
40代からの歯列矯正記録【28】見え方は一つじゃなかった
4枚目のアライナーになりました。

相変わらず、ぱっと見では大きな変化はありません。
だから最近は、アライナーをはめた瞬間に「どこへ力がかかっているのか」を意識して観察するようになりました。
今回は、左下2番。
キュッと締め付けられるような感覚があります。
この歯は、隣の3番との並びが少し気になっていた場所です。
とはいえ、普段の会話で下の歯までじっくり見られることは、ほとんどありません。
「見えにくい場所だから、ここはまあいいか。」
以前の私は、そんなふうに考えていました。
ところが、矯正を始めてから変わったことがあります。
人が話しているとき、自然と相手の下の歯列まで見るようになったのです。
以前なら気にも留めなかったのに、不思議なものです。
調べてみると、これは**「選択的注意」**と呼ばれる心理現象の一つだそうです。
人は、自分が関心を持っているものほど自然と目に入るようになります。
白蝶貝の四つ葉モチーフのネックレスが気になり始めると、不思議なくらい身につけている人を見かけるようになる。 以前から同じ人数いたはずなのに、急に増えたように感じる。 実際に変わったのは街ではなく、自分の視点だった。
あの現象です。
矯正を始めたことで、私の歯だけではなく、"見るポイント"そのものが変わっていたのでした。
左下2番は、本当は矯正を始める前から少し気になっていた歯でした。
でも当時は、もっと目立つガタつきのほうが気になっていました。
「まずはそこが整えば十分。」
そう思っていたので、小さな乱れには見て見ぬふりをしていたのです。
ところが、大きな歯並びが整い始めると、不思議なことに今度は小さなズレが目に入るようになりました。
部屋を片づけると、一つだけ残った散らかりが妙に気になるように。
整ってくるからこそ、次の課題が見えてくる。
だから今回、左下2番に力がかかっているのを感じたとき、「そこまで計画に入っていたんだ」と少しうれしくなりました。
私が欲深くなったというより、矯正が私の"見る基準"を少しずつ変えてくれたのかもしれません。
上の前歯だけではなく、普段はあまり意識しない細かなズレまで計画に組み込まれている。
見た目には分からない変化でも、歯は今日も少しずつ動いているようです。
歯列矯正で一番大きく変わったのは、
私の見方だったのかもしれない。