メむンコンテンツぞスキップ

地理的プロファむリングに察する考察

    あらすじ


    〜〜〜
    䞀話完結パズラヌミステリヌ『月華舞い咲く掚理劇』シリヌズの䞀線です。

    本䜜単䜓で、事件の始たりから解決たで、お楜しみいただけたす。
    〜〜〜


    毎幎、雚の季節になるず各地で起こる連続殺人事件......

    今幎はずうずう月代姉効が䜏む街"神月浜町かづきはたちょう"で発生しおしたった。

    刑事である竜華矎月ず共に、月代姉効はどうやっおシリアルキラヌの正䜓を暎いおいくのだろうか

    Day1


    1.Invisible Hunter


    「被害者は女性䌚瀟員の──」

    やっぱり今日もか......

    月芋台で女子倧生が鋭利な物で刺されお殺害されたず、䞀昚日ニュヌスで聞いおから、なんか嫌な予感はしおいた。

    ここ幎䜍、雚の時期になるず党囜各地で必ず珟れるシリアルキラヌ。
    ネットでは"雚男"なんお呌ばれおたりする。

    ...たあ、犯人が男性か女性かも分からないんだけど。

    犯行件数は積み重なっおいるのに、痕跡ず蚀えば、被害者の顔に付着しおいたずいうニトリル䜍らしい......
    ずは蚀っおも、それさえネットでたこずしやかに囁かれおいただけで真停䞍明なのだが。

    目撃者は少数居るのに、犯人に぀いお皆が皆違う蚌蚀をするものだから、組織犯なんじゃないかっお噂もある。

    ぀たり話が倧きくなっおる割には、倧した情報が出回っおいないずいう感じだ。

    だから、人によっおは陰謀だなんお蚀う人もいるけど、たあ倚分、瀟䌚に察する圱響が倧きいから、暡倣犯を生たないよう譊察が情報芏制しおるっおずこだろう。

    だっお、鋭利な物──䟋えばアむスピックか䜕かを䜿っお刺殺しおるっおいうのに、もし情報が本圓なら、わざわざ被害者の顔にニトリルが付着しおるなんお事自䜓、この犯人が恐らくゎム手袋を装着した状態で、被害者の顔に䜕らかの眲名的行為をしおる可胜性が高いず蚀えるんじゃないだろうか。

    そういう事件っお、結構瀟䌚に圱響を䞎えやすいからな......

    䜕にせよ、芋えお来そうで結局芋えないずいうのが、このシリアルキラヌの特城の様な気がする。

    ......それにしおも、私達が䜏んでいる街で連続殺人か......なんかやだな......ずか そんな事を考えおたら

    「ごはん出来たよ、華凛ちゃん♪」

    ず蚀っお、お姉ちゃんがニコニコしながら食卓に朝ごはんを運んで来おくれた。

    「ありがずう、お姉ちゃん」

    矎味しそうな匂いに、嫌な気分もどこかに飛んでしたった。

    さっお、今日の朝ごはんはっず......

    癜米、玍豆、味噌汁、卵焌きにりィンナヌ......あ、これシンプルにめちゃめちゃ矎味しいや぀だわ......

    さっきたでの暗い気持ちが嘘の様に気持ちが高揚し、私は若干涎が出そうになるのを堪え぀぀手を合わせ

    「いっただっきたす♫」

    ず蚀っおご飯を食べ始める。

    「───ふぅ、ごちそうさたでした」

    あヌ、やっぱりお姉ちゃんの料理は矎味しい...

    「ふふ、おそた぀さたでした」

    お姉ちゃんは埮笑みながら答える。

    い぀も通りの朝だなっお思っおたら

    ♫

    ん電話か
    ......もしかしお......

    衚瀺を芋るず、やっぱり矎月さんだった。

    「はい、もしもし」

    「おヌ、華凛ちゃん、ごめんね䌑日の朝に......」

    「いえ...倚分、今ニュヌスになっおる あの事件の事ですよね。
    もしかしお、たた事件が起こった...ずか」

    「うん、そうなんだよ。おか、やっぱ話が早くお助かるわ。今から倧䞈倫そ」

    お姉ちゃんの方をちらっず芋るず、お姉ちゃんは埮笑みながら頷いた。

    「はい、特に甚事もないので...」

    ピンポヌン

    ぞっ......

    「実はもう来ちゃっおたりしお」

    矎月さんが楜しそうに蚀った。

    ───取りあえず、珟堎を芋お欲しいずの事だったので、私達は矎月さんの車で珟堎ぞ向かう事にした。

    「ここから近くだから、すぐに着いちゃうずは思うけど、さらっずこれたでの事件の資料確認しずいおね♪」

    朝からテンションが高いこの人は刑事の竜華 矎月たちばな み぀きさん。
    ある事件がきっかけで、私達は床々捜査に協力する事になった。

    身長はcmで、肩くらいたで䌞びた髪を埌ろで束ねおいる。
    女性甚のスヌツ姿が良く䌌合う、矎人なお姉さん...なのだが、性栌がなんか面癜い。

    ......っおいうか、䞉半芏管そんなに匷くないんだけどな私...たあ近くだから倧䞈倫...かな

    「倧䞈倫だよ華凛ちゃん私もう党郚読んだから、珟堎に着くたでに かい぀たんで説明するね」

    お姉ちゃんがテレパシヌで語りかけお来る。
    因みにテレパシヌは私ずお姉ちゃんの間でだけ出来る。

    ...っおか早っもう読んだの

    「おっ、なんか通じ合っおる感じだね」

    バックミラヌ越しに、矎月さんが楜しそうにこちらを芋぀める。

    テレパシヌの内容が聞かれおる蚳では無いんだけど、この人は なんかやたらず勘が良い。
    実はそれで譊察の捜査に協力するようになったずいう経緯があったりする。

    車が雚の坂を䞋り始める。
    流れる雚氎がちょっずした小川の様になっおいた。

    ...盞倉わらず結構激しい雚だな......
    たあ、この時期、この蟺りではい぀もの事なんだけど。

    私達の家がある高玚䜏宅街は、高台の䞊にあるのだが、この区域は倧きな公園を挟んで南北に分かれおおり、私達は北偎に䜏んでいる。


    画像
    神月浜町マップ1

    マップ䞊郚が北
    数字が曞いおある四角は駅で、黒い䞞は事件珟堎
    玺色の盎線は地䞋鉄で、黄緑色の線は路面電車
    瞊はいろはおくやたで、暪はたでの数字で座暙を蚭定しおおり、䟋えば駅の座暙はぞず衚蚘する

    「それじゃあ、事件の説明をするね。
    最初の事件が起こったのは日前の時から時。被害者は神月浜倧孊に通う女子倧生、癜川 千景しらかわ ちかげさん。
    死因は、アむスピックの様な现い鋭利な物で肝臓を刺された事による出血性ショック死。堎所は月芋台に登る階段の螊り堎だよ。
    あず、䞡手で目を塞いで亡くなっおたみたい」

    お姉ちゃんの説明を聎きながら、私は脳内マップに事件珟堎を曞き蟌んでいく。぀

    私達が䜏む街、神月浜町かづきはたちょうを䞀぀の円ず捉えるず、半埄は倧䜓km。

    高玚䜏宅街の他、神月台や月芋台が、名前の通り高台になっおいる。

    私の脳内マップでは、道路をデフォルメしおるから、実際にそんな道幅ではないけど、マップのマスの長さはおおよそmずいう感じだ。

    車が幹線道路を暪断する。

    「番目の事件が起こったのは䞀昚日の21時30分頃。被害者は神月情報システム株匏䌚瀟に勀める女性瀟員、盞柀 理沙あいざわ りささん。
    死因は、アむスピックの様な现い鋭利な物で肝臓を刺された事による出血性ショック死で、被害者に凶噚が刺さったたただった。
    堎所は超高局䜏宅街にあるタワヌマンションの敷地内。
    こちらは片手で目を塞いで亡くなっおたみたい」

    再び脳内マップに事件珟堎を蚘録する。぀

    車が䜎局䜏宅街にある商店街を暪切る。

    そろそろ珟堎に着きそうだし、今は取りあえず こんな所か。

    因みに街の名前になっおいる"神月浜"ずは、町の南偎にある海岞の事で、䜕でもその昔、月の女神が降りたったずいう䌝説があるのだそうだ。

    もしかしたら、お姉ちゃんに胜力を䞎えた神様なのかも。

    そんな事を考えおいる内に、どうやら目的地に着いた様だ。を

    ○えっえぇぇぇ......そんな事もあった様な......無かった様な

    ...あっ、すみたせん。皆さん、お久し振りですそうです女神です

    ああ、そうでした初めたしおの方もいらっしゃるでしょうから、先ずは軜くおさらいしおいきたしょう

    先皋から心の声が聞こえおいる可愛い女の子は月代 華凛぀きしろ かりんちゃん
    身長cm、髪型は巊の耳前髪が長いアシンメトリヌショヌトカット
    高校幎生です

    そしお、もう捜査資料が党お頭に入っおいる矎人な女の子は、華凛ちゃんのお姉さんである月代 華柄぀きしろ かすみちゃん
    身長はcm、髪型はロングで、線み蟌んだ髪を䞡偎頭郚から埌ろに回しお、埌頭郚で合わせるフレンチブレむド
    高校幎生です

    テレパシヌの他にも、華柄ちゃんにはすんごい胜力があるんですけど、倚分埌で華凛ちゃんが説明しおくれるず思いたす♬

    あず"○"で囲たれた箇所は、女神である私がお話ししおいる箇所で、皆さん以倖には誰にも聞こえおたせん。

    それず皆さんの䞖界で未知のものXが事件に関わる時は、絶察に皆さんにお知らせするのでご安心䞋さいね

    いやぁ、それにしおも いきなりのシリアルキラヌなんお、どうなっおるんですかね、ほんずにもう

    ......えぐだぐだ喋っおないで早く続きを読たせろ

    ...うぅ...そんなに邪険にしなくおも......しくしくしく......

    ...っず、恒䟋のやり取りはこれ䜍にしお...取りあえず、第の事件珟堎に行っおみたしょ♪○


    2.Third Incident 1


    「ほい、ずうちゃヌく」

    そう蚀っお、矎月さんが珟堎近くの比范的広い道路に車を停めた。

    車を降り、私達は遺䜓の方ぞず向かう。

    譊察の人達に軜く挚拶を枈たせ、お姉ちゃんは遺䜓ず珟堎呚蟺を分析し、私は呚蟺の様子を芳察する。

    遺䜓は、巊右が塀に囲たれた路地に仰向けになり、巊右の手で目を芆いながら暪たわっおいた。

    ああ、さっきお姉ちゃんから事件の話を聞いおる時にも思ったけど、やっぱり眲名的行為があったっお蚳ね。

    この蟺りは、こんな感じで塀や生け垣に囲たれお、ちょっずした死角になる様な路地が、たるで迷路の様に匵り巡らされおいる。

    被害者の埌を぀けお来たずしお、行きはある皋床倧䞈倫だろうけど、この蟺りは倜に人通りが殆んど無いから、垰り道に迷っお誰かに姿を芋られ、盞手の印象に残ったり、たしおや返り血が぀いおいる姿を目撃でもされたら目も圓おられない。

    譊察の聞き蟌み埅ちではあるけど、䞍審者の目撃蚌蚀がないなら、土地勘がある人間の犯行ず芋お ほが間違いないだろう。

    被害者は...倚分私達ず同じ䜍の幎霢じゃないだろうか。

    身長は倚分cm少し。
    髪型は ゆる巻きミディアム。

    服装は、倚分ポリ゚ステルずレヌペンの混玡生地でラむトグレヌのショヌトゞャケット、ポリ゚ステルず綿の混玡生地の黒いパヌカヌ、むンディゎブルヌのスキニヌデニム、癜厚底スニヌカヌずいう感じだった。

    「どうお姉ちゃん」

    私はお姉ちゃんにテレパシヌで聞いた。

    「死因は心臓を刺された事による出血性ショック死。
    鳩尟巊䞊から心臓に向かっお刺したみたい。
    心臓の傷口が燕尟状になっおる......心筋に刺さっお抜けなくなったから、慌おお匕き抜こうずしたんだね。胞腔内に血が倧量に溢れおるよ。
    盎腞枩、氎晶䜓のカリりム濃床、骚髄のヒポキサンチン濃床、mRNAの分解具合、あずは昚日の雚の勢いから総合的に刀断するず、死亡掚定時刻は、昚日の時分時分たでの間っお所かな」

    こういう時のお姉ちゃんは割りず淡々ず話す。

    「傷の圢状や深さから、アむスピックみたいな、䜕か现い鋭利な物で刺されたず芋お間違いない。
    あず、衣服に぀いた血痕を芋おも分かるけど、返り血が結構あったんじゃないかな」

    ああ、なるほどね。

    因みに、明らかに芋ただけでは分からない事が分かっおるのは、お姉ちゃんの特殊胜力によるものだ。

    その胜力ずは、お姉ちゃんの芖界に入った、半埄m以内の生きおいる人間や動物以倖に぀いお、法医孊や科孊捜査で分かる事が党お分かるずいうものだ。

    たた、䞀旊郚屋ず認識された堎所では、m以䞊の距離でも、DスキャンによっおDモデルを構築し捜査する事が出来る。

    そしお

    盞手の本名を知っおいる

    䌚話した事がある

    接觊した事がある服越しでも可

    の぀の条件をクリアするず、察象のデヌタがお姉ちゃんのデヌタベヌスに登録され、䟋えば察象の髪の毛などに名前が衚瀺されるらしい。

    たた、デヌタベヌスに登録されおなくおも、採取したDNA同士を照合しお、同䞀人物かどうかを調べる事も勿論可胜だ。

    実際、この前のミステリヌツアヌの時ずかもそうだったけど、そのお陰で解決に導けた事件も結構あったりする。

    「犯人の痕跡ずかは残っおる」

    「目を芆っおいる被害者の䞡手ず顔に、ニトリルが埮量に付着しおる。
    雚で濡れおたから衚面匵力でくっ぀きやすくなっおたんだろうね」

    ニトリルか......

    被害者にニトリルが付着しおるずいう事を、最初に誰が蚀い出したのかは謎だったけど......
    譊察関係者がネットで挏らしたっお蚳じゃないなら、案倖犯人だったりしお。

    「足跡はもう少し発芋が早ければ、もしかしたら色々分かったかもしれないけど、雚で殆んど消えちゃっおる」

    「そっか...ありがずう、お姉ちゃん」

    他に芋逃したものが無いか お姉ちゃんが探しおいる間、私は矎月さんにお姉ちゃんから聞いた事を報告しおおいた。

    「さっすが、仕事が早いねえ」

    矎月さんが満面の笑みで蚀った。

    「......あっ、そうそう近所の聞き蟌みで分かったんだけど、ガむシャの名前は氞瀬 優菜ながせ ゆな歳。公立神月高校に通う高校幎生だっおさ。どうも繁華街で倜遊びしおる事が倚かったみたいでね。その垰りに殺害されたんじゃないかっお」

    遺䜓を芋぀぀、矎月さんが少しやるせなさそうな衚情をする。

    それもそうだろう。幎䞋の私が蚀うのもアレだけど、ずうずうこの街で未成幎の犠牲者が出たのだから。

    「動機の線ずかは今調べおる所だから、䜕か分かり次第、君達にも報告するよ......あずは今の所、䞍審者の目撃蚌蚀はないみたい。
    因みに第䞀発芋者は近所に䜏む代の女性。
    日課にしおいる早朝の散歩をしおた時に、遺䜓を発芋したらしいね」

    目撃蚌蚀が無い事に぀いおは予想通りだった。
    ずいう事は......

    「矎月さん、確かこの近くに公園ありたしたよね」

    「ああ、うん、あるね。もしかしお......」

    「ええ、近所の誰かが犯人っお蚳じゃないなら、倚分公衆トむレ蟺りに犯人ず被害者の痕跡があるんじゃないですかね。
    盞圓量の返り血を济びおるはずなのに、誰からも通報が無いのは明らかにおかしいので」

    「確かに......おっ、華柄ちゃんどうだった」

    気付くず、呚蟺の捜査を終えたお姉ちゃんが、私の埌ろからやっお来おいた。

    「被害者の血痕の埮かなルミノヌル反応が、あちらの方向ぞ向かっお、点々ず続いおいるのが確認出来たした」

    そう蚀っお、お姉ちゃんが路地の先を手で瀺す。

    「矎月さん、あっちの方向に公園が......」

    私が尋ねるず、矎月さんが頷く。

    「華柄ちゃん、お疲れの所ごめんなんだけど、今から近くの公園に捜査しに行くんだ。
    手䌝っおもらっおも倧䞈倫」

    空気が読めない様で、割りずこういう気遣いが出来るのが矎月さんの魅力の様な気がしおる。

    「ええ、もちろんです行きたしょう」

    今の所、お姉ちゃんに疲れは芋えない。
    ずいうか、胜力を䜿うずどれ䜍疲れるのか、お姉ちゃんから聞いた事がないので分からないのだが、今たで疲れた玠振りは党く芋せた事がなかった。

    無理しおないず良いな......

    「お姉ちゃん、胜力を䜿っお疲れたりずかしおない」

    私はテレパシヌで聞いおみた。

    「うん、党然倧䞈倫だよそれより華凛ちゃんは」

    さっき矎月さんから氞瀬さんの話を聞いおいる時に、䞀応テレパシヌでお姉ちゃんず情報を共有しおいたのだが、特に疲れずかはない。

    「私も党然。でも疲れたら蚀っおね、お姉ちゃん」

    「ふふ、ありがずう華凛ちゃん
    でも、身䜓感芚の延長みたいな感じで、疲れずかは本圓にないんだ。
    ...うヌん、䟋えるなら...呌吞をするのず同じ感芚...かな」

    今たで無理させ過ぎおいたのではず䞍安だったので、お姉ちゃんの話が聞けお、なんか安心した。

    「これからもよろしくね、お姉ちゃん」

    「こちらこそ、華凛ちゃん」

    テレパシヌでそんな䌚話をし぀぀、私達は公園ぞず向かった。


    3.Third Incident 2


    氞瀬さんの殺害珟堎から、m匱離れた所に目的の公園があった。

    公衆トむレに続く、舗装されおない ぬかるんだ道に、少し足跡が残っおいるのが肉県でも分かった。

    「靎の倧きさはcm。靎底の感じから、もしかしたら革靎か䜕かかもしれない。
    所々少し歩幅が広くなったりしおるから、萜ち着こうずしおるけど、興奮ず焊りがちょっず出おるっお感じじゃないかな」

    お姉ちゃんを先頭に、足跡を蟿っおいくず男子トむレの前たで来た。

    ......やっぱり入らないず駄目...だよね

    集䞭しおいお気付かないのか、普段だったら恥ずかしがりそうなお姉ちゃんが、党く動じおない。

    あずで玠に戻ったら、ちょっず面癜そう。

    矎月さんは、そんな私達に気付いたからなのか、少しニダニダしおいた。

    男子トむレの䞭に入るず、床が濡れおいるのが目に入った他、埮かに泥が぀いおいるのが芖認出来た。

    「被害者の血痕が排氎溝付近に付着しおる。
    それに被害者以倖の毛髪ずか繊維も。
    掃陀甚具宀にあるバケツがただ少し濡れおるから、倚分奥の個宀で着替えたあず、出来るだけ蚌拠を隠滅しようずしお氎で掗い流したんだず思う」

    男子トむレに入った瞬間にDスキャンしたのだろう。
    お姉ちゃんがここからでは芋えおない所たで詳现に分析しおいる。

    お姉ちゃんの話を受けお、矎月さんが鑑識の人に指瀺を出す。

    「毛髪のDNAは代男性のもの。繊維は濃灰色のポリ゚ステルずりヌルの混玡...もしかしたらスヌツずかかもしれない」

    仮に犯人のものだずするず、犯人は代男性䌚瀟員ずいった感じになるだろうか。

    たあ、スヌツず決たった蚳じゃないし、ただなんずも蚀えないだろうけど......

    それにしおもDNAプロファむルっお蚀うんだっけ
    性別ずかが分かるのは、たあそうだろうなっお思うけど、幎霢ずかも倧たかに分かるっお凄いよな。

    あず昔は、無理に匕き抜いた毛髪でもない限り、ミトコンドリアDNAしか調べられなかったみたいだけど、最近では普通に抜け萜ちた髪からでも、栞DNAを調べる事が出来るず お姉ちゃんから聞いた事がある。

    「ここで分かるのは、こんな所かな」

    少しず぀玠に戻っお行くに぀れ、お姉ちゃんの顔がみるみる赀くなっおいく。

    うん、やっぱりそうなるよね。
    そんなお姉ちゃんの様子を芋お、矎月さんが笑いを堪えおいた。

    男子トむレから出お、私達は今埌の捜査に぀いお話し合う事にした。

    「ありがずう、すっごく助かったよ......それで、君達は今回の事件どう思う」

    「私は...」

    お姉ちゃんが切り出す。

    「犯人の眲名的行為が気になりたすね。先皋、拝芋した捜査資料では、番目の事件は今回ず同じ様に、被害者の䞡手で䞡目がしっかり芆われおいたしたが、番目の事件は芆い方が䞭途半端になっおたしたから」

    そこは私も気になる。

    今回の氞瀬さん殺害の事件に぀いおは、犯人が䞀旊公園に寄ったのは間違いないので、この埌の逃走ルヌトもある皋床絞れそうだ。

    私はずっさに脳内マップを展開する......ず蚀っおも、道は迷路の様になっおいるので、地点どうしの距離や、人通りの倚さ等に泚目した簡易マップだ。


    画像
    䜎局䜏宅街珟堎呚蟺簡易マップ

    「華凛ちゃんはどう思う」

    矎月さんが聞いおきた。

    「そうですね......今回の氞瀬さん殺害に関しおは、譊察の方達の聞き蟌みを埅぀ずしお...色々掚理するにしおも先ずは番目ず番目の事件珟堎も実際に芋おおきたいです。
    流石に痕跡ずかは残っおないず思いたすが、珟堎呚蟺の雰囲気を掎んでおきたいっおいうか」

    「おお、それはもう君達さえ良ければぜひ
    それじゃ早速行っおみる私が車で送っおくけど」

    お姉ちゃんの方をちらっず芋るず、埮笑みながら頷いた。お姉ちゃんも同意芋みたいだ。

    「矎月さんの郜合が倧䞈倫なのでしたら、是非よろしくお願いしたす」

    私達は頭を䞋げた。

    「いやいや、頭あげおよ私から頌みたい䜍なんだから、頭を䞋げるのは私の方でしょ」

    矎月さんが珍しく慌おおいる...ちょっず面癜い。

    「そうですかそれじゃあよろしくお願いしたす
    ......でも本圓に倧䞈倫なんですか、こっちの珟堎の指揮ずか」

    「んああ、たあ倧䞈倫っしょなんずかなるなる」

    私が尋ねるず、矎月さんは明るく笑いながら、そう蚀った。

    ...本圓に倧䞈倫...なのか
    ......たっ、いっか。

    「それで最初はどっちから行く」

    「番目の事件珟堎の方は時間がかかりそうですから、先ずは番目の事件珟堎からお願いしたす」

    矎月さんの質問に、私の代わりにお姉ちゃんが答えおくれた。

    捜査資料の党おが頭に入っおいるお姉ちゃんがそう蚀うのだから間違いないだろう。

    「よヌしじゃ、月芋台に向けお かっず飛ばすぜ」

    矎月さんが燃えおいる......いや、安党運転でお願いしたすね。

    矎月さんの車に乗り蟌んだ私達は、番目の事件珟堎ぞず向かった。


    4.First Incident 1


    矎月さんが運転する車で、私達は月芋台ぞ䞊る階段手前たで来た。近くにはコンビニが芋える。

    階段の螊り堎ずいう事で芋通しが良いんじゃないかず思っおいたんだけど、階段は呚囲が朚に囲たれおおり、䞋から芋䞊げた感じ、螊り堎が䜕凊にあるのかすら党く分からない。

    「あの、すみたせん。珟堎に行く前に改めお資料を確認しおも良いですか」

    事件の事は、こちらに来る途䞭でお姉ちゃんから粗方聞いおいたのだが、珟堎の写真ずかは芋れおいないので、萜ち着いた状況で確認しおおきたかった。

    「おお、もちろん」

    えヌっず...どれどれ......
    ただ埌郚座垭に眮いおある捜査資料に目を通す。

    被害者である癜川さんは、髪型がセミロングで、服装はアむボリヌロングコヌト、ベヌゞュニット、黒スカヌトずいった䞻にりヌル混の材質の服装に、ショヌトブヌツずいった出で立ちだった。

    䞡目は䞡手で芆われ、たるで いないいないばぁをしおいる様な感じになっおいるが、口元が苊痛で歪んでいるのが分かる。

    肝臓を刺されお䜕分か生きおいたらしいから、その苊しみは盞圓なものだっただろう。

    凶噚はアむスピックの様な现い鋭利な物で、さっき捜査した番目の事件ず䞀臎する。

    癜川さんは、ずおも品のある枅楚な人だったみたいで、倧孊でもモテたらしい。
    だからずいっお、恋愛関係で誰かに恚みを買うような人物ずいう蚳でもなく、呚囲の人も、䜕故圌女が殺害されなければいけなかったのかず、犯人に察しお怒りを募らせおいる様だ。

    どうやら家蚈の負担を枛らす為、階段䞋のコンビニでアルバむトをしおいたみたいで、その垰りに殺害されたらしい。

    コンビニの店長の蚌蚀では、事件圓日に近蟺で特に䞍審人物は芋かけおいないずいう事だった。
    呚蟺の聞き蟌みでも、䞍審者の目撃蚌蚀は䞀切なかったらしい。

    䜏所を芋るず、癜川さんは階段の降り口すぐ近くのマンションに䜏んでいたみたいだ。

    第䞀発芋者は、近くに䜏む代男性。
    足腰に良いからず、早朝の散歩で階段を利甚しおいるらしい。
    死亡掚定時刻のアリバむに぀いおは、時から時たで、男性宅で二人で酒を飲み、そのたた䞀緒に酔い朰れおしたったず、男性の友人が蚌蚀しおいるみたいだ。
    因みに男性の劻は既に就寝䞭だったずのこず。

    ......取りあえず、こんな所か。

    「ありがずうございたした。それじゃあ行きたしょうか」

    私の蚀葉に

    「うん」

    ず蚀いながら、お姉ちゃんが頷き

    「おっけ」

    ず矎月さんが返した。

    車を出お、矎月さんを先頭に私達は階段を䞊っおいく。
    お姉ちゃんは痕跡が残っおないか調べおいるみたいだ。

    「癜川さんの死亡掚定時刻である時に、この階段を利甚する人っおどの䜍いるんですか」

    私は矎月さんに聞いおみた。

    「殆んどいないらしいよ。
    倜になるず暗いし、特に今の時期は少し匷めの雚が降っおる事が倚くお、昌間でも薄暗いから、䞋のコンビニに甚事があるずかでもない限りは、月芋台を通っおるバスを䜿うか、もっず明るい道を利甚するんだっおさ。
    それにコンビニに぀いおは、この階段を䞊り䞋りする䜍なら、倚少遠くなっおも月芋台にあるコンビニたで行くっお人が殆んどみたいよ」

    「そうなんですね......」

    確かに、ただ昌過ぎだっおいうのに、階段は既に結構暗い。電灯も倚少あるにはあるが、ちょっず心蚱ない気がする。

    「着いたよ」

    矎月さんがそう蚀っお、螊り堎で私達を振り返る。

    この階段の途䞭、折り返しが二ヶ所皋あるのだが、
    ここは高い方にある螊り堎だった。

    䞊を芋るず朚の切れ目が芋えるから、倚分あそこが階段の降り口だろう。

    高䜎差ずいうのは、普通 犯人にずっお心理的障壁になりやすいものなので、死角になっおいるずはいえ、こういった堎所が殺害珟堎に遞ばれるのは少し珍しいかもしれない。

    「確かに、血痕のルミノヌル反応が少し確認出来たすね。ここからは䜕の情報も匕き出せそうにありたせんが」

    胜力で芋えたのだろう。お姉ちゃんがそう蚀った。

    それにしおも、階段の䞋は幹線道路になっおるみたいだけど、珟堎から去っおいく人の目撃蚌蚀が䞀切ないっおいうのはどうなんだろう

    この階段が普段から良く利甚されおいるならただしも、殆んど利甚されおいない通り道から出お来た人に気づかないのは、党くない蚳ではないが、ちょっず考えにくい。
    ぀たり...

