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カミサマあーるぴーじー 第九話

    原案 TAYZOU


    著作 偽バッチリー中田


    カミサマあーるぴーじー


    第九話 ヘルメスとその妖精達とアダムの為の思惑


    ギャッギャギャギャンギャギャギヤ……

    ドッダンッドドダンッ……

    ボンボンボンボンボンボンボンボンボンボン……

    yeah! yeah! yeah!……



    (パンドラ)

    、、、、、



    (アダム)

    え、あっ、ああ、、、えっ、う嘘だろ、、、



    (ヘルメス)

    ああらあらあらあら、、、いやーどうも、、、
    こりゃあ、とんでもない場所に来ちゃったね



    セキュリティースタッフに案内された部屋の扉を開いた瞬間、ヘルメス達の目に飛び込んできたのは想像を絶する世界だった



    (セキュリティースタッフ)

    それじゃあ、ゆっくりと楽しんでおいでよ



    ドンッ……カチャッ



    (ヘルメス)

    おお、いたいたドリビオだ



    (ドリビオ)

    ヘルメス様、、、ごめんなさい



    (アリス)

    あらーヘルメス様、遅かったじゃないですか?



    (アダム)

    うわあっ!
    ちょ、ちょっと何て格好してるんですか?



    (カルメン)

    ほらほらほらほら、あんた達もこっち来なさいよ



    (パンドラ)

    カルメンまで、、結構酔ってるわね?



    (カルメン)

    酔ってないわよ
    私が酒じゃ酔わないの知ってるでしょう?



    (パンドラ)

    お酒ではね



    (イバラ)

    ドリピオ、、、私の服、何処なの?



    (ヘルメス)

    お楽しみのところ水刺しちゃったかな


     
    ヘルメス達のいる部屋はテニスコート二面程の広さのダンスホールで、裸の男女がバンドの演奏に合わせて踊り狂っていた



    (アダム)

    うっわあ、あっちこっちで、、、もう見てられないよ



    (ヘルメス)

    酒池肉林てのはこの事だね



    (アリス)

    楽しめば良いだけじゃない



    (ドリピオ)

    アダムは妻帯者だから駄目ですよ



    (カルメン)

    人間はお人形さんなんじゃ無かった?



    (ドリピオ)

    どちらにしたって駄目ですから



    (カルメン)

    軽く触れ合うだけなんだから良いじゃない



    (アリス)

    そうよねえ、ヘルメス様



    (パンドラ)

    ええ、せめて下着姿にはならないとね



    (イバラ)

    どうしちゃったのパンドラ?



    (ヘルメス)

    この格好だと逆に目立っちゃうからね



    (イバラ)

    アハハハ、なるほど



    (ドリピオ)

    僕は脱ぎません



    (アリス)

    お子ちゃまは大丈夫よ



    (ドリピオ)

    もう、誰がお子ちゃまですか



    (アダム)

    ちょ、ちょっと、なっ何するん、、、



    (カルメン)

    ボヤッとしてないで早く脱ぎなさいよ



    (ヘルメス)

    ここってずっと調子なの?



    (ドリピオ)

    こうなったのは、、えっと、確か一時間くらい前からです
    バンドが出てきた途端にみんな服を脱ぎ出して



    (ヘルメス)

    で乱行パーティーに?



    (ドリピオ)

    演奏が始まると人間達がキスしたり抱き合いだして、、、気付けばこの状態に



    (アダム)

    こんな状態じゃ調査どころか、、、



    (ヘルメス)

    それがさ、そうでもないんだよ



    (客の女)

    あらららら、良い男見つけた
    ねえ、私と良い事しようよ



    (アダム)

    わあ、、ちょっと、やめて下さいよ、、あなた誰ですか、、、



    (客の女)

    可愛いわね、恥ずかしがってんの?
    だけど、こっちの方はギンギンじゃない



    (アダム)

    あ、ああ、ちょっ、そこは、、、や、やめて下さい



    (ドリピオ)

    お姉さん、それぐらいにして下さい
    彼は既婚者なので



    (客の女)

    あら、坊屋が私の相手してくれるの?



