔しさの奥で、
「やっと見つけた。」
そんな感覚も、確かにありました。
そのとき、確信しました。
身体を整える前に、やるべきことがあった。
第三章 私たちは毎日、手ぶらで山を登っていた
私たちはずっと、順番を間違えていたのかもしれません。
世の中には、「変わるための方法」があふれています。
早起きの方法。
集中力を上げる方法。
片づけの方法。
痩せる方法。
イライラしない方法。
でも、どれだけ方法を知っていても、それを実行できる体に整っていなければ、人は動けません。
私たちは、「何をすれば変われるか」を探し続けてきました。
でも、本当に見るべきものは、その前にありました。
体が今、何を最優先にしているのか。
⸻
体には、生きるための優先順位があります。
まず呼吸。
次に、脳を動かし続けるためのエネルギー。
そして体温、水分、睡眠、食事量、栄養バランス。
体は、一番命に関わるものから守ろうとします。
たとえば、真冬の山で遭難した人に、
「部屋を片づけましょう。」
「本を読みましょう。」
と言う人はいません。
まず必要なのは、
息ができること。
体温を保つこと。
水分を確保すること。
そして、生きるためのエネルギーを補給することです。
ところが私たちの日常では、この順番が逆になっていました。
体は必死に生き延びようとしているのに、
「もっと頑張らなきゃ。」
「もっと効率よく。」
「もっと意志を強く。」
と、自分を追い立て続けていたのです。
でも、体からすれば、それどころではありませんでした。
⸻
その優先順位の中で、私が長い間見落としていたものがありました。
それが、
血糖値です。
血糖値と聞くと、
「糖尿病の人の話でしょう?」
と思う人も多いかもしれません。
私もそうでした。
でも、実は違いました。
血糖値とは、脳へ届けられるエネルギーの状態です。
その状態が安定していると、脳は安心して働くことができます。
反対に、その状態が大きく乱れると、脳は危険を感じます。
すると、
眠くなる。
イライラする。
甘いものが欲しくなる。
集中できない。
やるべきことが急に重たく感じる。
これは意志が弱いからではありません。
脳が、「今は生き延びることを優先している」というサインだったのです。
⸻
登山には、「シャリバテ」という言葉があります。
エネルギーが足りなくなり、動けなくなる状態のことを言います。
だから登山をする人は、お腹が空いてから食べるのではありません。崩れる前に補給します。
動けなくなる前に補給します。
それが、安全に山を登るための技術だからです。
ところが、日常ではどうでしょう。
朝ごはんを抜いて、コーヒーだけで仕事へ向かう。
忙しくて食事を急いで済ませる。
夕方になると急に甘いものが欲しくなる。
夜には何もする気が起きず、
「今日も何もできなかった。」
と自分を責める。
でも、それは怠けていたのではありません。
私たちは、日常という山を、手ぶらで登っていただけだったのです。
⸻
山でエネルギーが切れた人に、
「根性が足りない。」
と言う人はいません。
「まず補給しよう。」
そう声をかけるはずです。
それなのに私たちは、自分にはこう言ってしまいます。
「なんで私はこんなこともできないんだろう。」
「またイライラしてしまった。」
「甘いものを我慢できなかった。」
でも体は、ずっとサインを送っていました。
眠気。
イライラ。
甘いものへの欲求。
集中力の低下。
強い疲労感。
それは性格の問題ではありません。
体が、
「今、エネルギーが足りません。」
「このままでは危険です。」
と伝えてくれていたのです。
⸻
私たちは毎日を平地だと思って生きています。
でも実際は、仕事も、家事も、育児も、人間関係も、一日中エネルギーを使い続けています。
平地に見えて、毎日山を登っているようなものです。
だから、あなたが変われなかったのではありません。
努力が足りなかったわけでもありません。
脳が安心できないまま、頑張ろうとしていただけでした。
だから今日、必要なのは気合いや根性ではありません。
今日という山を登るための補給です。
脳が「もう大丈夫だ」と安心できたとき、人は初めて、自分の足で今日という山を登り始めることができるのです。
第四章 「正解探し」をやめて、自分の体と仲直りする
ここまで読んでくださったあなたは、きっとこんなことを思っているかもしれません。
「じゃあ、結局何を食べればいいんですか?」
「何が正解なんですか?」
そう思うのは、とても自然なことです。
私も以前は、「正解」を探し続けていました。
野菜を先に食べた方がいい。
タンパク質をたくさん食べた方がいい。
糖質は控えた方がいい。
白米より玄米がいい。
朝食は絶対に食べた方がいい。