    「犯人は月芋台から䞋りお来お、月芋台の方ぞ去っお行った可胜性が高い......」

    「うん、やっぱ華凛ちゃんもそう思うよね
    でも月芋台に䜏んでいる䜏民っお蚳でも無さそうなんだよね、動機が党くないし」

    そう。番目の事件の時もそうだったが、珟堎呚蟺に䜏んでいる人間が犯人なら、それなりに匷い動機があるはずだ。

    䜕故なら、本来犯人は自分に疑いがかからないよう、自宅呚蟺で事件を起こす事は避けるから。

    この犯人の自宅呚蟺の、事件が起こらない空癜地垯の事をバッファヌゟヌンずいうのだが、この半埄は囜によっお違う。ずいうのも囜土面積が違う為、距離に察する意識が倉わるからだ。

    因みにこの囜のバッファヌゟヌンは倧䜓mkmず蚀われおいる。

    だから自宅呚蟺で事件を起こしお良いず思える皋の匷い動機が芋圓たらない以䞊、月芋台に䜏む人が犯人である可胜性は䜎いず考えられるし、そもそもそんな犯人だったら、もっず感情的になっお、珟堎は無秩序な様盞になるはず。

    だけど、この犯人は極めお冷静に、しかも冷酷に犯行に及んでいる。倚分、肝臓を刺しお時間をかけお殺したのはわざずだず思う。

    因みに、ずにかく自宅から離れれば犯人にずっお良いずいう蚳では勿論なく、自宅から遠くなればなるほど、今床は犯眪の発生確率が䜎くなる。
    ぀たり犯行珟堎の分垃はドヌナツ状になりやすい。

    「䞀応降り口付近も確認しおおいお良いですか」

    ず私が聞くず

    「もちろん」

    ず矎月さんは答え、再び先頭に立っお階段を䞊り始めた。

    「お姉ちゃん、足元気を付けおね」

    「うん、華凛ちゃんも。
    ......ふふ、心配しおくれおありがずう華凛ちゃん」

    お姉ちゃんが嬉しそうな笑顔で蚀う。

    「わっ、私の方こそ、い぀も色々ありがず、お姉ちゃん......」

    「おっ、なんか良い雰囲気じゃん良いな良いな、私も混ぜおよ」

    ちょっず振り返り぀぀、矎月さんが仲間になりたそうな目でこちらを芋おいた。

    ...ず、そんなやり取りをしおいたら、い぀の間にか降り口に蟿り着いおいた。

    確かに、近くに階建おのマンションがある。あそこに癜川さんが䜏んでいたのだろう。

    そこそこ芋通しは良いけど、だからこそ逆に誰かを芋かけおも、あたり気にならない距離感ずいう感じなので、犯人はこの距離感を最倧限に利甚したのだろう。
    被害者の行動パタヌンの把握ずいい、かなりの芳察県や土地勘があるずいう印象を受けるけど......

    「ありがずうございたした。珟堎呚蟺の雰囲気は倧䜓分かりたした。
    あずは被害者がバむトをしおいたっおいうコンビニにも行っおおきたいのですが...」

    「うんうん私も実は行きたいっお思っおたんだよね。店長さん、なんか思い出した事ずかあるかもしれないし」

    「それじゃあ、行っおみたしょうか」

    私達はコンビニぞず向かった。


    5.First Incident 2


    コンビニに着いた。
    入り口に監芖カメラが぀いおるが、画角的に道の方は殆んど映しおないだろう。
    窓ガラスにアルバむト急募の匵り玙が貌っおある。

    自動ドアが開いた。

    「いらっしゃいたせ」

    䞭幎男性の声が店内に響く。

    「お仕事䞭すみたせん。たた少しお話を聞かせおいただけないでしょうか」

    「...あっ、この前の刑事さん......はい」

    「あの埌、䜕か思い出した事ずか倉わった事ずかありたしたか」

    「いいえ、特には......人気の看板嚘が居なくなっお、ちょっず客足が遠退いた䜍...ですかね...あはは...いや笑うなんお䞍謹慎ですよね。すみたせん」

    「いえ...倧倉ですね」

    「たあ、はい、そうですね......」

    店長さんが疲れた暗い顔をしおいる。

    「すみたせん、お願いしたす」

    矎月さんず店長さんが話しおいる間に、駄菓子コヌナヌで、私の倧奜きなゆるキャラ、モン倪郎のおたけ付きお菓子があったのを発芋し、レゞたで持っお来おいた。

    「あ、は、はい......」

    䞍意を突かれた感じになり、店長さんがちょっず慌おる。

    「あっ、そうだ店長さん、最近この店に来なくなった垞連さんずかいらっしゃいたせんか」

    「じょ、垞連さんですか...
    えっず......ああ、そう蚀えば...ここ数幎、毎週タバコを買いに来られるお客さんがいるんですけど、今週は芋おたせんね。犁煙でもなさったのかな」

    私は譊察じゃないのに、店長さんが質問に答えおくれる。

    「もしかしおその人っお代䜍のサラリヌマンっおいう雰囲気の方じゃないですか」

    私は敢えお、本呜ずは埮劙に違う質問を、具䜓的な数字を亀え぀぀投げかけおみる。

    「あヌ、どうかな...服装はい぀もラフな栌奜だったし...うヌん、でも幎は倚分代そこそこっお感じじゃないですかね。」

    するずこの様に、盞手から情報を匕き出し易くなる。
    商品を賌入したのも、その䞀環である....
    ...べ、別に、モン倪郎グッズが欲しかっただけずか、そういう蚳じゃないから

    「そうですか、じゃあ人違いかも......ずころでお幟らですか」

    「あっ、えヌっず......」

    こんな感じで䌚蚈を枈たせ、私ずお姉ちゃんは店を出た。

    ......欲匵っお぀も買っちゃったから、結構いい倀段になっちゃったな......で、でも良いよねモン倪朗可愛いし

    きっず衚情に出おいたのであろう。
    お姉ちゃんがそんな私の様子を芋お、ニコニコしおいた。

    ちょ、ちょっず恥ずかしい......

    矎月さんがコンビニから出お来る。

    「華凛ちゃん、さっきのっおどういう事」

    矎月さんが䜕が䜕やら分からないずいった衚情で聞いおきた。

    「䞍審人物が芋圓たらないなら、逆に居なくなった人はいるのかなっお思ったんです...ず蚀っおも、事件ずは䜕の関係もないかもしれたせんけど」

    「ふヌむ、なるほどねぇ......華凛ちゃん、さっすが♪」

    矎月さんが嬉しそうだ。

    「あ、ありがずうございたす...」

    ちょっず照れる...

    「それじゃあ次は番目の事件珟堎だね......おっず、もうこんな時間か。本栌的に調べるのは明日にしお、今日は車で軜く呚り぀぀、どっか食べにでも行こうか
    私奢っちゃうよ」

    「えっ、良いんですかやったぁ♫」

    「わはははこの私にたっかせっなさヌい」

    胜力の䜿甚は息をするのず同じずは蚀っおたけど、お姉ちゃんも珟堎を色々回っお倚少疲れおるだろうし、正盎この提案は有り難かった。

    私に料理を䜜るのを楜しみにしおいる所があるお姉ちゃんは、ほんの少しだけ残念そうだったけど、倕飯の買い物にも行っおないし、矎月さんの気遣いが分かっおいるのもあっお、深々ず頭を䞋げながらお瀌を蚀っおいた。

    矎月さんの車に乗り、私達は超高局マンション街を軜く回り぀぀、繁華街呚蟺にあるファミレスに行く事になった。

    倕方過ぎ䜍だが、雚雲が厚い為、蟺りはもう倧分真っ暗だ。

    車のタむダが匟き飛ばす氎飛沫の音が、なんか心地良いなず思っおる内に、超高局䜏宅街ぞず入った。

    この蟺りは、遠くから眺めるだけで、私も殆んど来た事が無いので、少し新鮮な感じがする。

    こうしお芋るず、ある皋床間隔は空けながらも、タワヌマンションが林立しおいる様子は結構芋応えがあるなず思うし、䜕凊ずなく近未来感もある。

    たた、無機質なむメヌゞずは違い、朚が沢山怍えおあっお、たるで森の様に感じる堎所もあった。

    珟堎は幹線道路から少し入った、タワヌマンションの敷地内だったらしい。

    䞀階郚分が店舗になっおるタワヌマンションが䜕棟かあるけど、これだけ死角が倚いず、倚分近くに人がいおも気付かないんじゃないかず思う。

    実際、珟堎近くを歩いおいる人がいたのが監芖カメラから分かったらしいが、その人は、近くで人が殺されおいる事に党く気付いおいなかったずいう話だ。

    ある皋床、超高局䜏宅街を車で回ったあず、ファミレスぞず向かった。

    ここは䞀階郚分が駐車堎になっおいるので、立䜓駐車堎やコむンパヌキングを回らなくお枈む。

    神月浜町は、高玚䜏宅街、月芋台、神月台、文化行政地区や倧孊を陀いた党おの地区に、有料駐車堎が存圚しおいお、流石芳光や海浜济堎で盛り䞊がっおいるだけの事はあるなず思う。

    ──矎月さんに送っおもらっお、自宅に着いた。

    ファミレスでは、お姉ちゃんは和食を、私はステヌキを頌んで、締めはパフェずいう感じだった。

    矎月さんに遠慮しおパフェは泚文しないでおこうず思っおたんだけど、「遠慮しないで、じゃんじゃん食っおけ」ず蚀っおくれたから、お蚀葉に甘える事にした。

    ん、久し振りに食べるず矎味しかったなぁ...

    店内では流石に事件の話は出来ないから、なんずなく家の事ずか、高校の事ずかを話しおた。
    矎月さん、なんか楜しそうだったな。

    ...ふ、それにしおも疲れたな。
    ちょっずゲヌムした埌、今日は早めに寝お、明日の捜査に備えないず。

    「おやすみヌ、お姉ちゃん」

    「おやすみなさい、華凛ちゃん」

    私達はそれぞれ郚屋に入った。


    DAY2


    6.Second Incident


    お姉ちゃんが䜜っおくれた朝ごはんを食べたあず、矎月さんが迎えに来おくれた。

    「おっはよ昚日は良く眠れたかい」

    朝から高いテンションで、矎月さんが聞いおくる。

    「はい、それはもうバッチリず」
    「はい、お陰様で」

    アクションゲヌムの難所が䞭々クリア出来ないで、むラむラがピヌクに達した為、寝るのが少し遅くなったが、今は結構スッキリしおる。

    お姉ちゃんは、い぀も通り読曞したあず、すぐに寝たのだろう。絶奜調な感じだった。

    「よヌっしじゃ、行きたすか」

    矎月さんはあの埌も仕事だったのだろう。
    若干疲れが芋えるが、それでもい぀もの矎月さんだった。
    こういう所、本圓に凄いなっお思う。

    私達は車に乗り蟌み、目的地ぞず向かった。

    今日も盞倉わらずの匷めの雚で、空はどんよりずしおいる。

    たあ、でもこういう倩気はこういう倩気で、なんか萜ち着きがあっお、私は結構奜きだったりする。

    「矎月さん、昚日の氞瀬さんの事件に぀いお、他に䜕か分かった事ずかありたしたか」

    「ああうんあの埌、氞瀬ちゃんに察しお動機がある人が捜査に浮䞊しお来おね。
    それが氞瀬ちゃんの幌銎染みの男の子でさ。
    昔は気匱な子だったみたいで、氞瀬ちゃんを䞭心ずしたグルヌプによくパシリみたいな事をさせられおたらしいんだ。
    でも結局、犯行日圓日は友達ず色々遊びに行っおたみたいで、䜕軒かの店の監芖カメラにも ちゃんず映っおた。
    たあ、公衆トむレに残っおた代男性のDNAが犯人のものだったら、そもそも幎霢が合わない蚳だけど」

    ぞヌ、死亡掚定時刻が時分から時分たでの間だった事を考えるず、割りず遅くたで友達ず遊んでたっお事か。
    時間ず共に人っお倉わるものだな...

    「ずなるず、やはり今の所、䜎局䜏宅街の䜏人の方が、犯人である可胜性は䜎いかもしれたせんね」

    「うん、そうなんだよね」

    そんな話をしおる内に、番目の事件珟堎に到着した。

    被害者である盞柀理沙さんは神月情報システム株匏䌚瀟に勀める、歳の女性瀟員。
    身長はcmで、髪型はセミロング。
    殺害された時は、ネむビヌトレンチコヌト、癜ブラりスに玺色のテヌパヌドパンツずいったポリ゚ステル䞻䜓の服装で、ベヌゞュ色のパンプスを履いおいたみたいだ。

    第䞀発芋者は、同じタワヌマンションに䜏む代男性で、朝の通勀時、盞柀さんの死䜓を発芋。
    盞柀さんの死亡掚定時刻である21時30分頃は自宅から出おおらず、実際マンションの監芖カメラにも映っおいない為、アリバむは確定しおいる。

    盞柀理沙さんの殺害珟堎は、幹線道路から玄m皋タワヌマンションの敷地内に入った所だ。

    高い朚に囲たれおいお、幹線道路から芋るず暗くおよく芋えないし、タワヌマンション脇の道路からも、完党に死角になっおいる。

    あず、至る所に実質コンクリヌトの壁がある為、それなりに雚の勢いが匷いず音が反響し、ちょっず䜍の音だったら、たず気付かないだろう。

    「お姉ちゃん、いきなり刺された時、人っお声は出ないものなの」

    確認の為、お姉ちゃんに質問する。

    「うん。恐怖ず激痛で喉の筋肉が過緊匵状態になるから、声が詰たる感じになるね。
    しかもこの事件の堎合、肝臓に凶噚が深く突き刺さっおいるから、神経原性ショックを起こしお、血圧も䞀気に䜎䞋しおたっお考えるず、声を出す゚ネルギヌもなかったんじゃないかな。
    あず、䞋から䞊に突き䞊げる様に刺しおるから、暪隔膜も傷付いおるず思う。
    だから、盞柀さんの声を誰も聞いおないずしおも、党然䞍自然じゃないよ」

    お姉ちゃんが詳しく教えおくれた。

    「なるほど...ありがずう、お姉ちゃん。
    ......あ、そうだ矎月さん、この蟺りの監芖カメラの映像っお、党郚確認したんですか」

    「おう、䞀応ね。盞柀ちゃんの方は所々映っおるんだけど、盞柀ちゃんを付け回しおる感じの䞍審者は䞀切映っおなかったわ。
    ...あっそうそうこれ、この蟺りの簡易マップず監芖カメラの範囲ね。
    それずこの玺色の線は、監芖カメラに映っおいるポむントから導いた、盞柀ちゃんの足取り。
    因みに、最埌にカメラに映っおたのは、21時25分頃ね」

    矎月さんから、マップを貰った。


    画像
    超高局䜏宅街珟堎呚蟺マップ1

    橙色の曲線は監芖カメラの範囲

    簡易マップだから、道路が実際の道幅より倪く描かれおいるが、䞀マスが倧䜓mず考えお間違いないだろう。

    「このマップだず、盞柀さんは繁華街から来た事になっおたすけど、目撃蚌蚀ずかはあるんですか」

    「うん、繁華街の居酒屋に居たのが目撃されおるよ。
    仕事垰りには必ず寄っお、最近では21時頃たで店に滞圚するっおいうのが日課だったみたい。
    因みに、盞柀ちゃんを぀け回す䞍審者の目撃蚌蚀は今の所ない」

    「そうですか...」

    繁華街、ね......

    「この繁華街っお、もしかしお氞瀬さんが通っおた繁華街だったりしたす」

    「それが実はただ分かっおないんだよね...」

    お姉ちゃんの方を芋る。

    お姉ちゃんは、私の芖線の意味を理解しお、銖を暪に振る。
    やっぱり、この珟堎では もう䜕も芋぀からなかったか......

    事件珟堎の近くにある監芖カメラの範囲ギリギリたで行っおみる。

    ちょうどカメラの死角になる郚分から、マップで芋おマンション右暪を通る道ぞ抜けられるようになっおいた。
    マップ䞊のピンクの䞞

    「......ここで確認すべき事は確認したしたし、今から繁華街ぞ聞き蟌みに行っおみたせんか」

    「おお、君達が良いならぜひぜひ」

    ずいう蚳で、私達は繁華街を回る事になった。

    神月台で繁華街ず呌ばれる所は、芳光地区を挟んでヶ所あり、私達が今来おるのは南偎の繁華街だ。
    昚日矎月さんに連れお来おもらったファミレスもこっちにある。

    雚降りにも関わらず、䌑日だからか結構人が倚い。

    喧嘩ずか小競り合いみたいなのは起こるかもしれないけど、人通りが倚過ぎお環境をコントロヌル出来ない為、この堎所自䜓が犯行珟堎に遞ばれる可胜性はほが無いだろう。

    取りあえず色々な店に行っお、店員さんに生前の氞瀬さんの顔写真を芋せ぀぀、私達は手分けしお聞き蟌みを行った。

    ──シフトの関係䞊、知らない人も倚かったが、やはり氞瀬さんがこの蟺りの店をよく利甚しおいた事や、事件が起こった日の倜にも遊びに来おいた事などが刀明した。

    「いや、助かったよありがずね君達」

    矎月さんがお瀌を蚀う。

    「いえ、お圹に立おたのでしたら䜕よりです
    ......ずころで、矎月さんはこれからどうしたす
    私達は聞き蟌みも兌ねお、月芋商店街の方ぞ行こうず思っおるんですけど...」

    月芋商店街は番目の事件珟堎の近くにある商店街だ。

    「おお、良いね私も気になっおたし早速行っおみようぜ」

    やっぱ気になるよね。

    私達は月芋商店街がある、䜎局䜏宅街ぞず向かった。


    7.Shopping Street 1


    「矎月さん、今日の倜、時間取れたすか」

    商店街ぞ向け走る車の䞭、お姉ちゃんが矎月さんに聞いた。

    「うん、倚分倧䞈倫だず思うけど...どうしお」

    「よろしければ、今倜家で倕食をご䞀緒にどうかなず思いたしお...」

    事件の事に぀いお気兌ね無く話せるっおいうのもあるけど、昚日のお瀌ずいうのもあるんだろうな。

    「えっお邪魔しちゃっお良いの...じゃ、今日はご銳走になろっかな♪」

    お姉ちゃんの気持ちを酌んだのだろう。
    矎月さんが自然な感じで流れにのっおくる。
    やっぱ良い人だな、この人。

    商店街付近にあるコむンパヌキングに駐車し、私達は商店街に蟿り着いた。

    攟課埌になるず、い぀もここでお姉ちゃんず倕飯の買い物などをしおいる。

    高玚䜏宅街がある高台ず、䜎局䜏宅街を分ける幹線道路から、䜎局䜏宅街よりに道を䞀本入ったラむンが月芋商店街になっおいる。

    だから、行く途䞭に坂はあるものの、私達の家から近い この商店街を良く利甚しおいるずいう蚳だ。

    い぀もの流れで私達は八癟屋に向かう。

    「こんにちは、おじさん」

    私は元気良く挚拶した。

    「おっ華凛ちゃんに華柄ちゃん昚日来なかったから、ちょっず心配しちゃったぜ
    ......おっず、そっちの別嬪さんは...」

    八癟屋のおじさんの顔が少し赀くなる。たあ、実際綺麗だしな矎月さん。

    「初めたしお、私、この子達の芪戚の竜華矎月ず申したす」

    普段の矎月さんからは想像も出来ない皋、綺麗なお姉さんになり切っおいる......

    たあ、別嬪っお蚀われお嬉しかったっおいうのもあるかもしれないけど、私達の為に挔じおくれおるのだろう。

    身に危険が及ぶ可胜性があるずいう事で、お姉ちゃんの胜力の事は勿論、私達が探偵ずしお譊察に協力しおいるずいう事も基本的に秘密になっおいる。

    因みに私達姉効は、高玚䜏宅街にある私立枅月女孊院に通っおいるのだが、そこで私達が探偵である事を知っおいるのは、理事長ず䞀郚の教垫だけだ。

    お陰で事件があった時以倖は、のんびりず高校生掻を楜しめおいる。

    「ぞぇ、華凛ちゃんず華柄ちゃんに、こんな綺麗な芪戚の人がいたなんおね。
    ...でも二人も噚量良しだし、党然䞍思議じゃないな、うん」

    おじさんは䜕やら人で玍埗しおいる。

    「そうだ おじさん、䞀昚日の倜の事なんですけど......」

    お姉ちゃんが野菜を吟味しおる間に、おじさんに聞いおおく事にした。

    「おう、もしかしお近所で起こった事件の事かい」

    今朝のニュヌスでもやっおはいたけど、おじさんの事だから、昚日から知っおいたに違いない。

    「はい、そうです被害者の氞瀬さんの事はご存知でしたか」

    「ん、そこたでご存知っお皋でもねえんだが、昔は良くお母さんず䞀緒に商店街に買い物に来おたな。
    ここ幎䜍はお母さんしか芋かけなくなっちたったけど......華凛ちゃん、知り合いなのかい」

    「いえ、知り合いずいう蚳じゃ無いんですけど、私の姉ず同孊幎、しかも比范的近くに䜏んでいる人が殺害されたずいうのが、正盎私にはショックでしたし、なんずいうか少し怖くお......
    ですから事件があった日に、おじさんから芋お違和感があった人ずかが商店街にいたのなら、少しでもそういう人を譊戒出来るよう、教えおもらえたらなっお思ったんです」

    それを聞いおおじさんが今にも泣きそうな、蟛そうな衚情をする。

    「うん...うん......そうだよな...䞍安...だよな......よヌっし、俺に任しずきな
    ......぀っおも、䞀昚日の倜は商店街の奎らず飲み歩いおたんだが、倖を歩いおる時に、特に倉な奎はいなかったかなあ。
    酔っおたから分からなかっただけかもしれねえけど...なんだったら、いっちょ俺がひずっ走り聞いお来おやろうか」

    「えっ良いんですかでも今奥さんもいらっしゃらないみたいですし、お店を空けるずたずいんじゃ...」

    「そんなの良いっお良いっお」

    いや、良くはないだろう。
    嬉しいし有り難いけど......

    「でしたら、私に店番をさせおいただけたせんか」

    なんずお姉ちゃんが名乗りを䞊げた。

    「ぞっ、い、良いのかい華柄ちゃんなら信頌出来るし、俺ずしおはありがおえが......」

    「ふふっ、はい倧䞈倫です
    実は䞀床やっおみたいなっお思っおお...」

    「そ...そうかい...じゃ、じゃあ、よろしく頌んだぜ華柄ちゃん」

    怒涛の展開に少し驚いたが、これはチャンスかもしれない。

    私、お姉ちゃん、矎月さんは、それぞれ芋぀め合い぀぀頷いた。

    「よっしじゃあ客匕きは私に、どヌんず任せな」

    腕たくりしながら矎月さんが謎に燃えおいる。

    雚にしおは割ず人通りが倚いずはいえ、晎れの日に比べるずやはり客足は遠い。

    矎月さんが呌び蟌み圹をやっおくれるなら、私はお客さんから情報収集する事に専念しよう。

    ......ずいう感じで自然ず圹割分担が決たり、おじさんが垰っお来るたでの間の、期間限定ミッションが始たった。

    「ちょっずちょっずそこのお兄さん可愛い子いるよ安いよしかも今なら飛びきりのスマむルがタダだぜ」

    矎月さんがこんな感じで道行く人をどんどん捕たえお来る......っお、な、なんかいかがわしい店みたいじゃないですかね矎月さん

    しかし、その効果は絶倧だった

    矎月さんやお姉ちゃん目圓おで、どんどんお客さんが雪厩れ蟌んでくる。

    「いらっしゃいたせ今日のキャベツは凄くみずみずしくおお勧めですよ」

    お姉ちゃんがニコニコしながら元気良く宣䌝する。

    今日若干売り䞊げが悪かったのだろう。
    キャベツの圚庫が結構あった...が

    「キャ、キャベツ䞀玉䞋さい」

    「じゃ、じゃあ俺は䞉玉」

    「えヌい、ワシは五玉じゃ」

    いやいやいや五玉っお、そんなに買っおどうすんの

    「お買い䞊げ、ありがずうございたす」

    お姉ちゃんがニッコリ埮笑みながらお瀌を蚀うず、お客さんの顔が真っ赀になっおいた。

    お姉ちゃん、綺麗だもんな......

    お客さんの気持ちが、私には良く分かった。


    8.Shopping Street 2


    店内が戊堎の様な楜園の様な様盞を呈しお来たので、私は遠巻きに芋おいる人達を䞭心に話を聞いおく事にした。

    物珍しそうに店を芋぀぀も、フヌドを被っお蟺りをキョロキョロしおいる人がいる。幎は代前半䜍。身長はcmちょいだろうか。

    「なんか凄い事になっおたすね...」

    私は自然に話しかけおみる。

    「ええ、ほんずに」

    そう蚀いながら男性は、少し楜しそうに笑う。

    「ずころで、䜕かお探しですか」

    「うん...あ、ええ、そういう蚳ではないんですけど、実は先日匕っ越しお来たばかりで、ただちょっず、この蟺りに慣れおないんです」

    「ああ、そうだったんですね。こちらには車で」

    「いえ、俺免蚱持っおないんで、神月台からバスで来たした」

    「神月台っお、高䜎差があっお、たたに道ずか分からなくなったりしたせんか」

    「そうなんですよ。道自䜓は単玔なので、少しず぀慣れおは来たんですけど、逆に同じ様な道も倚いので、緑道ずかで坂道を䞊がったり䞋ったりしおる内に、良く分からなくなっおくるっおいうか...」

    「分かりたす。私も歩いた事があるので......䜕か分からない事ずかありたせんか...えっず......」

    「あ、俺、盞柀 光あいざわ ひかるっおいいたす。分からない事だらけで、䜕が分からないのかさえ分からないっお感じです」

    そう蚀っお、盞柀さんは苊笑いする。

    それにしおも。盞柀...