    (ドリピオ)

    結構です
    それに坊屋じゃありません



    (アリス)

    ウフフフフ、ちょうど暇してたの



    (カルメン)

    私達二人相手じゃ物足りないかしら?



    (客の女)

    ウフフフ、こんなご馳走何年ぶりかしらね



    (アリス)

    美味し過ぎてとろけちゃうわよ



    (客の女)

    坊屋、また後でね



    (ドリピオ)

    もう僕の前には現れないで下さい



    (カルメン)

    それじゃあね、ドリピオ



    (ヘルメス)

    ああ、行っちゃったね



    (アダム)

    もう、、この部屋から出ましょうよ



    (ヘルメス)

    いやいや、手ぶらじゃ帰れないだろ?



    (ドリピオ)

    せめてお土産くらいは持って帰らないと、ここまで来た意味が無くなります



    (アダム)

    お土産って?



    (パンドラ)

    ヘルメス様、そろそろ



    (ヘルメス)

    ああ、時間だね



    (アダム)

    え、、えっ?



    (イバラ)

    、、、音が止まったね?



    (ドリピオ)

    時間が止まったんです



    (アダム)

    えっ、どうして?
    何々何々?



    (パンドラ)

    《カミサマあーるぴーじー》経由で地球の時間を一時的に停止しています



    (アダム)

    時間を停止、、、



    (ドリピオ)

    ヘルメス様は凄いんです



    (ヘルメス)

    ああ、いや、、ま、まあ、そうかな、ハハ



    (パンドラ)

    私達の仕業ではありませんよ



    (アダム)

    え?



    (ヘルメス)

    ハハハ、古い友人に頼んでおいたのさ



    (アダム)

    古い友人、、まさか、禁断の果実?



    (ヘルメス)

    違う違う、正式な手続きだよ



    (ドリピオ)

    ツクヨミさんですよね



    (アダム)

    ツクヨミ、、クロノスとカイロス論文のツクヨミ?



    (ドリピオ)

    《カミサマあーるぴーじー》の時間を司るのは伝統的にオリベッティ出身者、現在の長はツクヨミさんです



    (アダム)

    オリベッティ?



    (イバラ)

    時間の概念の基礎になったクロノスとカイノスの定義が生まれた村ってのがオリベッティなの



    (ヘルメス)

    へえ、詳しいね、イバラ



    (イバラ)

    あ、えっと、、実は、、、元彼がオリベッティ出身でして、、、



    (パンドラ)

    フッ



    (イバラ)

    あ、鼻で笑った?



    (パンドラ)

    ごめんなさいね、つい



    (ドリピオ)

    ヘルメス様、時間停止を依頼したって事は?



    (ヘルメス)

    ああ、ゆっくり喋ってる場合じゃ無いね



    (アダム)

    これも作戦なんですか?



    (ドリピオ)

    思いつきで時間停止なんて出来る訳ないでしょう
    全宇宙に知れ渡りますよ



    (アダム)

    全宇宙!



    (イバラ)

    アダムってさ、意外と鈍感だよね



    (ドリピオ)

    私達の世界、、、少なくとも地球担当エリア全体の住人には知れ渡ります
    全宇宙は大袈裟でした



    (アダム)

    ああ、そうか、、、《カミサマあーるぴーじー》が一旦停止してるんだもんな



    (カルメン)

    オラー、こっちは何匹か見つけたよ



    (アダム)

    カルメン、アリス、、、



    (パンドラ)

    ご苦労様でした



    (アダム)

    ん、、遊んでたんじゃないの?



    (カルメン)

    あのね、こんな辺鄙な所まで遊びになんて来ないわよ



    (アリス)

    どうして時間止めちゃうのかしら?
    丁度、良い所だったのよ



    (パンドラ)

    で、ターゲットは?



    (カルメン)

    今頃はビーチに集まってるんじゃない



    (ヘルメス)

    よし、それじゃあ始めようか



    (アダム)

    どういう状況?
    さっぱり分からないんですが



    (ドリピオ)

    要するに時間停止で止まってるのは人間達、止まってないのは《カミサマあーるぴーじー》外部の何か?
    ですね



    (アダム)

    、、、、、



    (ドリピオ)

    もう、分からず屋ですね



    (イバラ)

    ちょっと意味が違う気がするけど?



