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連詩『自然垝囜論』第六詩 逢瀬のひず

    アヒルのクヌネルが歩いお行くず、
    森境の草陰に、䞀組の男女が腰を䞋ろしお語り合っおいた。
    近しい集萜を抜け出でお、逢瀬を楜しむひずである。

    男は手近な野草を摘たみ、手悪戯に勀しみながら、
    女が饒舌に語るのを聞いおいた。

    女が、
    「野に咲く花䞀茪ず、ひずりのわたし。どうかしら」
    ず蚀い、恋人の肩を぀぀いお答えをせがんだ。

    男は、今日ずいう日がな䞀日
    「もちろん君に決たっおいるだろう」ず
    蚀っおいたし、重ねおこのひず月ずいうもの、
    い぀この蚀葉を忘れたものだろう。

    比べようのない話であり぀぀も、
    比べようがないず蚀えば
    決たっお䞍機嫌になるからである。

    「どういう意味」

    なる蚀葉ずずもに。

    そうであったから、
    アヒルのクヌネルが立ち珟れるず
    男はたちたち声音を明るくし、

    「君、芋おごらん。アヒルがいる」

    ず指し瀺しお蚀った。

    女はクヌネルを認めるず、口に手を圓お、
    僅かに抌し黙ったのち、
    身じろぎを䌎い぀぀蚀った。

    男の目を仰ぐように蚀った。

    「かわいい」

    クヌネルは圌女の俄かな賑わいに驚いた。

    そのくちばしの開いたたた
    身を固くするさたを芋お、
    男は髪を掻き䞊げる。

    「知っおいるかい」

    「なにを」

    女は期埅に満ちた芖線を男に送る。
    「教えお、教えお」

    するず、男は目をゆっくりず閉じ、
    やがお深い錻息を零したのちに曰く、

    「アヒルずいうのは、飛ぶにはあたりに倪っちょになった鳥なのさ」

    女は長い睫毛を揺らしお、男の錻先に愁眉の芖線を送る。

    「本圓に物知りなひず」

    そうしお女は、男の肩にその柔らかな髪を預けお蚀った。

    「ねぇ」



    「なんだい」

    男が怪蚝そうな声で尋ねたずころ、女は続けお

    「あのアヒルず、ひずりのわたし。どうかしら」

    ず尋ねる。


    男は蚀った。


    「もちろん、君に決たっおいるだろう」


    クヌネルがくちばしをひず぀打った埌、
    銖の傟ぐ様を芋お、䞀組の恋人たちは
    たすたすもっお身を寄せ合うのであった。


    「ごきげんよう」

    そうしお、クヌネルは歩き出す。


    2026.05.22連詩『自然垝囜論』第六詩 逢瀬のひず



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