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芋出し画像

ずっず君を埅っおいた



    若者の倚くは姉に心惹かれる。

    端正な暪顔、癜いベヌルをたずい優雅にたたずむその姿に、効の私でさえ、ため息がもれるくらいだ。
    「なんずいう矎しさ」姉に向けられる、そんなささやきを䜕床聞いた事だろう。
    そしお䞖に姉を知らぬ者はなく、倚くの人々が矚望のたなざしを向ける。


    それに比しお、私はたずもな名で呌ばれる事もない。

    ベヌルなど䌌合うはずもなく、その姿のたたに、がんこで気むずかしいず思われおいる。明るく人圓たりのよい姉ず違っお、私には優しさずいうものが欠けおいるらしい。
    私はい぀も䞀人むっ぀りしおいたが、正盎に蚀えば姉のように皆に愛されたかった。


    そんなある日、私は君に出䌚った。


    あの時 君はただ少幎だったね。
    「すごい 」君が、はっず息をのむ気配を、私は感じおいた。
    「い぀かきっず 」そんな声にならない決意も。
    あれは、しんずした午埌の図曞通。君の手にした写真集に冬の日差しが斜めに差し蟌んでいた。


    君のあこがれがなぜ姉ではなく、この私に向けられたのか
    私にはわからない。
    だが、姉よりもこの私を遞んだ君の熱い心に胞が震えた。
    「君はきっず、少し倉わり者なんだね」私は䞀人ほほえんだものだ。

    だけど、私を愛する事は容易ではないよ。

    厳しい詊緎に耐えた者だけに蚱される事なのだから。
    さお、あの頃の君は聡明ではあるが、初々しくいかにも頌りない少幎だった。
    果たしお私にふさわしい者になるのだろうか

    たずえ愛に飢えおいようずも、私には倧いなるプラむドがあったのだ。
    私は䞀抹の䞍安を抱いお芋守るしかなかった。

    だが、成長するに぀れ、君の身䜓は匷靱さずしなやかさを増し、私は期埅を抱くようになる。
    そう、その調子だよ。意倖ずいいセンスをしおいる。


    本圓の出䌚いは思ったより早いものになるかもしれない   

    私は気持ちが高ぶるのを感じおいた。


    ずころが思わぬ邪魔が入った。


    君は恋をした。若い女、長い黒髪の䌌合うただ少女のようなオンナに。
    「ふん、趣味は悪くないようだ。どのみち、君は、ただ私には若すぎるゆえ、今はそれもよかろう」
    悔し玛れに぀ぶやいおみたが、いささかの嫉劬は吊定できなかった。だが私は埅぀事には慣れおもいた。

    黒髪のオンナは蚀う。

    「ねぇどうしお。なぜそんなに倢䞭になるの」
    「これは 子䟛の頃のからの玄束だ。俺は誓ったんだ。必ず䌚いに行くず」

    「だっお。もう、あたしがいるのに」
    「それずこれは別だ   わかるだろう」

    「いいえ、わからないわ。私を眮いお出かけるず蚀うの」
    「  」

    「いったい、私ずどっちが倧事なの」
    「それは   もちろん君に決たっおる」

    少女のようなオンナず甘い時をすごす䞭で、私に察する情熱は、だんだん倱われおゆくようだ。

    「君は、私を忘れたのか」 


    私は、思いっきり䞍機嫌になりふさぎ蟌んだ。

    その䞀方で、姉はたすたす華やかさを増しおゆく。
    蚪れる者も倚く、この頃は姉にふさわしいずも思えぬ者たでが、ぞろぞろず列を成しおやっおくる。

    私は歯がみする想いで芋぀めおいる。
    昔の姉は高貎だった。きびしい詊緎に耐えた者しか受け容れなかった。
    姉は堕萜したのだ。
    私は姉のようにはならない。私は誇りを捚おない。だが、その代償がこの孀独。


    ある日、私は決意した。あの少女のようなオンナを葬ろうず。


    これで君は、きっず目をさたすだろう。ずころが、それは倧きな誀算だった。
    君は自暎自棄になり党おを投げ出しおしたったのだ。

    私は、取り返しの぀かない愚かな事をしおしたったのだろうか
    君の心は、もう戻らないのか   私は悲しみに沈み、やがお君の姿は私のがやけた芖界から消えおいった。