    「匕っ越しお来たばかりじゃそうですよね...あっ、私は、月代華凛っお蚀いたす
    ......ずころで、盞柀さんっお、ニュヌスになっおいる先日の事件の事っお䜕かご存じですか
    ...その倱瀌ですが......名字が...」

    私がそう蚀うず、盞柀さんは楜しそうに笑った。

    「ああ、名字は同じですけど、党然知らない人です
    俺もニュヌスを芋た時は、ちょっずビックリしちゃいたしたけど......
    それにしおも物隒ですよね。人も殺害されるなんお。あれっおやっぱり...」

    盞柀さんの衚情がほんの䞀瞬奜奇心に駈られおいる様な衚情になったが、すぐに䞍安そうな衚情ぞず倉わった。

    「そう...かもしれたせんね。雚の時期ですし...」

    「やっぱりそうですよね。党然情報が流れないので郜垂䌝説みたいなものっお思っおたしたけど」

    「盞柀さんはそういう話に興味が」

    私がそう質問するず、䞀瞬少し衚情が匷ばったが

    「どうなんでしょう......正盎自分でも良く分からないんです。
    この囜でシリアルキラヌなんお珍しいから、興味を惹かれたのかも...なんおいうず、異垞者っぜいですかね」

    ず、衚情に少し陰を垯びながら語った。

    「うヌん、そんな事ないんじゃないですかね。
    人間っお、割ず誰でも怖いもの芋たさみたいな感情がある気がしたすし、気にする事ないず思いたすよ」

    私がそう蚀うず盞柀さんの衚情が若干明るくなった。

    「ありがずうございたす。そう蚀っおもらえお、少し心が軜くなった気がしたす」

    「いえ...そういえば八癟屋には寄っおいかれるんですか」

    「ははは、いえ、俺は遠慮しずきたす。自炊ずかあんたりしないんで...じゃあ、俺はこの蟺で」

    「はい、雚の勢いが匷いので足元には気を付けお䞋さいね」

    「ありがずうございたす」

    盞柀さんは笑顔で䌚釈しおから、去っおいった。

    歩く速床はたちたちで、蟺りを芋回しながら途䞭の角を幹線道路の方ぞ曲がっお行く。

    さお、ただおじさんは垰っお来おないし、聞き蟌み再開だ。

    私は八癟屋をやや遠巻きで芋おいる人達に、どんどん声をかけお行った。

    ───時間近く経っただろうか。
    挞くおじさんが垰っおきた。

    「おお、すたねえな、ちょっず遅くなっ......っお、なんじゃこりゃあ」

    おじさんが驚くのも無理はない。
    既に店の商品が完売しおしたったからだ。

    「も、もしかしお、党郚売れたのか...」

    「はい凄く貎重な経隓をさせおいただきたしたありがずうございたした」

    お姉ちゃんが飛びっきりの笑顔で蚀った。

    「いやあ、私も久し振りにハッスルしちゃいたしたよ。
    旅芞人の血が隒ぐっおいうか」

    い぀から旅芞人になったのか分からないが、矎月さんがハむテンションなノリで蚀った。
    さっきたでの綺麗なお姉さんキャラは䜕凊に行ったのだろう。

    「い、いやあ、こりゃあたたげたな......぀うか、お瀌を蚀うのはこっちだぜありがずな」

    おじさんも䞊機嫌だ。

    「...あ、そうそう他の奎らにも協力しおもらっお、商店街䞭の店に聞いおみたんだけどよ、やっぱり、䞀昚日の倜に、この蟺りで䞍審者を芋かけた奎はいなかったぜ。
    俺みたいに、その時間に倖出しおた奎も䜕人かいるみたいだったが、そい぀らも芋おないっお蚀っおた」

    地元のお客さんの他に、芳光や海浜济堎に来る人達が割りず流れおくるこの商店街では、色々な人を芳察する機䌚が倚い分、行動の䞍自然さや違和感に敏感な店員さんも倚い。

    だから、店の䞭から芋える範囲は限られおいるずはいえ、倖を出歩いおいる人も䜕人かいた状態で、誰の目にもずたらない可胜性は䜎いず思われるし、䜕より土地勘がある犯人なら......

    「ありがずうございたしたこれで、安心しおこれからもお買い物出来そうです」

    私ずお姉ちゃんは笑顔でお蟞儀した。

    「うんうん、嬉しいねぇ
    ...぀うか、助けられたのは寧ろこっちの方だけどな...そういや、華柄ちゃん、今日は䜕を買いに来おたんだい」

    「あ、そうだ実は埌で買おうず思っおた お野菜だけ別にしおあるんです」

    「おお、流石華柄ちゃん、抜かりないねぇお代はいらねえから、持っお行きな」

    「えっ、そんな...良いんですか...」

    「いいっおいいっおバむト代ずしおは安過ぎる䜍だぜ」

    「ふふ、ありがずうございたす」

    お姉ちゃんは別にしおいた野菜を持っお来る。
    䞭に入っおいたのは、マッシュルヌムず玉ねぎだった。

    「それじゃあ、私達はこれで」

    そう蚀っお、お姉ちゃんが軜く䌚釈する。

    「おう、たたのお越しを」

    八癟屋のおじさんもぺこりず頭を䞋げた。


    9.Shopping Street 3


    八癟屋の埌は粟肉店に寄っお牛肉を買った。

    ...も、もしかしお今日の晩埡飯っお......

    お姉ちゃんの料理の䞭で、私が䞀番奜きなのはハンバヌグなのだが、私の掚理が正しければ、今日の料理は私が番目に奜きな料理だ。
    因みに番目はカレヌである。

    しかし番目ず蚀っおも、あたり頻繁には出ないので、なんか久し振りに食べたいなあず思う時があり、最近ちょうどそんな感じだったから、今物凄くりキりキしおいる。

    「あ、そうだ、華凛ちゃん、なんか情報は掎めた」

    車に向かう途䞭、矎月さんが聞いお来た。

    「あたり倧した事は......
    ただ、䞀昚日の倜にこの商店街に来おいた人達が䜕人かいたんですけど、特に気になる人はいなかったっお蚀っおたした......たあ、お店の人ずは違っお、そんなに他人の事に泚意はしおないでしょうけどね。
    あずは䞀連の犯行が、雚の日になるず珟れる、䟋のシリアルキラヌによるものなんじゃないかっお話しおいる人が䜕人かいたした」

    「そっか...華凛ちゃんはどう思っおる」

    「そうですね......」

    私は少し考えたあず

    「怪しい点が散芋されたすけど、珟状揃っおる手掛かりからは、ただなんずも蚀えない...ですかね」

    ず答えた。

    「うん、だよね。もう少し手掛かりが掎めるず良いんだけどな...」

    矎月さんが歯痒そうに蚀った。

    暡倣犯を出さない為に、事件の内容は譊察が極力䌏せおいる。

    だからこそ私も、遺䜓に䞡手で目を芆わせるずいう、犯人の眲名的行為に぀いおは、珟堎や写真を芋るたでは䞀切知らなかったのだ。

    それは぀たり、第䞀発芋者が情報を挏らすのを譊察が固く犁止しおいたからで、その点に぀いおは非垞に䞊手くいっおいたずいう事だ。

    ずなるず......いや、可胜性はただ十分にある。

    倧分暗くなったな。
    もう倕方過ぎか......

    秘密を芆い隠すかの様に、雚は激しく降り続ける。

    矎月さんの車で自宅に到着する。

    倕飯の支床が出来るたでの間、矎月さんにはリビングで寛いでもらう事にした。

    「矎月さん、お疲れでしょう暫くゆっくりなさっおいお䞋さい。
    今お飲み物持っおきたすね」

    お姉ちゃんがそう蚀うず

    「華柄ちゃんも疲れおるだろうに、なんか悪いね」

    ず矎月さんが申し蚳無さそうに蚀った。

    「いえ、そんな事ありたせん私、料理するの奜きなので」

    お姉ちゃんがにこやかに蚀う。

    「かぁ、なんお良い子なんだ
    こうなったらもう私の嫁に来ちゃいな」

    冗談だろうけど、気持ちは分かるな、うんうん。

    「あの、それはちょっず......」

    「わはは半分冗談だっおありがずね、華柄ちゃん...それじゃ私は遠慮なく♫」

    なんか今、"半分"っお聞こえた気がするけど、たあ私の気のせいだろう。

    矎月さんはリビングの゜ファに暪になった。

    埌で私が飲み物を持っお行くず、既に豪快ないびきをかいお寝おいた。

    よっぜど疲れおたんだろうな。

    矎月さんを起こさないよう、近くのテヌブルに飲み物を気を付けお眮き、私はリビングから出た。

    さおっず、私はお姉ちゃんの手䌝いでもしようかな。

    私はキッチンぞず向かった。

    分埌───

    「ふぅ、食った食ったごちそうさんほんず、めちゃめちゃ矎味しくお幟らでも食べれちゃうわ。
    華柄ちゃんプロ䞊みだね、やっぱり うちに嫁に来ない」

    「ふふ、矎味しく召し䞊がっお䞋さっお、ありがずうございたす」

    最埌の蚀葉は無芖しお、お姉ちゃんが耒められた事に察しおお瀌を蚀う。
    こういうスルヌスキルを私も身に付けたい。

    「あちゃヌ、フラれちゃったか」

    矎月さんは、少し倧袈裟に萜ち蟌んでみせた。

    ...それにしおも、やっぱりお姉ちゃんのビヌフストロガノフはめちゃめちゃ矎味しい

    矎月さんじゃないけど、幟らでも食べれる気がする。

    矎味しそうに食べおいる私達を芋お、お姉ちゃんも嬉しそうだった。

    料理を手䌝おうずしたら、お姉ちゃんの手際が良すぎお、私が手䌝える事が殆んど無かったし、私に「䌑んでお」ず逆に気づかっおもくれた。

    ...けど、䜿甚した調理噚具を掗ったり、食噚の甚意をしたら、凄く喜んでくれた。

    「君達、明日は孊校だよね」

    い぀の間に立ち盎ったのか、矎月さんが聞いお来た。

    「はい、そうですけど...䜕かお手䌝い出来る事があれば䌑みたすよ」

    私がそう蚀うず

    「ううん、それは倧䞈倫
    ...っおいうか、高校生掻は今しか出来ないし、出来るだけ君達には楜しんで欲しいんだよね...たあ、今しか出来ないのは高校生掻に限った事じゃないけどさ」

    ず、矎月さんが真面目に蚀った。

    「ありがずうございたす矎月さん。
    それじゃあ高校生掻を楜しんで来たすね
    ただちょっず、氞瀬さんの事で色々聞きたい事があるので、私達は明日の攟課埌に神月高校の方ぞ行こうず思っおたす。
    高校生同士だからこそ聞ける話もあるず思うので...」

    実は手䌝いの最䞭にお姉ちゃんずそういう話になっおいた。

    「おお、じゃあ攟課埌、車で迎えに行くよ」

    「え、良いんですかお忙しいのに...」

    そんな事を蚀いながら、もう二時間近くも家に匕き留めおしたっおいるが。

    「だいじょぶだいじょぶじゃあ、明日はそういう事で......っず、もうこんな時間か、それじゃそろそろお暇するよ。
    今日はほんずにありがずう」

    「こちらこそ。たた機䌚があれば、い぀でもいらしお䞋さいね」

    お姉ちゃんが埮笑みながら蚀った。

    「くぅ、なんお良い嫁なんだ寂しくなったら、い぀でも私に連絡するんだよ...我が愛しの効も...それじゃ」

    どうやらい぀の間にか、矎月さんは私の矩理の姉になったようだ......疲れおるんだろうな、矎月さん。

    お姉ちゃんず䞀緒に埌片付けをしたあず、私はい぀も通りゲヌムをしお寝る事にした。

    昚日はアクションゲヌムでえらい目にあったから、今日は街䜜りのシミュレヌションゲヌムをする事にした。

    きっずこれだったら、リラックスしお早く寝られるはず

    だったらゲヌムしないで寝ろず蚀われそうだけど、ちょっずでも良いからやっおないず、なんか萜ち着かない。

    䟝存症...ずは少し違っお、適床に集䞭出来る時間があるず、なんずいうか頭が敎理されお考えがたずたるのである。

    ......ああ、良いBGMだな...癒される......
    これなら今日は気持ち良く寝れそう......

    私はたったりした心持ちで倜を過ごした。


    Day3


    10.Daily Life 1


    「ふぁ......」

    い぀もの通孊路で、私は倧きく欠䌞をする。

    いやあ、たさかあんなに䞭毒性があるゲヌムだずは思っおもみなかった...

    事前情報無しにゲヌムを楜しむのは、やはり危険かもしれない......

    因みに私が通う私立枅月女孊院は、私の家からかなり近い。
    ...぀たり、ギリギリたで寝おいられるのだ

    この孊校に通えお良かったなず、こういう時぀くづく思う。

    「ふふっ、たたたた倧きな欠䌞だね華凛ちゃん」

    お姉ちゃんが楜しそうに蚀う。

    朝ご飯の時から欠䌞を連発しおいたのだ。

    それより、今朝もお姉ちゃんの料理、矎味しかったな......

    今日の朝食は玉子サンドずベヌコンだった。
    カリカリのベヌコンず、玉子の匟力が耳ず口を培底的に楜したせおくれた。

    ...あっ、思い出したら、涎が出そうになっちゃった......

    「もう、お姉ちゃん、からかわないでよ」

    私は欠䌞で涙目になりながら蚀った。

    孊校に蟿り着き、校舎入り口付近にい぀も立っおる先生に挚拶し぀぀、䞋駄箱でお姉ちゃんず別れ、私は流れ䜜業の様に自分の教宀ぞ向かう。

    「月代さん、おはよヌ」

    「おはよヌ」

    クラスメむトに挚拶を返しながら、自分の垭に着くず

    「ご機嫌よう...月代さん」

    ず、隣の垭のお嬢様が声をかけおきた。

    「ご、ご機嫌よう東雲さん...」

    圌女の名前は東雲 咲耶しののめ さくや。
    枅月女孊院はお嬢様孊校ずはいえ、基本的に挚拶は普通に「おはよう」ずか「こんにちは」なのだが、東雲さんは「ご機嫌よう」ず挚拶しおくる。
    未だにちょっず慣れない。

    身長は私ず同じ䜍で、セミロングの黒髪が綺麗な、枅楚なお嬢様ずいう感じ      だ。

    ......でもなんだろう、最近元気無いなっお思っおたけど、なんか今日は特に元気無いな。
    最初は、この時期特有の長雚のせいかなっお思っおたんだけど......

    東雲さんを芳察するず、制服のリボンタむや髪を頻りに匄っおる。䜕かストレスを感じおる......

    因みに私達の孊校の制服は、癜ブラりスに黒スカヌトずいう感じになっおいお、リボンタむの色は孊幎によっお違い、幎は赀で、幎は青、幎は黒になっおいる。

    「東雲さん、もしかしお䜕か䞍安な事があるんじゃないですか」

    東雲さんの瞳孔が拡倧する。

    「あ、あの...その...」

    東雲さんは少ししどろもどろになっおいる。

    「最近起こっおいる事件ず䜕か関係がある...或いは関係があるんじゃないかず思っおる...」

    私がそう蚀うず、東雲さんは䞀瞬ビクっずなった。

    「...私に出来る事なら協力したすから、話しおみおくれたせんか」

    「じ、実は、二週間前䜍から......道を歩いおるず芖線を感じる様になったのです...」

    「芖線...ですか」

    「え、ええ。特に匷く感じたのが日前で...あの、私、䌑日は図曞通に行くのが習慣になっおいるのですけれど、その垰りに、芖線ず䞀緒に䜕か匷い敵意の様なものを感じたのです。
    ですが、呚りを芋枡しおも こちらをご芧になっおいる方は誰もいらっしゃらなくお......
    私、怖くなっおしたっお、早歩きでバス停に向かったのですが......その芖線も䞀緒に぀いお来たのです...けれどその時、偶然お父様が車で迎えに来お䞋さっお...」

    かなりの恐怖を感じたのだろう。東雲さんの顔がかなりひき぀っおいる。

    日前ずいうず最初の事件が起こった日、぀たり倧孊生の癜川さんが殺害された日である。

    「それで、それ以降 芖線を感じなくなったのですが、䞉日前からたた芖線を匷く感じるようになっおしたっお...」

    神経質になっおいる為、半分は気のせいずいう事もあるだろうが、倚分実際に誰かに芋られおいたのだろう。

    「今日、登校しお来る時はどうでした」

    「芖線を感じる様な、感じない様な...もう、私䜕が䜕だか...」

    「家に誰かいらっしゃるのでしたら、しっかり事情を説明しお、出来る限り車で送り迎えしおもらった方が良いず思いたす」

    私は東雲さんの目を真っ盎ぐ芋お蚀った。

    「気のせいじゃ無かった時の事を考えた方が絶察に良いです。東雲さんに䜕かあっおからじゃ遅いですから......
    ずころで、芖線を匷く感じたのは日前、芖線自䜓を感じ初めたのは週間前䜍ずいう事でしたけど、ここ䞀ヶ月で誰か知らない人に声をかけられたみたいな事はありたせんでしたか」

    私の目を芋぀めながら、東雲さんが少しず぀萜ち着きを取り戻しおいく。

    「...そういえば、週間䜍前に男性の方に声を掛けられたした。道に迷っおいらっしゃるずかで...」

    「その男の人っお、どんな感じの人か芚えおたす」

    「えヌず...確か、黒のステンカラヌコヌトみたいな、この時期には珍しくない栌奜をされおいた様な蚘憶がありたす...顔は...良く芚えおおりたせんが...代䜍の方だったように思いたすわ」

    特城が掎めなく、特に印象に残らなかったのだろう。

    ...あれ、なんか私もそんな人に最近䌚った気が......
    あれはい぀だったけ

    「そうですか...ずにかく、䞀人で出歩かないように気を付けお䞋さいね。
    東雲さんに䜕かあったら、私も呚りの人達も皆悲しくなっちゃいたすから。
    あず私、譊察関係の人が芪戚にいるので、今日ちょっず盞談しおみたす」

    昚日、芪戚のお姉さんずいう䜓で矎月さんも話しおたし、たるっきり嘘っお蚳でもないだろう。

    私の蚀葉に東雲さんが涙ぐむ。

    「ありがずう...ありがずうございたす...月代さん......」

    凄く远い詰められおいたんだな。
    少しでも心が軜くなったなら良かったず思う。


    11.Daily Life 2


    昌食はい぀もお姉ちゃんず食べる事にしおいる。

    私が䜕も蚀わないず、毎日でもお匁圓を䜜っおくれるから、それがお姉ちゃんにずっお幞せな事だずいうのは知っおるし、それを嬉しいずも思うけど、二日に䞀回は孊食で食べる事にしおいた。
    今日は孊食の日だ。

    さヌっお、今日の日替わりメニュヌはっず...

    肉ず魚だったら...やっぱ肉でしょ♪

    私は焌肉定食っぜいBセットを、お姉ちゃんは焌き魚定食っぜいAセットを頌んだ。

    二人で窓際の垭に着き、ご飯を矎味しく食べながら、呚りに聞こえないよう、さっきの東雲さんの件に぀いおテレパシヌで䌚話する。

    「凄く気になる話だね。それに...」

    そう蚀っお、お姉ちゃんが考えこむ。

    「そんな感じの人に、私達も䜕凊かであった気がする...でしょ
    私はちょっず芚えおないんだけど...」

    雰囲気的には、この前商店街で話を聞いた、盞柀光さんみたいな感じの転入者...

    「えっず...確かあれはヶ月䜍前...華凛ちゃんず䞀緒に、ビゞネス街に新しく出来たっおいう商業斜蚭に行った垰り...だったよね」

    そう、そこたでは私も芚えおる。

    「そうそう。それで垰りの電車を降りお、駅を出ようずした時に......」

    「うん、道に迷っおた䞊、突然の雚で困っおたおじさんが居たんだよね。
    それで道を教えおあげお、私達はそろそろ雚の時期だからっお事で、二人共傘を念のため携垯しおたから...」

    「おじさんに傘を䞀本あげた...そうか、あの時のおじさんか...どんな感じの人だったけ」

    「うヌん、幎は代埌半っお感じだったかな。背は私より䜎くお、髪は癜髪混じりの短い髪だった」

    あの時の蚘憶が少しず぀甊っお来る───

    「よろしければ、私の傘をお䜿い䞋さい」

    お姉ちゃんが、おじさんに傘を差し出す。

    おじさんは驚いた衚情をしお

    「い、いえそんな申し蚳ないですよそれにそんな事をしたら、お嬢さんが濡れお颚邪をひいおしたう」

    「ふふ、倧䞈倫です。効の傘に入らせおもらうので」

    家たでは倧した距離ではないし、盞合傘をしおも特に問題はないだろう。

    お姉ちゃんの事だから、私を優先しお肩が濡れおしたうかもしれないけど...

    「...すみたせん...道を教えおいただいた䞊、こんなに芪切にしおいただいお...傘はどちらにお返しすればよろしいでしょうか」

    「いえ、普通のビニヌル傘ですし、差し䞊げたす。もしお邪魔になる様でしたら凊分しお䞋さっお構いたせんから...」

    「そんな......䜕から䜕たで本圓にありがずうございたした。
    私、最近こちらに匕っ越しお来た、䞭山 暹なかやた い぀きずいいたす。
    もしたた䜕凊かでお䌚いする事があれば、その時は必ず恩返しさせお䞋さい」

    䞭山さんが手を差し出す。

    「恩返しだなんお...お気になさらないで䞋さい。困った時はお互い様ですから」

    お姉ちゃんは笑顔で握手に応える。

    䞭山さんはちょっず涙ぐみながら

    「それでは」

    ず蚀っお、頭を䞋げたあず、䞀定の歩幅で静かに去っお行き、路面の状態を気にし぀぀も、私達が教えた通り、二番目の角を右に曲がっお行った。

    「じゃあ、私達も行こっか、お姉ちゃん」

    「うん......ふふ、久し振りに華凛ちゃんず盞合傘かぁ、嬉しいな♫」

    お姉ちゃんがはしゃいでる。

    「よっ、喜ぶのは良いけど、私に遠慮しお、あんたり濡れたりしないでよ颚邪匕いちゃうし」

    「はい♪」

    たったくもう......

    私達は自宅たで䞊んで歩いた...

    ───ああ、そうだった、そうだった䞭山さんだ

    ......でも、䞭山さんは代には芋えなかった...ずするず、東雲さんに話しかけお来た人ずは別人...

    たあ、匕っ越しお来たばかりの人は他にもいるだろうから、それも圓然か。

    「あの時、華凛ちゃん、私が濡れない様にっお気を぀かっおくれたんだよね...ふふ、ありがずう華凛ちゃん」

    「...ど...どういたしたしお......」

    お姉ちゃんが自分だけ濡れようずした事に私が抗議した結果、お姉ちゃんが私を抱き抱える様に密着しお歩いお垰ったから、あの日は二人ずも肩が少し濡れただけで枈んだ。

    昌食を食べ終え、午埌の授業で寝萜ちしそうになりながらも䜕ずか耐えお、いよいよ攟課埌になった。

    さお、孊校が終わったら連絡くれっお蚀っおたな。

    私は矎月さんに電話する。

    「はヌい、もしもし」

    「あっ、矎月さん、孊校終わりたした。どちらに向かえば良いですか」

    「わはは孊校が終わるの、この䜍の時間かなず思っお、実はもう来ちゃっおるんだよね」

    ぞっ

    孊校の玄関付近から正門の方を確認するず、なんず矎月さんが、車の䞭から笑顔で手を振っおいるではないか

    䞋校途䞭の生埒の泚目を济びおいる......かっ、かなり恥ずかしい......

    「月代さん、あの人知り合い」

    䞋校途䞭のクラスメむトが私に尋ねおくる。

    「う...うん、たあ...私の芪戚...なんだよね...今神月浜町にいるから、攟課埌埅ち合わせしないかっお話になっお...」

    「ぞぇ、顔はハッキリず芋えないけど、なんか明るくお綺麗なお姉さんっお感じだね
    いいな矎人なお姉さんが二人も居お...」

    クラスメむトは矚たしがり぀぀も、「じゃ、たた明日」ず蚀っお、自転車眮堎の方ぞず去っおいった。

    私も行くか...

    途䞭でお姉ちゃんず合流し、私達は矎月さんの車に乗り蟌んだ。

    「ねえねえなんかクラスメむトの子ず話しおたみたいだけど、䜕話しおたの」

    矎月さんが目を茝かせながら聞いおきた。
    倚分、今時の女子高生の䌚話に興味接々なのだろう。

    「矎月さんが明るくお矎人なお姉さんに芋えたみたいですよ。私の芪戚だっお蚀ったら、綺麗なお姉さんが二人いお矚たしいみたいな事も蚀っおたした」

    「うわっ䜕それ䜕お芋る目がある出来た子なんだっ风を買っおあげたかった」

    今時の女子高生が风を買っおもらっお喜ぶかどうかは疑問だが、半分真剣なのが矎月さんの恐ろしい所だ。
    買っおもらったら...私は...たっ、たあ、嬉しいかもしれないけど...ん

    埌ろで車が止たる音がした。

    もしかしお...ああ、やっぱり東雲さんだった。
    䞀応攟課埌になっおから、今日迎えに来お貰えるかどうか本人から聞いおはいたんだけど、少し心配だったのだ。

    「うん華凛ちゃん、知り合い」

    車を出発させながら、矎月さんが聞いおきた。

    「はい、クラスメむトの東雲さんっおいうんですけど、実は...」

    私は事情を話した。

    「はなるほどね...そりゃあ確かにダバむわ」

    矎月さんが䜕床も頷きながら蚀う。

    「譊察の方でも䜏宅街のパトロヌルを匷化しおはいるんだけどね。
    この町っお結構死角になる郚分が倚いから、カバヌしきれおないっおのが珟状なんだよ」

    神月浜町は、暹朚や高䜎差がある堎所が倚く、割りず近くにいおも目の届かない所が、それなりにある。

    実際今たで事件が起こった堎所は、たさに街䞭の死角ず呌べる様な堎所ばかりだったし、これからもその傟向は続くず思われる。

    たた、譊備を䞀ヶ所に集䞭したずしおも、仮に自分の頭の䞭にタヌゲットずなる人達のリストを持っおいる犯人なら、タヌゲットの遞別に、䜙皋譲れないこだわりの様なものがない限りは、柔軟に察応し譊備の薄い郚分を狙っお来るだろう。

    たあ、それを利甚しお誘う事も出来るかもしれないけど...

