
借金と再生の物語 第4話 浪人中よりも、さらに田舎へ来てしまった。
大学へ入ってからも、私はどこか満たされなかった。
楽しいことがなかったわけではない。
友人もいた。
自由な時間も増えた。
だが、ずっと心のどこかに引っかかっているものがあった。
田舎だった。
とにかく、今いる場所が嫌だった。
浪人時代、県庁所在地の予備校で見た世界。
東京や大阪を目指していた人たち。
私立中高一貫。
医者の子供。
それを知ってしまった後だったからこそ、地方大学の閉塞感が余計に苦しかった。
高校生の頃から、私はファッションにも興味を持ち始めていた。
雑誌を買って読んでいた。
そこに載っている服。
靴。
街。
モデル。
すべてが輝いて見えた。
だが、地元にはそんな店はなかった。
大学のある街にもなかった。
周囲で服に興味を持っている人間も少なかった。
私はよく、雑誌を見ながら思っていた。
本当は、東京や大阪へ行きたかった。
こんな場所へ来たかったわけじゃない。
浪人中よりも、さらに田舎へ来てしまった。
その感覚が、ずっと消えなかった。
大学自体は、正直かなり楽だった。
私のいた学部は、出席を取らない授業が多く、テストで点を取れば単位は取れる。
私は友人にレジュメを見せてもらい、試験だけ受けるような生活をしていた。
高校時代にやっていた吹奏楽を再開しようかとも思った。
実際、サークル見学にも行った。
だが、何かが違った。
熱量を感じなかった。
自分自身も、本気でやりたいと思えなかった。
結局、入らなかった。
全国レベルではない。
そのことも、どこか引っかかっていた。
私は、何かに熱中したかった。
だが、それが見つからなかった。
大学を辞めることも考えていた。
そんな時だった。
入学直後の新歓コンパで一緒だった人間と、たまたま再会した。
彼は、あるサークルへ入っていた。
「毎日サークル漬けだよ。」
そう笑っていた。
聞けば、そのサークルは全国レベルの実績を持っていた。
優勝者まで出しているらしい。
私は活動内容そのものには、そこまで興味がなかった。
だが、地方からでも全国で戦える人間がいる。
その事実に惹かれた。
そして私は、そのサークルへ入ることになった。