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海に泳ぐ鯉のぼり 海辺の一家12


    心地よい潮風が浜辺を吹き抜ける。
    晴れた空に、数えきれないほどの鯉のぼりが大きな口を開けて
    今にも海に向かって泳ぎ出しそうだ。

    その下を柴太郎が真っ先に駆けてゆく。
    しっぽをブンブンとちぎれるほど振っている。


    後を追うのは二人の男の子。

    まだ5月だというのにいい色に日焼けした大吾くん、なっちゃんの弟だ。
    もう一人は、ゴールデンウィークに新幹線を乗り継いでやってきた蒼太くん
    二つ年下の従弟になる。
    どっちも清ばあちゃんの孫だ。


    鯉のぼりを見せようと二人を連れて来たじっちゃんは
    後からのんびりと歩いていく。

    「じっちゃ〜ん!」
    遠くの波打ち際で はしゃいでいた二人が手を振った。
    柴太郎は、波しぶきに濡れながら周りをクルクル回っている。

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    地元の浜辺  知人が撮影
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    「やれやれ、元気やのぉ」やっと追いつくと
    「じっちゃん お魚はおらんの?」蒼太が海を見ながら言う。

    「魚かぁ おってもこんな浜では見えん
     向こうの岩場の方に行ってみるか」


    三人はこの先にある小さな入江に向かった。
    通り道には釣り道具のお店が並んで、観光客はここで釣り道具を借りられる。
    先頭を行くのは、やっぱり柴太郎だ。

    岩場の手前で足を止め、堤防の上から水面をのぞき込む。

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    入江に打ちよせる波が小さくうねり
    小魚が群れになって泳いでいるのが見える。

    「お〜 おるぞ 蒼ちゃん見てみ」大吾が指差す。
    「わぁ〜すごい あれ 何?」

    「あれは アジやな」とじっちゃん。
    「食べられるの?」
    「ああ、唐揚げにするとうまいぞ」


    「そうだ 蒼ちゃんに釣りを教えてやるよ」 大吾が言うと
    「ほんと? いつ いつ?」 蒼太は目を輝かせた。

    「そうやなあ、今日はちょっと遅いから、明日もう一回来るか?」
    「うん!」

    「よっしゃ、ばあちゃんが待っとるから、そろそろ帰ろか」

    一行は ばあちゃんのお土産に柏餅を買って
    じっちゃんの運転する軽自動車で、みかん畑の小道を登った。


    <    後書き >

    これは、ひな祭りの時、ひとり寂しい想いをした柴太郎のために、用意したお話です。あの子を自由に駆けまわらせてやりたかったので(^^)

    地元で浜辺に泳ぐ鯉のぼりは、人手不足のため途絶えかけたのですが
    若い消防団員の方が中心になって復活したと聞いています。
    詳細は知りませんが、すべて、ボランティアだと思います。


    #浜辺
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    #潮風
    #波打ち際
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    #新幹線
    #入江
    #釣り道具
    #柏餅

     
     
    魔法使いに、「絶世の美女か? 量子力学の天才か? どっちになりたい?」と聞かれ  「両方!」と言ったら、張り倒されて風に吹かれている🌸

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