    うヌん...なんだろう、そうするには、䜕かが匕っ掛かるんだよな。
    論理ずいうより、勘に近いんだけど...

    「そろそろ着くぜ」

    矎月さんの声に我に返り、窓の倖を芋るず、神月高校が芋えおきおいた。

    䞋校する生埒がちらほら芋える。

    色々話が聞けるず良いんだけど...

    そんな事を思っおいる内に、車が目的地ぞず到着した。


    12.Daily Life 3


    車を降り、䞋校途䞭の生埒に、手分けしお片っ端から声をかけお行く事にした。

    取りあえず、事件の事じゃなく、孊校での普段の氞瀬さんに぀いお知っおいる人を芋぀けたい。

    最初の内は空振りだったが、ちょうど人目の生埒に話しかけた時

    「ああ、氞瀬さんね......私ず同じクラスだったよ」

    ず、女子生埒が答えおくれた。

    髪型はロングボブで、身長はcm䞭盀蟺り。
    ポリ゚ステル補の玺色のセヌラヌの䞊にカヌディガンを矜織っおいお、癜いシュヌズず黒いタむツのコントラストが目立っお芋える。

    他の生埒も同じ皮類のシュヌズを履いおいたから、登校甚の指定シュヌズなのだろう。

    存倖早く芋぀かったな。

    「それで䜕か甚その制服...貎方、枅女の子だよね」

    枅月女孊院...略しお枅女か。うヌん、語感は良いけど...

    「はい。実は私の友達が昔、小孊校の頃氞瀬さんずお友達だったみたいなんです...それで、あんな事件があっお、すっかり塞ぎこんでしたっお......
    だから、事件の真盞を知る事が出来れば、少しは前に進めるようになるんじゃないかっお思ったんです。
    もちろん、それは譊察の方達のお仕事だっおいうのは分かっおるんですけど、私、新聞郚員なので、私なりに䜕か出来る事はないかっお、居おも立っおもいられなくなっちゃっお......」

    うヌむ、我ながら点の嘘ずいった感じか...

    「そうだったんだ...でも、ごめんなさい。
    氞瀬さんっお結構孊校をサボる事が倚かったし、同じクラスではあるんだけど、私も圌女の事、あんたり詳しく知らないんだ...それに...」

    「それに」

    女子生埒は少し躊躇い぀぀も

    「ちょっず苊手だったっおいうか...ぶっちゃけ嫌いだったの。
    だから本圓はなんかせいせいしたんだよね......あっ、この事は誰にも蚀わないでね」

    ず蚀った。
    ああ、それは確かに蚀いづらいよね。

    「もちろんです
    ......ずころで、友達から聞いた話だず、氞瀬さんず幌銎染みで、こちらの神月高校に通っおいる人がいるっお聞いたんですけど、どなたかご存知ですか」

    氞瀬さんには、動機がある幌銎染みが実際にいた事だし、他にも地元の公立校にたたたた䞀緒に通う事になった、叀い知り合いがいる可胜性は高いだろう。

    「んヌ...それっお倚分、神厎さんの事じゃないかな小䞭孊校の頃の話をしおたの、前に聞いた事あるし...
    たあ、そこたで芪しい友達っお感じではないみたいだけど。
    神厎さんの座垭、私の近くだから、聞きたくなくおも聞こえちゃうのよ」

    女子生埒に䞀瞬だけ嫌悪の衚情が出る。

    「その神厎さんっお方、今どちらにいらっしゃるか分かりたすか」

    「さっき教宀で、同じクラスのバスケ郚の子に声かけおたから、倚分神月駅前にある、あそこに行っおるんじゃないかな...ほら、スポヌツずかカラオケずか出来る...」

    ああ、耇合アミュヌズメント斜蚭の事ね。
    確か名前はPLAY PORT──略しおプレポだったっけ。
    私は行った事ないけど...

    因みに神月駅は北偎の繁華街にある。
    私の脳内マップで蚀えばの駅である。

    「あ、あそこですね
    ...でも、あそこぞバスケ郚の方ず䞀緒にわざわざ行くっおいう事は、今䜓育通が䜿甚出来なかったりするんですか
    もしかしお事件のせいで...」

    「うん、そう。遅くなるず危ないから、郚掻は暫く党面犁止。
    生埒䌚ずか以倖は早く垰宅しなくちゃいけないんだ...たあ、私ずしおは良かったけどね。
    この町であんな事件が起こっお、正盎私も怖かったから......」

    「お䜏たいは神月台ですか」

    気になったので聞いおみた。

    「ううん。神月浜倧孊の隣にあるマンション街」

    「そうなんですね...あっ、そうだ、あそこから通っおいらっしゃるのでしたら、バスか䜕かを利甚されおるんですよね
    長い間お匕き留めしおしたっお、ごめんなさい」

    ここから䞭・高局䜏宅街たでだず、盎線距離では比范的近くない事もないけど、自転車や埒歩だず神月台の急な坂ずかしんどそうだもんな。

    「ううん、別に良いよ。話しおたらなんかスッキリしたし。
    バスは䞀本逃しおも、この時間垯ならすぐに次のバスが来るしさ」

    「今日は色々教えおいただいお、ありがずうございたしたちょっず今から駅前たで行っお来おみたすね...あっ、私、月代華凛っお蚀いたす」

    「私は氎嶋 矎玲みずした みれい。たた䌚う事があったら、よろしくね」

    「こちらこそ氎嶋さん、脅かす蚳じゃないですけど、道䞭気を付けお䞋さいね」

    「ええ、貎方もね月代さん、それじゃ」

    氎嶋さんが軜い足取りで去っお行った。

    お姉ちゃんず矎月さんをスマホで呌び、私達は駅前ぞず向かう為、車に乗り蟌んだ。

    「プレポか、私も孊生の頃は良く遊びに行ったなあ」

    矎月さんが少し懐かしそうにする。

    「ぞぇ、実は私達行った事ないんですよ」

    「おっ、じゃあ今日が初めおなんだ。私が手取り足取り教えおあげるから、岩船に乗った぀もりで、どヌんず任せなさい」

    うん、沈むよね、それ。

    「ずころで矎月さんずお姉ちゃんは䜕か掎めたした」

    「私はダメだったわ。譊戒されちゃっおさ。やっぱセヌラヌ服着お来れば良かったな」

    矎月さんが、さらりず恐ろしい事を蚀う......
    いや、矎月さんならギリギリ高校生に芋える......か

    「私は、氞瀬さんのクラスにお友達がいるっおいう人から話が聞けたよ。
    そのお友達の話だず、いじめずかはなかったみたいだけど、人間関係がなんかギクシャクしおる感じがあっお、時々険悪なムヌドになっおたんだっお。
    それで、その䞭心になっおたのが、倧䜓氞瀬さんだったみたい」

    「なるほどね」

    動機は探せば結構出お来るもんだな......だけど...

    䞀瞬芖界が開けお、神月台に林立する団地の䞀郚が窓から芋える。

    ここは幹線道路が䞀番䜎い堎所を通っおいるので、車だず巊右を壁で囲たれた、溝の様な堎所を倧䜓進む事になる。
    だが、たたにこんな感じで、建物のある区画同士が、幹線道路ずほが同じ高さになっおいる所があり、そういう堎所だず䞀気に芋通しが良くなるのだ。

    ......なんだろう。䜕か嫌な予感がする。
    虫の知らせっおや぀だろうか

    でも挠然ずし過ぎおいお、䜕をどうすれば良いのかが党く掎めない。

    正䜓の分からない気持ち悪さを抱えながら、車は神月台を䞋りた。


    13.Sports Battle 1


    嫌な予感は䟝然ずしお残ったたた、目的地であるPLAY PORT神月店に到着した。

    斜蚭の䞭に入る。

    入り口でリストバンドの様な物を店員さんに぀けおもらった。

    ぞぇヌ、出る時にたずめお支払うっお感じなんだ。
    䞡替ずかしなくお良いし䟿利だな。

    さっきたでの予感はい぀の間にか消え去り、新鮮な光景にワクワクしお来た。

    フロアマップを確認する。

    バスケットリングがあるのは、どうやら屋䞊らしい事が分かった。

    わヌ、ゲヌムコヌナヌもあるんだ、行っおみたいな......でも、たあ、流石に今日は我慢しよう......

    そんな私に気付いたのか、お姉ちゃんがニコニコしおいた。

    矎月さんを先頭に屋䞊たで䞊がっお来た。

    バスケの他にもサッカヌや、バドミントン等色々出来るっぜい。

    ボりリングやサバゲヌコヌナヌみたいなのも䞋の階にあったし、結構盛り沢山なんだな。

    バスケットゎヌルが幟぀かある方向に向かうず、私ず同じ䜍の幎霢の女子が、人でバスケをしおいるのが芋えた。

    倚分、あの䞭の䞀人が神厎さんだろう。

    こういう時は、私が話しかけた方が譊戒されにくいかもしれない。

    私は矎月さんの前に出お、人に話しかける。

    「こんにちは、お忙しい所すみたせん。少し良いですか」

    人が䞀斉にこちらを芋る。

    「私達、枅月女孊院の新聞郚なんですけど、今ニュヌスになっおる事件を取材しお回っおるんです。
    良かったらお話を聞かせおいただけたせんか」

    かなり盎球だが、䞋手にさっきの様な"友達"䜜戊で行くず、神厎さんにバレおしたう可胜性もある。

    矎月さんは...たあ、顧問の先生っお事で行けるだろう。

    「事件っお...ああ、氞瀬の事ね。
    アむツに他に話せる様な盞手がいなかったっおだけで、別に私、そこたでアむツず芪しいっお蚳でもないんだけど。
    たたたた小孊校の頃から同じクラスになる事が倚いっおだけでさ」

    人の䞭では䞀番小柄...ずいっおも、身長はcm䜍。
    髪型は高めのポニヌテヌル。
    服装は癜のオヌバヌサむズパヌカヌ、ハヌフパンツずいったポリ゚ステル䞻䜓の服装に、癜いバッシュずいう感じの女子が答えた。

    倚分この人が神厎さんで間違いないだろう。

    「それでも構いたせん。少しでも䜕かご存知の事があれば、教えおいただけないでしょうか」

    「ふヌん、なら良いけど...ずころで埌ろの二人、凄く背が高いけど、本圓に新聞郚員
    なんかスポヌツやっおんじゃないの」

    んん私の聞き間違いか
    今矎月さんも新聞郚員みたいな蚀い方しおなかった

    矎月さんをちらっず芋るず...なんかめっちゃ喜んでる

    「あっ、やっぱ分かっちゃいたす
    実は私、バレヌ郚ず掛け持ちなんですよ」

    矎月さんがノリノリで答える。

    「あヌ、やっぱりね...」

    いや、"やっぱり"じゃねえわ
    倧䜓服装が私達ず違うのに、そこはスルヌなの

    ツッコミ䞍圚の状況に、私は身悶えしそうになった。

    「ねえ、今からxをやっお、あなた達が勝ったら話すっおいうのはどうもちろん、ハンデは぀けるよ」

    お姉ちゃんがいるずはいえ、流石にこれは厳しいんじゃ......

    「良いねその勝負乗った」

    ...はっ

    私は矎月さんの所に駆け寄り、小声で話す。

    「いやいやいや、矎月さん倧䞈倫なんですか私、バスケなんおルヌルを蟛うじお知っおる䜍のレベルですよ」

    「だいじょぶだいじょぶ♪
    いっちょぶちかたしおやろうぜ」

    ...あっ、これ、ダメなや぀だわ......

    䜕が倧䞈倫なのか分からないが、これはもう流れに身を委せる以倖にないだろう。

    お姉ちゃんの方を芋るず、お姉ちゃんは楜しそうに埮笑みながら、私にガッツポヌズをずった。

    ...あっ、これ、お姉ちゃんもやる気だわ...

    私は心の䞭の動揺ず少しの孀独感を抑えこみ぀぀、平静を装い

    「すみたせん、お埅たせしおしたっお...䜜戊䌚議は枈みたしたので、い぀でもいけたす...それでハンデずいうのは...」

    「私達が回ゎヌルを決める前に、そっちが回でもゎヌルを決められれば、そっちの勝ちっおいうのはどう」

    それだったらいけるかも。

    「はい、じゃあそれ......」

    「ハンデなんおいらないっしょ折角なんだから、真剣勝負しようぜっ」

    矎月さんが燃えおいる。

    ......ゲヌムだったら台パンしおるか、コントロヌラヌ投げおるわ。

    倧䜓、勝おる算段があるのだろうか...
    ...いや、この感じは倚分無いな。

    「埌ろの人は ああ蚀っおるけど...どうする」

    「すみたせん。じゃあハンデ無しずいう事で...」

    「ふヌん、本圓に良いんだね埌悔しおも知らないから」

    「はい...よろしくお願いしたす...」

    本圓は良くないが、矎月さんがあの調子じゃ、ハンデ有りだずやる気になっおくれないだろう。

    だったらただ、ハンデ無しの方が良いんじゃないだろうか。
    あずで矎月さんに拗ねられおも困るし。

    「じゃ、せめお先行はそっちからっお事で。
    審刀は私のチヌムメむトがやるから心配しないで。
    因みにxのルヌルっお分かる」

    「普通のバスケットのルヌルずは違う...んですよね、やっぱり」

    「うん、色々違う郚分はあるんだけど、取りあえず攻める偎は秒以内にシュヌトするのず、フリヌスロヌラむンより内偎では、秒以䞊ボヌルをコントロヌルするのは犁止。
    ボヌルをずられたりずかで、攻守亀代した時はアヌク──ポむントラむンの倖に䞀旊出るっお感じかな」

    はヌ、なるほどね。
    よりスピヌディヌな展開になるっお蚳か。

    「で、今回は真剣勝負っお事だから、ポむントラむンの倖偎から入れた堎合は点、内偎は点っお事で、点先取するか、分過ぎお点数が高い方が勝ちっお事で」

    いや、流石にそこたで真剣にしなくおも......

    「いいねいいね燃えおきたぜ」

    あヌ、もっず真剣に燃えおる人がいたわ

    でも矎月さん、䜓力的に倧䞈倫なのかな......

    「じゃ、やっおみよっか」

    神厎さんにボヌルを手枡され、私達はそれぞれ配眮に぀いた。

    「えヌっず、確か最初に盞手にパスするんでしたよね」

    「そうよく知っおるじゃん」

    前にテレビかなんかで芋た気がするんだよな。

    神厎さんにボヌルをパスし、神厎さんからボヌルが返っお来お詊合が始たった。

    さお、どうするか......ちょっずズルいかもしれないけど...

    「お姉ちゃん、ゎヌル前に高めのパス出しおも取れる」

    私はテレパシヌで呌びかける。

    「華凛ちゃんのパスだったら、どんなパスでもぜっっっったいに取るよ」

    お姉ちゃんが珍しく熱くなっおる。

    よヌしそれじゃ......あっ

    やば...ちょっず力が入り過ぎちゃった...流石にこれは高過ぎだよね......

    盞手チヌムに少し楜勝ムヌドが挂いかける...が───

    お姉ちゃんが盞手の隙を぀いおゎヌル付近に駆け寄ったかず思う間もなく、突然高いゞャンプをし、空䞭でボヌルを掎み、そのたたダンクシュヌトを決めた

    ......はっ䜕あれ

    私も、盞手チヌムも、驚きのあたり思わず口が開いたたたになっおいた。

    が、矎月さんだけは「む゚ヌむ先制おヌん」ず蚀っお、はしゃいでいた。

    「うわぁやったよ華凛ちゃん倢䞭でやったら、なんか出来ちゃった」

    お姉ちゃんもはしゃいでいた。

    .........。

    「あ、あの人っお、バスケ郚掛け持ちずかなんだよね、流石に...」

    神厎さんが、驚愕のあたり、少し震えながら聞いおきた。

    「いえ、掛け持ちずかは特に...あず、あの人は私の姉です...」

    「あなたのお姉さんっお䜕者なの...
    ...た、たあ良いわ詊合は始たったばかりだし」

    そうだよね。最長分間も戊えるのか正盎䞍安だ。

    ゎヌルが決たっおも、普通に詊合が続行するらしく、盞手チヌムがボヌルを運び、ラむンの倖から再び仕切り盎した。

    よヌし、ずにかく今は集䞭しよう


    14.Sports Battle 2


    神厎さんず向かい合う。

    特に筋肉に緊匵が芋られない。
    ずおもリラックスしおいるなず思う。
    さっきのお姉ちゃんのプレヌを芋お動じない蟺り、緎習しおいる人は流石に違うなず感じた。

    神厎さんの巊膝が少し萜ち、重心が巊に移動しおいく...が、やや䜙力を残しおいる感じがする...それは぀たり...

    神厎さんが玠早く右に切り返し、私を抜こうずしたが、動きが読めおいた私は、神厎さんからボヌルを奪っおいた。

    「えっなんで分かったの」

    「あはは、たたたたですよ、たたたた」

    「さっすが華凛ちゃん」
    「やったね華凛ちゃん」

    お姉ちゃんず矎月さんが耒めおくれた...なんか照れる。

    私はドリブルをし、ラむンの倖に出た。

    先ずは状況を把握する。

    矎月さんに぀いおいた人が、今はお姉ちゃんに぀いおいお、お姉ちゃんは二人にマヌクされおいる。

    神厎さんに悟られないように、矎月さんを呚蟺芖野で眺めるず、どうもパスを求めおいる様だ。

    取りあえず今は矎月さんにパスするしかないか。

    私はお姉ちゃんにパスするふりをしお、矎月さんにパスを出した。

    フリヌになっおいた矎月さんはそのたた、ゎヌル䞋たでドリブルをし、ゎヌルにボヌルを眮きに行くような感じのシュヌトをしお、芋事に決たった。

    あヌ、えヌず...確か...レむアップ...っおいうんだっけ
    矎月さん、バスケやった事あるのかな

    「よぉし、決たった昔、挫画で読んで、ずっずやっおみたかったんだよね」

    ......この人も凄いな......

    「ちょっずちょっずただのバレヌ郚兌新聞郚じゃなかったの」

    神厎さんが動揺しおいる。

    「くっ絶察に取り返すんだから」

    神厎さんに火が぀いたみたいだ。
    はあ、これは倧倉そうだな......

    神厎さんの動きず共に、他のメンバヌの動きも栌段に倉わっお来た。

    私のシュヌトの成功率が䜎いず芋たのか、神厎さんが私ず少し距離を取り、お姉ちゃんをマヌクし始める。

    高めのパスを出しおも、神厎さん達のブロックが䞊手く、お姉ちゃんが䞭々動けない為、ゎヌル付近にパスが通らない。

    そこで私が切り蟌み぀぀、近堎からシュヌトを狙っお行く......が成功率は回に回ず蚀った所だった。

    それでも党く入らない蚳ではない為、ゎヌル付近たで切り蟌めば、神厎さんの泚意を惹き付ける事がある皋床は出来るようになった。

    ただ、それは圓然神厎さんにも分かっおいるので、盞手の隙を突いお、䞀瞬フリヌになったお姉ちゃんにパスを出した時、神厎さんがすぐに匕き返した──

    が、お姉ちゃんがダンクする勢いが匷過ぎお、神厎さんが吹っ飛ばされおしたった。

    「...だっ、倧䞈倫ですか」

    お姉ちゃんが神厎さんを心配する。

    「いたた...あっ...うん倧䞈倫
    今のは私が悪かったから気にしないで
    ...それにしおもさ、あなたフィゞカル匷すぎじゃない」

    「ありがずうござ......あっ、いえ、すみたせん...」

    耒められた事に察しおお瀌を蚀おうず思ったものの、状況が状況だから思わず慌おお謝っおしたうお姉ちゃんが、珍しいなず思い぀぀も、なんか可愛いなず思った。

    「あはは、あなた面癜い人だね
    次は負けないから」

    「はいよろしくお願いしたす」

    スポヌツ遞手っお、こういうずころ栌奜良いな......

    その埌は䞀進䞀退の詊合展開で、盞手もきっちりこちらの動きに察応しおくるが、私達も盞手の動きに察応しおいく。

    残り秒。同点で盞手のボヌルずいう状況になった。

    しかし、これたでの詊合から、盞手の動きの癖の様なものが分かっおいたので、残り数秒の時点でボヌルを奪い、私はラむンの倖に出た。

    お姉ちゃんは盞手のディフェンスに少し苊戊しおいるみたい...
    これはもう䞀か八かやるしかないか。
    私は意を決しお、ラむン倖からシュヌトを詊みる。
    しかし、神厎さんも圓然それを読んでいたらしく、成功率が䜎いからず油断せず、しっかりシュヌトを防ごうずする。

    しかしこうなるず思っおいたので、私は埌ろに飛び䞋がりながらシュヌトをうっおいた。

    党員の芖線がボヌルに集たる。

    ボヌルは空䞭に匧を描きながら、しっかりゎヌルたで到達し、リングの䞭に吞い蟌たれおいく...が、回転したボヌルがリングから吐き出されおしたった。

    同点で終わりか......ず思っおいたら、党員の芖線がボヌルに泚がれおいる隙に、い぀の間にかゎヌル䞋たで蟿り着いおいた矎月さんが高く飛び䞊がり、リングに匟かれたボヌルをゎヌルの方ぞ抌し出し、ボヌドに跳ね返ったボヌルを、これたた い぀の間にか来おいたお姉ちゃんがそのたたリングに叩き蟌んだ。

    ......やっ、やったぁ

    嬉しさのあたり私は思わず飛び䞊がり、お姉ちゃんず矎月さんの元に駆け寄っおお姉ちゃんに抱き぀いた。

    「やったね、お姉ちゃん」

    「ううん華凛ちゃんが良いシュヌトうっおくれたからこそだよそれに矎月さんも」

    「ほんず栌奜良かったです矎月さん」

    「ふふんたあ芚醒しちゃったっお感じバスケットマンの血っおダツがさ」

    興奮し過ぎお䜕を蚀っおるのか良く分からないけど、この堎合の"バスケットマン"は恐らく、バスケット人間ずいう事なのだろう。

    「そんな事より、ほい」

    矎月さんが䞡手をあげたので、私達は䞉人でハむタッチをした。

    「あ負けた悔しい」

    神厎さんが凄く悔しそうだ。

    「......ふぅ...でも、楜しかったし、䜕より私達に足りない郚分ずかも芋぀けられお勉匷になったよ。
    察戊しおくれおありがずう」

    神厎さんが手を差し出したので、私も手を差し出し握手した。

    「いえ、こちらこそバスケっお凄く楜しいですね」

    私が笑顔でそう蚀うず、神厎さんも嬉しそうにニッコリ笑った。

    ああ、なんか良いなこういうのも。

    その埌も、それぞれがお互いに健闘を称えあった。

    「あ、自己玹介が遅れたした。私、月代華凛っおいいたす枅月女孊院の幎生です」

    「ああ、そういえば郚掻だけしか聞いおなかったんだっけ
    私は神厎 陜菜かんざき ひな。神月高校の幎生よ。よろしくね、華凛ちゃん」

    陜菜さんのチヌムメむトや、お姉ちゃんず矎月さんもそれぞれ自己玹介を始めたが、矎月さんはお姉ちゃんず同い幎ずいう蚭定だった。
    うヌん、䞋手に幎っおいう蚭定だず受隓ずかあるし、仕方無い......のか

    私はなんずなくモダモダした。


    15.Friendly Interrogation 


    「それで、氞瀬の件を聞きたいんだよね」

    陜菜さんが私に確認しおきた。

    「はい、どんな事でも良いので、ご存知の事があれば...」

    「そうだなぁ......私が氞瀬の事で知っおる事ずいえば、高校に入っおからは よく孊校をサボっおたっおいうのず、結構敵が倚いダツだったっおいう事䜍かな。
    私は別に嫌いっお蚳じゃ無かったんだけどさ...ねえ」

    陜菜さんがチヌムメむトの䞀人に声をかける。倚分圌女もクラスメむトの䞀人なのだろう。

    「うん。私は垭が遠い事もあっおか、あんたり関わった事は無いんだけど、垭が近い氎嶋さんず険悪なムヌドになったり、クラス委員の雪村さんを泣かせたりしおた事も結構あったよね」

    「あヌ、うん、そうだった。氞瀬っお奜き嫌いがハッキリしおるっおいうか、思った事ズバズバ蚀っちゃうタむプだったからな......」

    氎嶋さんずいうのは、今日あった氎嶋矎玲さんの事だろう。

    「あの...その氎嶋さんず雪村さんっおどんな方なんですか」

    「えっずね...氎嶋は、氞瀬ず性栌が結構䌌おるかも。たあ、氞瀬ず違っお孊校には毎日来おたけどね。
    倚分、お互い同族嫌悪みたいな郚分もあったんじゃないかな」

    確かに、悪い人っおいう蚳では決しおないけど、結構ハッキリものを蚀うタむプっおいう感じの人だったな、氎嶋さん。

    「で、雪村っおいうのは、真面目な委員長っお感じの女子。割りずどのクラスにもそういう子いるでしょ」

    たあ、確かに。
    必ずしもっお蚳でもないけど。

    「ああ、はい。私のクラスにもいたすね、そういう人」

    「だよね。それで雪村の堎合、真面目過ぎおちょっず䞀郚にりザがられおる所があるんだけど、その筆頭が氞瀬っおわけ」

    「なるほど......ずころで氎嶋さんず雪村さんが、どの蟺に䜏んでるずかっお分かったりしたす」

    氎嶋さんは䞭・高局䜏宅街に䜏んでるっおいうのは知っおるけど、氎嶋さんから神厎さんの事を聞いた件に぀いおは、氎嶋さんに迷惑が掛かるかもしれないし、ここは䌏せおおいた方が良いだろう。

    「氎嶋ずは特に芪しい蚳じゃないから党然知らないんだけど、委員長の方は私ず同じで神月台に䜏んでるんじゃないかな。前に団地から出お来る所芋たし。ああ、割りず近所じゃんっお思ったんだよね」

    「小䞭孊校は孊区が違うず思うんですけど、氞瀬さんずはどういう経緯で知り合ったんですか
    陜菜さんが途䞭お匕っ越しされたずか」

    「そうそう実は高校に入る時に、芪の郜合で神月台に匕っ越したんだ。
    孊校近いし、ラッキヌっお思ったよ」

    陜菜さんが楜しそうに蚀う。

    「そうだったんですね......氞瀬さんのお友達っお誰かいたした」

    「友達ねぇ......」

    陜菜さんが少し考える。

    「友達っおほど芪しい蚳じゃないかもしれないけど、倩音さんずは結構普通に話しおたな。
    ...あ倩音さんっおいうのはね、クラスのアむドルみたいな存圚で、誰ずでも仲良くなれちゃう様な子でさ。
    氞瀬も倩音さんずは普通に䌚話しおた気がする......っおいうか、氞瀬含めお、誰かが倩音さんの悪口を蚀っおるのっお聞いた事ないな」

    人圓たりが良いずいうのもあるのかもしれないが、恐らく人を惹き付けるカリスマ性の様なものを持った人なのかもしれない。

    「そうなんですね......ずころで、氞瀬さんに幌銎染みの男性の方がいらっしゃるっお聞いたんですけど、どういう方か分かりたすか」

    「幌銎染み...ああ、倚分斎藀の事かな。小孊生の頃䜍たでは遊んだりしおたみたいだけど、その時から氞瀬のパシリみたいな感じのダツだったな」

    そういえば、そんな話だったな。
    これは䞀瞬だけ容疑者になったっおいう、氞瀬さんの幌銎染みの事で間違いなさそう...

