見出し画像

仕事が好きじゃない人ほど、働き方にはこだわっていい。僕がそう考える理由

僕は、仕事が好きなほうではありません。

「嫌い」とまで言うと少し強い気もしますが、少なくとも「仕事が大好き」「仕事で成功することが最優先」というタイプではないです。面倒なことはできれば避けたいし、無理して頑張り続ける働き方もしたくない。

こういうことを書くと、「じゃあ働き方に文句を言う資格はないんじゃないか」と思われそうな気がして、少し言いにくさがあります。

仕事に熱意がある人が環境にこだわるのは分かる。でも、仕事が好きでもない人間が「静かな場所がいい」「強いストレスは避けたい」「できれば自分に合った働き方がしたい」と言うのは、ただのわがままなんじゃないか。

以前は、そんなふうに考えることもありました。

でも今は、仕事が好きになれないことと、働き方を選ぶのを諦めることは、別の話だと思っています。

好きな仕事を、一度は諦めている

僕は若い頃、芸人を目指していました。

21歳ごろに養成所へ通い、一度上京して、地元へ戻り、26歳ごろにもう一度養成所に通って再挑戦しました。そして27歳ごろに、その道を諦めました。

その頃までの僕は、正社員としての職歴がほぼなく、コンビニ、スーパー、デリバリー、パチンコ店など、アルバイトを中心に働いていました。

いろいろな仕事をする中で、接客中心の仕事はあまり向いていないこと、体力仕事を長く続けるのも難しそうなことを、少しずつ感じていました。

芸人を諦めたあとに考えたのは、「次は好きな仕事を見つけよう」ということではありませんでした。

年齢を重ねても使えるスキルを身につけたい。努力やスキルが、収入や市場価値につながる仕事をしたい。

かなり現実的な理由だったと思います。

IT業界を選んだ理由に「好き」は入っていなかった

28歳ごろ、僕は未経験からIT業界を本格的に目指し始めました。

大学を1年で中退していて、正社員経験もほとんどなかった僕にとって、資格や技術を身につけることでキャリアを作れる可能性があるIT業界は魅力的に見えました。

スキルが積み上がること。市場価値を上げられる可能性があること。努力次第で給料を上げられる可能性があること。そして、将来的に働き方の選択肢を増やせるかもしれないこと。

振り返ると、この中に「ITが好きだから」は入っていません。

それでも、プログラミングスクールに約60万円を払って通い、ITパスポート、CCNA、Java Silverを取ってから、29歳でIT業界に入りました。

入社後も、基本情報技術者、LPIC Level2、AWSSAAの資格を取り、所属企業のAWS研修にも応募して参加しました。

仕事そのものが大好きだったから、ここまでやったわけではありません。

むしろ、資格や研修に時間とお金を使うことで、少しでも「働き方を選べる側」に近づきたかったのだと思います。

好きじゃなくても、「合う・合わない」はある

IT業界で3つの現場を経験して分かったのは、仕事が好きかどうかとは別に、「自分に合うかどうか」はかなりあるということでした。

僕の場合、ゼロから大きなシステムを開発することよりも、既存のシステムを調べる、不具合の原因を切り分ける、テストする、調べたことを資料にまとめる、運用を改善する、といった仕事のほうが比較的合っていると感じるようになりました。

3つ目の現場で、コードを書くこと以上に、調査やテスト、品質確認、改善提案のような仕事を多く経験したことも大きかったと思います。

環境の面でも、合う・合わないははっきりしていました。

僕はHSPを自認していて、職場の音に強いストレスを感じることがあります。現場ごとに違う種類の音に悩んで、仕事内容や給料だけでなく、自分が集中できる環境かどうかも大事だと考えるようになりました。

高圧的に感じる指導を受けて、強いプレッシャーを感じた時期もありました。

もちろん、これはあくまで僕の場合です。同じ環境でも、まったく気にならない人もいると思います。

好きな仕事を見つけるのは、僕には難しかった。

でも、

「これは比較的続けられそう」
「この環境だとかなり消耗する」

ということは、働いてみる中で少しずつ分かってきました。

仕事が好きじゃなくても、自分に合うものと合わないものを見分けることはできる。

そこを見分けようとすることまで、わがままだとは思わなくなりました。

「楽ならそれでいい」とも思えなかった

仕事が好きではないなら、とにかく楽な仕事を選べばいい。

一見すると、それでもよさそうです。

実際、僕にとって無理なく働けることはかなり重要です。

でも、2つ目の現場では、業務を比較的丁寧に教えてもらえて、仕事内容そのものもやりやすかった一方で、「このまま続けたときに、自分には何が残るんだろう」という不安もありました。

楽だから続けたい。

でも、このままでいいのか。

その二つが同時にありました。

僕は仕事を人生の中心にはしたくありません。それでも、将来の選択肢まで少なくなっていくのは怖い。

だから僕にとって必要なのは、「一番楽な仕事」を探すことではなく、無理なく続けられて、それでも少しずつ選択肢を増やせる働き方なのかもしれません。

働き方にこだわると、選択肢は狭くなる

もちろん、「自分に合う働き方を探せば全部うまくいく」という話でもありません。

条件や働き方を重視して転職活動をしたときは、150社以上に応募して、書類選考で多く落ちました。

希望条件を増やせば、当然応募できる求人は減ります。実務経験があっても、希望どおりの転職が簡単にできるわけではありませんでした。

働き方にこだわることには、それなりの難しさがあります。

それでも僕は、条件を全部手放して、明らかに自分に合わない環境で我慢し続けるほうが、長く働けない気がしています。

全部を叶えるのは難しい。

だからこそ、何でも我慢するのではなく、何なら妥協できて、何だけは妥協すると自分が壊れてしまうのかを知っておくことが大事なんだと思います。

仕事が好きじゃない人ほど、働き方にはこだわっていい

僕が仕事に求めているのは、華やかな成功ではありません。

無理なく続けられること。強いストレスが少ないこと。静かに集中できること。プライベートの時間があること。

そして、できれば少しずつでもスキルや経験が積み上がって、将来の選択肢が増えていくこと。

全部を満たす仕事があるかは分かりません。

それでも、「仕事が好きじゃないんだから、条件まで求めるのは贅沢だ」と最初から諦める必要はないと思っています。

むしろ、仕事そのものに強い情熱を持てない人ほど、自分が消耗しにくい環境を知っておくことは大事なのかもしれません。

もし「仕事が好きでもないのに、働き方を選ぼうとするなんて」と自分を責めている人がいたら、仕事を好きになろうとする前に、一度だけ考えてみてほしいです。

何なら続けられそうなのか。
何に一番すり減っているのか。
何だけは、できれば手放したくないのか。

仕事を好きになれなくても、その答えを持っているだけで、働き方を選ぶときの基準にはなると思っています。

いいなと思ったら応援しよう!