    (ヘルメス)

    アダム、こっちに来てくれるかい?



    (アダム)

    あ、はい



    (パンドラ)

    私達はビーチへ向かいますね



    (ヘルメス)

    ああ、頼んだよ



    (イバラ)

    ん、ヘルメス様は?



    (ドリピオ)

    さっさと店から出ましょう
    この臭い、、、そろそろ限界です



    (アリス)

    良い香りじゃない
    この獣の荒々しい血と汗の匂い、全身に纏っていたいわ



    (ドリピオ)

    変態女ですね



    (カルメン)

    ちょっと失礼だよ、ドリピオ
    変態女じゃなくて、変態大女神だから



    (ドリピオ)

    意味は同じでしょう



    (アリス)

    変態界を蹂躙出来るのね
    ソワソワしちゃうわよ、アッハハハハ



    (パンドラ)

    、、、早く行きますよ



    (ドリピオ)

    はいはい



    (アリス)

    私の可愛い獲物ちゃん達、大人しくしてるかしら?



    (イバラ)

    、、、、、
    私、何でこのチームに配属されたんだろ?



    (ドリピオ)

    イバラは単純に優秀だからです
    余り気にしない方が精神衛生的に良いですよ



    (イバラ)

    ありがと



    ➖ ヘルメスとアダム ➖

     
    (アダム)

    どうしました?



    (ヘルメス)

    そろそろ、ラブシンジゲートと君の関係を話して欲しいんだよね



    (アダム)

    、、、、、



    (ヘルメス)

    君の奥さんも関係してるんだろ?



    (アダム)

    それは、関係って言うか、、、



    (ヘルメス)

    僕を信じて欲しい、、説得力に欠けるけどさ



    (アダム)

    分かりました
    知ってる事は全部話します



    (ヘルメス)

    ありがとう、助かるよ



    (アダム)

    エルと出会ってから、、、一緒に生きていたいと考えるようになったんです



    (ヘルメス)

    、、、、、



    (アダム)

    《カミサマあーるぴーじー》の規則でエルは俺の事も、、、思い出も全て忘れてしまう



    (ヘルメス)

    それがルールだからね



    (アダム)

    それで、、、



    (ヘルメス)

    それで?



    (アダム)

    エルに全部話そうって



    (ヘルメス)

    なるほどね
    だけど、話しても記憶は消されてしまうだろ?



    (アダム)

    はい、、、



    (ヘルメス)

    でも、二人は再会し愛し合う
    偶然じゃないよな?



    (アダム)

    エルに全部話して受け止めて貰えたんです
    エルが記憶を残す方法があるんじゃないかって言い出して、一緒に考えました



    (ヘルメス)

    ほーう



    (アダム)

    夢の中に記憶を残せるかも知れないと思いついたんです



    (ヘルメス)

    なるほどね、稀に記憶が薄ら残ってたり、突然蘇ったりするケースはあるし、その時は夢にすり替えるのがデフォルトだ



    (アダム)

    はい、、、それで夢にインパクトを残す為に二人で夢の物語を作って毎晩見るようにしました



    (ヘルメス)

    インパクトが強ければ記憶にも残りやすい



    (アダム)

    かなり時間をかけて二人で協力したんです
    嘘みたいですが、俺とエルは夢の中でも会えるようになりました



    (ヘルメス)

    そりゃあ凄い
    そんな事が実際出来るなんて、興味深い



    (アダム)

    信じられないでしょうけど



    (ヘルメス)


    いや信じるよ、だけど現実では君からエルに会いに行けないだろ?



    (アダム)

    偶然にエルが俺に会いに来る事は可能でしょう


    (ヘルメス)

    まあ、エルが自主的に動いているならば《カミサマあーるぴーじー》のシステム上でも問題無いだろうね

    記憶が無い前提の話だけどさ



    (アダム)

    今でもエルは夢の中で見た俺を、、、過去の二人の思い出は全部夢だと思っています



    (ヘルメス)

    やるな、法の網目を上手く利用したって訳か



    (アダム)

    そうです



    (ヘルメス)

    だけど君はエルとの間に子供を作ってしまった
    これは見逃せない事象だよ



    (アダム)

    凄く幸せでした、生まれて初めて生きている実感を得たんです
    だから家族だけは絶対に俺が守るって決めたんです



    (ヘルメス)

    出来ちゃったものはどうしようもないよ

    時代が時代なら全て無かった事にされてただろうな



    (アダム)

    俺は神の世界と絶縁し、地球で生きて行く事に決めました



    (ヘルメス)

    実際はそんなに簡単じゃないんだけどさ

    それでラブシンジゲートとは?