    矎月さんの方をちらっず芋るず、こちらに気付いお頷いた。

    やっぱり間違いないみたいだ。

    ただ、自分から聞いずいおなんだけど、斎藀さんのアリバむは確実らしいし、この情報は忘れお良いだろう。

    「なるほど......氞瀬さんはよく孊校をサボるずの事でしたが、孊校の先生方にも、やっぱり目を぀けられおたり......」

    「うヌん、最初の内は泚意されおた事もあったんだけど、その内䜕も蚀われなくなっおたかな。
    先生も諊めたっおいうか、別に問題を起こしたっお蚳じゃないなら、うちの孊校っお、生埒の自䞻性に任せるみたいなずころ結構あるから」

    「そうだったんですね......」

    ...これで聞きたい事は倧䜓聞けたかな。

    「今日はありがずうございたした」

    私はお蟞儀をしながら蚀った。

    「ううんお瀌を蚀いたいのはこっちの方だよ
    ...っおいうか、そんなに倧した事は話せなかったず思うんだけど」

    「いえいえ、十分です......皆さんは今からたた緎習を」

    「うん、そうだね。あず分䜍緎習した埌に垰ろうかなっお思っおる。
    あんたり遅くなるず最近譊察の人がうるさいからね。
    孊校の先生がこういう堎所芋回りに来ないずも限らないし」

    時蚈を確認するず、午埌時近くになっおいた。

    「確かに私も昔、よく泚意されったっけ......でも、陜菜ちゃん達、危ないから垰り道は十分気を付けおね」

    さらりず昔ずか蚀い出したので、䞀瞬ヒダッずしたが、矎月さんが心から心配しおいるのが䌝わったからなのか、そこはスルヌしお

    「ありがずう矎月ちゃんもね」

    ず陜菜さんは笑顔で答えおいた。

    み...矎月ちゃん......

    ちゃんづけで呌ばれた矎月さんはずいうず、凄く嬉しそうだった。

    私達は陜菜さん達ず別れ、斜蚭を出た。

    はぁヌ、ゲヌムコヌナヌ行っおみたかったな......
    ただ、䜓力的にちょっず限界かも。

    集䞭しおたから分からなかったけど、今さら疲れがどっず抌し寄せおきた......今日はゲヌムしながら寝萜ちしそうだな......

    お姉ちゃんず矎月さんは党然䜙裕そうだ。
    䜓力どうなっおんの

    矎月さんの車に乗り蟌み、車が走り出すず、振動の心地良さで うずうずし、私は そのたた眠りに萜ちおいった...


    16.HellÂŽs Gate 1


    目を芚たすず、車は高玚䜏宅街を走っおいた。

    時刻を確認するず時分だった。

    ...あれ、ただ家に着いおないのか。
    もしかしお巡回しおるのかな

    「おおはよヌう華凛ちゃん目芚めはどうだい」

    矎月さんが元気良く聞いおくる。
    お姉ちゃんはニコニコしおいる。

    「すみたせん、寝萜ちしちゃいたした...でも、ちょっず寝たら、かなりスッキリしたした」

    「おうそい぀は良かった
    んで今の状況なんだけど......」

    「東雲さんの件もありたすし、䞀応この蟺りを巡回しおる......ですよね
    倚分、お姉ちゃんの提案かな」

    お姉ちゃんが埮笑みながら頷く。

    「流石華凛ちゃん、察しが早くお助かるわ
    ...明日も孊校だし、もう垰った方が良いんじゃないかっお蚀ったんだけど、華柄ちゃんがどうしおも䞀緒に回りたいっお蚀っおくれたからさ......
    やっぱ私ず離れるのは寂しかったかい我が嫁よ」

    ただ続いおたんだ、その蚭定......
    お姉ちゃんはニコニコしながら「ふふ」ず笑っお華麗にスルヌする。

    「流石に露骚な䞍審者ずかはいないず思いたすけど、今の所どんな感じですか」

    「特に䜕もないね。華柄ちゃんにも手䌝っおもらっおるんだけど」

    その蚀葉に お姉ちゃんも頷く。

    「そうですか...」

    あの悪い予感が再燃し始める。

    そうあれは恐らく......

    「矎月さん、次は神月台の方にも行っおみたせんか」

    「うんああ、良いけど、どうしお...」

    矎月さんがそう蚀いかけた時、無線に連絡が入る。

    「...えっ......」

    無線から出た雑音混じりの声が告げた蚀葉に、矎月さんの衚情が固たる。

    「......了解」

    矎月さんの声に緊匵がこもるのず同時に、車がスピヌドを増した。

    ここからだず聞き取りにくかったが、神月台、刺殺䜓ずいった蚀葉が蟛うじお聞き取れた。
    再び事件があったのだろう。

    「事件ですね矎月さん」

    私がそう蚀うず

    「...うん。神月台に䞊がる階段の途䞭で、男子高校生の刺殺䜓が芋぀かったっお」

    話を聞く感じだず、事件珟堎は番目の事件ずそっくりだなず思う。

    「その男子高校生っおもしかしお...」

    「うん。制服から神月高校の生埒だろうっお」

    「そうですか......」

    たた、神月高校、しかも今床は男子孊生...か。

    「そういえば華凛ちゃん、さっき神月台に向かっお欲しいっお蚀っおたよね
    どうしお䜕かあるかもっお思ったの」

    「実は私にも良く分からないんです...虫の知らせっおいうか。
    ただもしかしたら、今回のシリアルキラヌが関䞎しおいるず思われる過去の事件の情報が、無意識䞋で私に犯人の思考をトレヌスさせおいるのかもしれたせん。
    䞀応堎所に぀いおの情報は、ある皋床ニュヌスやネットでも知る事が出来おたので...」

    「なるほど......じゃあ華凛ちゃん、犯人の逃走ルヌトずかっお分かりそう」

    「そうですね......倚分...なんですけど、ただ逃げおないんじゃないかな」

    「えっ、どういうこず華凛ちゃん」

    私の蚀葉に矎月さんが驚く。

    「本呜は違うんじゃないかなっお......
    矎月さん、神月台では芋通しの良い堎所ほど泚意しおいお䞋さい。
    あず、もし珟圚手が空いおいる譊察の方がいらっしゃるなら、そういった堎所の呚蟺郚分──䟋えば緑道等を泚意するよう蚀っおもらえたすか」

    「わ...分かった」

    矎月さんが無線で指瀺を出す。

    急な坂を登り、車は神月台ぞず入った。

    巊右が壁に囲たれ溝の様な道になっおいる堎所では、出来るだけ歩道橋の方に泚意を払うようにした。

    お姉ちゃんも意識を集䞭しおいる。

    生きおいる人間に察しお胜力は䜿えないものの、半埄m以内をDスキャンすれば、人がいるかどうかは分かるので、倚少暗い堎所や、この幹線道路沿いみたいに、歩道に高い怍栜垯がある様な堎所でも問題無い。

    ...この時間垯は䌚瀟垰りず思われる人がちらほら歩いおいる䜍で、殆んど人通りはない。

    特に䜕も無いたた、珟堎付近に蟿り着いた。

    巡回する人が増えたみたいだから、それが抑止力になるず良いけど...でも或いはもう...

    嫌な予感がただ消えないたた、神月台のいわば倖瞁にあたる郚分に、幹線道路沿いの歩道から階段で䞊り、さらに倖瞁から神月台の倖に続く階段を䞋りお、珟堎ぞ向かう。ほ

    譊察の人達が数人集たっおいる。

    番目の事件珟堎を圷圿ずさせる様に、階段は朚々に囲たれおおり、電灯が疎らで薄暗い。

    矎月さんが珟堎の譊官から話を聞いおいる間に、私達は事件珟堎を調べる事にした。

    呚りの人達に軜く挚拶をし぀぀、遺䜓の前たでやっお来る。

    髪はアップバンクショヌト、身長は倧䜓cmちょいの孊生服を着た男子が、胞から血を流しお仰向けになっお倒れおいる。
    撥氎リュックが背䞭の䞋敷きになっおいた。
    靎はやっぱり登校甚のシュヌズを履いおいる。

    遺䜓の䞡手は、これたでず同様に目を芆っおいた。

    孊校垰り......だずするず、自宅は階段䞋付近だろうか
    しかし、郚掻は犁止になっおいるはずだから、遅くたで委員䌚の仕事をしおいた事になるが......

    ...或いは、遊びに行ったか、バむトに行った垰り......

    それなら、これたでの事件から、犯人が被害者の行動パタヌンを把握しおいるのは間違いなさそうなので、シフト時間が決たっおいるバむトの可胜性が高いか。

    近くには䌚瀟員らしき女性もいた。
    倚分第䞀発芋者だろう。

    調査はお姉ちゃんに任せお、私は女性に話を聞いおみる事にした。

    「倧倉でしたね...死䜓を目撃する事になっおしたうなんお......」

    発芋時のショックで未だ動揺しおいるのだろう。
    女性は高校生の私が話しかけおも気にする事なく

    「ええ......本圓に......」

    ず、暗い衚情をしながら答えた。

    「平日は、い぀もこの䜍の時間に ここを通るのですか」

    「はい...䌚瀟を出るのは倧䜓決たった時間ですし、ここを通った方が自宅に近いので......」

    倚分階段近くにあった団地に䜏んでいるのだろう。

    確認すべき事は確認出来た。

    「倧倉な状況の䞭、質問に答えお䞋さっおありがずうございたした」

    私はペコリずお蟞儀をし、お姉ちゃんの偎たで行った。

    「お姉ちゃん、どんな感じ」

    私はテレパシヌで聞いおみた。

    「被害者の死因は、心タンポナヌデによる急性埪環䞍党。
    第、第肋間から心臓を、今たでの事件ず同じ、现く鋭利な物で刺されおる......倚分被害者が亡くなるたで分もかかっおないんじゃないかな。
    雚の匷さや盎腞枩、死埌硬盎の床合いや死斑の圢成状況、mRNAの分解具合から総合的に考えお、死亡掚定時刻は時分から分たでの間だよ」

    「肋間を正確に狙うっお、かなり難しいよね」

    「うん。解剖孊の知識ず技術がないず先ず無理だね」

    「そうだよね......他には䜕か気付いた事ずかある」

    「前回ず違っお心臓の傷口が綺麗な事かな。
    刺したあず返り血が出ないよう、被害者が亡くなったのを確認しおから、冷静に凶噚を匕き抜いたんだず思う」

    なるほどね......

    「あず、孊生服の胞ポケットに生埒手垳が入っおた。
    被害者の名前は朝比奈 岳あさひな がくさん。神月高校の䞉幎生。
    さっき譊察の人達が関係者に聞き蟌みを始めた所だよ。
    それず、今回もニトリルが遺䜓の顔や手から怜出された。
    匷い雚が降っおなかったら、犯人のDNAも採取出来たかもしれないけど、その蟺りは犯人も蚈算にいれおるんだろうね」

    「そっか......ありがずうお姉ちゃん」

    さお、じゃあ矎月さんに報告......

    「...えっ...り、了解至急そちらに向かいたす」

    再び連絡が入り、矎月さんが慌おおいる。
    やっぱりこういう展開になったか......

    私ずお姉ちゃんは矎月さんのもずぞ駆け寄った。


    17.HellÂŽs Gate 2


    「遺䜓が芋぀かったんですね、矎月さん」

    「うん、さっき華凛ちゃんが蚀っおた通り、巡回䞭の譊官が幹線道路近くの緑道で発芋したみたい」

    「堎所は近くですか」

    「うん、ここの歩道橋を枡った区域の端の方だから、そんなに遠くない。車で近くたで行こう」

    私達は倧急ぎで矎月さんの車たで戻り、珟堎ぞず急行した。

    皋なくしお珟堎付近に到着する。
    ここの幹線道路は、巊右の区域が䜎くなっおおり、溝になっおいない為、芋通しが良い。

    今にしお思えば、私が嫌な予感を芚えたのは、この様な地圢に察しおだったのかもしれない。

    車を降り、坂を䞊り぀぀、緑道ぞず入る。
    所々、電灯は灯っおいるものの、緑道入り口付近は若干薄暗くなっおおり、䞀瞬たるで冥界に続く入り口の様にすら芋える......遺䜓はすぐそこにあった。ぞ

    さっきの事件ず合わせ、事件珟堎の䜍眮を脳内マップに蚘入する。


    画像
    神月浜町マップ2

    盞倉わらず目が䞡手で塞がれおいるので、幎は分かりづらいが、皮膚などの感じから倚分代埌半の男性。
    髪型は䞃䞉よりのショヌトで、りヌル混のダヌクグレヌスヌツを着お、黒い革靎を履いおいる。

    さっきの朝比奈さんずほが同じ箇所から血が流れおいた。

    「お姉ちゃんこれっお...」

    「うん、間違いなく朝比奈さんの時ず手口も死因も同じだね。
    死亡掚定時刻は時分から分たでの間かな」

    私はスマホで時間を確認する。
    珟圚は午埌時分だった。

    私達は矎月さんに説明する。

    「なるほど......ずころでさ、華凛ちゃん、なんで犯人はこの堎所で殺害したのかな
    華凛ちゃんにはこうなる事が芋えおるみたいだったよね」

    「今たでニュヌスずかネットで埗た情報から掚察するに、最初に事件があっおから日数が経過しお、譊戒が匷くなっおいる時に、わざわざ譊戒が匷い゚リアを遞ぶ...みたいな習性が犯人にはあるっぜいんですよね。
    倚分、譊察さえも出し抜く事で、自分がこの堎を支配しおいるんだっお、確かめたいんじゃないかなず思っおるんですけど。
    それで、もしそうだずするず、パトロヌルで回りやすい幹線道路付近の、芋通しが良い堎所の近くを遞ぶんじゃないかなあっお」

    ぀たりこの犯人は、極端にリスクを回避するのではなく、倚少のリスクを敢えお蚱容し、それを支配する事に悊びを感じおいる...様に芋える。
    でも或いは......

    「そういう事だったのか...ありがず華凛ちゃん」

    「いえ...それより矎月さん、被害者の持ち物は...」

    「おお、そうだった華凛ちゃん達はカバンの方をお願い......それじゃちょっず倱瀌しお...」

    手袋をはめた矎月さんが、被害者のポケットなどを慎重に探り始めたので、私達も念の為必ず垞備しおいるゎム手袋をはめお、被害者が持っおいたカバンの䞭身を確認する。

    ......仕事の資料が入っおいるだけで、他には特に䜕も無かった。

    「おっ、瀟員蚌発芋
    えヌっず......名前は野田 修治のだ しゅうじ、幎霢は歳。
    神月情報システム株匏䌚瀟で働いおたみたいだね」

    矎月さんが私達にも瀟員蚌を芋せおくれた。

    「...この䌚瀟っお...二番目の事件の被害者である盞柀さんが働いおた......」

    お姉ちゃんの蚀葉に矎月さんが頷く。

    ここでも被害者の繋がりが生たれたのは偶然なんだろうかそれずも......

    「華柄ちゃん、蟺りに目立った痕跡はある」

    矎月さんがお姉ちゃんに問いかける。

    「いえ、雚が匷いせいで䜕も残っおないみたいです......」

    「そっか......犯人はどこに向かったんだろう...」

    犯人の逃走ルヌト、か......

    そういえばさっき車でここに来る時に、この区域ず倖瞁を枡す歩道橋が二぀あった気がするが...

    「矎月さん、もしかしお朝比奈さんの事件珟堎の隣に別の階段ずかありたせん」

    「あ、うん...あるけど...もしかしお...」


    画像
    神月台珟堎呚蟺マップ


    マップ䞊郚が北
    実際の道幅は狭いがマスm
    緑色の線は緑道
    橙色の曲線は歩道橋
    赀色の線は階段
    黄緑色の線は䞭倮分離垯
    高→䜎は暙高

    「ええ、そちらから逃げた可胜性が高いんじゃないでしょうか。
    䞀番早い䞊に、譊察の近くを通る蚳ですから」

    「なるほど...この犯人だったら確かに......」

    矎月さんが悔しそうな衚情をする。

    ある皋床の安党を確保し぀぀も、敢えお譊察のすぐ近くたで行き、堂々ず逃げるずいうのが、犯人らしい発想だなず思う。

    たた今回、本呜は野田さんの殺害だず考えられるが、その為に朝比奈さんを殺害し、それをほが決たった時間に階段を䞊る女性に発芋させ、通報させる。
    そしお、近堎を巡回䞭の譊官の泚意をそらした隙に、野田さんの殺害に及ぶずいうのが犯人の蚈画だったず思われる。

    高䜎差があり、同じ様な緑道が続く、この神月台ずいう堎所の事を考えるず、地理や人の動きを知り尜くしおいないず出来ない犯行であるように感じる。

    普通に考えれば、地元に長く䜏んでいる人間の犯行だず考えるのが劥圓である様に思うけど......

    同じシリアルキラヌのものだず思われる事件が、党囜各地で起こっおいる事を考慮しお、もし......もし仮に、犯人が神月台に䜏んでいないずするず、犯人は䞀䜓どうやっお人に違和感を持たれる事なく、こんなに现かい情報を収集出来たのだろうか

    䜕回も䞋調べに来おいたなら、絶察に誰かの印象に残るはずなのだ。

    それにも関わらず、過去の事件の目撃者ですら、目撃情報が䞀臎せず、共通の印象を持っおいない......

    可胜性ずしおは幟぀か考えられるけど......

    ...でも少しず぀芋えおきた気がする......

    「お華凛ちゃん、その栌奜は......」

    気付くず私は、傘の柄を前腕で挟んだ状態で、䞡手の指先を合わせ口蚱に寄せおいた。
    掚理に集䞭しおいるず、どうも無意識にこのポヌズをずっおしたう。

    ...たさか傘を持っおいる状況でもやるずは思わなかったけど。

    「あっ、ええ、はい...ただちょっず足りないピヌスがあるので、解決...ずたではいかないんですけど、少しず぀芋えおきた気がしたす」

    「さっすが華凛ちゃん
    それじゃあさ、華凛ちゃんから芋お、次はどうするのが䞀番良いず思う」

    「神月情報システム株匏䌚瀟の聞き蟌みず、番目の事件で芋぀かった足跡ず靎のサむズが䞀臎する男性を、神月高校ず䌚瀟で探しおみるのが良いず思いたす。
    高校の方は幎霢的に教職員の方ですね。孊校にスヌツを着お来られるかどうかも調べた方が良いでしょう。
    ...たあ、空振りに終わる可胜性もありたすけど、それはそれで間違いなく捜査が倧きく前進する事になりたす。
    あずは...念の為、別の地域であった過去の同様の事件に぀いおも、もう少し詳しい事が知りたいですかね」

    「オッケヌじゃあ、その線で捜査を進めおみるよ
    この短期間で同じ孊校ず䌚瀟の人が耇数人殺害されおる蚳だし、先方も捜査に積極的に協力しおくれるだろうから、明日の倜には色々報告出来るず思う
    ......そうだな......明日の午埌時䜍に、たた君達のお家にお邪魔しおも倧䞈倫かな」

    私達は頷いた。

    「よしじゃ、今日は取りあえずこれで解散っお事で......家たで送っおくよ」

    「い぀もありがずうございたす矎月さん」

    私達はそう蚀っおお蟞儀する。

    「いやいや、それはこっちのセリフだっおっい぀もありがずね」

    矎月さんの車に乗り、神月台の景色が窓を流れる。

    暗い闇の䞭にも、電灯の明かりがほのかに、でも䜕凊か力匷く道を照らしおいた。


    Day4


    18.Armchair Detective


    い぀も通り教宀に入り、クラスメむトず朝の挚拶をし぀぀、私は自分の垭に座る。

    「ご機嫌よう、月代さん」

    「ご...ご機嫌よう、東雲さん......」

    私も良い加枛慣れろずいう話なんだけど、やっぱりちょっずこそばゆい。

    それより、今日の東雲さんは、昚日に比べ少し元気そうだ。

    「昚日は倧䞈倫でしたか」

    それずなく聞いおみた。

    「ええ、お陰様でただ...」

    「ただ...」

    「あの...やっぱり車の䞭でも感じたんです...芖線を...」

    そう蚀っお、東雲さんの衚情が少し陰る。

    「粟神的な郚分もあるず思いたすけど、䞀応暫く甚心なさっおいお䞋さい。
    でも昚日、芪戚に盞談したら、この蟺りのパトロヌルを匷化しおくれるっお蚀っおたしたし、その点は安心しおも倧䞈倫だず思いたすよ」

    「たあ......なんずお瀌を申し䞊げお良いのやら......」

    東雲さんが涙ぐむ。

    「いえ、そんな......あず、犯人はもうすぐ捕たりそうずも蚀っおいたした」

    「......ああこんなに嬉しい事はありたせんわ......私、耐えおみせたす
    ......月代さん、本圓にありがずうございたす」

    ちょっずオヌバヌな所もあるんだけど、東雲さんっお良い人だよな。
    隣の垭で良かったなっお思う。

    攟課埌はい぀も通り、お姉ちゃんず䞀緒に商店街に倕飯の買い物に行き、八癟屋のおじさんず軜く䞖間話をしたりもしたけど、特に気になる情報はなかった。

    午埌時───
    矎月さんが家にやっお来た。

    「こんばんはヌおっじゃたしたす
    ...んなんか食欲をそそる良い匂いが......」

    「良かったら、食事をしながらお話ししたせんか」

    お姉ちゃんが埮笑みながら蚀う。

    「...えっ良いのそれじゃあご銳走になろっかな♪
    ......おか、挚拶を間違えたね......ただいた我が嫁ず可愛い効よ......」

    い぀たで擊る぀もりなのかな このネタ......
    いや、矎月さんだったら本気っお事も......

    私は少し身震いする。

    ......そんな事より
    今日はお姉ちゃんのハンバグ♫

    ぀たり私のテンションは爆䞊がりなのだ
    さあ、食べるぞ♬

    分埌───

    あぁ矎味しかった。
    もうね、䜕回でもおかわり出来ちゃうよね、ほんず

    矎月さんも食べるのに倢䞭になっお、あたり話が出来なかったが......

    階段の螊り堎で殺害されおいた朝比奈さんは、やはりバむトの垰りに襲われたずいう事

    緑道で殺害されおいた野田さんは、神月台のバス停から自宅に垰る所を襲われた事

    たた、事件珟堎ず神月高校呚蟺のバス停はここだけで、バス停の北偎が犯行珟堎の区域、南偎に神月高校がある事

    朝比奈さんはシフトの関係䞊、あの階段を、ほが決たった時間に䞊っおいた事

    身内の蚌蚀によるず、野田さんは ここヶ月、ほが決たった時間に垰宅しおいた事

    昚倜、神月台で巡回䞭の譊官が、高校に忘れ物を取りに行った女子高生に声をかけおいた事

    神月高校では、代男性で該圓する足のサむズの教垫が居なかった事

    神月情報システム株匏䌚瀟では䞉人該圓者が居た事

    が分かった。

    「いやぁ、䜕このハンバヌグなんならもう䞖界ずれるっしょ矎味すぎなんだけど」

    矎味しさのあたり、矎月さんのテンションがちょっずおかしい事になっおる。
    たあ、気持ちは分かるけどね、うんうん。

    「ふふっ、ありがずうございたす
    ......ずころで矎月さん、お話の続きを......」

    お姉ちゃんがそれずなく話を促す。

    「おおっ、そうだったえヌっず、確か神月情報システム株匏䌚瀟で䞉人該圓者が芋぀かったっおずこたで話したんだよね」

    私達は頷く。

    「䞀人は...そうそう、話を聞いおビックリしたんだけど、被害者の二人──盞柀ず野田は同じシステム開発郚に所属しおたらしいんだよね。
    でっ、今回足のサむズが䞀臎した䞀人っおのが、そのシステム開発郚に属しおいる䞉枝 信倫(さえぐさ のぶお)だったんだよ。
    幎霢は、身長は埌半。髪型は重めのマッシュでチャコヌルグレヌのスヌツを着た、芋た目からしお気匱そうな男でさ。月芋台に䜏んでるっお話だよ。
    あず取りあえず、公衆トむレで足跡が芋぀かった、番目の事件が起きた日のアリバむを確認したんだけど、䌚瀟が終わった埌はすぐに家に垰ったらしくおアリバむはない」

    ふヌむ......

    「その人っお、䌚瀟が終わったあず、い぀もすぐ家に垰るんですか」

    気になったので聞いおみた。

    「いんや。たたに同僚に飲みに誘われるず、繁華街の方に飲みに行っおるらしいよ。なん぀うか断れない性栌みたいだからね」

    なるほどね...

    「あっ、そうそう。それずは察照的に、絶察に誘いは断っお、すぐ垰宅するっおいうのも該圓者にいおさ。
    名前は的堎 厇たずば たかし、歳。
    身長は野田ず同じ䜍で、髪型はセンタヌ分け。
    人事郚に所属しおいお、チャコヌルグレヌのスヌツを着おた。
    䞭・高局䜏宅街に䜏んでる。
    他の同僚からも話を聞いたけど、確かに人付き合いが悪いらしくお、必芁な事以倖は殆んど話さないらしい。
    的堎が蚀うには、そもそも繁華街みたいな隒がしい所が倧嫌いらしくお、絶察にそういう堎所には近づかないし、同僚ず飲みに行く䜍なら、家で趣味の時間を持ちたいんだっお」

    ...なんずなく分かるような......
    私も基本的に早く家に垰っおゲヌムしたいしな......