いや、朝は食べない方がいい。
調べるたびに、新しい正解が現れます。
そのたびに思っていました。
「結局、どれが本当なんだろう」
情報に振り回され、正解の型に自分をハメ込もうとしては、すり減る毎日でした。
でも今は、考え方がまったく変わりました。
私は、「正解」を探すことをやめたのです。
なぜなら。
私たちの体は、毎日同じではないからです。
よく眠れた日。
寝不足の日。
仕事の日。
休日。
たくさん歩いた日。
風邪気味の日。
昨日のあなたと今日のあなたですら、
必要としているものは少しずつ違います。
なのに、たった一つの食べ方だけが、毎日100点満点の正解になるはずがありません。
だから私は、「正しい食べ方」のルールを伝えたいのではありません。
「今日の私の体が、一番安心できる選択」を、あなた自身が見つけられるようになってほしいのです。
そのために必要なのは、新しいルールではなく、自分の体と相談する視点です。
私は、この考え方を
「脳を安心させる技術」と呼んでいます。
正解を覚える技術ではありません。
今日の自分の体に耳を傾け、
自分に合う選択を重ねていく技術です。
⸻
では、そのためには何をすればいいのでしょうか。
実は、特別なことはほとんどありません。
今日からできる、シンプルな工夫が3つあります。
まず一つ目。
「汁物を最初に飲むこと」
温かい汁物が体に入ると、胃腸がじんわりと温まり、体は食事を受け入れる準備を始めます。
すると、脳も「安心して食べていいんだ」と感じやすくなるのです。
二つ目。
「タンパク質を少し先に入れること」
卵でも、チーズでも、豆腐でも、納豆でも、魚でも、お肉でも。
量を入れることよりも、「糖質より先に入ること」。
そうすると、血糖値の波が穏やかになり、脳も「大丈夫だよ」と安心しやすくなるのです。
三つ目。
「エネルギーが切れる前に補給すること」
登山では、お腹が空いてから食べるのではなく、シャリバテになる前に行動食を口にします。日常も同じです。
お腹がペコペコになって、脳が「飢餓の危険」を感じてからドカンと食べるのではなく、波が崩れる前に少し入れる。それだけで、甘いもの欲も、落ち着きます。
エネルギー切れを防ぐことで、体も心も落ち着いた状態を保ちやすくなります。
⸻
でも、ここで一つだけ、私から強く覚えていてほしいことがあります。
この三つの考え方でさえ、「絶対の正解」ではありません。
実は私自身、「タンパク質を先に食べる」という方法に出会ったとき、人生が変わるほどの衝撃を受けました。
何をやっても落ちなかった体重が、1か月で6kg減りました。
気持ちは穏やかになり、自然と口角が上がるようになりました。
あんなに重たかった目の前のタスクが、サクサクこなせるようになりました。
「これこそが、一生の正解なんだ。」
私は本気でそう思いました。
でも。
ある時から、なぜかまた体が重くなっていったのです。
むくむ。
眠い。
動けない。
イライラする。
以前の私に戻ってしまったようでした。
「こんなに気をつけているのに、どうして元に戻ってしまったんだろう?」
と、また自分を責めそうになりました。
そこで考えたのです。
「血糖値を上げないことばかりに意識が向いていたけど、もしかしたら今度は脳がエネルギー不足と感じているのかもしれない。」
私は、勇気を出して、今までの正解の「逆」を試してみたのです。
「怖いけれど、今の体には必要なのかもしれない。」
そう思って、私は糖質を少し早めに取り入れてみました。
すると、不思議なくらい、あんなに重かった体が、もう一度するすると変わり始めたのです。
その時、私はようやく気づいたのです。
食べ方には、
「一生使える絶対の正解」なんて存在しない。
あるのは、
「今日の、今の私の体に合うかどうか」
それだけなのだと。
⸻
だから私は、あなたを厳しく管理したいわけではありません。
「こうしなさい」と、新しいルールで縛りたいわけでもありません。
もし今日、汁物を飲めなかったなら。
それでも大丈夫です。
タンパク質を先に食べられなかった日があっても、大丈夫です。
忙しくて、補給のタイミングが遅くなってしまう日だってあります。
そんな日は、誰にでもあります。
大切なのは、「今日もできなかった」とバツをつけて終わらせることではありません。
「今日の私の体は、何を伝えようとしているんだろう」
と、ちょっとだけ寄り添って考えてみることです。
ものすごく眠かった。
イライラしてしまった。
甘いものが猛烈に欲しくなった。
夕方、糸が切れたように動けなくなった。
それは、あなたの「失敗」ではありません。
あなたの体が、一生懸命に送ってくれた「次へのヒント」なのです。
⸻
私たちはずっと、自分の体に命令してきました。
「もっと頑張れ」