    (アダム)

    ラブシンジゲートの事は地球に住むようになって知りました



    (ヘルメス)

    君が調査員だった頃だね



    (アダム)

    そう、まだエルとも再会してない頃



    (ヘルメス)

    エルとの再会はラブシンジゲートを介して?



    (アダム)

    ラブシンジゲートとエルは関係ありません



    (ヘルメス)

    ふーん、そう



    (アダム)

    《カミサマあーるぴーじー》の調査員として、ギリシャの大学に潜入していた時です



    (ヘルメス)

    大学に潜入か、、なるほどね



    (アダム)

    大学では文化系、スポーツ系、ボランティア系なんかの学生クラブを掛け持ちしてました



    (ヘルメス)

    学生クラブって何するの?



    (アダム)

    色々ですよ
    学術系の政治寄りのクラブやガチガチのスポーツ系だとガッツリ本気で活動してますしね



    (ヘルメス)

    アダムはガツ活じゃ無かったんだね



    (アダム)

    え、ガツ活って何です?



    (ヘルメス)

    ああ、ごめんね
    若い人は言葉を略すってドリピオに聞いたからさ
    変だったかな?



    (アダム)

    ヘルメスが若者言葉を気にするなんて、アハハハ



    (ヘルメス)

    時代に置いてかれないようにしないとね
    意外に叔父さん達も頑張ってるんだよ



    (アダム)

    頑張んなくっても大丈夫ですよ
    そもそもガッツリ活動なんて単語はありませんからね
    たまたまノリで口から出た造語なんだし



    (ヘルメス)

    そうだったのか、、頑張って恥かいちゃったね



    (アダム)

    ガッツリ活動でガツ活、、、カツカツに聞こえましたしね



    (ヘルメス)

    アハハハハハ、空耳だな

    それじゃあ、話をラブシンジゲートに戻そうか



    (アダム)

    あ、脱線しちゃいましたね、すみません

    掛け持ちでクラブに顔を出してると、時々パーティに誘われるんですよ



    (ヘルメス)

    パーティって?
    ここみたいな感じかい



    (アダム)

    ここまでカオスじゃないです
    でも、あの頃は若かったので結構はしゃいでましたね



    (ヘルメス)

    そのパーティに関係あるんだ



    (アダム)

    それが、、、



    ➖ アダムの大学時代 ➖


    ドンツカドンッチキッドンツカドンドンッ……



    (大学の先輩A)

    ねえ、君?



    (アダム)

    ん?
    何ですか?



    (先輩A)

    君、うちの学校の一回生だよね?



    (アダム)

    え?
    音が煩くて聞こえないんです



    (先輩A)

    本当、煩いよね
    このパーティ、音が悪いから煩くて話せないんだよ



    (アダム)

    ああ、、そうなんですか、、、俺クラブ初めてなんで



    (先輩A)

    クラブって言うかさ、これじゃあお遊戯会だよね



    (アダム)

    え、泳げ愉快?
    何て言いました?



    (先輩A)

    アハハハ、ごめんごめん
    まともに話も出来ないね



    (アダム)

    はあ、、すみません



    (先輩A)

    謝んなくて良いよ、悪く無いんだし

    ちょっと場所変えない?



    (アダム)

    あ、はい、、もうちょっと静かな所に



    (先輩A)

    ああ、俺はジェイコブ
    君は?



    (アダム)

    アダム



    (ジェイコブ)

    アダム君、宜しくね



    (アダム)

    うん、宜しく、ジェイコブ



    (ジェイコブ)

    とその前に、、、酒買ってくるよ
    アダムは何飲む?



    (アダム)

    ああ、俺は水で



    (ジェイコブ)

    水?