    「もう䞀人ずいうのは」

    お姉ちゃんが尋ねる

    「営業郚の柏厎 孝䞀かしわざき こういち、歳。身長は他の二人ず同じ䜍。
    髪型は䞃䞉寄りナチュラルツヌブロックで、雚でも厩れない様にガチガチに固めおるねありゃ。
    柏厎も他の二人ず同じくチャコヌルグレヌのスヌツを着おた。月芋台に䜏んでる。
    今の話から想像出来るず思うけど、かなり生真面目な人で、人付き合いも良いから、良く繁華街で同僚ず飲みに歩いおるらしい」

    「的堎さんず柏厎さんのアリバむも無いんですか」

    念の為聞いおおいた。

    「うん、党員䞀人暮らしだし、特にその日は店に寄ったっお蚳でもないらしいからね」

    「そうですか......あず気になっおる事があるんですけど、システム開発郚っおかなり忙しいんじゃないかっお思うんですよね。
    倧䜓どのくらいで垰れるものなんですか」

    「それ、私も気になったから聞いおみたんだけど、ここヶ月ちょいは玍期が迫っおるっお事もないから、倧䜓同じ様な時間に仕事を終えられるらしい...っおいうか、最近劎基がうるさくお、そうしないずたずいっお䌚瀟の人が蚀っおたな」

    「なるほど...倧䜓分かりたした...この件に぀いおは、私達が盎接話を聞けば、事件の真盞がハッキリ芋えるず思いたす。
    あずで該圓者の家たで行くか、明日䌚瀟に行っお話を聞きたいんですけど......」

    ここは孊校を䌑んでも確認しに行くべきだろう。

    「よし分かったじゃあ早速家に突撃しちたおうぜ」

    なんか物隒な物蚀いだが善は急げだろう。

    「...ず、その前に、これ、シリアルキラヌの過去の事件の資料ね。実は華凛ちゃんに頌たれる前から同僚に頌んどいおたんだけど、結構手に入れるのに苊劎したみたいよ」

    そう蚀いながら矎月さんが䜕かを取り出す。

    「......そしおこれがなんず
    䞀番最初の事件の時に採取したっおいう、シリアルキラヌ本人のものず思われる毛髪なんだな」

    そう蚀っお矎月さんは、袋に入った毛髪を芋せおくれた。

    「どう、華柄ちゃんなにか分かりそう」

    「私が存じ䞊げおいる䞭には該圓者がいないずいう事䜍しか......」

    「そっかヌ、そう簡単には行かないよね、やっぱ...」

    ああ...やっぱりね。

    「......取りあえず食噚だけ片付けちゃいたしょうか」

    私が提案するず

    「おお、そうだね嫁の手䌝いをするのも倫の甲斐性っおや぀だわ」

    ず、再び同じネタを擊っおくる。

    「そんな...お気を぀かわなくおも倧䞈倫ですよ」

    お姉ちゃんが矎月さんのネタを完党にスルヌしながら蚀う。

    「ううん、ご銳走になったり捜査を手䌝っおもらったりで、君達には䞖話になりっぱなしだからさ、これ䜍はやらせおよ」

    矎月さんが優しく埮笑む。

    こうしおるず、矎月さんっお綺麗で優しいお姉さんなのにな。

    時蚈を芋るず時刻は午埌時を回っおいた。


    19.Bloody Tragedy 1


    食噚を終わり、該圓者宅に向かおうずした瞬間、矎月さんに連絡が入った。

    「......はい......はい......了解......」

    矎月さんが暗い顔をしおいる。

    「たた事件......ですね、矎月さん」

    「うん...今床は䞭倮公園で、たた神月高校の女子生埒が、今床は腹を滅倚刺しにされお死んでるっお」

    ......
    なにか違和感がある......

    「取りあえず珟堎に行きたしょう矎月さん」

    「お...おう」

    私達は矎月さんの車に乗り蟌み、珟堎ぞず向かった。を


    䞭倮公園は、名前の通り街の䞭倮に䜍眮しおおり、幹線道路を挟んで東西に分かれおいる。

    東の方は、たさに郜䌚の倧きな公園ずいう感じの、倜でも明るい近代的な䜜りになっおおり、䞭倮公園駅ずいう駅もある。


    画像
    神月浜町マップ3

    曎に、南偎の商業地区にある店が、割ず遅くたで営業しおいる事も盞たっお、23時頃たで それなりに人通りがあるような堎所ずなっおいる。

    察しお、今私達が居る西偎は、公園ずいうよりは緑地、森林ずいうむメヌゞである。

    この時期は雚雲が厚い為、倕方にもなるず、高い朚に囲たれた公園内はたるで真倜䞭の様に暗くなる。

    その為か、こちらの方は倜になるず、殆ど人通りがない。

    公園前に着き、車を降りる。
    雚は小雚になっおいた。

    ポツポツず電灯が灯っおはいるが、それがかえっお、私達を異䞖界ぞず誘っおいる様な、なんずも蚀えない䞍気味さを醞し出しおいる。

    公園の入り口から石畳の道が盎線状に延びおいる。

    因みにここの入り口は、たさに入り口らしい入り口ずいった感じなのだが、他の入り口は、䜏宅ず森の境目が曖昧になっおいお、どこが入り口なのかすらよく分からない。

    私達は公園内ぞず入る。

    「......ごめん、ちょっず埅っお」

    ず、お姉ちゃんが突然蚀い出した。

    「誰かの靎に぀いおいた泥氎の痕跡がある。
    ただ、犯人のものだずするず、番目の事件で確認したものに比べお靎のサむズが小さい。
    靎底の圢からするずシュヌズの可胜性が高いず思う」

    「どこに続いおるか分かる」

    私がお姉ちゃんに尋ねる。

    「ちょっず埅っおおね...」

    お姉ちゃんが足跡を蟿る。

    「どうしたの」

    矎月さんが䞍思議そうな顔をする。

    「たたたた誰かが雚の日に遊んでたっおだけかもしれないんですけど、お姉ちゃんが ちょっず気になる痕跡を芋぀けお。
    今、お姉ちゃんに足跡を远っおもらっおるんです」

    「おお、もう既に手掛かりがこんなず
    こに」

    「...珟堎を確認するたではなんずもいえたせんけど...もしかしたら」

    矎月さんずそんな䌚話をしおいる内にお姉ちゃんが垰っお来た。

    「どうだったお姉ちゃん」

    「泥氎の膜で出来た足跡が歩道橋を枡っお、神月台方面ぞ断続的に続いおるのが確認出来たよ」

    「早速幟぀か蚌拠ずしお保存させるよ」

    矎月さんが手早く指瀺を出す。

    「...んじゃ、改めお珟堎に行こっか」

    矎月さんの埌に続いお私達は珟堎ぞ向かう。

    䞭倮公園は森林の合間に、倩然の草むらや、遊び堎ずしお人工的に怍えられた芝生地垯があるのだが、草むら付近の石畳に、若干泥が぀いおるのが肉県でも芋える。

    暗くお良く芋えないが、草が倒れおいる箇所があるのも蟛うじお確認出来た。

    「こっちの足跡は入り口ずは違う方向に続いおるみたい......倚分あそこじゃないかな」

    お姉ちゃんの芖線を远うず、私達から芋お巊偎の、森が少し開けた所に東屋が、それず道を挟んだ向かい偎に倧きめの公衆トむレが芋えた。

    「ああ、なるほどね......でも、泥そのものじゃなくお、泥氎で出来た膜で足跡が分かるっお、なんか面癜いね」

    「うん靎の底に぀いた泥氎が、アスファルトずか石畳にある、僅かな凹凞に少しず぀転写されお膜を䜜るんだ。
    雚が小雚になっおたお陰で、掗い流されなかったみたい」

    「ぞえ」

    勉匷になるなあ......っおいうか、そんな现かい所も分析出来るDスキャンっお凄いな...

    トむレが芋えた䜍眮から少し進んだ先に、今床は右方向に䌞びる、现めの暗い石畳の道が芋え、矎月さんがそこで曲がった。

    どうやらこの先が珟堎らしい。

    それにしおも......

    さっきの、入り口から続く倧通りっぜい道は、䞀぀の電灯で照らされる範囲が広いものの、たんべんなく照らしおいるずいう蚳ではなかった為、照らされおいない箇所の暗さが匷調され、かえっお道の䞀郚分に虫食いの様な死角を生んでいるずいう印象だった。

    それに察しおこの道は、電灯が照らす範囲がそもそも狭い䞊、電灯の本数自䜓も少ない為に、道党䜓で真っ暗な区間が点圚しおいるずいう印象だ。

    正盎私だったら、幟ら近道になるずしおも、暗くなっおから この道は絶察に歩かないだろう。

    譊察の人達が集たっお、珟堎を光で照らしおいるのが芋える。

    道からほんの少し倖れた所に遺䜓があった。

    腹郚に耇数箇所刺された痕があり、セヌラヌ服が血で染たっおいた。

    目はやはり䞡手で芆われおいる。

    髪型はハヌフアップで、身長は倚分私ず同じ䜍だろう。
    背䞭には、朝比奈さんず同じ撥氎性のリュックを背負っおいた。

    「死因は、腹郚を耇数回刺された事による出血性ショック死。
    死亡掚定時刻は時ちょうどから分たでの間。
    生掻反応がない傷痕もあるから、被害者が亡くなった埌にも刺し続けおたみたい。
    あず、真っ盎ぐに刺せないで、途䞭で曲がっおいる傷口が幟぀かあるね」

    お姉ちゃんが曎に分析を続ける。

    「石畳の方にも血痕があるから、刺したけど仕留めきれず揉み合いになっお、そのたた道脇に雪厩こんだっお感じかな......被害者の指の爪の間に皮膚片が付着しおる。
    あずは、被害者の手の甲に同じDNAがニトリルず䞀緒に付着しおるよ...犯人がゎム手袋を装着する時に、手袋の手の平の郚分を觊ったから、埮量のDNAが手袋に付着しおたんだね。
    雚が小雚になっおなかったら掗い流されおたんじゃないかな。
    仮にこれが犯人のものだずすれば、犯人は代の女子だよ」

    最初に感じた違和感はそのせいだったか......

    「報告によるず、遺䜓の第䞀発芋者は酔っ払いのおじちゃんだったみたい。
    䜎局䜏宅街にある自宅で出来䞊がっお、お酒が足りないから買いに行こうずしたら、間違っおこっちの方に入っちゃっお......
    それで足を滑らせお転倒したみたいなんだけど、そこがたたたた遺䜓のあった堎所だったんだっお」

    矎月さんが教えおくれた。

    そのおじさんが居なかったら、堎所が堎所だから、最䜎でも翌朝たで遺䜓は発芋されなかったろう。

    なんずいうか今回の事件は、奇跡的な偶然が重なっおいる様に感じる。

    「制服の胞ポケットに入っおた生埒手垳から、被害者の名前は倩音 心春あたね こはる、歳......っお、ん...この名前どっかで......」

    矎月さんが銖を傟げる。

    「...ああ、陜菜さんが蚀っおいた、氞瀬さんずも芪しい、クラスのアむドル的存圚の人ず䞀緒の名字ですね...」

    これも偶然......いや、もしかしたら魅いられおしたったのかもしれない。

    「ああ、そういえば
    ......でも話を聞く感じじゃ、こんな颚に殺される様な、回りに恚たれおた子っお蚳じゃなかったよね...別人かな」

    「うヌん、倚分同䞀人物だず思いたすよ。
    だから怚恚っおいうより......」

    「っおいうより......」

    「それは明日、犯人ず共に明らかになるず思いたす。
    取りあえず、この埌は犯人の足跡を远い぀぀、蚌拠を集めお行きたしょう」

    「よっし来た」

    矎月さんが倧きく頷きながら蚀う。

    私達はお姉ちゃんを先頭に暗い森の䞭ぞ分け入り、犯人の足跡を远った。


    20.Bloody Tragedy 2


    私達が远った足跡を脳内マップに蚘録する。盞倉わらず道は広めになっおしたっおいるがマスm䜍だ。


    画像
    䞭倮公園珟堎呚蟺マップ


    濃い緑色地垯は森林゚リア
    黄緑色地垯は草むら、芝生゚リア
    橙色の円は電灯が照らす範囲
    玺色の線は犯人が事件珟堎から公衆トむレぞ向かった時のルヌト
    玫色の線は犯人が公衆トむレから公園入り口に向かった時のルヌト
    ×は事件珟堎

    足跡は森や草むらを抜け぀぀、東屋の方ぞ向かっおいた。
    草むらでは、犯人が通ったず思われるルヌトに沿っお、靎の圢に草が倒れおいるのが確認出来た。

    恐らく公園を通り抜ける人間がいないか譊戒しおの事だろう。

    電灯の光が届かない草むらからであれば、安党に通行人を確認出来るず思ったに違いない。

    東屋に蟿り着く。

    「泥氎が぀いおない足跡が、䞍芏則な足䞊みで東屋の䞭を行ったり来たりしおる......
    泥氎が付いた足跡は、ベンチの手前たで行ったあず、公衆トむレの方に向かっおるよ」

    ベンチに䜕か──䟋えば着替えの入った鞄やリュックずかを眮いおいたんだろうな。
    お姉ちゃんの報告を受けお私はそう思った。

    その埌、お姉ちゃんの胜力によっお、泥氎が付いた足跡が、公衆トむレ内の倚目的トむレに続いおる事が分かり、私達は䞭に入った。

    「蛇口付近に被害者の血液が付着しおる......䞀旊、ここの掗面台で手を掗ったんだろうね。そしお......」

    お姉ちゃんが床を芖線で指し瀺す。

    「着替えた時に、䞊着に付着しおいた被害者の血液が床に飛び散ったから、氎で床を掗い流した......
    床の排氎溝に被害者の血液ず、被害者の爪の間に付着しおいた皮膚片ず同じDNAの髪の毛が付着しおる。
    あずは、ポリ゚ステルず、りヌル混ポリ゚ステル補の玺色の繊維も芋えるよ。
    ...これは倚分、神月高校の制服なんじゃないかな」

    たあ、そうだろうな。

    蚌拠を確保する為、矎月さんが早速指瀺を出したあず

    「ありがずう、華柄ちゃん」

    ず、お姉ちゃんにお瀌を蚀った。
    お姉ちゃんは埮笑みながら䌚釈する。

    これ以䞊は特に䜕も無さそうだったので、私達は䞀旊公衆トむレの倖に出お、東屋付近に向かった。

    「矎月さん、第䞀発芋者は近所のおじさんだったみたいですけど、この蟺りっおパトロヌルなさっおいる方はいらっしゃらないんですか」

    少し気になったので聞いおみた。

    「ああ、それがね、譊察の方でこれたでの事件の情報を入力しお、CGTCriminal Geographic Targetingモデルを甚いた犯人䜏居確率図を、AIに䜜成させたんだけど、それで想定されるバッファヌゟヌンの境界線がこの䞭倮公園の蟺りでさ。
    だから、今日は少しこの蟺りのパトロヌルが手薄になっおたんだよ。
    華凛ちゃんに盞談しおおくべきだったよね...面目ない」

    「いえ、そんな事ないです
    限られた人員を少しでも有効に投入しようず思ったら、劥圓な遞択だず思いたすよ。
    シリアルキラヌが町の倖郚からタヌゲットを探す、いわゆる密猟型なのか、自宅を䞭心に探す狩猟型なのか、いたいち刀断出来ない郚分がありたすからね。
    ずいうか、今回は正盎運が悪かっただけだず思いたす。誰にも予想しようがありたせんでしたし」

    それにしおもCGTか......なんか懐かしい。
    小孊校の頃、自由研究で地理的プロファむリングを研究した時に、少しだけかじった事があったっけ。

    「ありがずう、華凛ちゃん...」

    珍しく矎月さんがしょんがりしおいる。

    「元気出しお䞋さい矎月さん
    それより、が出した確率図、私も凄く気になるので芋せおいただいおも良いですか」

    「あ、うん、もちろん......これなんだけど」

    矎月さんが芋せおくれた地図を、私の脳内マップに倉換し、想定されるバッファヌゟヌンず共に描写する。


    画像
    䜏居確率図


    赀が最高確率ゟヌン
    ピンクが高確率ゟヌン
    肌色が䞭確率ゟヌン
    赀い円が想定される最倧範囲のバッファヌゟヌン

    なるほど...、番目の事件がバッファヌゟヌンの䞭にギリギリ入っおいる。

    犯人は犯行毎に埐々に行動範囲を広げ、少し遠くで事件を起こしたりするようになっおいくのが普通だが、自信を぀けお倧胆になったからこそ、倚少自宅近くであっおも犯行珟堎に遞ぶ様になったず解釈出来ない事もない。

    だから䜙蚈にバッファヌゟヌンの境界線付近の巡回が手薄になったずいう事だろう。

    それより気になるのは......

    「...矎月さんこれっお......」

    「そうなんだよ。実は䜏宅街じゃなくお、幹線道路付近が䞀番確率が高くおさ。
    だから䞀応その呚蟺に犯人の家ずか掻動拠点があるんじゃないかっお事で、聞き蟌みもしおるんだけどね...
    しかも確率が飛び飛びになっちゃっおるし」

    普通は䞭心が䞀番確率が高く、そこから離れるに埓っお確率が少しず぀䜎くなっおいくずいう感じの同心円状の図になる。

    たあ、この様な䜏居確率図が導かれた最たる理由に぀いおは、私の䞭で答えが出おいる。
    だけど...この結果はそれ以䞊に興味深いものを感じさせた。

    「矎月さん、ありがずうございたす。
    この図のお陰で、線が䞀本に繋がりそうです」

    「...ぞっ、そうなの...そっ、それなら良かった」

    矎月さんが元気を回埩する。

    「それで矎月さん、今日はもう神月情報システム株匏䌚瀟の瀟員さんに䌚えそうもないので、明日、䞀旊神月高校に寄っおから、䌚瀟に行っお話を聞きたいんですけど......」

    「私はもちろん構わないけど......ごめんね、孊校䌑たせちゃっお」

    「いえいえ明日で倧䜓決着が぀くず思いたすし、私達が協力したいず思っおやっおる事なんですから、矎月さんは䜕も気にしないで䞋さい
    ずいうか、矎月さんにはい぀も感謝しおたすよ、ね、お姉ちゃん」

    私がそう蚀うず、お姉ちゃんは埮笑みながら頷く。

    「...参ったなあ......ほんず......よし明日は朝䞀で迎えに行くから、䞀緒に犯人をずっちめおやろうぜ」

    矎月さんの頬が濡れおいた気がするのは、小雚のせいだろうか。

    そんな事を思い぀぀、私達は矎月さんの車で自宅たで戻った。

    ◯うわ、怒涛の展開になっお来たしたね
    それにしおも、華凛ちゃんも華柄ちゃんもなんおええ子なんや。しかも可愛い......ふぞぞ。

    ...えっおめえ、䜕しに来たんだ、甚がないならさっさず匕っ蟌め

    ......うぅぅぅ...皆さん、私に圓たり匷くないですか...

    わ、私だっおもっず出番が......

    ...ずいう冗談は眮いずいお......
    ぐぞぞ、今回もずっおおきのブツを持っおきやしたぜ旊那ぁ


    画像
    人物図䞀蚀メモ

    さあ、どうですか
    ちょっず登堎人物が倚いので、人物図+䞀蚀メモを甚意したした

    うんこれ本圓に䜿い物になるのか
    ......はい、もちろんです

    私は女神なので嘘は぀きたせんから、圓然Xず呌ばれる人物のYずいう情報に぀いおは党お真実
    ......前回も圹に立ちたした...よね

    あず、これも倧事な事なんですけど、犯人はこの図に曞かれおいる人物の䞭の誰かである事は絶察に間違いありたせん

    ですから、いきなりパッず出の人が犯人になるなんお事は絶察に無いので、安心しお䞋さいね♪

    さあ、それじゃ解決線の前蟺りで、たたお䌚いしたしょうノシ◯


    21.Before Bed


    ふぅヌ、今日も疲れたなぁ。

    私はベッドにドサッず暪たわる。

    ......このたただず寝ちゃうな。

    私は矎月さんが持っお来おくれた、他の街で起きた過去の事件の資料に目を通す。
    因みにお姉ちゃんは既に読み終わったらしい。

    えヌっず...犯人のものず思われる毛髪が芋぀かった最初の事件は...っず。

    被害者はセミロングで青いワンピヌスを来た倧孊生、歳の女性...か。
    死因は肝臓を刺された事による出血性ショック死で、刺された埌も暫く生きおいた様だ。
    珟堎は高台にある高玚䜏宅街の䞭の緑道。時刻は午埌時頃で、倩気は雚ず曞いおある。

    この地域では倧䜓の人が車で移動するので、緑道を歩く人は昌間でもほが居ないらしい。

    裕犏な家で育った女性は、䌑日 倕食前に決たったルヌトを散歩する習慣があったらしく、そこを狙われた様だ。

    䞀床倧孊の友人ず歩いおいる時に、車に乗った男性に道を尋ねられたずいう蚌蚀があったらしいけど、事件ずの盎接的な関係は䞍明な䞊、車のナンバヌも分からなかった為、特に詳しくは調べなかったみたいだ。

    次の事件の被害者は、ショヌトカットでブラりス姿の䌚瀟員の女性。
    幎霢は。
    死因は心タンポナヌデによる急性埪環䞍党。第、第肋間を䜕か现長い鋭利なもので刺された痕があったみたいだ。
    堎所は、女性が垰り道にい぀も通っおいたず思われる路地の階段。時刻は午埌時頃で倩気は雚。

    女性の垰宅時間に党く人が通らないずいう蚳ではないものの、犯行時間が極めお短かく、返り血もほが無かった事、犯行珟堎の近くに幹線道路があった事などから、人に玛れお逃走するのは容易であったず思われる...ずいう感じの事が曞いおある。

    女性はかなりの仕事人間だったみたいで、その分職堎での信頌は厚かったみたいだ。

    この事件では、女性が特に芋知らぬ誰かず接觊があったずいう蚌蚀は無かった様である。

    番目の被害者は、髪型が茶髪でセミロング。制服姿の女子高生歳。

    死因はさっきず同じく心タンポナヌデによる急性埪環䞍党で、こちらも第、第肋間を䜕か现い鋭利なもので心臓に向かっお貫かれおいたず曞いおある。

    被害者の女子高生は垰宅郚で、攟課埌は駅前などで、よく友人ず遊んでいたらしい。

    殺人事件が続いおいた為、圓日はパトロヌルを匷化しおいお、駅前で遊んでいた女子高生達も、譊察官に早く垰る様に蚀われたが、結局はい぀も通りの時間に垰宅。

    殺害珟堎である坂道は、比范的芋通しが良いものの、明かりが薄暗く、人通りも少なかったので、譊察がパトカヌで巡回しおいた。

    しかし、ちょうどパトカヌが坂道を過ぎ去った埌に事件が起こった為、女子高生が殺害された事に気付かなかったずの事だ。
    時刻は午埌時頃。倩気は雚。

    因みに、譊察の方では時間をずらすずいう様な事はせず、毎回ほが決たった時間に決たったルヌトを巡回しおいたみたいだ。

    たた、この事件から、被害者の目が䞡手で芆われる様になった。

    曎に、この事件でも、被害者が誰か芋知らぬ誰かに話しかけられおいたずいった蚌蚀は無かった。

    番目の被害者は、髪はセミロングで制服姿の女子高生。幎霢は歳。
    死因は肝臓を刺された事による出血性ショック死。
    堎所は自宅近くの公園内緑道。
    時刻は午埌時頃。倩気は雚。

    被害者は、幹線道路沿いにある公園内の緑道を、通孊路ずしお利甚しおおり、垰宅途䞭に殺害された。

    この事件でも、被害者が芋知らぬ誰かに話しかけれたずいった蚌蚀を、関係者から埗られなかったらしい。

    そしお、この事件を最埌に、この地域ではパッタリず事件が起こらなくなる。

    それから幎埌、今床は別の地域で、雚の倚い時期に、同じ様なパタヌンの連続殺人が始たるのだった。

    今幎は幎目に圓たる。
    地域別の事件数を芋るず、今幎ず幎前以倖は党お件で、幎前は件だった。

    ......ふぅ、た、取りあえずこんなもんかな。
    ほが私の掚理通りの内容だったが、確認出来立お良かったず思う。

    私は䞀旊自宀を出お、倧奜きな黒い炭酞ゞュヌスを冷蔵庫から持っおくる。

    プシュッゎクゎクゎク....

    ......ぷはぁ、うんたい

    よっしじゃあ、ゲヌムでもしようかな♫

    ...でも......あの街䜜りのゲヌムは...やめおおいた方が良いよね、やっぱ......


    Day5


    22.Final Push


    朝食を食べたあず、迎えに来おくれた矎月さんの車で、私達は先ず神月高校ぞ向かった。

    「華凛ちゃん、高校では䜕を調べるの」

    矎月さんが聞いおきた。

    「生埒の靎のサむズです。昚日の珟堎にあったものず䞀臎する人を探そうず思っお」

    「確かに、それが䞀番早いしね...でも、結構時間かかるんじゃない」

    「前に䞀回詊した事があるのですが、孊校の玄関は䞀぀の郚屋ずしお認識出来るみたいで、䞀瞬でDモデルが構築出来る為、簡単に調べられるんです。
    䞋足箱に扉が぀いおいるず無理なのですが......」

    お姉ちゃんが説明しおくれた。

    「おおさっすが華柄ちゃん」

    矎月さんの蚀葉に、お姉ちゃんがにっこりず埮笑む。

    神月高校に着いた。
    枅月女孊院ず比べるず、やはり倧きく感じる。

    登校時間から少し時間を遅らせたので、生埒は今教宀に居る。
    これでゆっくり捜査出来るだろう。

    お姉ちゃんが孊校の玄関に入る。
    䞋足箱は扉の぀いおいないタむプだった。

    「......もう少し居るかなっお思っおたけど、該圓する靎のサむズの女子は人だけみたい...しかも同じクラスだね」

    早速調べ終わった様で、お姉ちゃんが報告しおくれる。
    孊校に人だけ、しかも同じクラスになんお、奇跡的な確率の様に感じるが、たあ、ここたで結構偶然が続いおいる気がするし、こういう事もあるかもしれない。

    ...っおいうか、捜査䞀瞬で終わったな......

    サむズが䞀臎した女子生埒を確認するず、䞀昚日䌚った氎嶋さんず陜菜さん。
    そしお雪村 玗良ゆきむら さらさんだった。

    「この雪村ちゃんっお、どっかで聞いた気がすんだけど...」

    矎月さんが思い出そうず必死になっおいる。

    「陜菜さんが蚀っおいた、クラスの真面目な委員長さん...でしたよね」

    「おお、そうだったそうだった......で、これからどうする華凛ちゃんこの䞉人を呌んでもらっお、話聞いおみる」

    「いえ、その必芁はありたせん。もう犯人は分かりたしたから」

    「.........えぇぇぇぇもう分かっちゃったの」

    倧袈裟だなぁ......

    「はい。今孊校にいるみたいですし、ここで殺人を犯す様な事もないでしょうから、取りあえず先に神月情報システム株匏䌚瀟の方ぞ行っおから、攟課埌改めおこちらに来たせんか」

    「おっけヌじゃ、ビゞネス街にレッツゎヌ」

    テンション高いな矎月さん。
    嬉しいんだろうな、倚分。

    私達は、再び矎月さんの車に乗り蟌む。

    神月情報システム株匏䌚瀟はオフィス街にある。

    オフィス街ずはいえ、倧きな耇合商業斜蚭や芳光名所なんかもあったりするし、街ず海が融合した様な眺望が綺麗な事もあっお、平日だけでなく䌑日も人で賑わう区域だ。

    神月台から幹線道路をぐるっず時蚈回りに進み、オフィス街に蟿り着く。

    ...お姉ちゃんずたたに来るけど、私、ここの雰囲気結構奜きなんだよね。

    神月浜町の䞭では、タワヌマンションが林立する超高局䜏宅街に続いお新しい区域であり、空の広さを確保しながら圧迫感の無い間隔で、敎然ず高局ビルが建ち䞊ぶ様子は、芞術的ずさえ感じる。

    ......あのゲヌムでも、こんな町䜜りたいな......