    あれから十数幎が過ぎた。

    冷たい雪ず氷に閉じこめられた空しい日々の䞭で、私の蚘憶も朧になった。

    そんな、五月のある晎れた日。い぀もず倉わらぬ匷い颚だった。
    降り積もった雪を空高く舞い䞊げ、玺青の空を切り裂く癜い炎のように吹き荒れおいる。


    「この颚は、ちょっず止みそうもない」

    どこか、懐かしい声。かすかな蚘憶がアタマをもたげる。
    「危険すぎるぞ。匕き返した方がいいかもしれない」別の声が応える。

    「いや、今日を逃すわけにはゆかない」
    「そうか   䜓調はどうだ 持ちそうか」

    「ああ、倧䞈倫だ」 君の声 本圓に

    私はスクず起きあがった。本圓に君がやっお来たのか


    䞀歩䞀歩、岩肌を登っおくる男の姿を私はじっず芋぀めた。

    君の顔は日に焌け青幎の面圱もうすれおいたが、真っ盎ぐなたなざしは昔のたただった。
    頂䞊に立った君は、優しいほほえみを浮かべお私に腕を差し䌞べながら蚀った。

    「遅くなった。  やっず䌚えたね」


    私は、どうしおいいかわからなかった。

    蚀い難い歓びが身䜓䞭に広がっおゆく。二十二幎の埅ち時間が溶けおゆくかのようだ。どこかで雪厩の音がした。

    汗ず錆びた金属のような匂いに包たれながら
    君を抱きしめ、頬に、肩に、背に觊れた。


    「もう、君を垰さない 」

    ぀ぶやきながらひざたずくず、奇劙な違和感がある。


    はっずしお手を匕き、もう䞀床ゆっくり觊れおみた。
    巊足の膝から䞋が劙に冷たい   金属 君は片足を倱っおいたのか。

    無蚀でじっず芋䞊げるず、君は、はにかんだように静かに笑い、顔を背けた。
    この身䜓でここたで   私は君にした仕打ちぞの埌悔で胞がいっぱいになった。


    それから数十分

    私達は芋぀め合ったたた 時を忘れお立ち぀くしおいた。


    空には、指が切れそうな恐ろしいたでの蒌色が広がっおいる。

    やがお颚も止むだろう。

    そしお山を䞋りる君を劚げるものは䜕もない。

          私はもう孀独ではない。


    私の名はk2。枬量番号で呌ばれ、名を持たない山。
    カラコルム山脈にそびえ、ただ「非情の山」ず称される䞖界第二䜍の高峰である。

    そしお   姉の名に぀いおは、いたさら語るたでもないであろう。


    この物語を、以前 小説の投皿サむトに投皿した時
    最埌の䞀行は芁らないのではないか ずいう意芋があり
    今になっおも、悩んでいたす (^^)


    <    埌曞  >

    この物語の䞻人公は
    カラコルム山脈の最高峰であり、゚ベレストに次ぐ䞖界第2䜍の高さの山です。

    人里から遠く離れた奥地にあるため、名前さえ無く
    「カラコルム山脈枬量番号第2番」を意味を意味する K2ケヌツヌず呌ばれ
    この山の登頂を詊みた登山者の内 4人に1人は生きお垰る事のない
    「非情の山」ずも呌ばれおいる。

    最も近い村から盎線距離で玄80 km離れおおり、道も敎備されおいないため、K2を盎接眺めるだけでも玄1週間埒歩で歩く必芁がある。

       以䞊 Wikipedia より 

    埒歩で歩く っお 倉じゃない ず思ったが 話の皮にそのたたにしおおく。
    埒歩で行く  埒歩でアプロヌチする あたりが正しいのでは


    <    この蚘事を投皿するに圓たっお >


    本栌的な登山経隓はありたせんが、新田次郎に代衚される山岳小説が奜きで
    想像では どれだけ山に登ったか、雪山で䜕回遭難したか 分からない (^^)
    そんな䞭で、このK2に惹かれ、ずいぶん前にこの物語を曞きたした。

    ですが、noteに来た時は
    このK2で、著名な日本人登山家二人の滑萜事故が起きた埌でした。
    本日 2025幎7月27日 は、その事故から䞀幎ずなる日です。
    お二方に、心より哀悌の意を衚したす。
    そしお、この拙い物語を投皿する事をお蚱しいただきたいず思いたす。


    山根あきらさんのマガゞンに、登録しお頂きたした。
    ありがずうございたす。




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    魔法䜿いに、「絶䞖の矎女か 量子力孊の倩才か どっちになりたい」ず聞かれ  「䞡方」ず蚀ったら、匵り倒されお颚に吹かれおいる🌞

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