    (アダム)

    ちょっと、飲み過ぎちゃったから



    (ジェイコブ)

    大丈夫?



    (アダム)

    うん、大丈夫だよ



    (ジェイコブ)

    そう、なら良いけど
    それじゃあ、あっちのフロアで待っててよ



    (アダム)

    あっちのフロアって?



    (ジェイコブ)

    真っ直ぐ行けばチルアウトルームがあるから



    (アダム)

    チルアウトルーム?



    (ジェイコブ)

    ここよりはゆっくり話せる部屋だよ



    (アダム)

    分かった、先に行ってるよ



    ➖ チルアウトルーム ➖


    メインフロアを出てトンネルの様な廊下を通り過ぎた先にチルアウトルームがある
    ミッドセンチュリーモダンなソファが幾つも置かれていた
    どこかサイケデリックな雰囲気も漂っている部屋だ



    (アダム)

    、、、、、

    〈へえ、不思議な雰囲気の部屋だな〉



    (マリア)

    ねえ?



    (アダム)

    ?



    (マリア)

    あなた、見ない顔だね



    (アダム)

    ああ、友達に誘われて来たんだけど、クラブなんて初めてだから



    (マリア)

    フフン、可愛い



    (アダム)

    、、、あ、ありがとう



    (マリア)

    私はマリアよ



    (アダム)

    俺はアダム



    (ジェイコブ)

    おいおい、もうナンパしてんのか?



    (アダム)

    いや、違うよ



    (マリア)

    そうよ、挨拶してただけ



    (ジェイコブ)

    見かけによらず手が早いな、へへへ



    (マリア)

    そっか、友達ってジェイコブだったのね



    (アダム)

    あ、いや、、、



    (ジェイコブ)

    俺達もさっき知り合ったばっかりだよ

    あ、ほら水



    (アダム)

    ありがとう
    幾らだった?



    (ジェイコブ)

    良いよ、水くらい



    (マリア)

    お酒飲めないの?



    (アダム)

    あ、いや、、飲めなくはな、、、



    (ジェイコブ)

    飲み過ぎたみたいでさ、一旦クールダウンて感じかな



    (マリア)

    ジェイコブ、、あんたに聞いてないの
    前々から言ってるけどねえ、あんたのそう言うところ、、、



    (ジェイコブ)

    はいはい、分かりました
    割り込んでごめんなさい、、、許してえ



    (マリア)

    まあ、言ったとこで何も変わらないだろうけど



    (アダム)

    クスクス



    (マリア)

    で、私のお酒は?



    (ジェイコブ)

    はい、どうぞ



    (マリア)

    ありがとう
    察しが良くて気は利くんだけどね



    (ジェイコブ)

    有難いお言葉、光栄です女王様



    (マリア)

    まあ、良いわ

    えっと、アダムは学生よね?



    (アダム)

    うん



    (マリア)

    ジェイコブの後輩ちゃんかな?



    (ジェイコブ)

    そう、アダムはホヤホヤの一回生
    美味そうだろ?



    (マリア)

    そう、新米ちゃんなの、、、確かに美味しそうな匂いしてるね、ウフフフフ



    (ジェイコブ)

    アダム、気を付けないとガブリといかれるぜ、へへへ



    (マリア)

    もう、人を肉食獣みたいに言わないでくれる



    (アダム)

    マリアはうちの大学なの?



    (マリア)

    うん、今は大学院に出入りしてる



    (アダム)

    え、嘘、、、ジェイコブより歳上なの?



    (マリア)

    ちょっと、違うわよ!
    ジェイコブは浪人も留年もしてるから、この叔父さんと一緒にしないで



    (ジェイコブ)

    叔父さんて、、、まだ二十代なんだけど



    (アダム)

    、、、、、



    (ジェイコブ)

    何、にやついてんだよ



    (アダム)

    あ、、じゃあ、俺達の出会に乾杯しようよ



    (マリア)

    ウフフ



    (ジェイコブ)

    そうだな、、三人の出会いに乾杯っ!



    (マリア)

    会ったばかりなのに、、私達気が合うかもね



    (アダム)

    そうかもだね



    (ジェイコブ)

    そうそう、アダムの友達は何処にいる?



