134日目:転売ヤーとは何が違う?卸売業・古物商・転売ヤーの手法を比べて見えてくる「商売の本質」
「転売」と聞くと、どんなイメージを持ちますか。
ゲーム機や限定商品を買い占め、高額で売る人。
フリマアプリで利益を出す人。
中古品を扱うリサイクルショップ。
でも、よく考えてみると、どれも「安く仕入れて高く売る」という点では同じようにも見えます。
では、何が違うのでしょうか。
今回は、卸売業や古物商のビジネスモデルと比較しながら、「なぜ転売ヤーだけが問題視されることが多いのか」を整理してみます。
※この記事での用語について
「転売」という言葉は、人によって定義が異なるため、この記事では使用を避けます。以降は、社会的に問題視される買い占めや価格つり上げなどの迷惑行為を伴う手法を「転売ヤーの手法」と呼ぶことにします。
【整理】卸売業・古物商・転売ヤーの共通点

まず最初に、モノとお金の流れだけを見ると、この三者は非常によく似ています。
メーカーや個人から商品を仕入れ、それを別の人へ販売する。
仕入先 → 販売者 → 購入者
この構造だけ見れば、
・卸売業者
・中古ショップ
・古物商
・転売ヤー
すべて同じです。
つまり、「安く仕入れて高く売る」こと自体が悪いわけではありません。
では、それぞれ何が異なるのでしょうか。
【仕組み】卸売業者は何を提供しているのか

まずは卸売業者。
卸売業者は、単に商品を横流ししているわけではありません。
例えば、
・全国への物流
・在庫管理
・小売店への小口販売
・メーカーの営業代行
・資金繰りの支援
など、本来メーカーだけでは難しい役割を担っています。
つまり、流通という価値を提供しているのです。
卸売業者がおることで、メーカーは大量生産に集中でき、小売店は必要な数量だけを売ることに集中できる。
そんなそれぞれの専門家をつなぐことで、消費者も商品を手に入れやすくなる。
それが卸売業者の仕事で価値だと私は感じています。
【役割】古物商は「循環」を作る仕事

では中古屋はどうなのでしょう?
中古屋も流れは似ています。
不要になった物を買い取り、
・状態を確認し
・必要なら修理し
・次の持ち主へ販売する
新品を作るより資源を節約でき、「まだ使える物を必要な人へ届ける」という役割があります。
だから古物営業法も整備され、盗品対策などを行いながら社会の仕組みとして認められています。
こう見ると、卸売業者も、古物商も、売りたい人と買いたい人がいる職業になってますね。
言い換えれば、仕事を求めている人が沢山いて、なくなったら困る人が沢山いる仕事のようです。
【比較】転売ヤーの手法は何が問題なのか

では、転売ヤーの手法は何が違うのでしょうか。
モノの流れは似ています。
しかし、多くの場合問題になるのは、新しい価値をほとんど生み出していないのに、市場を歪めて利益を得ようとすることだと私は思っています。
言い換えれば、転売ヤーの手法に売りたい人が居らず、転売ヤーから買いたい人も・・・0とは言いませんが、本来のルートから買いたい人に比べればほとんどいないはずです。
代表例として挙げられるのは、
① 買い占めによる価格のつり上げ
メーカー希望小売価格を無視し、
大量購入によって供給不足を作り、
欲しい人が高額でしか買えない状況を生みます。
メーカーはお金儲けのためだけに仕事をしているわけではないはずです。
仕事を通して、このような人にこのような価値を届けたい。
そんな思いを抱いているはずです。
だからこそ、仮に本来であれば10,000円で売れる価値があるとします。
企業は努力などで、8,000円で売っても事業が成り立つように製造できるようにしたとします。
その差分の2,000円をどうするかは、企業の自由です。
その分を利益とするのではなく、求ている人に安く提供できるように価格を下げることを選んだならば。
それ以上の価格で売ることは、メーカーの意思を無視した、自分勝手な商売、あるいは迷惑行動ではないでしょうか。
② モラルやコンプライアンスを無視した行動
例えば、
・特典だけ抜き取り、本体を捨てる
・不要になった瞬間に返品する
・店舗ルールを破って大量購入する
・複数人を動員して購入制限を回避する
などです。
もちろん全員がそうではありませんが、このような行為が繰り返されたことで、「利益のためなら何をしてもいい」という印象が出来上がってしまっています。
自分の利益だけを求めるのは、資本主義の本質なのでしょうか?
私は、資本主義とは、あくまでも目標達成や大きな規模で利益を上げるための、方法の一つだと思っています。
資本がある人が正義、利益を上げることが正義、というのは過程の話。
誠実で信頼やモラルのある人のところに資本が集まり、資本がある人は自分の望む事業や社会貢献ができて、その分利益を得る。
そういった循環や流れから外れているところが、転売ヤーの手法が嫌われる要因の一つなのではないかと思います。
【本質】商売は「四方よし」で成り立つ
近江商人には、
「三方よし」
という有名な考え方があります。
売り手よし。
買い手よし。
世間よし。
私は現代では、ここへ「作り手よし」も加えた、四方よしで考えるべきだと思っています。
メーカー。販売者。購入者。そして社会。
誰か一人だけが利益を得て、誰かが大きく損をする仕組みは長く続きません。
だからこそ、法律だけではなく、コンプライアンスやマナーが重要になってくるのでしょう。
【結び】利益ではなく、価値を生み出しているか

商売の基本は「安く買って高く売ること」とは言いますが、買い占めて高値でしか買えないようにしようというのは違くないですかね?
山に自然になっている林檎は、どれだけ美味しくても0円です。
でも、その林檎を町中のお店で買えるように運んでくれれば、そこに価値が生まれます。
よりおいしく作れるようにしても価値が生まれます。
安定して供給できるようになっても価値が生まれます。
だから卸売業者も、古物商も、社会の中で必要とされています。
一方で、利益だけを追い求め、市場や人との信頼を損なうやり方は、長く支持されません。
転売ヤーの手法は、企業やメーカーが、利益を限界まで取ろうとしない、消費者に還元しようとしている分を、搾取しているだけに感じます。
商売も人間関係も、まずは互いに利益のあるwin-winな関係を。
次に自分たちの周りにも利益やいい影響があるwin-winな関係を。
後に何も残らない、その瞬間の利益を生むだけの行動を続けて、いったいどれほど長持ちするのか。
少なくとも私はそんな道を選ぶことはないでしょう。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました٩( 'ω' )و
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