
【映画脚本】『サバイバル忍者』最終話
○野営地(夕)
対峙しているサビトと家子。
サビト、走ってまた砂煙を出す。
家子「同じ手は喰らわんぞ!」
家子、投石ひもを振り回す。砂煙が止み、家子の目の前にサビトが現れる。
家子「バカめ!」
とほくそ笑み、投石ひもをぶつける家子。しかし、サビトの姿が消える。
家子「何⁉︎」
家子の頭上にサビトが現れ、短剣を向けている。
家子「学ばん奴め! 素早く動いてもこの家子の目は誤魔化せぬわ!」
家子、頭上のサビトに向かって投石ひもをぶつける。しかし、またサビトの姿が消え……。
家子「な⁉︎ どこだ⁉︎ どこにいる⁉︎」
すると、サビトが現れる。その手には竹筒。
家子「(懐を触り)いつの間に……」
サビト、竹筒に残っていた油を家子にぶっかける。
サビト「お前も燃やしてやらぁ!」
サビト、松明の火を持って家子に投げる。家子はたちまち火に包まれる。
家子「うわぁぁぁぁぁ!!!」
黒焦げになって絶命する家子。
サビト、倒れている厩戸を蹴る。
サビト「起きろ。生きてんだろ?」
厩戸、起きて、
厩戸「なぜわかった?」
サビト「火の粉が飛ぶからピクピク動いてたぜ。ダッセェ」
厩戸「くっ……」
サビト「ま、でも松明に塗った毒によく気づいたな。咄嗟に死んだふりするなんて」
厩戸「お前が仕掛けた罠と同じニオイがしたからな。きっと懐に毒を忍ばせていて、それを松明につけたと思った」
サビト「さすが。頭はいいんだな」
厩戸「あ? 逃げたくせに生意気な口を利きおって」
サビト「こうでもしなきゃあいつを倒せないと思ったからな」
厩戸「そうか……あれでも作戦だったってわけか。だが、守屋には家子よりも力が上の者がいる」
サビト「まだいんのかよ!」
厩戸「来い、サビト。こうなったら総動員でやるぞ」
○高台
森を抜け、歩いてくるサビトと厩戸。
眼下には、馬子の陣地が見える。
厩戸「サビト、あそこには寝床も、美味い飯もすべてある」
サビト、目を輝かせる。
厩戸「人の業も。全てだ」
サビト「?」
○馬子・厩戸皇子の陣地
ふらふらになりながらもやってくるサビトと厩戸。
馬子、厩戸を見つけ、駆けつける。
馬子「皇子様! よくぞ無事で……。む、こやつは?」
厩戸「……志能便だ」
サビト「しのび? 俺はサビトだ」
厩戸「違う。役目の名だ。お前はたった今から俺の志能便だ」
サビト「しのび……」
厩戸「良き報せの入手を志す者……。これから守屋の動向を探るために、もうひと暴れしてもらうぞ」
サビト「……わかった」
サビトと厩戸、遠くに構える守屋の陣地を見つめる。
了