    (アダム)

    ここに着いた時に連絡が入って、今日は来れないんだって



    (マリア)

    えっ何よ一人ぼっちじゃないの、可哀想に



    (ジェイコブ)

    でも、よく一人で入って来れたよな



    (アダム)

    ここまで来ちゃったしさ、折角だからね
    大学に入って最初の大冒険だね



    (ジェイコブ)

    友達、どうしてドタキャンしたんだろうな?



    (アダム)

    子供が熱出して医者に行くって言ってたよ



    (マリア)

    それはしょうがないわよね、、、って、お母さん女子大生なの?



    (ジェイコブ)

    その友達って一回生だよね?



    (アダム)

    ああ、うん、、出産と育児で休学してたらしいんだけどね



    (マリア)

    ママ一回生か、、リスペクトだね



    (ジェイコブ)

    でもまあ、お陰で俺達友達になれたんだ、ママ一回生と赤ちゃんに感謝しなきゃね



    (アダム)

    もう五歳だよ



    (マリア)

    えっ、そうなんだ



    (ジェイコブ)

    だったら、俺と同い歳かも知んねえな

    その娘、今度紹介しろよ



    (アダム)

    何よ、もしかして狙ってんの?



    (ジェイコブ)

    違うよ、馬鹿だな



    (アダム)

    シングルマザーだよ



    (ジェイコブ)

    えっそうなの?



    (マリア)

    ほらね



    ➖ 現在へ ➖


    バー、ロスビーチボーイズ



    (ヘルメス)

    なるほどね、そのマリアとジェイコブがラブシンジゲートへの入口になってるか?



    (アダム)

    うん、、まあ、そうですね



    (ヘルメス)

    アダムはラブシンジゲートって組織をどう思う?



    (アダム)

    みんなが勘違いしているのはラブシンジゲートは組織や団体の名称じゃないんです



    (ヘルメス)

    どう言う意味なんだい?



    (アダム)

    確かに集会のようなパーティが定期的に行われたり、それを運営する団体だってあります
    ネットワークだって世界中に広がってる



    (ヘルメス)

    この場所だって正にそうだよな



    (アダム)

    ラブシンジゲートは概念なんですよ



    (ヘルメス)

    概念ねえ、、、僕達がどうしてラブシンジゲートの調査に乗り出したのか?
    分かってるかい、アダム



    (アダム)

    まあ、それは、、、はい、多分



    (ヘルメス)

    僕達の世界の役割が根底から崩れる訳じゃ無いけどさ、ダムの決壊の原因になり得るって判断したからだよ



    (アダム)

    、、、、、



    (ヘルメス)

    君とエル、、そして、グレコの問題もそう
    これが通常化し始めるとかなり厄介なんだ
    分かるだろ?



    (アダム)

    はい、、何故、違法なのかも理解してるけど、、、



    (ヘルメス)

    君の気持ちは分からないでもないさ

    やってみなきゃ分からないし、もしかしたらポジティブな未来に進むかも知れない



    (アダム)

    、、、だったら



    (ヘルメス)

    だけどリスクはあるよ、絶対にね
     
    この問題のメリットを天秤にかけた上で決まった事さ
    我々はリスクは取らないってね

    そして世界の決定に従うのが僕達だよ



    (アダム)

    協力はしますよ、、約束なんでね



    (ヘルメス)

    ありがとう



    (アダム)

    父さんや爺さん達はラブシンジゲートをどうする気なんですか?



    (ヘルメス)

    さて、まだ何も分かっちゃいないしね
    今回の調査報告次第で判断するんだろ



    (アダム)

    俺の知ってる人達は良い人ばかりなんです
    誰もが幸せに生きていける世界を目指してる



    (ヘルメス)

    そうなんだろうな、、、だけど問題はそこじゃ無いんだと思うよ



    (アダム)

    助けてあげないと、、せめてジェイコブ達でも



    (ヘルメス)

    、、、、、



    ➖ アダムの大学時代 ➖


    アダムがジェイコブ達と知り合ってから一月ほど経ったある夜



    (マリア)

    ハァーイ、アダム



    (アダム)

    やあ、マリア



    (マリア)

    あれ、ジェイコブはまだなの?