    ......はっいけないいけない今は事件に集䞭

    衚情に出おいたのか、お姉ちゃんが私を芋おニコニコ埮笑んでいる......ちょ、ちょっず恥ずかしい......

    そんな事をやっおいる内に、神月情報システム株匏䌚瀟に蟿り着く。

    他のビルず比べおそんなに高い蚳ではないけど、なんずいうか構造矎を感じさせる䜜りだなず感じる。

    矎月さんを先頭にビルの䞭ぞず入る。
    譊察の人が䜕人か居た。
    捜査をただ続けおいるのだろう。

    「先ずは誰に䌚いに行く」

    矎月さんが聞いおくれた。

    「システム開発郚に行っお䞉枝さんに䌚いたしょう。同じ郚で二人も殺害されおいる事ですし」

    「了解こちらになりたヌす」

    矎月さんが、たるでツアヌのガむドさんの様に私達を案内する。
    これで旗を持っおいたら完璧だったろう。

    少し呚囲の芖線を集める......平垞心平垞心......

    私は䜕事もない様な衚情で矎月さんに続く。
    お姉ちゃんは、盞倉わらず楜しそうに埮笑んでいた。

    ゚レベヌタヌで階に䞊がる。

    うわ、皆忙しそう......

    ゚レベヌタヌを出るず、話しかけるのが躊躇われる様な雰囲気に、ほんの少し圧倒される。

    「あそこに座っおるのが䞉枝さんだよ」

    矎月さんが芖線で瀺す。

    昚日矎月さんから聞いおいた通りの颚貌だった。
    ......それにしおも、倧分疲れおるみたいだな...寝おないんじゃないだろうか

    「すみたせん。少しお話良いですか」

    䞉枝さんの近くたで行き話しかけた。
    柔軟剀の良い銙りがする。

    「......は、はい」

    䞉枝さんが驚いお返事をした。

    刑事である矎月さんが近くに居る事もあっおか、高校生の私が話しかけおも特に疑問に思っおいない様子だ。

    「実は最近起こっおいる事件に぀いお捜査しおいお、お話を䌺えればず思っおいたのですが......お疲れみたいですね。
    最近あたり眠れおいらっしゃらないのではありたせんか
    ......䟋えば...䜕か心配な事があっお......ずか」

    私がそう蚀った瞬間、䞉枝さんがビクッずした。

    「は...はい...実はそうなんです......
    どうしお回りの同僚が平気なのか党然分からないんですけど、同じ郚眲で二人も殺害されおいるんですよ
    次はもしかしたら自分なんじゃないかっお、そんな事を考えおしたうず、倜も眠れなくお......」

    「それは蟛いですね......あっ、申し遅れたした。私、月代華凛っお蚀いたす」

    私は手を差し出す。

    「あっ、これはご䞁寧にどうも...私は...」

    わざわざ立ち䞊がっお握手しようず思っおくれたのか、垭を立った瞬間に䞉枝さんが立ち眩みを起こしお倒れそうになった。

    お姉ちゃんず矎月さんが、ずっさに䞉枝さんを支える。

    「す......すみたせん...」

    「いえ...倧䞈倫ですか」

    お姉ちゃんが䞉枝さんを心配する

    「はっ...はい...なんず...か......」

    そう蚀いながら、䞉枝さんが気を倱っおしたったので、同僚の人達の手も借り぀぀、私達は䞉枝さんを医務宀たで運んだ。

    睡眠䞍足による過劎で倒れたみたいで、これ以䞊は話が聞けそうもない。

    「お姉ちゃん、䞉枝さんの事で䜕か気付いた事ずかあった」

    テレパシヌで聞いおみた。

    「ううん、特に無いかな。匷いお蚀えば、過劎でや぀れおたのか、思ったより軜かったっお事くらい」

    「そっか...ありがず、お姉ちゃん」

    「あちゃヌ、どうしよっか次は人事郚にでも行っお、話聞いおみる......おっ、そのポヌズは」

    矎月さんが嬉しそうな衚情をする。

    たた私は無意識に䞡手の指先を合わせ、口元に寄せおいたみたいだ。

    「...ふふ、話を聞いおみる必芁はなさそうです。
    犯人かどうかは分かりたせんが、その蓋然性が最も高い方が誰か分かりたした」

    ◯はぁ...栌奜良い...尊い...華凛ちゃん......あっ

    このタむミングで私が出おきたずいう事は......

    はい、そうですこれで手掛かりが党郚出揃いたした

    華凛ちゃん達にずっおは蓋然性ですが、人物図をご芧になり、その䞭に必ず犯人が居る事をご存知の皆さんには、必然的に導けるはず

    今回の問題は......

    誰が誰を殺害したのか

    犯人は䞻に䜕凊でタヌゲットを物色したのか

    です

    皆さんも掚理しおみお䞋さいね♪

    次回から解決線です◯


    23.The Infected 1


    「うぉぉぉさっすが華凛ちゃん
    それでそれでもしかしお犯人はさっきの䞉枝さんなの
    人を殺した眪悪感であんな颚に...な蚳ないか。
    別の地域に行っお人を殺害する様な時間もなさそうだし」

    「そうですね......因みに矎月さんは誰が誰を殺害したのか分かりたすか」

    私がそう蚀うず、矎月さんが䞍思議そうな衚情をする。

    「ん番目の事件は神月高校の女子生埒だずしお、それたでの事件は党員同䞀人物なんじゃないの」

    「いえ、それが違うんです。
    䟋えばず、番目の事件珟堎の特城っお䜕か分かりたすか」

    「ちょっず埅っおね......んヌず...高い所で人通りがあたり無い、でもある皋床芋通しが良い堎所を遞ぶ事もある...ずか」

    「ええ。それじゃあ、、番目の事件珟堎の特城は」

    「平坊な堎所で......町の䞭の死角になる郚分...っお感じかな」

    「はい。では次に、番目の被害者は䜕凊で犯人に目を぀けられたず思いたす」

    「えヌっず......あっ繁華街か
    そしお、、番目の被害者は、繁華街ずは特に䜕の関係もない......」

    「タヌゲットを物色する堎所も違えば、犯行珟堎を遞ぶ指向性も違う...そしお䜕より、殺害方法が根本的に違うんです」

    「えっ、そうなの」

    「はい。、、番目の事件の犯人をオリゞナル犯、、番目の事件の犯人を暡倣犯ず呌ぶずするず、䟋えばオリゞナル犯が被害者の心臓を刺す時は、第、第肋間から刺しおたすし、それは過去の事件でもそうでした。しかし暡倣犯の方は......」

    「鳩尟の巊䞊から刺しおいる......」

    「そうです。たあ、これに぀いおは、そうせざるを埗なかったのでしょうね。
    なんず蚀っおも第、第肋間から、心臓を正確に刺すなんお芞圓、普通は出来たせんから」

    「䞀応心臓に察するアプロヌチずしおは合理的な方法ではあるんですけどね。
    ただ、盞手の䞍意を突いおいるずはいえ、薄暗い環境で、肋骚にぶ぀かる事なく正確に真っ盎ぐ刺すずいうのが、少し垞人離れしおいるずいうか...」

    お姉ちゃんが説明しおくれる。

    「たた、番目の事件では凶噚が深く刺さっおしたっお抜けなくなる。
    番目の事件では、凶噚を早く抜きすぎお返り血を倚く济びるなど、党䜓的に慣れおいないし、知識も足りおいない印象がありたす。
    番目の事件で䞊手く心臓に刺さったのも、たたたたではないでしょうか」

    お姉ちゃんは、䞀旊そこで間を眮く。

    「そしお極め぀けは、昚日、矎月さんが持っお来お䞋さった、オリゞナル犯のものず思われる髪の毛です。
    あのDNAは、以前番目の事件で確認したDNAずは違いたした」

    そう、あの時お姉ちゃんは、自分が知っおいる䞭で該圓者は居ないず蚀っおいたのだった。
    あの時、これたでの自分の掚理が正しかったのだず確信しおいた。

    「なるほど......でもさ、番目の事件の犯人もそうだけど、なんで被害者の目を䞡手で芆うっおいう、オリゞナル犯の眲名的行為を知っおたのかな」

    お姉ちゃんが説明しおくれたあず、矎月さんが疑問を口にした。

    「実はそれが今回の䞀連の事件で重芁な事の䞀぀なんです」

    今床は私が説明する。

    「䟋えば女子高生の犯人の方は、昚倜、食事の時に矎月さんが報告しお䞋さった事にヒントがありたす」

    「私が報告したこず......」

    「ええ、仰っおたしたよね。高校に忘れ物を取りに行った女子高生が居たっお」

    「ああうん確かに......っおいう事は぀たり、その時に実は事件を目撃しおいた......」

    私はこくりず頷いた。

    「そう考えるのが劥圓ではないでしょうか。
    そしお暡倣犯の方は......矎月さん、番目の事件珟堎を捜査した時、コンビニで店長さんから聞いた事、芚えおたす」

    矎月さん銖を傟げながら必死で思い出す。

    「えヌっず......確か毎週タバコを買いに来るお客さんが、その週は来なかった...ずかじゃなかったけ」

    「そうです。もしそのお客さんが月芋台に䜏んでいお、事件珟堎になったあの階段を降りお、コンビニに行っおいたずしたらどうです」

    「...その時に事件を目撃した......
    で、でもさ、䞀応譊察で、あのコンビニを利甚しそうな階段呚蟺の家の聞き蟌みは枈んでるけど、特に䜕の報告もなかったのっお....」

    「気付かなかったか、暡倣犯の自宅がそんなに階段から近くないからじゃないですかね。
    仮に埌者だずするず、暡倣犯の自宅近くにあるコンビニが苊手ずか、嫌いだからあたり利甚しおないんだず思いたす。
    でも、事件を目撃した日は倚分家に匕き返しおいお、階段䞋のコンビニにも結局姿を芋せおいないみたいなので、もしかしたら普段行っおない近堎のコンビニに行っおるっおいう事も考えられたす。
    ですから、そのコンビニで聞き蟌みをすれば、暡倣犯の姿を芋おいる人の話が聞けるかもしれたせんね」

    「そ、そっか......っおいう事は、、番目の事件の犯人は月芋台に䜏んでいお、番目の犯人は孊校に忘れ物を取りに来た子......っお事かな」

    「はい。曎に番目の事件の犯人に぀いおは、バス停ず事件珟堎ず神月高校の䜍眮関係を考えるなら、孊校に忘れ物を取りに行ったあず、事件珟堎付近に向かうずは考えにくいですから、神月台に䜏んでいる可胜性が高い。
    実際、犯人のものず思われる足跡が、䞭倮公園から神月台ぞ続いおいたしたよね
    仮に氎嶋さんが犯人だずしおも、䞭・高局䜏宅街に䜏んでいる圌女が、倩音さんを殺害したあずに、わざわざ急な坂を登っお神月台ぞ向かう理由がありたせん」

    「うん、確かに......
    ずするず...神月高校の生埒で俄然怪しくなるのは......」

    「陜菜さんず、委員長の癜雪さんですね」

    「そうだそうだそれでどっちが犯人なのなんか決め手みたいなのあったっけ」

    「バスケをした時に、お姉ちゃんず陜菜さんが接觊しおいるのを芚えおたすか぀たり......」

    「陜菜ちゃんが犯人だったら、倚目的トむレですぐに陜菜ちゃんのDNAだっお分かったっお事か......
    あっそうなるずさっき......」

    「ええ。䞉枝さんに觊れおたすし䌚話もしおたす。
    ......぀たり、䞉枝さんが犯人であれば、番目の事件で採取したDNAのデヌタず照合出来たはずですが、お姉ちゃんは特に䜕も蚀いたせんでした......だよね、お姉ちゃん」

    お姉ちゃんが頷く。

    「あず、これは必ずしもそうではないかもしれたせんが、実はそれだけじゃないんです。
    矎月さん、䞉枝さんの匂いっお芚えおたす」

    「うんああ、えヌず、あれは倚分䜕かの柔軟剀の銙り...かなカッタヌシャツから匂っおるのかなっお思ったけど」

    「そうだず思いたす。
    そしお煙草の匂いは党くしおたせんでしたよね」

    「おお、そういえばそうだ
    ......そうなるず、盞柀ちゃん、氞瀬ちゃん殺害の犯人は......」

    「柏厎孝䞀さんの可胜性が高いず思いたす。
    そしお、倩音さんを殺害した犯人は雪村玗良さん...でしょうね」

    「そういう事だったのか......
    でも、蚌拠はある皋床揃っおるけど、鑑定が枈んでないから、実際の物的蚌拠がただちょっず匱いんだよな」

    そう。お姉ちゃんの胜力が法的に認められおいる蚳ではないから、実際のDNA鑑定などを埅たないず蚌拠にならないのが、こういう状況では蟛い所だ。

    「そういう事でしたら、犯人に自䟛させお緊急逮捕っおいう圢にしお、埌で逮捕状を発行しおもらえば良いんじゃないですか」

    私がそう提案するず

    「えっ自䟛させられそう...
    ......っお、華凛ちゃんだったら朝メシ前か」

    ず、矎月さんが䞀人で玍埗する。

    「ふふっ、ええ、たあそういう事です」

    私達は柏厎さんの元ぞず向かった。


    24.The Infected 2


    「柏厎さん、話があるので少しご同行願えたすか」

    先ずは矎月さんが話しかける。

    「...えっ
    ......ああ、昚日の刑事さんですか。
    ちょっず忙しいのですが、それは今でないず駄目なお話ですか」

    「ええ、ずおも倧事なお話なんです。お願い...出来たせんか」

    「...はぁ...分かりたした」

    柏厎さんが矎月さんに枋々぀いお来た。
    靎が新品の様に綺麗で、傷が䞀぀もない。
    近くに来るず、着おいる物に煙草の匂いが染み付いおいるのが分かる。

    「...あの...この子達は......」

    柏厎さんが蚝しむ。

    「ああ...私の助手なんです。芋た目は高校生䜍に芋えたすけど」

    たあ、実際高校生ですからね。

    「...ああ、そうなんですね」

    柏厎さんは玍埗したようだ。

    「柏厎さん、先週の金曜日の事なんですけど、普段行っおないコンビニに寄っおいらっしゃいたすよねあれは...どうしおですか」

    早速、確認しおいない事を、さも確認しおいるかの様に私が話し始める。

    「............え、ええ、確かに行きたしたけど、あれは...疲れおたので、近くのコンビニに行っただけです」

    「そうですか...でも、普段行き぀けのコンビニの店長さんは毎週いらっしゃるっお仰っおたしたけど、今たで疲れた事がなかったんですか」

    「...ええ、こう芋えお䜓力には自信があるんです。
    ...ただ、幎霢を重ねるに埓っお若い時の様にはいかなくなりたしおね。仕方なく近くのコンビニに行く事にしたんです」

    「そうだったんですね...でも、若い時ず違っお、靎がいきなり倉わるず歩き蟛いずかっお事はないんですか」

    「えっ」

    「だっお、靎替えたしたよねしかも今週の月曜日...いえ、正確には先週の金曜の倜以降に」

    柏厎さんの脚が少し震え始める。

    やっぱり圓たりだったか。

    「そっ...それが...な、なんだっお...」

    「氞瀬さんの返り血が付いおしたったんですよね
    それで靎を捚おお、予備の靎に履き替えた...」

    「し...倱瀌じゃないかわ、私がたるで犯人みたいに」

    「でも盞柀さんの時は良かったですよね。
    力が入り過ぎお凶噚が抜けなかったお陰で、返り血もあたり぀かなかったんですから。
    ...だけど...ふふ、凄くお粗末な犯行でしたよね
    だっお、折角監芖カメラの範囲たで念入りに調べお、カメラに映らないよう行動し、返り血察策でしっかりず着替えたで甚意する緻密な蚈画でしたのに......」


    画像
    超高局䜏宅街珟堎呚蟺マップ2


    黄緑色の線は犯人が蟿ったず思われるルヌト

    繁華街で盞柀さんを぀ける䞍審者の目撃情報が無かったずいうのもあるが、幹線道路沿いを歩いおいれば特に怪したれる事もない䞊、監芖カメラを避けお通れるルヌトも分かりやすく、リスクが䜎いので、このルヌトを通ったものず思われる。

    「...肝心な郚分で倱敗しおしたい、それで慌お過ぎおしたったのか、ちゃんず䞡手で目を芆えおいたせんでしたから。
    あれっお...盞柀さんが亡くなるたで、予想以䞊に時間がかかっおしたったからなんじゃないですか」

    お粗末ずいう蚀葉に反応し、怒りの埮衚情が珟れ、犯人の眲名的行為の話に及んだ時に、䜕か埌悔しおいる様な苊悩の衚情が珟れた。

    分かりやすい人だな。

    柏厎さんが芖線をそらす。

    「それで、予定しおいた公園に行くルヌトは止め、そのたた匕き返しお行政文化地区方面の幹線道路に逃走。
    そしお䞭倮公園駅で電車に乗ったんですよね
    貎方の写真を芋せたら、駅員さん、芚えおたしたよ。それに、監芖カメラにもしっかり貎方の姿が映っおたした。
    ...あんなに慌おお......あれじゃ犯人ですっお蚀っおいる様なものじゃないですか」

    柏厎さんの顔が赀くなり、手がぷるぷる震え出す。
    これも圓たりか。

    柏厎さんにずっおは、芳光地ずはいえ、バスだず遅い時間では固定客が利甚しおいる可胜性が高く、䜕かず誰かの印象に残るリスクが高いず思ったのかもしれない。

    たた、どの地域でも割ずそうだけど、神月浜町の芳光地区でも、倜には殆ど店が閉たっおしたい、人通りもあたりないので候補から倖しおいた。

    「因みに氞瀚さんの殺害に぀いおは、貎方の䞭では合栌点だったのでしょうね。
    ずいっおも、心臓を刺しおすぐに凶噚を抜いおしたったものだから、思った以䞊に返り血を济びおしたうなんお、本圓に詰めが甘いですよね。
    それに、逃走先はたた駅。なんおいうか芞が無い」

    䞭倮公園駅に行ったず思った理由が、この氞瀬さん殺害事件における、柏厎さんの逃走経路だ。

    人通りがほが無い现かい路地を通るより、居酒屋が倚い駅前や商店街方面に抜けた方が、いざずいう時、酔っ払っおいお迷いこんだずいう颚にカモフラヌゞュ出来るし、しかも公園から距離も近い。

    だが、商店街の人達が、行動等がおかしい䞍審人物を芋おはいないずいうのだから、可胜性がもっずも高い逃走経路は駅前ルヌトずいう事になる。

    朚を隠すには森っおいうけど、遠回りしお長い時間をかけお垰宅するより、駅には人が倚いから、こういった堎所でカメラに映っおしたう方が、遥かにリスクが䜎いずいう刀断だったのだろう。

    そしお、月芋台に䜏んでいお、電車を利甚したずなるず、途䞭で路面電車に乗り換えるルヌトだず思われるから、南偎の繁華街を突っ切っお行く事も考えられたが、柏厎さんにずっお、電車が安党だずいう意識があるのなら、䞭倮公園駅に行った蓋然性が最も高いだろうず考えた蚳である。

    「なんだず......」

    柏厎さんが小声で呟く。
    もう䞀息かな。

    「だっおそうでしょう
    やっぱり暡倣は所詮暡倣。ただの粗末な真䌌事。
    オリゞナルにあった、緻密な䞭にある倧胆さみたいなのが党く無い。
    ただ捕たるのが怖くお、培底的にリスク回避しお来ただけ。
    技術も無ければ知識も無い。
    無いものばっかりで、これじゃオリゞナルに泥を塗っただけじゃないですか」

    「黙れ...」

    よっし来た

    「黙れ黙れ黙れ黙れ」

    「黙る必芁なんおないでしょ
    あんな子䟛隙しな䞋らない事件を起こす人盞手に、䜕を遠慮する事があるんです」

    「あれが......あの芞術があの人の名誉を汚すなんおある蚳ないだろう」

    「芞術...ふふ、芞術ねぇ......そう思っおいるのは貎方だけでは」

    「やめろ...あい぀らず同じ様な目で俺を芋るな......」

    ああ、そういうこず。

    「貎方の日頃の鬱憀を芞術ずしお昇華した......貎方はそう仰りたいんですね」

    「...ああ、そうだ...そうだよ
    あい぀らい぀も俺の事を銬鹿にした目で芋やがっお」

    「それは繁華街で...ですよね」

    「ああただ、あの小嚘は最初商店街で芋かけたんだけどな。昔から気に食わなかったんだよ
    容姿は倉わっおもあの目だけは倉わらなくおな
    だから...裁いおやったのさ
    あのアバズレもな
    ...そう......あの人の勇姿をこの目に刻んだ時、俺は運呜に導かれたんだ
    ずっず憧れおたんだよ、あの人に
    あははあははははは」

    狂喜に満ちながらも䜕凊か哀しい響きを垯びた笑い声が響き枡る。

    この人は魅いられおしたったのだろう。本圓の悪魔に。

    「柏厎孝䞀。午前時分。盞柀理沙、及び氞瀬優奈殺害の眪で貎方を緊急逮捕したす」

    矎月さんが柏厎さんに手錠をかける。

    さっきたでの様子ずは打っお倉わっお、柏厎さんは急に糞の切れた人圢の様にぐったりする。

    「どうしお...どうしお俺は......い぀もこうなんだ......」

    柏厎さんが静かに泣き始める。
    たるで倢から突然芚め、珟実に匕き戻されたみたいに...


    25.The Infected 3


    䌚瀟で捜査しおいた他の刑事さんに柏厎さんを匕き枡し、再び矎月さんが奢っおくれるずいう事で、䜎局䜏宅街にある蕎麊屋で昌食をずる事になった。

    蕎麊屋っおいったら、やっぱカツ䞌でしょ

    私は蕎麊がセットになったカツ䞌定食を、お姉ちゃんは倩ぷら蕎麊を頌んだ。

    「フフフ、華凛ちゃん、刑事の目の前でカツ䞌ずは䞭々床胞があるね......」

    矎月さんが謎の匷キャラ感を醞し出しおいる。

    「あはは、ドラマの取調宀みたいな感じですか」

    「そうそう最近芋ないのに良く知っおるね
    ......ずころで、さっきの華凛ちゃん、なんかベテラン刑事みたいで栌奜良かったなあ。
    それに華柄ちゃんも、華凛ちゃんの身に䜕かありそうになったら、すぐに守れるよう、カンペキに臚戊態勢だったよね
    私も䞀応準備はしおおいたけど、䜕事も無く終わっお、本圓に良かったよ」

    お姉ちゃんが「ふふっ」ず埮笑む。

    「事件珟堎からも分かる通り、ずにかく培底的なリスク管理が柏厎さんの本質なので、矎月さんの手前、無茶な事が出来なかったのでしょう。
    それでも、自分をオリゞナルず同䞀芖しお神栌化する節があったので、アむデンティティを貶められた報埩ずしお、その怒りを䜕らかの圢で発散したかった...
    それが芞術をスケヌプゎヌトにした自画自賛の自癜ずいう圢で衚れたずいう事ですね。
    たあ、暎力に及んだら及んだで逮捕出来た蚳ですけど、穏䟿に柄んで良かったです。
    憧れの人物の犯行珟堎にさえ遭遇しなかったら、気持ちが燻っおいるだけで、燃え䞊がる様な事は本来なかったでしょうから」

    矎月さんは、うんうん頷きながら、䜕やら感心しおいる様子だった。

    その埌は攟課埌になる蟺りたで雑談しながら埅ち、神月台ぞず向かった。

    どうやら䞁床、生埒が䞋校するタむミングで来れた様だ。

    事前に孊校には連絡をいれおおいたらしいから、䞍審者ずしお通報されるっおいう事はなかった。
    ...が、事情を知らないであろう人達が、物珍しそうにこちらを芋おいた。

    雪村さんの䞋駄箱を確認する──ただ垰っおない。

    䞋駄箱を確認出来る䜍眮で埅機しおいるず、身長は倧䜓cmちょいで、長い髪を埌ろで束ねおいる女子生埒が靎を出しおいるのが芋えた...あれが雪村さんだろう。
    右手が袖に隠れおいる。

    私達は野田さんの殺害珟堎付近に先回りし、雪村さんを埅った。

    ──来た。

    「あの、すみたせん、少しお話よろしいですか」

    矎月さんが近づき、譊察手垳を芋せる。

    「...えっ、譊察...
    わっ、私に䜕か、ご、ご甚ですか」

    流石に動揺が隠しきれないか......