「もっと動け」
「これくらい我慢しろ」
でも、本当は逆でした。
体は、私たちを苦しめるためではなく、
守るために、ずっと健気に話しかけてくれていたのです。
だから明日からは、ネットの中の正解を探すのではなく、ご自身の体と相談してみてください。
「今日はどうしたい?」
「今、何が必要?」
その問いかけを重ねるたびに、あなたは少しずつ、自分の体と戦うのをやめ、
世界で一番心強い「同じチーム」になっていきます。
血糖値ケアとは、制限することではありません。脳を安心させるための技術なのです。
そして、本当の目的は、そのさらに先にあります。
ずっと責め続け、無理をさせ続けてきた、
自分の体と、もう一度仲直りすること。
人は、安心できたときに初めて、本来の力を取り戻します。
あなたは、ずっと頑張り方を間違えていたのではありません。
ただ、体の中で何が起きていたのかを知らなかっただけ。
だから今日からは、自分を責める代わりに、
体の声を聞いてあげてください。
その声は、ずっとあなたを守ろうとしていた、
体からのサインだったのです。
今日からは、あなたも、
自分の体の一番の味方になってあげてください。
あなたの体は、これからもずっと、
あなたと同じチームなのです。
第五章 体は、ずっと話しかけていた
体を見る仕事をする中で、師匠から教わった言葉があります。
「人はみな、『分かってほしい』を抱えて生きている。」
この言葉は、今でも私の仕事の土台になっています。
例えば、肩こりで困って来られた方に、
「お尻がこんなに引き上がりましたよ!」
と言っても、その人は喜びません。
きっと心の中では、
「私は肩を治したくて来たんだけど…」
そう思うでしょう。
人は、自分が困っていることを分かってもらえたときに初めて安心できます。
夫婦も。
親子も。
友人も。
職場も。
きっと多くのすれ違いは、
「分かってほしかった。」
そこから始まっています。
⸻
ある日、私はふと思いました。
じゃあ、私の体はどうなんだろう。
体も毎日、私に話しかけていました。
眠気も。
イライラも。
甘いものが欲しくなることも。
むくみも。
夕方になると動けなくなることも。
あの頃は全部、
「困った症状」だと思っていました。
でも今なら分かります。
あれは、
「もう少し私の話を聞いて。」
と体が送ってくれていたサインだったのです。
でも私は、一度も聞こうとしていませんでした。
眠いからコーヒー。
疲れたからチョコ。
時間がないからパン。
体の話を聞く前に、いつも私が勝手に答えを決めていました。
⸻
私たちは、
「何を食べればいいか」
を調べることは、とても上手になりました。
でも、
「今の私の体は何を求めているんだろう。」
そう問いかける感覚は、便利な世の中になった分、忘れていってしまったのかもしれません。
本当なら、
「朝はこれを食べましょう。」
「お米は一食○gです。」
そんな答えを書いた方が、きっと分かりやすいでしょう。
でも私は、それを書きません。
それは逃げているからではありません。
あなたに、本当に変わってほしいからです。
私は、今日のあなたを知りません。
よく眠れましたか。
仕事の日ですか。
休日ですか。
風邪気味ですか。
たくさん体や頭を動かしましたか。
体は毎日違います。
だから、本当の答えは、
今日のあなたの体しか知りません。
私が届けたいのは、
「正解」ではなく、体と対話する力です。
正解は、時とともに変わります。
でも、自分の体と対話する力は、
人生のどんな場面でも、あなたを支えてくれるはずです。
⸻
最近、ふと思ったことがあります。
「山登りをしている人って、どうしてあんなに元気なんだろう。」
もちろん、体力がつくことや、
自然(森林や空、澄んだ空気など)によるストレス軽減効果も大きいと思います。
でも、それだけではない気がしました。
登山をしている人は、いつも自分の体と相談しています。
「ここで少し食べておこう。」
「このくらいでやめておこう。」
「喉が渇く前に飲んでおこう。」
山では、お腹が空いてからでは遅いことがあります。
だからこそ、体の声を先回りして聞く習慣が自然と身についていくのでしょう。
私は最近、
ああ、人生も同じなんだ。
そう思いました。
頑張りすぎる前に休む。
エネルギーが切れる前に補給する。
無理をする前に立ち止まる。
体を置き去りにしない人は、遠くまで歩いていけます。
そんな小さな積み重ねが、
自分の体を味方にし、自分の行きたい場所まで運んでくれるのかもしれません。
私は今でも完璧ではありません。
今日も、きっと完璧にはできません。
でも、もうできない自分を責めることはなくなりました。
私はようやく、自分の体と、同じチームになれた気がします。