    (アダム)

    今日は人と会うって言ってたよ
    大学も休んでたしね



    (マリア)

    そんなの聞いてないわよ
    私に黙って誰と会ってんのよ



    (アダム)

    ジェイコブだって色々あるだろうさ
    それにマリアは恋人じゃ無いんだしね、フフッ



    (マリア)

    あら、私達は大親友よ
    こんな美人の友達をほっといてさ、悪い輩に攫われたらどうすんのよ!



    (アダム)

    確かに二人は親友だよね
    だけど君はレズビアンだし、マーシャルアーツの元大学チャンプを攫う男なんて滅多にいないだろ?



    (マリア)

    だけど絶対なんて無いわよ



    (アダム)

    いや、相手が人間だったら確率ゼロだね



    (マリア)

    人間だって特殊なタイプもいるじゃない、ジェイコブみたいなさ



    ブーブブーブーブブー……



    (アダム)

    おっ、噂のジェイコブからだ



    (マリア)

    嘘、、怖っ



    (アダム)

    ジェイコブ?

    ああ、そうだよ

    うん、マリアなら隣に、、、

    ああ、分かったよ

    うん、それじゃあ後で



    (マリア)

    何だって?



    (アダム)

    くしゃみが止まんないから、俺の噂してんじゃないかって



    (マリア)

    出た!超能力、、本気でキモイんですけど



    (アダム)

    小一時間で行くから待ってろだってさ



    (マリア)

    結局、来るのよね



    (アダム)

    クックックク



    (マリア)

    ん、、何笑ってんの?



    (アダム)

    アハハハ、初めて会った時の事思い出してさ



    (マリア)

    ああ、、あの日ね
    かなり酔ってたし、、あんまり覚えて無いのよね

    変な事言ってたかな、私?



    (アダム)

    マリアが俺にさ「アダムって人間じゃ無いよね?」って聞いてきた時は本気でビビったよ



    (マリア)

    ああ、それは覚えてるよ
    だって初対面なのに私の事が見えてるんだもん



    (アダム)

    アハハハ、ジェイコブとは普通に話してたしさ
    まさか君が人間じゃないなんてね



    (マリア)

    まあ、ジェイコブは異常者だから



    (アダム)

    異常者って言い方!



    (マリア)

    本当の事でしょう



    (アダム)

    超能力者とか霊能者とか他の言い方もあるだろ?



    (マリア)

    お化けじゃないもん、私



    (アダム)

    俺もだよ



    (マリア)

    アダム達の存在って、、えっと、カミサマ何とかってシステム上はどうなってんの?



    (アダム)

    えっ!
    何で知ってるの?



    (マリア)

    え、何が?



    (アダム)

    《カミサマあーるぴーじー》の事



    (マリア)

    あんたが寝てる時に言ってだんだよ



    (アダム)

    嘘でしょう、、、俺が寝言で?



    (マリア)

    アハハハ、嘘嘘



    (アダム)

    もう、変な嘘言わないでよ



    (マリア)

    アハハハ、うちの世界とあんたのとこは昔から色々あるみたいだよ
    アダムは知らないんだね



    (アダム)

    うん、外の事は何も聞いてないから、、他にも世界がある事だって都市伝説だと思ってた



    (マリア)

    ふーん、何で黙ってんだろうね?



    (アダム)

    何でだろ、、、必要ないからかな?



    (マリア)

    何でも知ってる訳じゃ無いけどさ、あんた達が地球を創った事ぐらいは知ってるよ



    (アダム)

    、、、、、



    (マリア)

    一般常識よね



    (アダム)

    一般常識なんだ、、、マリアは何しに地球へ?



    (マリア)

    クスクス、、どっかで聞いた台詞だな

    何をしにか、、、
    そうだね、、暇つぶしかな



    (アダム)

    えっ、暇つぶし?



    (マリア)

    アハハハ、アダムが色々話してくれるから、私も教えちゃおっかな



    (アダム)

    聞きたい、教えてよ



    (マリア)

    簡単に言えば、異文化交流ね



    (アダム)

    異文化交流、、、俺達で言う研修留学みたいな感じだね



    (マリア)

    ふーん、そんなのあるんだ
    多分、、ちょっと違うのはねえ



    (アダム)

    うん



    (マリア)

    私らの場合はハイブリッド作っちゃうのよ



    (アダム)

    ハイブリッドって?