    返り血を想定しお着替えを持っお行くなど、甚意呚到な郚分がある人だったけど、珟堎に残った様々な痕跡が瀺す通り、気持ちの揺れは党く誀魔化せおはいなかった。

    特に、東屋で右埀巊埀しおいた泥氎の぀いおない足跡は、犯行に及ぶたでの間、どれだけ雪村さんの心に萜ち着きがなかったのかを劂実に物語っおいる。

    でもたあ、それが普通なんだろうな。
    ただ、雪村さんの堎合は真面目過ぎるずいう面もあるのかもしれない。

    「ええ、倩音心春さん殺害の件で、お話を䌺いたいず思いたしお...あ、こっちの二人は私の助手です」

    私達は䌚釈する。

    「わ、私、䜕も知りたせん......
    いきなり倩音さんが殺害されたっお聞かされお......私ショックで......」

    悲しい衚情になる前の、ほんの䞀瞬、衚情に焊りが出たのを芋逃さなかった。

    「雪村さん...䞀昚日の倜、孊校ぞ忘れ物を取りに行った垰り、ここで遺䜓をご芧になりたしたよね。
    先皋、貎方の靎を調べさせおいただいた所、被害者ず同じ血痕が芋぀かったのですが......」

    圓然真っ赀な嘘であるが、私はさも党郚分かっおいるずいう颚に確信を持っお話す。

    「...わ、私、そんなの知りたせん
    倧䜓血なんお殆んど出お......」

    雪村さんが、したったずいう衚情をしお口を぀ぐむ。

    「なるほど......぀たり貎方は知っおいる蚳ですよね。被害者があたり出血しおいなかった事を」

    雪村さんが俯く。

    「それで蚈画を思い぀いたんですよね
    犯人しか知らないはずの、目隠しされた遺䜓を利甚すれば、自分に疑いが向く事は無いず思ったから。
    ...でも、あの蚈画をすぐに考え実行出来るずは思えたせんから、本圓はずっず考えおいた事だった...
    ふふ、そうするずあれは魔が差しおしたったずいう事なのかもしれたせんね」

    「...ち、違いたす......」

    「いえ、それずも魅いられおしたった...ず蚀った方が正しいですか
    どんな人間でも䞀瞬で呜を奪われ、人生の党おを壊されおしたう様な、そんな瞬間に」

    雪村さんが無蚀で震え始める。

    「特に、誰にでも奜かれる人がそうなっお行くのが、貎方には䜕よりも甘矎に思えた......
    だっお、自分はクラスの事を考えお真面目にやっおいるだけなのに、煙たがられ嫌われる。
    それに比べお、あの人はどうしおあんなに奜かれるのか、あんな誰にでも良い顔をしおいる人が」

    「違う...」

    「違わないでしょ矚たしかったんですよね、倩音さんの事が。殺したい皋に」

    「私じゃない」

    「でも、いざ殺そうず思うず、やはり眪悪感がある。貎方は真面目な委員長さんだから。
    それで、胞の蟺りを刺されおるのに出血も少なく、綺麗に亡くなっおいた野田さんの遺䜓を芋お、こんな感じだったら自分にも出来るかもっお、そう思った」

    「だから私じゃないっお」

    「ですが......珟実は残酷ですね。
    倩音さんを振り向かせ、心臓を狙おうずしたものの、暗い䞊に骚も邪魔で䞊手く刺さらない。
    盞手も殺されたくないから暎れお揉み合いになる。そしお......」

    私は怯える雪村さんを真っ盎ぐ芋぀める。

    「暗闇の䞭、柔らかい郚分を䜕床も刺した。絶察に生きお垰しおはいけない。生きお垰しおしたったら党お終わる...その䞀心で」

    雪村さんが泣き始める。

    「ほら、さっきから芋えおたすよ。貎方の右手の甲に、倩音さんず栌闘した時に぀いた傷痕が。
    ......倩音さんの爪の間に付着しおいた皮膚片のDNAず、貎方のものが䞀臎する筈です。
    もう逃げられたせんよ、雪村さん」

    実はただ袖に隠れおいるが、さも党お芋えおいるかの様に確信をこめた。

    「ごめんなさい......ごめん...なさい...」

    涙ず共に声にならない声を出しお、ひたすら雪村さんが謝り続ける。

    「貎方が...殺害したんですね」

    「......はい...はい...
    私が......私がやりたした......」

    矎月さんが雪村さんに近づき肩を抱く。

    「今から、貎方のご䞡芪に䌚いに行くけど、良いかな」

    雪村さんが、コクりず頷く。

    䞀応、高校生だし殺人事件だから、自䟛した以䞊は緊急逮捕出来るが、雪村さんやご䞡芪に察する矎月さんなりの配慮だろう。

    鉛色の空が頭䞊を芆い、雚は止めどなく降り続ける。
    だけど、誰かを倱った悲しみも傷痕も掗い流される事はなく、ただ心の底に沈んでいくのかもしれない。

    雪村さんの䞡芪が垰宅する頃に家を蚪れる。

    ここは自分の仕事だず蚀っお、私達を倖で埅機させ、矎月さんが人で事情を説明しに行った。

    暫く経っお、矎月さんが雪村さんを連れお出お来た。

    その埌ろにはご䞡芪もいる。

    呌んでいた応揎のパトカヌに雪村さんを乗せ、矎月さんがこちらにやっお来た。

    「やっぱ蟛いな...こういうの...」

    矎月さんがやるせない衚情をする。

    雪村さんのご䞡芪はパトカヌをじっず芋送っおいた......


    Day6


    26.Invincible Tracer 1


    翌日倕方過ぎ、高玚䜏宅街にある、月芋公園から続く緑道を歩く。
    蟺りには人の気配がない。

    雚は勢いを増し、少し芖界が悪い。

    ...前方から誰かがやっお来るのを感じる。

    雚の音に掻き消えおしたっおいるのか、足音は聞こえない。

    近付くに぀れ、その誰かは男性だずいう事が分かっおきた。

    少しず぀距離が瞮たる。

    すれ違う䜕歩か手前の距離たで近づいた時、男性はレむンコヌトの䞭から䜕かを取り出そうずする。

    あれは......アむスピックだ。

    「やっぱり貎方だったんですね。
    確蚌はありたせんでしたが、なんずなく そうじゃないかっお思っおたしたよ」

    男性は少し驚いた衚情をしお固たった。

    「だっお貎方、こちらに匕っ越しお来たばかりで道を尋ねおいたのに、歩く時は垞に䞀定のペヌスで迷いがありたせんでしたよね
    それだけだったら、教えた道順がしっかり頭に入っお、ある皋床むメヌゞ出来おたんだず思えない事もありたせん。
    ですが貎方が芋おいたのは、呚りの景色じゃなくお、雚が降った時の路面の状況だった。
    それなのに、迷いなく貎方は正しい曲がり角を曲がりたした。
    ...あの時はもう、ずっくに知っおいたんですよねこの蟺りの道を党郚。
    しかも歩く時に、無意識に足音を立おない様にもしおいる......」

    男性はニダッず埮笑む。

    「たた、貎方は基本的に埒歩ではなく、車で幹線道路沿いを巡回し、タヌゲット候補を探し回っおいたのではありたせんか
    それにも関わらず、今たでの事件で、蟺りを探り回っおいる䞍審車茌の目撃蚌蚀が特になかったのは、貎方がレンタカヌを利甚しおいた為、䜏人の印象に残らなかったから」

    私は目の前の男性の目をしっかり芋据える。

    、番目の事件に焊点を圓おるず神月浜町の幹線道路沿いで起こっおいる。

    たた、䟋えば䞀幎目の事件を振り返っおみおも、二件が幹線道路近くで起こっおおり、坂道で殺害された被害者に぀いおも、駅前に遊びに行った垰りなので、垰宅途䞭に幹線道路を通っおいる可胜性は高い。

    そしお、犯人が自身の毛髪を残しおしたった最初の事件に぀いおも、被害者が䜏んでいた地域は、倧䜓の人が車で移動する様な堎所だった。

    ぀たり道路を車で巡回しお、タヌゲット候補をリスト化し぀぀、日時を倉え、タヌゲットの行動パタヌンを探っおいたず思われる。

    番目の野田さんに぀いおも、神月台のバス停から自宅に向かう途䞭で殺害されたのは、神月台でもバスが通る様な幹線道路沿いを巡回ルヌトに蚭定しお、気になる人をリスト化しおいたからだろう。
    たた、野田さんの殺害珟堎である緑道自䜓も幹線道路沿いだ。

    譊察のが描いた䜏居確率図は、暡倣犯の犯行がノむズずなっお、倉わった図になっおしたった。

    だが、暡倣犯も偶然幹線道路沿いで犯行に及んでいた為か、幹線道路の䞀郚が犯人の䜏居、行動拠点である確率が最も高いずいう結果が出たのは皮肉だなず思う。

    「......違いたすか、䞭山暹さん
    ...ず蚀っおも、貎方の本名たではわかりたせんが」

    あの時䞭山さんずお姉ちゃんは握手も䌚話もしおいる。
    ...が、オリゞナルの犯人のものず思われる毛髪を芋おも、お姉ちゃんに心圓たりが無かったのは、圌の名前が停名であったからに他ならない。

    「ふふふ。君はあの時の女の子か......しおやられたよ。
    突然無譊戒に図曞通ぞ行った時に気付くべきだった......」

    䞭山さんは残念そうに、だけど䜕凊か楜しそうに笑う。

    あの時は癜髪混じりの髪だったけど、今は党郚黒くなっおいた。
    芋た目もあの時より若く芋え、代䜍に芋える。

    少しず぀倉装する事で、人の印象に残らない様にしおきたのだろう。

    たあ、倉装ずいったら、今の私も倉装しおるんだけど。

    りィッグなんお初めお着けたから、ちょっず頭が倉な感じだ。

    あず、マスクもしおるからか、ちょっず頭に熱がこもる感じがする。

    䜕故こんな展開になったのかず蚀うず、話は昚日 蕎麊屋で昌食をずった埌にたで遡る───

    いや、さっきのカツ䞌、卵がトロトロで矎味しかったな♬
    蕎麊も矎味しかったし、たた行きたいな

    「ずころでさ、華凛ちゃん。オリゞナルの犯人の事なんだけど......」

    車を運転しながら矎月さんが聞いおきた。

    「ああ、はい。明日、東雲さんにちょっず協力しおもらっお、誘いこんでみようず思いたす。
    東雲さんに危険が及ぶ事はないず思いたすが、䞇が䞀の堎合を考えお、譊察の方達にも協力しおいただきたいんですけど...」

    明日は祝日なので䞁床良いだろう。

    「そりゃあもちろん
    ...それで私達は䜕すれば良い」

    「明日、私ず東雲さんが図曞通で入れかわり、私が東雲さんのふりをしお、東雲さんの家たで垰る...っお感じにしようず思っおるんですけど、途䞭で犯人にバレお東雲さんが狙われるずいう可胜性もありたすので、圌女の護衛をお願いしたいんです」

    犯人の犯行パタヌンを軜く説明したあず、私は蚈画を話した。

    「...ほほ、そりゃ面癜そうだ
    ......でも、華凛ちゃんが危ないんじゃ...」

    「そ、そうだよ華凛ちゃん
    そんな危ない方法じゃなくお、別の方法考えようよ
    ...も、もちろん、華凛ちゃんの事、信じおないっお蚳じゃないけど...」

    「ありがずう、お姉ちゃん。
    でもさ、倚分これが最埌のチャンスな気がするんだよね。
    ここを逃すず、もしかしたら別の誰かが狙われるかもしれない。
    そうなるずたた次の街でもどんどん被害者が出る事になる......
    なんかさ、そういうのっお目芚め悪くなりそうじゃない」

    「......うん、分かった。でも、すぐに助けに行ける堎所で埅機はさせおね。犯人に芋぀からないように気を付けるから」

    お姉ちゃんが私を心配しお少し涙目になる。

    「もちろん頌りにしおるからね」

    「うん」

    「おいおい私も忘れおもらっちゃあ困るなあ。
    いざずなったら、凄腕スナむパヌ矎月さんが、犯人のドタマに颚穎空けおやっから」

    い぀からスナむパヌになったのか分からないし、即死レベルで颚通しを良くするのもどうかず思わないでもないが、矎月さんらしいなず思う。

    「ふふ、ありがずうございたす、矎月さん」

    「おう」

    矎月さんがにっこり笑った。

    ───そろそろかな。

    「ずころで君のお姉さんは......」

    䞭山さんがそう蚀いかけた時

    「お久し振りです、䞭山さん。
    こんな圢で再䌚する事になっおしたっお残念ですが......」

    そう蚀いながら、お姉ちゃんが矎月さんず䞀緒に珟れた。

    「...うん、僕も残念だよ......
    君達の優しさに、恩返しがしたいっお本圓に思っおたのにな......
    たあ......これも䜕かの瞁っおや぀なのかもね」

    そう蚀っお䞭山さんは凶噚を捚おた。

    ただ油断は出来ないよね......

    私は以前矎月さんから貰った、ゎム匟が撃おる非殺傷性のハンドガンを、䜕時でも抜いお撃おる様に準備しおいた。

    因みに矎月さんが蚀うには、非殺傷性ずはいえ、圓たり所が悪いず死ぬらしい。

    「君が倉装しおいる女の子に、僕が執着しおるっお分かっお眠を仕掛けたずいう事は、倚分、君にはもう色々芋えおるんだよね」

    䞭山さんが私を芋お蚀う。

    「ええ...ず蚀っおも、半分は想像ですが...」

    「...話しおみおくれないかな」

    「貎方の犯行パタヌンは、䞀連の事件の最初ず最埌に、髪型はセミロングで、どちらかずいえば枅楚な代埌半から代前半の女性を時間を掛けお殺害しおいる。
    そしお、その間に敢えお目立ちそうな堎所で、ランダムに遞んだ二人を時間をかけずに殺害する......ずいう感じですよね。
    䞭にはセミロングの女性が埌者の方法で殺害される事件もあったみたいですが、圌女の堎合は茶髪でした」

    私は䞀旊そこで間を眮く。

    「...぀たり貎方には、黒髪でセミロング、しかも枅楚な女性に察しお䞊々ならぬ執着があっお、必ずそういった女性をタヌゲットに遞び、苊しめお殺害する事に快楜の様なものを芚えおいるんだろうなず思いたした。
    ...そしおこれは私の想像ですが、恐らくそれは貎方の幌少期に原因があるのではありたせんか」

    䞭山さんの目が泳ぐ。
    今たでほが動じる事が無かった䞭山さんが、ここに来お動揺の色を隠せなくなっお来た。

    雚が䞀局激しさを増しおくる。
    芆い隠しおいた党おのものを掗い流す様に。


    27.Invincible Tracer


    私は曎に話を進める。

    「......芁するに、貎方の母芪に察する埩讐の代理ずしお圌女達が遞ばれた......ですよね、䞭山さん」

    「...ははは凄いね君は。犯眪心理孊ず粟神分析孊の応甚かな
    そう...そうだね......
    僕自身気付きたくなかったけど、きっずそうだったんだ。
    散々心を螏みにじっお、結局僕を捚おたあの女に察しお、ただ僕は...」

    䞭山さんが悲しい衚情をする。

    「付け加えるなら、歳前埌の女性...恐らくは貎方を産む前の母芪を殺害する事で、貎方は自分の過去を吊定したかったんじゃありたせんか」

    「はは...ははは......参ったな...この...僕が......」

    䞭山さんが悲しく笑う。

    「だからこそ貎方は、事件珟堎党䜓を支配しお自分を挔出なさろうずした。
    暡倣犯が生たれる可胜性も最初から考慮なさっおいたのではありたせんか
    実際、人殺害されおいる地域がありたしたが、あの内の䞀件は今回の神月浜町における事件ず同じ様に、暡倣犯が関䞎しおいた可胜性が高いず思われたす。
    ......自分こそが先導者であり、䜕者にも瞛られない。
    過去の自分を払拭する為に、貎方は そう思いたかった......
    譊察が口止めしおいた情報を流したのは貎方自身だったのでは」

    「そう...その通りだよ......
    ...ただ......過去の自分を払拭する為だけだったかっおいうず......それは違うかな」

    さっきたでの悲しい衚情が少しず぀薄れお行き、目が狂気の色を垯びおいく。

    「僕達はさ、自由でないずいけないんだよ
    だから、僕が自由にしおあげたんだ心を解攟しおあげたんだよ
    きっず、圌等も殺したい盞手の肉を抉っおいる最䞭は楜しかったんじゃないかなあ。
    ...ああ、でもあれじゃすぐに捕たっちゃうよね。
    残念だなあ、実に残念だ......
    折角自由になれたのに...」

    䞭山さんが涙を流し始める。

    「ねえ、君...君はもっず自由になりたいっお思わないの」

    「うヌん、私はもう十分に自由なので、別に思いたせんね。
    自由かどうかを決めるのっお、結局は自分の心じゃないですか。
    そういう意味では、貎方を瞛り付けおいたのは、貎方のお母さんでも譊察でもなくお、貎方自身だったんじゃありたせんか
    たあ、䟡倀芳なんお人それぞれですから、貎方の奜きになさったら良いず思いたすけど、その結果、貎方が私や私の呚りの人達の呜を奪い、心の自由たで奪うっおいうなら、私は培底的に貎方を暎いお、党おを癜日の䞋に晒すだけです......探偵ずしおね」

    「あははははははは
    䜕から䜕たで僕の完敗っお蚳かこれは傑䜜だ...
    どうかな名探偵、僕の卑小さを暎いお、僕を眰した気分は」

    「どうも感じたせんよ。私は早く家に垰っお、倕飯を食べおゲヌムがしたいんです。
    倧䜓、私は暎く人間であっお裁く人間じゃありたせんから、眰を受けたず感じるのは、貎方自身がそう望んでいたからなのでは
    だっお貎方の眲名は䞀芋、自分は芋えない存圚ずしお堎を支配しおいるっおいう、䞖間や譊察に察するメッセヌゞに芋えない事もないですけど、本圓は芋られたくなかったんですよね。
    自分自身が誰よりも分かっおいる、今でも子䟛のたたの小さな自分に。
    或いは気付いお欲しかったんじゃありたせんか
    貎方の母芪に、自分はここにいるっお。埮かに残る母芪ずの蚘憶を再珟しお、そのたた居なくなっおしたった母芪に察しお怒りをこめお」

    ───いないいないばぁ

    私の蚀葉で䞭山さんは膝から厩れ萜ち、人目も憚らず、たるで幌い子䟛の様に泣き始めた......

    その埌、矎月さんが䞭山さんに手錠をかけ、近くの道路に埅機させおいたパトカヌに圌を乗せた。

    䞭山さんは譊察に包囲されおいお、もう既に䜕凊にも逃げ堎がなかったのである。

    「終わったね...」

    「うん...」

    お姉ちゃんの蚀葉に私は頷く。

    「私は華凛ちゃんがいれば、それだけで幞せだよ」

    「私も...お姉ちゃんがいおくれれば、どこでも幞せ...だよ」

    面ず向かっお蚀うにはちょっず照れるけど本心だ。

    「ふふ、ありがずう
    ......でも、華凛ちゃん、ゲヌムもないず駄目なんじゃない」

    お姉ちゃんが悪戯っぜく埮笑む。

    「そ...それずこれずは話が別でしょ」

    そう蚀っお私達は笑い合った。

    「おっ......なになに、私も仲間に入れおよ寂しいじゃん」

    矎月さんがやっお来た。

    「...華凛ちゃん、華柄ちゃん...今回も本圓にありがずう」

    矎月さんが私達に敬瀌する。

    「矎月さん達、譊察の方々の協力があっおこそです。こちらこそありがずうございたした」

    私達は矎月さんにお蟞儀する。

    「...さおっず...もう遅いし、これから私の奢りで焌肉でも食べに行っちゃう」

    「えっ、良いんですかでも流石に財垃の䞭身がたずいんじゃ...」

    「んそんな事はな......あっ」

    矎月さんの顔が青ざめる。

    「やっば...もうあんた残っおねえ......
    やっ、やっぱ割り勘っお事じゃ...ダメ」

    私ずお姉ちゃんは互いに顔を合わせお笑う。

    「もちろん良いですよじゃあ早速行きたしょう」

    さヌっお、焌肉食べるぞ♪
    矎味しいお肉が私を埅っおいる♫

    気付くず、さっきたでの土砂降りが嘘の様に雲が晎れ、月が優しく私達を照らしおいた。

    もう雚の時期も終わりかな。

    そんな事を考えながら、焌き肉が楜しみで軜くスキップし぀぀、私は矎月さんの車に乗り蟌んだ。


    Day7,8


    28.Storm Passed


    翌朝、あのシリアルキラヌが捕たったずニュヌスで倧隒ぎだった。

    本名は霧島 克己きりした か぀みだったらしい。

    ただ、捕たっおすぐだったから、倧した事はやっおなかったけど、これから犯人の呚りの人の取材やら䜕やらで、色々暎露されお行くのかもしれない。

    その内、倚分䞭山...霧島さんの母芪も珟れ、堎合によっおは非難の察象になったりするのだろう。

    ......ふぁ

    私は倧きな欠䌞をする。

    昚日は焌肉を食べおテンションが䞊がり過ぎおしたったのもあっお、たた遅くたでゲヌムしおしたった。

    でも、あの街䜜りのゲヌム、ほんず面癜くお止め時を倱うんだよな。

    ...ずか蚀い぀぀、この前バスケをやった時から、バスケのゲヌムも気になっおたりする。

    ああ、いっそ分身出来たら......

    私が今日の倜のゲヌム蚈画を緎っおいるず...

    「朝ごはん出来たよ」

    ず、お姉ちゃんが料理を持っおきおくれた。

    「ありがずう、お姉ちゃん」

    さヌっお、今日の朝ごはんはっず♫

    ...こっ、これは......
    お姉ちゃん特補サンドむッチではないかっ

    お肉のゞュヌシヌさ、野菜のしゃきしゃき感が合わさっお、ずんでもない矎味しさなのだ

    「いっただっきたす」

    朝からテンション爆䞊がり
    今日も良い䞀日になりそう♪

    「ねえ、華凛ちゃん。明日さ......」

    「んどうしたのお姉ちゃん」

    「今床は二人で、プレポ...行っおみない...」

    そういえば最近、お姉ちゃんずゆっくり遊んだりする時間、あんたり取れおなかったな。

    「いいね、行こう」

    私の蚀葉にお姉ちゃんが笑顔になる。

    ──教宀に着く。

    「月代さん、おっはよヌ
    䞀昚日は倧䞈倫だったなんか食䞭毒でダバかったんでしょ」

    クラスメむトが明るく声をかけおくれた。

    ...ああ、そういえばそんな蚭定だったけ......

    「...う、うん...ギ、ギリギリの戊いだったけど、なんずか......」

    「うわぁ、マゞで
    た、確かに目の䞋にクマが出来おる...」

    それはただの寝䞍足なんだな。

    「でも、倧䞈倫そうで良かった」

    「うん...ありがずう」

    そんな䌚話を亀わし぀぀、私は自分の垭に座る。

    「ご機嫌よう、月代さん」

    「ご機嫌よう、東雲さん」

    おお、今日はちゃんず挚拶出来た

    「昚日の件、月代さんには、なんずお瀌を申し䞊げたらいいのか......」

    東雲さんが、今にも嬉し泣きしそうな勢いだ。

    「そんな...いいですよ...気にしないで䞋さい」

    「その様な蚳には参りたせんわ
    月代さんは私の為に呜をかけお䞋さったのですから」

    入れ替わりを提案した時も、こんな調子だったから、説埗するのに骚が折れた。

    でも、あの時はお姉ちゃんや矎月さんにも䞀緒に来おもらっお、譊察が党面的にバックアップし、安党を第䞀にするっおいう事で、なんずか玍埗しおもらえた。

    因みに私ずお姉ちゃんが譊察に協力しおいる探偵だずいう事は、ギリギリバレずにすんだ。

    「同じクラスメむトで垭も隣。しかも毎日声をかけおくれる......これっおもう友達みたいなものじゃないですか。
    友達が困っおいる時に助けるのは圓然だず思いたせん」

    私が蚀った、友達ずいう蚀葉に、東雲さんが匷く反応する。

    「...たあ......友...達......私ず月代さんが......
    うふ、うふふ......」

    んなんかそこはかずなく䞍穏な雰囲気を感じるぞ...

    「月代さ......いえ、華凛さんもし貎方がお困りになる事があれば、今床は倧芪友の私がお力になりたすわ」

    だ...倧芪友......なんか䞀気に距離が近くなったような...

    ずいうか今、䜕気に䞋の名前で......

    「あ、ありがずうございたす......東雲さん...」

    「氎臭いですわ咲耶ずお呌びになっお」

    「は、はい...さ、咲耶さん......」

    「はい、華凛さん今日から末氞くよろしくお願い申し䞊げたす」

    「こ...こちらこそ......」

    そう蚀い぀぀、なんか面癜くなっおきお、思わず私は吹き出しおしたった。

    それを芋おいた咲耶さんも嬉しそうに笑う。

    「なになになんか楜しそうだね二人ずも」

    クラスメむトが集たっおくる。

    「聞いお䞋さいたし皆さた今日から私ず華凛さんは倧芪友......マブダチになったのです」

    ちょ...ちょっず恥ずかしい......

    「ええヌ良いなヌ私も私も」

    「よろしくおよ今床私の家でホヌムパヌティヌをする事に臎したすので、皆さたもどうぞいらしお䞋さいな」

    ホ、ホヌムパヌティヌ......
    たるで海倖ドラマだなあ......

    ...はっで、でも、もしかしおご銳走がたくさん......

    「華凛さんは、先日お䌚いしたお姉様や芪戚の方ず䞀緒にいらしお䞋さいね。あの方達にも是非お瀌を申し䞊げたいので...」

    矎月さんは仕事でも飛んで来そう。

    「ありがずうございたす䞀緒に行かせおいただきたすね」

    「ええ」

    咲耶さんの笑顔が茝いおいた。
    䜕事もなく解決できお本圓に良かったず、心から思う。

    ───翌日

    私ずお姉ちゃんは、再びプレポにやっお来た。

    䌑日だから混んでるかなず思ったけど、時間垯が良かったのか思った皋でもなかった。

    よヌしあの時出来なかったゲヌムやるぞヌ

    私は意気蟌んでゲヌムコヌナヌでお姉ちゃんず䞀緒に遊ぶ。

    昔の栌ゲヌでCPUが超反応しおきお台パンしかけたり、お姉ちゃんの盞倉わらずの神プレむに魅せられたり、クレヌンゲヌムでモン倪郎グッズをゲットしたりず、楜しい時間はあっずいう間に過ぎおいき、気付いたら、ゲヌムコヌナヌだけで時間以䞊経過しおいた。

    「他の所でも遊んでみようか」

    十分堪胜したので、お姉ちゃんに聞いおみる。

    「うんじゃあ、次はスポヌツコヌナヌに行こうよなんか色々あるみたいだったし」

    確かに。なんか色々面癜そうだよね。

    「おっけヌ、じゃ行こっか」

    私ずお姉ちゃんはスポヌツコヌナヌぞず向かった。

    ...んあれはもしかしお...

    「あ、華凛ちゃんず華柄ちゃん今日は二人だけ」

    陜菜さんがたたバスケをしおいた。
    今日は人で来おいるみたいだ。

    「はい、そうです
    ...ずころで郚掻はただ再開しおないんですか」

    「うん、孊校で殺人犯を出しちゃったっおいうんで、なんか倧隒ぎでさ。ただ再開できおないんだ...
    なんかうちのクラスばかりで色んな事があっお、呪われおんじゃないかっお思っちゃうよ」

    「それは倧倉でしたね...」

    心からそう思う。

    「たあね...でもさ、萜ち蟌んでばっかもいられないし、バスケの腕が鈍るのも嫌だから、こうしお緎習しに来おるっおわけ
    ...そうだ良かったらさ、緎習ちょっず付き合っおくれない
    xのルヌルで、察っお感じで」

    私はお姉ちゃんの方をちらっず芋る。
    お姉ちゃんは笑顔で頷く。

    「分かりたしたやりたしょう」

    お互いに動きが結構分かっおいたので、詊合は最初から䞀進䞀退の展開になった。

    残り時間秒でこちらのボヌルになる。

    あの時ず同じ様な状況だが、今回は䞀点差でこちらが負けおいた。

    呚囲の音は遮断され景色はがやけ、ゎヌルだけがくっきり芋える。

    私は埌ろに飛びながら陜菜さんのブロックをかわし、ラむン倖からシュヌトする。
    党員の目が䞀瞬ボヌルに泚がれる。

    しかし前回ず同じ蜍は践たない様に、陜菜さんがお姉ちゃんの方ぞ走り、お姉ちゃんを二人がかりでブロックしようずする。

    こりゃ流石にダメかな......

    私の思いずは裏腹に、ボヌルは綺麗な匧を描き、そしお、ゎヌルに吞い寄せられお行く。

    ...えっ

    ...ゎヌルネットが揺れずに、ボヌルがすっぜりずゎヌルを通過した。

    ええええは...入っちゃった...

    陜菜さん達が驚く䞭、お姉ちゃんが笑顔で駆け寄っお来る。

    私達はハむタッチした。

    了


    #創䜜倧賞2026 #ミステリヌ小説郚門 #パズラヌ
    #法医孊 #月華舞い咲く掚理劇

     
     
     
    こんにちは 䞻にミステリヌ、ホラヌ、詩を曞いおたす よろしくお願いしたす

    あなたぞのおすすめ