    (マリア)

    子供よ



    (アダム)

    ええ!



    (マリア)

    そんな驚く?



    (アダム)

    そりゃ驚くでしょう?



    (マリア)

    何でよ、異生物同士が出会って愛し合って家族が増えて繁栄するんだよ
    ウィンウィンでしょう、違う?



    (アダム)

    そうかも知れないけど、、、でも人間は俺達が作った生物で、、俺は、、、



    (マリア)

    ああ、そっか
    地球ってアダム達からするとジオラマみたいな存在なのか、、、なるほど複雑だね



    (アダム)

    、、、そうなんだよ、複雑なんだ



    (マリア)

    ん?



    (アダム)

    、、、、、



    (マリア)

    なんか急に顔色が変わったね?



    (アダム)

    え、、そう、マリアの話で動揺したのかな?



    (マリア)

    フフン、、、



    (アダム)

    何?



    (マリア)

    フフフフ、、エルって誰?



    (アダム)

    えっ、、その名前、、、



    (マリア)

    はい動揺した
    アハハハ



    (アダム)

    どうして知ってるの?



    (マリア)

    ウフフフフ、寝言だよ
    これは本当に



    (アダム)

    、、、、、



    (マリア)

    幸せそうな顔でさ、「良い夢見てんなあ」ってジェイコブも言ってた



    (アダム)

    ジェイコブが?



    (マリア)

    で、、エルってどんな娘?
    紹介してよ



    (アダム)

    え、あ、、、素敵な人、だよ



    (マリア)

    そう、会ってみたいな



    (アダム)

    会えないよ
    もし会ってもさ、彼女にはマリアの姿は見えないだろ?



    (マリア)

    フンフン、そこはやり方次第でどうにかなる



    (アダム)

    やり方次第?



    (マリア)

    そう、方法はあるんだよねえ



    (アダム)

    どうするのか教えてよ



    (マリア)

    うーん、、そうだな、、、その時が来たらね



    (アダム)

    、、、、、



    (マリア)

    だけど、どうして会えないの?
    振られちゃった?



    (アダム)

    振られちゃいないよ



    (マリア)

    ふーん、地球人なんだね



    (アダム)

    何で?



    (マリア)

    そりゃあ、話の喰いつきが違うんだもん



    (アダム)

    そうかな、、いつもと変わらない筈だけど



    (マリア)

    アハハハ、いつもはこんなに前のめりじゃ無いからさ
    アダムって輪の外側で話してる感じなんだよね



    (アダム)

    、、、、、



    (マリア)

    エルとは何処で出会ったの?



    (アダム)

    研修留学で日本の学校に行ったんだ



    (マリア)

    うっわあ、純愛だ
    キュンキュンさしてくれんね

    初恋?



    (アダム)

    うん、、初めて人を好きになった



    (マリア)

    会いたい?



    (アダム)

    てかさ、俺ばっかり話してるし、、狡いよ



    (マリア)

    青春やってんなって思ってね



    (アダム)

    そんなんじゃないよ



    (マリア)

    ジェイコブ、遅いね



    (アダム)

    まだ二十分も経ってないよ

    俺も話したんだし、マリアの事も教えてよ



    (マリア)

    私の事?



    (アダム)

    うん



    (マリア)

    大したエピソード無いけどな



    (アダム)

    何でも良いからさ、マリアの故郷の話とか?



    (マリア)

    うーん、故郷っての無いんだよね



    (アダム)

    故郷が無いって?



    (マリア)

    私らってさ、ずっと旅してるって言うかね
    生まれた時からあちこち転々としてるんだよね



    続く


    #創作大賞2026
    #ファンタジー小説部門

     
     
    こんにちは偽バッチリー中田です 2024年11月あたりから小説を書いてます アルファポリスでも少しだけアップしています 現在は同時進行で何作品か連載中です 1972年2月21日生まれ 兵庫県出身 日本人男性 A型 @nisebatirinakata(Instagram)

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